AIDCAS(アイドカス)は、セールスライティングに特化したフレームワークで、主にLP(ランディングページ)の制作時に用いられます。LP制作にAIDCASの考え方を取り入れることで、ユーザーのニーズに合わせて価値ある情報を提供できます。その結果、CVRの向上や販売促進など、LPの成果拡大に寄与します。
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本記事では、AIDCASの概要やステップごとの特徴を解説します。LP制作におけるAIDCASの活用方法も詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
AIDCASとは
AIDCAS(アイドカス)とは、消費者の購買行動の流れを表すフレームワークです。「Attention(注意)・Interest(興味)・Desire(欲求)・Conviction(確信)・Action(行動)・Satisfaction(満足)」の6ステップで構成されています。
購入して終わりではなく、ユーザーが満足感を抱くことをゴールとしており、カスタマーサクセスの考え方も取り入れられているのが特徴です。
AIDCASをはじめとする購買行動モデルは、商品・サービスの認知から購買までの各ステップにおいて消費者のニーズを明らかにする、マーケティングの一環として活用されています。例えば、AIDCASのほかにも、AIDMAやAISASなどのフレームワークが存在します。
AIDCASの場合は、マーケティングのなかでもセールスライティング、特にLP制作の構成を考える際に有効です。AIDCASを活用すれば、単体ページのなかで商品・サービスの認知や購買意欲喚起を図り、よりスムーズなアクションへとつなげられます。
AIDCASの6つのステップ
AIDCASを構成する6つのステップは次の通りです。
- Attention(注意):商品やサービスを認知するステップ
- Interest(興味):商品やサービスに興味を抱くステップ
- Desire(欲求):商品やサービスへの興味が高まり、より強い関心を示すステップ
- Conviction(確信):商品やサービスが自身にとって必要だと確信するステップ
- Action(行動):商品やサービスを購入するステップ
- Satisfaction(満足):購入した商品やサービスに対して満足感を得るステップ
AIDCASの6つのステップについて、LP制作の流れを例にあげて詳しく解説します。
1. Attention(注意)
Attention(注意)は、ユーザーが商品やサービスを認知するステップです。
LPの冒頭では、まずユーザーの注意を引き付ける必要があります。最初に注意を引くのは、ページからのユーザーの離脱を避けるためです。
LP制作の分野では、ユーザーの行動傾向を示す表現に「3秒ルール」と呼ばれるものがあります。3秒ルールとは、ページを見た瞬間に続けて閲覧するか、それとも離脱するかを3秒程度で判断するという行動パターンです。そのため、印象的なキャッチコピーやアイキャッチ画像などを配置し、ユーザーの注意を引き付けることが大切です。
2. Interest(興味)
Interest(興味)は、商品やサービスの詳細を知って興味を持つステップです。
大々的なキャッチコピーを見たユーザーは、次に商品やサービスの特徴を知りたくなります。商品・サービスのメリットや競合他社との違いなどを紹介することで、興味を持ってもらいやすくなります。
Interestのステップで訴求する内容は、Attentionの段階で提示したキャッチコピーを裏付ける根拠になります。「なぜキャッチコピーに記載されていることが実現できるのか」という理由を知ることで、ユーザーからの理解を得やすくなるでしょう。
3. Desire(欲求)
Desire(欲求)は、商品やサービスを手に入れたいというユーザーの欲求を引き起こすステップです。
ユーザーは商品やサービスの特徴を理解したからといって、即座にアクションを起こすわけではありません。「その商品やサービスを使ってどのようなことができるのか」、あるいは「どのような課題が解決できるのか」と、自分事として捉えることではじめて購買意欲の醸成につながります。
そのため、ユーザーの視点に立ったベネフィット(商品・サービスを利用すると得られる恩恵・便益)と、自社商品・サービスの強みを上手く絡ませて訴求することが重要です。
また、商品やサービスを購入した後の未来の姿を、明確なメッセージとして伝えるのも一案です。「肌トラブルが解消されて毎日鏡を見るのが楽しくなる」など、ユーザーの悩みがどのように解消されるのか、相手の立場でメッセージを発信すると良いでしょう。
4. Conviction(確信)
Conviction(確信)は、商品やサービス購入に対する迷いや障壁を取り除き、決断を促すステップです。
欲求を刺激し、購買意欲を高めても、意思決定を行うにはまだ不十分だといえます。ユーザーのアクションを促すには、その商品・サービスが自身にとって有益であるという根拠を示し、「買っても良い」という確信を生み出すConvictionのステップが不可欠です。
Convictionの段階では、商品・サービスに対する第三者からの評価をアピールするのが効果的です。特に、実際に自社商品・サービスを利用した顧客の声は、信頼感があります。
ただし、あまりにも良い面ばかりが紹介されていると、情報操作を疑われてしまう可能性があるため、デメリットを織り交ぜるのも方法のひとつです。そのほか、商材によっては第三者評価機関が認定した資格や、有識者の意見などを掲載する方法もあります。
5. Action(行動)
Actionは、商品やサービスを購入するステップです。
どれだけ購入の意思を固めても、少しでも不安があると実際の行動につながりません。そこでActionのステップでは、購入前の不安を取り除くようにアクションの後押しを行います。LP制作の分野では「クロージング」と呼ばれています。
クロージングでは、ユーザーのアクションにつなげるための条件を提示することが重要です。その条件には、「限定・特典・保証」の3つの種類があります。
- 限定:
限定性や希少性は、いますぐ行動を起こさなければならない気持ちを奮い立たせる心理的側面がある。「24時間限定セール」「100名様限り」などのコピーが該当する。 - 特典:
特典を付けるとお得感が生まれるため、購買を後押しする方法として効果的。具体的には、割引キャンペーンやクーポン、ノベルティなどがあげられる。 - 保証:
現物を見て判断できない、あるいは試用できない商材は、どれだけ魅力的な内容でも、どうしても購入前に不安が残る。返金・返品保証や成果保証などのオファーを提示すれば、ユーザーの不安を解消し、スムーズな購買につなげられる。
6. Satisfaction(満足)
Satisfactionは、商品やサービスに満足したユーザーがリピーター化するステップです。
AIDCASは、ユーザーがアクションを起こした後、満足感を高める施策で締めくくります。顧客満足度を向上させてリピート購入や拡販につなげるのが狙いです。加えて、顧客によるSNSでの情報拡散が期待できるため、新規顧客の創出につながる可能性も考えられます。
具体的な方法としては、リピーター限定のクーポンやキャンペーンの提供、またはアフターサービスを充実させる施策があげられます。BtoBビジネスでは、顧客が商品やサービスを自立的に利用できるよう伴走支援を行うカスタマーサクセスが、顧客満足度の向上に効果的です。
AIDCASを活用したLPの構成例
前述した各ステップの特徴をまとめると、次のようなLP構成図となります。
ここでは、女性用コスメ商品を例にあげて、ステップごとの訴求方法を紹介します。
1. キャッチコピー
- 忙しくて美容に時間をかけられない女性に向けた時短美容法
- わずか20秒でできるスキンケア
2. 商品・サービスの特徴
- 短時間でスキンケアができる秘密は「○○」の独自成分にあり
- ミネラル成分が充実した天然鉱石をクレイ状に加工
- マイナス電位を持たせつつ滑らかな泥状に加工しているため、還元力を保持
3. ベネフィット・未来の姿
- 化粧水やフェイスクリームを塗らなくても、お肌がしっとり
- 難しい技術不要で、塗ってから20秒後に洗い流すだけ
- 「毎日鏡を見るのが楽しみ」が実現
4. 顧客の声
- 当商品は多くの著名人からもご愛用いただいております
- 「スピーディで手軽だから長続きするし、本当に感動!」
5. クロージング
- 通常価格5,000円のところ、初回のみ30%オフ!
- 1,000円分の関連商品プレゼント
- 15日間の返金保証あり
6. リピート購入促進
- 3か月定期コースへのお申し込みでさらに20%オフ!
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AIDCASの法則を用いてLPを最適化しよう
LP制作に役立つフレームワークには幅広い種類がありますが、なかでもAIDCASは、ユーザーが商品やサービスの購入・申し込みに至るまでのプロセスにおいて、より合理的な流れで構成されています。そのため、ユーザーにとっても納得感を得やすく、スムーズなアクションへとつながります。
AIDCASを最大限に活用するには、今回紹介したステップごとの特徴をよく理解することが大切です。AIDCASを用いてLPを作成し、CVRやリピート率の向上につなげましょう。