CCCMとは?MAとの違いやメリット・導入する際のポイントを解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)は、顧客にOne to Oneで最適なアプローチをする手法の一つです。広義ではMA(マーケティング・オートメーション)にあたりますが、定義がわかりづらいと感じている方もいるのではないでしょうか。

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この記事ではCCCMの基本的な知識からツールを導入するメリット、注意点やMAとの違いなどをわかりやすく解説します。CCCMについての知識を得たい方はぜひお読みください。

CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)とは

CCCMとは、クロスチャネル・キャンペーン・マネジメントの略称で、複数のチャネルを使って顧客にOne to Oneで最適なアプローチをする手法のことです。なお、チャネルを一元管理するソフトウェアのことを「CCCM」と呼ぶこともあります。

それぞれの意味を紐解くと、次のようになります。

  • クロスチャネル:複数のチャネル(顧客との接点:Webサイト、ECサイト、アプリ、SNS、メール、LINE、広告、実店舗など)
  • キャンペーン:マーケティング・プロモーション
  • マネジメント:管理

CCCMは、プロモーション施策を展開するために、あらゆる接点から顧客へのOne to Oneで最適なアプローチを行います

具体的には、Webサイト上でのユーザーの行動履歴、位置情報、属性、SNSアカウントの情報などを取得し、それぞれの顧客の行動や状況に合わせてシナリオを作成します。そのうえで、最適なチャネルから最適なタイミングでプロモーションを実行する仕組みを構築し、アプローチを行う流れです。
 

CCCMとMAの違い

CCCMには、チャネルを一元管理するソフトウェアという意味もあるため、MA(マーケティング・オートメーション)と混同されがちです。

MAは、セグメント別のメルマガ配信など、マーケティング業務の一部を自動化するツールです。CCCMは広義でのMAに含まれますが、MAがBtoCとBtoBのどちらにも用いられるのに対して、CCCMは顧客にOne to Oneでアプローチすることを目的としているため、主にBtoC向けのツールといえます。

 

CCCMが重要視されている背景

CCCMが重要視されている背景として、次の3つの要素があげられます。

  • 顧客の購買行動の変化とチャネルの多様化
  • One to Oneマーケティングの価値が高まっている
  • 顧客データの一元管理化
     

顧客の購買行動の変化とチャネルの多様化

顧客の購買行動はインターネットの普及によって大きく変化し、すべての購買行動がオンライン上で完結することも増えています。また、オンラインで情報収集が可能になったことから、購買行動の多様化も見られるようになりました。

最終的に購買に至る場所も、実店舗からオンライン上の自社EC、プラットフォームEC、ソーシャルコマースなど多様化しています。

企業と見込み客のタッチポイントも、Webサイト、メール、SNS、アプリのプッシュ通知、LINE、オンライン広告、ウェアラブル端末など、さまざまなものが考えられます。

このように、購買行動とチャネルが多様化したことにより、マーケティング活動は、より複雑化しています。しかし、企業から発するメッセージには一貫性を持たせなければなりません。そこで重要になるのが、情報を1か所に集約して管理することです。

複数のチャネルを通じて顧客にアプローチするCCCMは、多様化する消費者のニーズに対応するうえで欠かせない手法といえるでしょう。
 

One to Oneマーケティングの価値が高まっている

One to Oneマーケティングとは、顧客を「個」としてとらえて、それぞれのニーズに合った施策を行うマーケティング活動のことです。

テレビCMや新聞、雑誌などのマスメディアを活用したマスマーケティングは、幅広く認知を拡大するうえでは強力な手法です。しかし、顧客が収集できる情報が増え、嗜好やニーズが細分化された現代においては、見込み客を「集団」ではなく「個」と考えるマーケティング活動の必要性が高まっています。

CCCMを通じてOne to Oneのコミュニケーションをすることで、顧客との信頼関係を構築でき、長期間リピーターとして商品やサービスを利用してもらうことにつながります。結果として、顧客のLTV(生涯顧客価値)の最大化も期待できるでしょう。

 

他ツールとの顧客データの連携

DMPとCCCMの連携により効果的なマーケティング施策を行えるようになります。DMP(Data Management Platform)とは、マーケティングのためのインターネット上のさまざまな情報データを管理するためのプラットフォームのことです。

DMPで活用できるデータの種類は、Webサイトのアクセスログ、顧客データ、広告データ・来店記録、オフラインデータなど多岐にわたります。見込み客のWeb上での行動履歴や問い合わせ履歴、属性情報などを管理することで、One to Oneマーケティングに役立てることが可能です。

また、サイトの閲覧履歴から購買に至るまでの現状のステータスがわかり、顧客の理解の促進にも役立てられるでしょう。
 

CCCM導入のメリット

CCCMを導入するメリットは主に次の3点です。

  • 見込み客に最適なアプローチができる
  • 業務効率化につながる
  • 部署間での連携を強化できる
     

見込み客に最適なアプローチができる

CCCMを導入すると、ユーザーの行動履歴から、それぞれのニーズがわかるようになります。データをもとにしたOne to Oneのアプローチを行うことでミスマッチが減り、効果的なプロモーションを実施できるのがCCCMの大きなメリットです

顧客に応じて柔軟に細分化された施策を実施できるため、結果としてROI(投資利益率)の向上にもつながるでしょう。
 

業務効率化につながる

マーケティング施策を実施するにあたって、リードの精査や適切なアプローチの選定などをマンパワーで行うと、膨大な作業量になります。CCCMツールはマーケティング業務の自動化に対応しているため、業務効率化につながります。例えば、次のような業務の自動化が可能です。

  • 顧客情報の一元管理
  • 効果的な広告の選定
  • マーケティング分析

自動化によって人件費が削減できるほか、効果の高い広告に費用を集中して投下することで、費用対効果を高められます。
 

部署間での連携を強化できる

CCCMツールには、顧客の属性や商談履歴、購入履歴といった情報を一元管理する機能があります。ツールに保存した情報は部署を越えて共有できるため、マーケティング部門や営業部門、カスタマーサービス部門など、顧客と接点がある部門の連携強化が可能です。

マーケティング部門で確度の高い見込み客を醸成し、評価したうえで営業チームに引き渡すといった戦略が実現するだけでなく、各部署による視点をかけ合わせた効果的な戦略立案も期待できます。

このように、部署間の連携力を強化できる点もCCCM導入のメリットでしょう。
 

CCCMを導入する際のポイント

CCCMは、次の3つのポイントを踏まえて実施しましょう。

  • 導入の目的を明確にする
  • 運用体制を整備する
  • PDCAのサイクルを回す

それぞれのポイントについて解説します。
 

導入の目的を明確にする

CCCMツールを導入する際は、目的を明確にしましょう。実現したい目標によって適切なツールが変わってくるためです。

導入目的の一例として、既存で行っているメルマガやLINEの配信を強化したい、まだ参入できていないチャネルへの新規参入を進めたいなどがあげられます。

目的が複数ある場合は、優先順位を付けることも重要です。どの施策に力を入れたいのかや、優先度があまり高くない施策のカバーができるかなども踏まえて選定できると良いでしょう。
 

運用体制を整備する

CCCMを導入することを決めたら、自社で運用する体制を考える必要があります。どの部署がメインとして担当するかを決め、システムの管理をしなければなりません

社内で運用体制を完結できる形が望ましいですが、自社で適切に運用するには知識と技術が必要になるため、実際には難しい場合もあります。

株式会社日立ソリューションズで行われたMA・CCCM導入済み企業への調査は、8割以上の企業が専門の運用体制を確立していることが明らかになっています。自社運用に課題が多いのであれば、外部ベンダーの活用(協業)も選択肢の一つでしょう。
 

PDCAのサイクルを回す

CCCMの施策を実行したら、PDCAのサイクルを回してブラッシュアップしていくことが大切です。

CCCMへの取り組みを開始した時点では、顧客に提供するシナリオを仮設定したにすぎません。必要に応じて追加や修正を行い、改善につなげていくことで、CCCMが最適化されます。
 

CCCMを導入して顧客に最適なアプローチを実施しよう

CCCMは、多様化する顧客の購買行動を踏まえたOne to Oneマーケティングを実施するうえで、欠かせない施策です。

見込み客にマッチしたプロモーションを実施することにより、信頼関係が強化され、見込み客が顧客になる頃にはブランドへのロイヤルティが形成されているでしょう。見込み客がどのチャネルを経由して購買行動に至ったとしても最適な体験を提供できるよう、CCCMに取り組み、継続的に施策を改善していくことが重要です。

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