メルマガは、多くの企業にとって読者との重要なコミュニケーション手段です。読者にとっては有益な情報の取得源になる一方で、煩わしい存在になる場合もあります。読者がメルマガを不要だと感じたときに配信停止ができるよう、企業は動線を整える必要があります。
また、配信が停止されると企業は読者との接点を絶たれるため、継続して読んでもらえるような有益なコンテンツを作成するなど改善を図り、関係性を深めるための工夫が求められます。
本記事では、メルマガの配信停止を容易にできるようにしておくべき理由や、配信停止の方法を解説します。配信停止が増える原因と対策についても解説しているので、メルマガ運用の担当者様は、ぜひ参考にしてください。
メルマガの配信停止を容易にできるようにしておくべき理由
メルマガは、読者との関係性を深めるための重要なコミュニケーション手段です。そのため、「容易に配信停止できないようにした方が良いのでは?」と考える企業担当者様もいるかもしれません。しかし、不要なメルマガを送り続けられることは、読者にとってストレスとなってしまいます。
ここでは、メルマガの配信停止を容易にできるようにしておくべき理由を解説します。
オプトインオプトアウトの明記の義務(特定電子メール法)
第一にあげられる理由が、特定電子メール法による規制です。広告や宣伝を目的とするメルマガの送信者には特定電子メール法が適用され、オプトイン(受信に対する事前承諾)が義務付けられています。承諾なしにメールを配信すると違法となります。
また、送信者の表示義務も定められています。具体的には、送信者情報(氏名または名称、住所、問い合わせ先情報など)やオプトアウト(受信拒否)が可能である旨の表示と配信停止用リンクやメールアドレスを本文に記載しなければなりません。
読者満足度の向上・信頼関係の構築
メルマガの配信停止が容易にできる場合、読者はやめたい時にいつでもやめられるので安心して登録できます。状況に応じて読者が受信するかどうかを選択できるようにしておくことが重要です。
一方、容易に停止できないケースでは手続きが煩わしく、企業イメージが下がる可能性があります。配信停止の導線を整えて、信頼性の維持に努めましょう。
メルマガ配信停止方法の種類
一般的に、メルマガの配信停止方法には次の2種類があります。
- フォームから停止する方法
- 空メールを送り停止する方法
フォームから停止する方法では、停止用のページとフォームを用意しておき、読者がフォームにアクセスしてメールアドレスなどの必要情報を入力すると、配信が停止されます。
空メールを送信する方法はさらに2つに分かれ、特定のメールアドレスに空メールを送信するだけで配信が停止する方法と、空メールを送ると停止用ページのURLが返信され、フォームに必要情報を入力することで配信が停止する方法があります。
どの方法を採用するにしても、容易な操作で配信停止できるようにしておくことが重要です。
メルマガ配信停止の動線
読者が容易にメルマガを配信停止できるように導線を整えましょう。主な方法は次の2つです。
- メルマガ本文に配信停止ページへのリンクを設置する
- サービスのマイページに配信停止できる機能を設ける
メルマガ本文に配信停止ページへのリンクを設置する
メルマガ本文に配信停止ページやフォームへのリンク、メールアドレスを記載することで、読者は直接手続きができます。メールアドレスなど最小限の入力で停止できるよう設定しておくと、読者のストレスを軽減できるでしょう。
メルマガには次のような文面とともに、配信停止用ページやフォームへのリンク、配信停止用メールアドレスを記載してください。
▼フォーム入力タイプの文面例
メルマガの配信停止をご希望の場合は、お手数ですが下記のURLよりお手続きをお願いいたします。
配信停止がシステムに反映されるまで、メルマガが送信されることがございますが、何卒ご容赦ください。
▼空メール送信タイプの文面例
メルマガの配信停止をご希望の場合は、お手数ですが下記のアドレスに空メールを送信してください。
〇〇〇@〇〇
サービスのマイページに配信停止できる機能を設ける
サービスのマイページにメルマガの配信設定機能を設けるのもおすすめです。メルマガにはマイページへのリンクを設置すると良いでしょう。この場合、マイページにログインするためにログインIDやパスワードが必要になります。労力はかかりますが、日常的にマイページを利用しているユーザーに有効です。
メルマガの配信停止ページでできる工夫
メルマガは、企業や組織が顧客とのコミュニケーションを強化し、情報を提供する重要な手段です。しかし、読者がメルマガの受信を停止したい場合に手続きがわかりにくければ、顧客満足度は低下する可能性があります。
ここでは、顧客の利便性向上と満足度の低下を防ぐために配信停止ページでできる工夫について解説します。
配信停止ページへのリンクはわかりやすい場所に設置
読者が配信停止ページに容易にアクセスできるよう、メルマガのわかりやすい場所にリンクを設置しましょう。手続き時間や労力がかかると読者はストレスを感じるため、企業イメージの低下につながってしまいます。読者がスムーズに手続きできるよう、入力フォームをページ上部に設置するなどの工夫も大切です。
登録中のメルマガをわかりやすく表示
読者に対して登録中のメルマガを分かりやすく示すのも重要です。インターネット通販のように、複数の企業を取り扱っている場合は、ユーザーが登録中のメルマガを一覧にし、不要なメルマガを容易に停止できるように工夫しましょう。
購読中のメルマガの内容がわかりにくいと、購読中のメルマガがすべて解除される可能性があります。一覧で示せば必要かどうかを個別に判断しやすくなり、不要なメルマガだけを解除してくれるでしょう。
配信停止の理由をアンケート集計
配信停止理由のヒアリングは、メルマガの改善に役立ちます。停止の手続き時にアンケートを実施し、不満や要望など読者の声を収集しましょう。
このとき重要なのは、回答は任意とする点です。早く配信停止したい読者はアンケートが強制だと煩わしく感じるでしょう。また、記述式ではなく選択式にするなど、容易に答えられるようにすると回答の可能性が高まるでしょう。
代替案の提案
読者がメルマガを停止しようとする理由は多岐に渡ります。配信頻度が多すぎて煩わしく感じたのかもしれませんし、内容に興味・関心がなくなったのかもしれません。
読者の離脱を防ぐためには、代替案を提供しましょう。例えば、配信頻度を月一回に変える、受け取る情報をお得な情報配信のみにするなど、選択できるようにすることで「必要な情報であれば受け取ろう」と継続してもらえる可能性が高まります。
メルマガの配信停止が増える原因と対策
メルマガの配信停止が増加する要因と対策を考える際は、読者がメルマガを購読する理由や配信を停止する理由を理解することが大切です。
よくある配信停止されてしまう理由を解説しますので、自社のメルマガが配信停止される理由を見極め、対策を行いましょう。
コンテンツの質が低い
コンテンツの質が低いと、読者は期待した情報を得られずに不満を感じます。読者のニーズに応えられるよう、読者が求める情報や悩みを把握し、良質なコンテンツを提供することが大切です。ターゲット層を見直し、どのような属性なのか、具体的に生活スタイルや嗜好を設定してみましょう。
また、文章がわかりにくい、字がつまっているなど形式的面にも注意が必要です。次の解決法を取り入れて改善を図ってください。
▼解決法
- メルマガを配信する目的やターゲットを再考する
- 嗜好や年代などでグループに分けた配信リストを作る
- リピート率の高さや読者の年代、職業などで内容を変え、セグメント配信する
- 読みやすくするためにテキストメールでは箇条書きや装飾、HTMLメールでは画像を適度に盛り込む、フォントのデザインや色を変えるなど、視覚的な工夫をする
具体的なメルマガの作成方法や、テキストメールとhtmlメールの違いについてはこちらの記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
メールの頻度が多すぎる・少なすぎる
読者にとって適切な配信頻度を検討しましょう。配信頻度が多すぎると煩わしさを与え、少なすぎると興味は失われやすくなり、配信停止を招く可能性が高まります。
自社の商品やサービスの購入頻度や単価やユーザーの購入頻度に応じて、メルマガの配信頻度を設定することが必要です。例えば、単価が低く購入頻度が高い消耗品に関するメルマガは週1回程度、業務に関連するサービスの紹介は月に1、2回程度にするなどです。実際に配信頻度を変えて読者の反応を検証しながら、最適な配信頻度を決定しましょう。
▼解決法
- 自社で扱う商品やサービスの単価やユーザーの購入頻度に応じた配信頻度を設定する
- 配信頻度を変えてみて、最適な配信頻度を探す
宣伝が過剰である
宣伝が過剰だと読者は「売り込まれている」と感じ、企業に対するネガティブイメージを抱きかねません。メルマガに広告要素を含むときは他の内容とのバランスに留意しましょう。
宣伝を含める際は、商品やサービスの使用例や口コミなど読者の悩みを解決するコンテンツを提供することが重要です。単なる宣伝ではなく価値のある情報と受け取ってもらえれば、継続して読んでもらえるでしょう。
▼解決法
- 読者の悩みを解決できるコンテンツを配信する
- 読者が求める価値のある情報を提供する
メルマガの配信停止は容易にできるようにしよう
メルマガの配信停止は避けたいものですが、特定電子メール法の定めにより本文への配信停止方法の明示が義務付けられています。また、満足度を向上させ信頼関係を構築するためにも、配信停止のわかりやすい表示が求められます。
一方で、メルマガは読者との重要なコミュニケーションツールであるため、できるだけ配信停止されないよう、対策も必要です。「メルマガの目的やターゲットのニーズに沿った配信ができているか」「読者にとって有益なコンテンツであるか」「ターゲットや商品・サービスの属性に適した配信頻度か」など、を検討し、継続的に改善を図りましょう。
読者に有益なメルマガだと感じてもらえれば、自社への満足度や信頼が高まり、長期的な関係性が構築できるでしょう。