SNSが普及した現在においても、メルマガは費用対効果が高く容易に始められるプロモーション手法として多く利用されています。ブランド認知度の向上や新商品の訴求などの販売促進を目的に、メルマガを導入したいと思う方もいるのではないでしょうか。
メルマガの効果を最大化するには作り方を理解し、読者のニーズに応えられる価値あるコンテンツを適切に配信することが大切です。
本記事では、初心者でも実践できるメルマガの作り方をステップごとに解説します。また、読んでもらえるメルマガのポイントもご紹介します。メルマガ作成のノウハウや経験にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
メルマガ作成のステップ
読んでもらえるメルマガを作るには作り方を理解し、読者の興味を引けるようコンテンツや構成を工夫することが大切です。
ここでは、企画(配信前の準備)、コンテンツ作成、配信、評価の4つのステップを解説します。
メルマガ作成前の準備
メルマガの作成に準備をしておくと、コンテンツ作成や配信、評価を容易に進められます。主にしておきたい準備は次の5点です。
- 目的の明確化
- ターゲットの絞り込み
- 配信リストの作成
- 形式の決定
- テンプレートの作成
目的の明確化
まずは、メルマガの配信目的を明確にしましょう。目的を明確にすることで、配信すべきターゲット層やコンテンツの内容が定まります。
目的を決める際は、「開封率~%にする」という数値目標ではなく、何を達成したいのかを言葉に表しましょう。例えば、次のような目的が挙げられます。
- 売上機会の創出
- 情報提供・問題解決のサポート
- 自社のファン化
目的によって、配信するコンテンツの内容は変わります。例えば、売上機会の創出を目的にメルマガを配信する場合は、メルマガ購読者限定のクーポンやサンプル申込の案内を送ることで読者の興味を喚起し、購買につなげられます。
ターゲットの絞り込み
メルマガはターゲットに最適なコンテンツを届けることで、その効果を最大化できます。つまり、自分事だと思い読んでもらうためにも、メルマガのターゲットを絞り込む必要があります。
そこで、先に設定した配信目的や、自社が売り出したい商品やサービスの訴求先となるターゲットを設定しましょう。例えば、50代女性に向けたスキンケア商品の販売促進を目的とする場合のターゲットは50代女性となります。50代女性に起こりやすい肌トラブルに関する情報や商品の使用例、口コミなどをコンテンツとして配信すれば、50代の読者は自分事のように感じ、また、肌トラブルを解決するために読んでくれる可能性が高まります。
配信リストの作成
続いて、配信リストを作成します。配信リストは、既存顧客の情報を基に作成するリストと新規でメルマガに登録した見込み客の情報をもとに作成するリストの2種類があります。リストを分けることでターゲットの属性に応じた情報を配信でき、満足度の向上につなげられます。
既存顧客の配信リストは、ターゲット選定のステップで年齢や職業、嗜好などの属性や行動履歴によって分けましょう。
一方、自社のWebサイトにメルマガ登録用フォームを設置して、見込み客リストを作成するのも有効です。また、MAツール(マーケティングオートメーションツール)を使えば、自社サイトに訪れたユーザーの情報をリスト化することも可能です。自社に関心を持っている企業の担当者にのみメルマガを配信できるため、効果的なアプローチが行えます。
なお、メールを正確に届けるためにも、入力ミスの起きやすいエクセルなどのOAツールよりも、メール配信ツールを使用するのがおすすめです。情報漏洩リスクの軽減や効率化も図れるでしょう。
形式の決定
メルマガの形式には、HTMLメールとテキストメールの2種類があります。どちらの形式で配信するのかを決めましょう。それぞれの特徴は次の通りです。
- HTML形式:文字色やサイズなどのスタイルを変更できる。画像やCTAボタンの挿入によって視覚的な訴求が可能
- テキスト形式:テキストのみで構成されシンプルで読みやすい。メルマガ初心者でも作成しやすい
どちらの配信形式にもメリット・デメリットがあります。配信目的やターゲットの属性、コンテンツの内容などにあわせて、自社のメルマガにとって適切な形式を選びましょう。
テンプレートの作成
メルマガをテンプレート化することによって次のようなメリットを得られます。
- 統一感が出る
- 作成時間を短縮できる
- 効果測定がしやすくなる
構成をテンプレートにすれば、コンテンツを変更するだけで新たなメルマガ原稿を作れるため、作業効率が向上します。
また、同じ構成で配信するメルマガは読者のことを考えているともいえます。毎号の構成が決まっていると欲しい情報がどこにあるのかがわかりやすく、ストレスなくメルマガを読めるからです。
さらに、異なる構成でメルマガを配信して、どちらのほうが開封率やクリック率が高いかを測定することも可能です。
メルマガのコンテンツ作成
メルマガの構成は大きく、件名(タイトル)・ヘッダー・リード文・本文・フッターの5つに分けられます。
それぞれ意識すべき点や作成の進め方を解説します。
件名(タイトル)
件名は、読者がメルマガを読むかどうかを決定する重要な要素です。メルマガの内容をコンパクトにまとめ、次のポイントを意識しながら作成しましょう。
- 15~30文字以内を目安にする
- 冒頭15文字以内に重要な情報を入れる
- キャッチコピーを入れる(新発売、期間限定など)
- 読者の名前を入れる(〇〇様におすすめの新製品など)
件名が短すぎると内容がわかりにくくなる一方で、長すぎると画面に表示しきれない可能性があります。スマホからアクセスする読者もいるため、表示が途切れないように30文字以内におさえましょう。
また、「2日間限定セール!」のように緊急性や重要性を感じさせると、読者の興味を引くことができます。さらに、「〇〇様におすすめの新製品」のように、ツールを用いて読者の名前が表示されるようにすると親近感や特別感を演出でき、読んでもらえる可能性が高まるでしょう。
ヘッダー
ヘッダーは、メルマガを開封して最初に視界に入る部分です。件名や号数、テーマなどを記載して読者の興味を引きましょう。
ヘッダーの記載自体もテンプレート化しておくと、毎号同じ形式で配信できます。記号や枠線などを使って視覚的にわかりやすくすると良いでしょう。
リード文
リード文は、本文へとつなぐ挨拶の役割を果たします。読者が1通のメルマガに費やす時間は平均して7秒間、70?140文字であり、読者の大半は、件名とリード文の前半で読み続けるかどうかを決めているといわれます。
そのため、リード文には読者の悩みへの共感や時事ネタ、本文を簡潔にまとめた内容を盛り込んで興味を引き付ける必要があります。
本文
本文は、メインコンテンツとも呼ばれ、目次や読者に伝えたい情報を記載します。
販売促進やイベント案内など読者の行動を促す目的でメルマガを配信する場合は、本文に商品購入ページやイベント申込ページなどへのCTA(Call to Action)要素を盛り込みます。このとき留意したいのが、売り込みを前面に押し出すのではなく読者にとってのメリットを盛り込むことです。自分にとって価値のある情報だと感じたときに読者は行動を起こすからです。
本文に掲載するコンテンツは、年代や職業などのターゲット層やリピート率の高さによって変えるのをおすすめします。よりニーズに沿ったコンテンツを届けることで、読者は価値を感じやすくなります。また、冒頭に結論を書いたり、読みやすいように箇条書きや改行を使ったりして、読者に伝わりやすくなる工夫をするのも有効です。
また、本文の最後には締めとなるクロージングを記載します。訴求したい内容を再度強調したり、読者に対するお礼を述べたりすると良いでしょう。あとがきとしてメルマガ配信者の最近の出来事などを紹介することで、ファン化につながることもあります。
フッター
フッターには、配信者の社名や担当者名、住所、問い合わせ先、メルマガを受信拒否できる旨(配信解除のリンクなど)を記載します。
これらの内容は、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)」において義務付けられているため必ず記載しましょう。
配信
正しい情報を読者に届けるためにも、配信前にテスト配信を行いましょう。その際、メルマガが正しく表示されているか、誤字脱字はないか、リンクを掲載する場合はURLが誤っていないか、正しく遷移するかなどを確認しましょう。予約配信をする場合は、配信日や時間の確認も行ってください。
なお、PCやスマホなど端末により表示内容が異なることがあります。複数人かつ複数の端末で誤りがないかを確認しておくと良いでしょう。
メルマガ評価
メルマガは配信して終わりではなく、読者の反応を検証しながら改善を繰り返すことが大切です。
具体的には、次の項目を分析、検証すると良いでしょう。
- 不達率(Bounce Rate):配信されたメールのうち、正常に受信されなかったメールの割合
- 開封率(Open Rate):配信されたメールのうち、開封された割合
- 反応率:開封されたメールのうち、URLがクリックされた割合
- クリック率(CTR):配信されたメールのうち、URLがクリックされた割合
- コンバージョン率(CVR):配信されたメールのうち、配信の目的となる行動を起こした読者の割合
- 購読解除率(Unsubscribe Rate):配信数に対し、購買が解除された割合
これらの指標は、MAツールやメール配信ツールを利用すると容易に確認できます。
効果的なメルマガを作成するポイント
メルマガの作り方を理解し、読者目線に立った工夫をすることで読者から反応を得やすくなります。効果を最大化するためにも、次の3つのポイントを意識して、ターゲットのニーズにあった配信や振り返りを継続的に実行しましょう。
1メール1メッセージを徹底する
基本的に、1通のメルマガに対して伝えたい情報は1つにとどめることが大切です。なぜなら、複数の話題を盛り込み情報量が多くなると、読者が混乱してしまい、本当に届けたい情報を届けられなくなるからです。
また、メルマガに書く話題がなくなってしまい、継続的な配信が困難となる可能性もあります。
読者の行動を喚起するためにも、内容は1つに絞り、わかりやすく記載するよう心がけましょう。
配信時間を工夫する
開封率を向上させる手段として、読者がメールを開封する時間帯にあわせて配信することも重要です。ターゲットによって確認するタイミングが異なるため、ターゲットごとに配信時間をまとめると良いでしょう。
例えば、平日に勤務しているビジネスパーソンであれば7~8時の通勤時間、12~13時のランチタイム、20~21時の帰宅時間やそれ以降の就寝前に高くなる傾向にあります。一方、平日に休みをとる業種であれば、土日の配信の方が読まれることもあるでしょう。
主婦(夫)であれば、家事がひと段落する11時~14時のランチタイム、21~23時の夕食後が読まれやすいでしょう。
配信時間の工夫において大切なのは、どの時間帯の開封率が高くなるのかを測定することです。反応の良い時間帯にあわせて配信すると良いでしょう。
CTAの配置を工夫する
先述した通り、読者が1通のメルマガにかける時間はおよそ7秒であり、最後まで読み切る読者は少ない傾向にあります。商品やサービスの購買やイベントへの申込みの行動を読者に促したい場合は、CTAを前半に入れるなどの位置を工夫しましょう。
具体的には、メルマガを開いてすぐ表示される画面(ファーストビュー)や本文の重要なか所のすぐ下にCTAを設置すると、成果につながりやすいでしょう。
メルマガ作成のポイントを把握して、読者に読まれるコンテンツを作ろう!
メルマガの効果を最大化するには、読者目線に立った作り方を理解することが大切です。まずは、目的を明確にし、ターゲットやコンテンツを作成しましょう。また、配信後は読者の反応の指標となる開封率やクリック率などを分析し、改善を繰り返してください。
開封率を高め、読者との関係構築につなげるには、1通のメールには1つのメッセージにとどめたり、読者が読みやすい時間帯に配信することも重要です。本記事で解説したポイントを参考に、読者に寄り添った読まれるメルマガを作成しましょう。
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