エクセルの在庫管理テンプレート5選｜必須項目や運用のポイントを紹介

エクセルは、すでに導入している企業が多く、使い方を教育する手間も省けるため、在庫管理をエクセルで行いたいと考えている方も多いでしょう。しかし、エクセルによる管理はヒューマンエラーが発生しやすく、機会損失や過剰な在庫発注などが起こる可能性があります。そこで活用したいのが、在庫管理表のテンプレートです。テンプレートをもとに管理表を作成することで、見やすく、使いやすい管理表が簡単に作成できます。

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本記事では、在庫管理用テンプレートを目的別に5つ紹介します。テンプレートを使用する際のポイントも解説しますので、参考にしてください。

エクセルで在庫管理表を作成する際にテンプレートを活用すると、フォーマット作成の効率化や自動計算による在庫管理の精度向上が期待できます。

テンプレートには、標準的な在庫管理に必要な項目があらかじめ設定されており、デザインを考える必要もありません。また、入出庫数を記録すると自動で現在の在庫数を表示するエクセル関数や、在庫が少なくなった際に自動でセルの色を変えて知らせるアラート機能など、便利な機能が備わっているテンプレートもあります。

これらを活用することで、ヒューマンエラーを防いで在庫状況を正確に把握できます。エクセルを使った在庫管理に関する基礎知識は、次の記事を参照してください。

在庫管理用のエクセルテンプレートで必要な項目は、次の通りです。テンプレートを活用する際の参考にしてください。

• 商品名：在庫管理する商品の名称
• 商品コード・品番：各商品固有の識別番号
• 在庫数：現在の在庫数量
• 仕入単価：商品の仕入単価
• 売価：商品の販売価格
• 発注点：在庫が数量を下回ったときに発注する基準
• 入庫日：発注した商品が入庫した日付
• 入庫数：発注した商品が入庫した数
• 出庫日：保管していた商品が出庫した日付
• 出庫数：保管していた商品が出庫した数
• 保管場所：商品が保管されている場所
• 仕入先：商品の仕入先
• 在庫状態：商品の状態（新品、破損など）
• 使用期限・賞味期限：在庫が品質を保てる期限
• 最終更新日：在庫情報が最後に更新された日付
• 備考：注意点や伝達事項など

必要な項目は、業種や管理する在庫の数によっても異なります。管理項目が増えるほど管理が煩雑になり、ミスも起きやすくなるため、必要最低限の項目で開始しましょう。
 

ここでは、エクセルで使える在庫管理表のテンプレート5選を目的別に紹介します。

1. 単品在庫の管理に特化したテンプレート
2. 複数商品の在庫をまとめて管理できるテンプレート
3. 再発注のタイミングが可視化できるテンプレート
4. 伝票サイズで手書きに便利なテンプレート
5. 早見表付きでアラート機能などが充実したテンプレート
    

1. 単品在庫の管理に特化したテンプレート

出典：bizocean

特定の商品の在庫数を管理するなら、入庫日、出庫日、在庫数を時系列で把握できる、シンプルなテンプレートがおすすめです。商品ごとの在庫状況を可視化することで、商品別の売上推移や在庫回転率なども把握しやすくなります。

このテンプレートは、複数の取引先から少量ずつ注文が入るタイプの商品の在庫管理に向いています。

ダウンロードページ：単品在庫管理表の書エクセルテンプレート｜bizocean
 

2. 複数商品の在庫をまとめて管理できるテンプレート

出典：ビズ研

複数の商品をまとめて1シートで管理する場合は、商品別に在庫状況が管理できるタイプのテンプレートが適しています。全体の在庫状況を大まかに把握しやすくなるため、少量ずつ数多くの商品を扱う業種や企業に最適です。

ダウンロードページ：在庫管理表テンプレート｜ビズ研
 

3. 再発注のタイミングが可視化できるテンプレート

出典：Microsoft Create

在庫数の把握と発注業務を重視するなら、「再発注点」の項目を設けているテンプレートの活用がおすすめです。このテンプレートでは、「商品名」「単価」「在庫数」などのほか、「再発注点」の項目が設けられており、在庫数が再発注点を下回るとセルの色が変わる仕組みになっています。

在庫数が減少し、再発注が必要な商品が一目で把握できます。

ダウンロードページ：再発注が強調表示された在庫リスト | Microsoft Create
 

4. 伝票サイズで手書きに便利なテンプレート

出典：ビズルート

手書きで使いやすい伝票サイズのテンプレートは、入出庫の頻度が多い商品や複数人で在庫管理を行う場合に便利です。このテンプレートは、商品ごとに入出庫日や担当者を記録するシンプルな構成になっています。

在庫の変動状況がわかりやすいだけでなく、過去の伝票データを振り返ることで在庫の傾向分析も可能です。複雑なルール設定が必要ないため、「手書きで簡単に在庫を管理したい」という小規模な店舗やオフィスなどにおすすめです。

ダウンロードページ：手書き用在庫表テンプレート | ビズルート
 

5. 早見表付きでアラート機能などが充実したテンプレート

出典：ビズ研

印刷は行わず、エクセルのみで在庫を管理する場合は、関数や書式設定などを活用したテンプレートが便利です。

このテンプレートは、「入出庫記録」シートに日付や入出庫数を入力するだけで、商品ごとの在庫状況が合算されて「早見表」シートに自動反映される仕組みです。

さらに、在庫が一定数を下回った際にセルの色が変わるアラート機能や、入力内容の不自然な値を検出する機能も備わっているため、欠品防止や記入ミスのチェックもできます。

ダウンロードページ：【Excel】在庫管理表テンプレート-早見表付き
 

エクセルのテンプレートで在庫管理を行う際は、次の4つのポイントを意識しましょう。

• できるだけ人が入力する箇所を減らす
• 扱う品目を増やしすぎない
• データの整合性を保つ
• こまめにバックアップをとる
   

できるだけ人が入力する箇所を減らす

入力が必要なセルが多いとミスが発生しやすくなり、エクセル上の在庫数と実際の在庫数が合わない原因になります。入力箇所を減らすために、関数やマクロ機能を活用したテンプレートを選定すると良いでしょう。

在庫管理でよく使用される関数は、特定の条件に応じた集計を自動化する「SUMIF」や「VLOOKUP」です。

また、定期的な在庫数の更新作業など、一定のくり返し作業をマクロで自動化すると、在庫管理の作業がクリック1つで完了します。時間の節約になるだけでなく、入力ミスのリスクを大幅に減らすうえで効果的です。

扱う品目を増やしすぎない

品目が多すぎると、エクセルでの管理が煩雑になり、ミスが増える可能性が高まります。また、エクセルの処理速度が低下して、データの集計・反映にタイムラグが発生することもあるでしょう。

エクセルで在庫管理を行う場合は、重要度の高い商品のみに絞って管理する方法がおすすめです。扱う商品数が多い場合や、より詳細な在庫管理が必要になった場合は、専用のシステムやツールの導入を検討してください。

表記ルールを統一する

売上管理表を作成する際は、管理表の在庫数と実際の在庫数を一致させるために、表記ルールを統一することが大切です。例えば、「日付は『yyyy/mm/dd』の形式に統一する」「担当者名は名字と名前にスペースを空けない」などのルールを設定します。

表記方法がバラバラになっていると、エクセル上で正確に数値が集計されないことがあります。その結果、実際の在庫状況が正しく反映されず機会損失や過剰なコストが発生する可能性もあるでしょう。

また、入力漏れが起きないよう、「入出庫の記録は必ず発生時に入力する」などのルールを設定する方法も効果的です。定期的に実際の在庫状況を確認するために、棚卸しのタイミングも決めておくことをおすすめします。
 

こまめにバックアップをとる

エクセルでの在庫管理では、ヒューマンエラーによる意図しないデータの変更やファイルの削除、ファイル自体の破損が発生する可能性があります。定期的にバックアップをとり、万が一ファイルが破損しても復元できるように備えておくことが大切です。

また、セルの保護機能を使って、計算式が入っているセルを編集できないようにするなどの対策も有効です。
 

テンプレートを活用することで、フォーマット作成の手間が省けるだけでなく人的ミスを防ぐのにも役立ちます。

ただし、複雑なテンプレートを選ぶと、かえって入力や管理に手間がかかってしまうことがあるため注意してください。

必要な項目が揃っており、かつ見やすく入力しやすいテンプレートを選びましょう。まずは気になったテンプレートを試してみて、改善点が見つかったらテンプレートを編集したり、テンプレートを参考にしながらオリジナルの管理表を作成したりする方法もおすすめです。

目的に合ったテンプレートを選んで、在庫管理業務の効率化を目指しましょう。