インサイドセールスを成功へと導くには、KPI(重要業績評価指標)を明確に設定した上で適切に管理していく必要があります。一方で、どのようなKPIを設定すべきか迷ってしまうケースも多いのではないでしょうか。
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今回は、インサイドセールスにおけるKPI設定の考え方や、よく用いられるKPIの例をわかりやすく紹介します。組織のフェーズに合ったKPIの設定方法と、設定する際の注意点についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
【結論】インサイドセールスのKPIは「フェーズに合わせて」設定
結論からお伝えすると、インサイドセールスにおけるKPIは「組織のフェーズに合わせて」設定することをおすすめします。KGI(重要目標達成指標)の達成に向けて注力すべきことは、インサイドセールス施策の段階ごとに異なるからです。
一度KPIを設定したからといって、同じKPIを永続的に追いかけ続けなくてはならないわけではありません。組織の成長段階に応じて、現状に適したKPIへと見直していくことが大切です。
インサイドセールスでよく用いられるKPI
インサイドセールスで用いられるKPIには、いくつかの種類があります。一般的によく使われるKPIとして挙げられるのは下記の5種類です。
架電数・フォローアップ数
電話やメールなどで見込み客に対して接触した回数を指標とする方法です。主に行動量を測るための指標であることから、インサイドセールスを立ち上げたばかりの時期や、具体的なデータが十分に収集されていない時期に用いる指標として適しています。一般的に人は接触回数が多い相手に信頼を寄せることから、架電数やフォローアップ数を一定以上確保することが重要です。
着電数・開封率
見込み客に電話がつながった回数や、メールが開封された回数・開封率などを指標とする方法です。行動量に加え、行動がもたらした効果を測る指標として適しています。電話の着電数やメールの開封率はコンタクトを取るタイミングによって変動しやすいため、施策の改善に役立てるための指標としても効果的です。
商談化数・商談化率
実際にアポイントを取得した件数や割合を指標とする方法です。担当者ごとの成果や、部門全体におけるパフォーマンスの高さを確認するための指標として適しています。実態に即した商談化率を算出するには、「商談化数÷対応済みリード(見込み客)数」によって計算するのがポイントです。
「商談化数÷有効リード数」で計算してしまうと、実際のパフォーマンスよりも低い数値が算出されやすい点に注意しましょう。
受注数・受注率
フィールドセールスに引き継いだリード件数に対して、受注につながった割合を表す指標です。営業活動全体における、インサイドセールスの貢献度を確認するための指標として適しています。インサイドセールス施策がどの程度有効に機能しているかを把握したい場合に、効果的なKPIといえるでしょう。
受注額
インサイドセールスが関わったことにより、成約に至った金額を指標とする方法です。会社全体における、インサイドセールス部門の貢献度を確認するための指標として適しています。このKPIの達成率が高いほど、インサイドセールスが関わったことによって商談の質が高まったといえるでしょう。
組織のフェーズに合ったKPIの設定方法
冒頭でお伝えしたとおり、設定すべきKPIは組織のフェーズに合わせて判断するのがポイントです。インサイドセールス部門の立ち上げ期〜成熟期までのフェーズごとに、適したKPIを見ていきましょう。
立ち上げ初期は行動量を測るKPIをメインに
インサイドセールス部門やチームを立ち上げたばかりの時期は、分析に必要なデータや事例が十分に集まっていないことが想定されます。この段階においては、質よりも量の確保を重視することが大切です。
架電数やフォローアップ数など行動量に重きを置いたKPIを設定し、まずは見込み客との接点を増やしていく必要があります。行動量が一定の水準に達したら、次のKPIへと移行していくとよいでしょう。
軌道に乗ったら効果を確認するKPIに重きを置く
インサイドセールス施策が機能し始めると、徐々にデータが蓄積されていきます。この段階に入ったら、商談化数や受注数といった効果を確認するためのKPIへとシフトしていきましょう。
このフェーズにおいて重要になるのが、データにもとづく検証と改善です。PDCAサイクルを回し、施策のうち改善すべき点を抽出して改善する工程を繰り返すことが求められます。成果を評価するというより、改善に役立てるという視点を重視することが重要です。
成熟期には部門としての成果を評価
商談化率や受注率が伸びてきたら、受注数や受注金額といった成果の評価に役立つKPIへと切り替えていきましょう。組織体制が適切に構築されているか、俯瞰的な視点に立って施策の改善を図っていくことが大切です。
インサイドセールスの成否は部門単体で判断するのではなく、マーケティング部門やフィールドセールス部門との連携体制全体で捉える必要があります。営業活動のプロセスをトータルで捉えた際に、どの点に課題が残されているのか、客観的な視点に立って改善点を見出していくのがポイントです。
KPIを設定する際の注意点
KPIはやみくもに設定すればよいものではなく、ポイントを押さえて設定・管理していくことが求められます。効果的なKPIを設定するために押さえておきたい注意点を確認しましょう。
他部門と連携し、KPIを共有する
インサイドセールス部門において設定するKPIは、他部門と共有しておくことが非常に重要です。インサイドセールス部門単体でKPIを設定すると、営業活動全体として求められる目標とずれが生じてしまうおそれがあります。
インサイドセールスはあくまでも営業活動の一環であることを踏まえ、マーケティング部門やフィールドセールス部門と連携を図っていくことが大切です。KPIを検討・設定する際には、他部門と協働で取り組むことをおすすめします。
現実的に達成可能なKPIを設定する
KPIは現実的に達成できる可能性のある数値を掲げなくてはなりません。達成できる見込みの薄い、あまりにも高すぎる目標を掲げてしまうと、担当者が目の前の数字に固執しやすくなるからです。
KPIが「絵に描いた餅」にならないよう、過去の実績も踏まえつつ現実的なKPIを設定し、着実に達成していくのがポイントです。現状のリソースでは達成が難しいと判断される場合には、増員などリソースの拡充も含めて検討していく必要があります。
KPIを達成してから次のフェーズに移る
設定したKPIが達成されたことを確認してから、次のフェーズへと移行していくことも大切なポイントといえます。1つのKPIが未達のまま別のKPIを追いかけ始めると、どのKPIも中途半端な状態に陥りかねません。
KPIを達成できたことをもって、そのフェーズが完了したと捉えるのが基本的な考え方です。成果を急ぐあまり、複数のKPIが乱立している状態にならないよう注意しましょう。
組織の成長と連動したKPIの設定を
インサイドセールスのKPIには一般的によく使われている項目が複数あるものの、重視するべきことは「自社のフェーズに合っているか」に尽きます。現状注力すべき課題と、達成を目指すKPIがリンクしているかを常に確認しながら、適切なKPIの設定を実現していきましょう。
KPIが組織のフェーズに合っていることは、組織を着実に成長させていく上で非常に重要なポイントです。今回紹介したKPI設定の考え方を参考に、ぜひ自社に適したKPIを検討してください。