インサイドセールスとは、電話やメールなど非対面で行う営業活動のことです。インサイドセールスのKPIには、活動の効果を可視化し、改善点を明確にする役割があります。初回のアプローチから商談、受注に至るまでに適切なKPIを設定することで、担当者のタスクやマネジメントの方向性を明確にすることが可能です。


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本記事では、インサイドセールスにとってのKPIの役割や重要性、具体的なKPIと設計の際のポイントを詳しく解説します。
インサイドセールスにおけるKPI設定とは
KPI設定とは、営業活動の効果を測定し、目標達成に向けた進捗を管理するための指標を定めることです。
まずは、インサイドセールスにおけるKPI設定の役割と重要性を説明します。
KPIの役割
インサイドセールスにおけるKPIの役割は、インサイドセールス活動の効果を可視化し、稼働状況を明確にすることです。
具体的には、目標達成度の測定、パフォーマンスの評価、問題点の特定、改善策の立案などに活用されます。
KPIによって、うまく機能している工程や改善を要する部分を把握できます。適切に設定することで、チームメンバーの行動指針となり、結果を数値として把握できるモチベーションの向上にもつながります。
さらには、経営層に対してインサイドセールスの成果を客観的に示す役割も果たします。
KPIの設定が重要な理由
KPIの設定が重要なのは、インサイドセールスの成果を定量的に測定し、継続的な改善を可能にするためです。適切なKPIがなければ、活動の効果を正確に把握できず、リソースの最適配分や戦略の見直しが困難になります。
例えば、インサイドセールスの活動にあたって、その役割をSDR(反響営業型)とBDR(新規開拓型)に分けることがあります。SDRとBDRは営業対象となる相手やセールスタイプに違いはあるものの、どちらも最終的に有効商談の創出を目指します。
このように、インサイドセールス全体の活動だけでなく、さらに役割を細分化した場合には、より一層それぞれの稼働状況を可視化する必要性が高まります。
最終的な有効商談数だけでなく、各役割、各工程において定量的に見ていくことで、問題の特定や活動に対する評価を適切に行うことが可能です。活動に対する正しい評価は、取り組むメンバーおよびチーム全体でのパフォーマンス向上にもつながります。
インサイドセールスで設定するKPIの例
インサイドセールスで設定するKPIは、活動プロセスに沿って複数設定します。
設定される主な指標は、次の通りです。
- メール開封率
- 架電数・フォロー数
- コネクト数/コネクト率
- 有効会話数/有効会話数率
- パーミッション(有効リード)創出数/創出率
- 商談化数/商談化率
- 有効商談数/有効商談率
- 受注数/受注率
- 受注額
メール開封率
メール開封率は、送信したメールがどれくらいの読者に開封されたかといった割合を示す指標です。メルマガやセミナー案内など、一斉送信するメールでのアプローチの効果を測定するのに適しています。
高いメール開封率は、送信する相手にとって、件名や差出人名、配信タイミングが適切であることを示します。ただし、メールの開封率は、業界や商材によっても異なるので、データを蓄積して基準を把握しておくと良いでしょう。
メール開封率を向上させるためには、必要に応じて配信対象者のリスト分けを行ったり、配信対象者の特徴に応じた件名・差出人名・配信タイミングを設定したりすることが重要です。
架電数・フォロー数
架電数・フォロー数は、インサイドセールス担当者が1日あたりに、電話やメールなどで見込み客にアプローチした回数を示す指標です。インサイドセールス担当者の活動量を測定するのに適しています。
インサイドセールスは有効商談数を増やすためにも、まずは多くの見込み客に接触する行動量が求められます。適切な目標値は、商材や顧客層によって異なりますが、BtoBの場合、1日あたり50-100件程度を目安にして調整していくと良いでしょう。
また、単純に数を追うのではなく、質を伴った活動量を重視します。
コネクト数/コネクト率
コネクト数/コネクト率は、架電した見込み客と実際に会話ができた数や割合を示す指標です。アプローチの効率性を測定するのに適しています。
アプローチする相手の業種によっては、電話以外のアプローチでつながることもメリットがあります。
コネクト率は、業界や商材によって異なりますが、BtoBの場合、20~30%程度が平均的な数値ともいわれます。まずは平均値を目安に目標を設定すると良いでしょう。
コネクト率を向上させるためには、適切な時間帯での架電や、会話の冒頭で相手の興味を引き会話に結びつける効果的なトークスクリプトの作成と活用が重要です。
有効会話数/有効会話数率
有効会話数/有効会話数率は、コネクトした見込み客との会話のうち、商談化に向けて有効といえるような会話ができた数や割合を示す指標です。アプローチや会話の質を測定するのに適しています。
有効会話の定義は企業によって異なりますが、一般的には商品説明ができた、課題やニーズに関するヒアリングができた、次のアクションが決まったなどを基準にします。
有効会話率を向上させるためには、質問技法や自社の強みを明確化して伝えることが重要です。
パーミッション(有効リード)創出数/創出率
パーミッション(有効リード)創出数/創出率は、アプローチした見込み客のうち、その後の継続的なアプローチに対して承諾を得られた数や割合を示す指標です。初期段階での成果を測定するのに適しています。
パーミッションの定義は企業によって異なりますが、単純に連絡先を得てコネクトしているだけの状態ではなく、一般的には資料送付の許可や次回のアポイントメント獲得などが基準です。
創出率を向上させるためには、見込み客の課題やニーズを正しくヒアリングしたうえでの提案や、適切なタイミングでのアプローチが重要です。
商談化数/商談化率
商談化数/商談化率は、アプローチをしていた見込み客との商談のアポイントがとれた数や割合を示す指標です。インサイドセールスの主要な成果を測定するのに適しています。
商談の定義は企業によって異なりますが、一般的には具体的な提案や見積もりを提示する場であり、これ以降はフィールドセールスが対応します。
商談化率を向上させるためには、見込み客との関係を築くための対話や、同意を得たうえでの営業活動が重要です。
有効商談数/有効商談率
有効商談数/有効商談率は、商談化した案件のうち、受注の可能性が高いと判断された数や割合を示す指標です。商談の質を測定するのに適しています。
有効商談の定義は企業によって異なりますが、以下のような例があります。
- 見込み客の課題を把握できており、自社の商材で解決できる
- 契約(導入)時期の目安について、見込み客と共通認識を持てている
- 見込み客が、契約(導入)に必要な予算を確保してくれている
有効商談率を向上させるためには、見込み客の状態に合わせたアプローチをしながら購買意欲を醸成し、関係を深めたうえでの質の高い商談化が重要です。
HubSpotのBDRチームの場合は、「CAT」と呼ばれるフレームワークを活用しています。
- C:challenge 課題
- A:authority 決裁権
- T:timeline タイムライン
CATをすべて明確にヒアリングできた場合に商談化し、Growth Specialist(一般的にはフィールドセールスの枠組みの営業担当者)に案件を渡します。
受注数/受注率
受注数/受注率は、商談化した案件のうち、実際に成約に至った数や割合を示す指標です。インサイドセールスの役割は商談化までであるものの、営業活動において最終的な成果を測定するのに適しています。
受注までをKPIとして見ていくことで、有効商談数を増やすための意識が強まります。インサイドセールスの受注への貢献度を知ることもできるでしょう。
受注率は業界や商材によって大きく異なりますが、一般的に10~30%程度が目安といわれています。
受注額
受注額は、インサイドセールスの工程を経て創出した商談をもとに成約につながった受注額を示す指標です。受注数と同様に、最終的な成果を測定できます。
インサイドセールスの工程において、見込み客のニーズを引き出し、有効商談につなげたうえでの受注額は、インサイドセールスとしても見ておきたい指標です。
単発の金額だけでなく、顧客単価や契約期間なども考慮に入れ、長期的に見てLTV(顧客生涯価値)を測定することも有効です。
こちらの資料では、HubSpot社のインサイドセールスのチーム体制を例に、KPIに分解しながら詳しく解説しています。ぜひご参考ください。
【図解あり】インサイドセールスのKPIツリーの例
インサイドセールスのKPIツリーは、経営のKGI(重要目標達成指標)から逆算して、各段階で必要なKPIを階層的に示したものです。
例えば、最上位に「年間売上1億円」というKGIを置き、その下に売上の算出方法となる「月間受注数」×「受注平均単価(顧客単価)」などのKPIを設定します。そしてその下層に、「受注数」の算出方法となる「有効商談数」×「受注率」が来ます。
この流れを繰り返し、「商談数」「有効リード数」「コネクト数」などを配置し、それぞれの指標を算出できるようにします。
KPIツリーを作成すると、各KPIの関連性や重要度が視覚的に理解できるため、目標達成に向けて、どの指標に注力すべきかが明確になります。
インサイドセールスにおけるKPI設定のポイント
インサイドセールスにおけるKPI設定の主なポイントは、次の通りです。
- KPIの定義を設定する
- KGIから逆算する
- 関連部門のKPIと関連付ける
- 行動指標を設定する
- 組織やビジネスのフェーズに応じて設定する
- SDR・BDRに役割を分ける場合はそれぞれにKPIを設定する
KPIの定義を設定する
KPIの明確な定義は、数値の測定と公平な評価のために不可欠です。そのため、例えば「有効リード」や「商談」の定義を明確かつ具体的に決めておく必要があります。
定義の仕方には、数値基準(例:予算○○円以上)や質的基準(例:決裁権のある人物とコンタクトできた)などがあります。
明確な定義により、チーム内での認識の統一が図れ、正しいデータの取得と評価ができます。
KGIから逆算する
KPIの設定は、最終的な目標であるKGI(重要目標達成指標)から逆算して行います。
例えば、年間売上目標(KGI)から必要な受注件数を算出し、そこから必要な商談数、有効リード数などを順に導き出していきます。この逆算のアプローチにより、KGIの達成のため、各KPIの意義や目標値が妥当であることを明確にできます。
目標達成に向けて必要なアクションも具体化されるため、チーム全体の方向性も合わせやすくなります。
関連部門のKPIと関連付ける
インサイドセールスのKPI設定において、マーケティング部門や営業部門などの関連部門のKPIと関連付けることは重要です。
関連部門のKGIやKPIが達成しやすくなるようなKPIを設計すると、部門間の連携強化につながり、全体的な成果の向上が図れます。
各部門の貢献度を適切に評価できるようになると、組織全体の目標達成に向けた取り組みが促進されます。
行動指標を設定する
KPIには結果指標だけでなく、行動指標も含めると良いでしょう。
行動指標とは、目標達成に向けて日々実践すべき具体的な行動を数値化したものです。例えば、「1日あたりの架電数」や「週あたりのフォローメール数」などを設定します。行動指標を設定することで、チームメンバーの日々の活動に明確な指針を与えられます。
行動指標を立てることで、成果の要因分析がしやすくなり、効果的な改善策を立てやすくなります。
組織やビジネスのフェーズに応じて設定する
インサイドセールスのKPIは、組織の成熟度や目標に応じてフェーズごとに設定すると効果的です。
例えば、インサイドセールスの立ち上げ期では「アプローチ数」や「コネクト率」など活動量を重視した行動指標を設定し、成長期では「商談化率」や「受注率」など質を伴った結果指標をKPIとして設定します。
さらに、ビジネスの安定期では「顧客満足度」や「リピート率」など長期的な視点でLTV(顧客生涯価値)を重視したKPIを加えていきます。
フェーズに応じてKPIを適切に設定・調整することによって、組織やビジネスの成長に合わせた効果的なマネジメントが可能になります。
SDR・BDRに役割を分ける場合はそれぞれにKPIを設定する
SDR(反響営業型)とBDR(新規開拓型)は目的が異なるため、別のKPIを設定します。
SDRはマーケティング部が創出したリードに対してアクションを行います。そのため、KPIにはコネクト率や商談化率を設定すると良いでしょう。商談化率の分母にはコネクト数をおきます。
BDRは新規開拓を行います。そのため、架電数やコネクト率、商談化率などをKPIとします。この時、ターゲットリストの数を増やすだけでなく、正しく絞り込みをすることもポイントです。
有効商談の定義は両チーム共通で営業部門と合意しておきます。これにより、営業と両チームがスムーズに連携を取れるようになるからです。
適切なKPIを設定してインサイドセールスのパフォーマンスを高めよう
インサイドセールスにおけるKPI設定は、インサイドセールスの導入効果を測ったり、営業活動の成果を最大化したりするために不可欠です。適切なKPIの設定により、チームの方向性が明確になり、パフォーマンスの可視化と運用改善が促進されます。
KPIの選定には、メール開封率や架電数から受注額まで、プロセス全体を網羅する指標を考慮し、KGIから逆算した設定が重要です。
また、隣接部門との連携や、フェーズごとの適切な指標の選択によって、営業部門全体や企業の成果を高めることができます。
なお、営業活動の進捗状況をリアルタイムで可視化し、KPIの達成を目指すにはSFA(営業支援システム)の活用が有効です。HubSpotはCRMを基盤としたシステムで、SFAやMAと組み合わせることで、顧客情報をもとにした営業・マーケティング活用に役立ちます。無料で使用できるプランがありますので、ぜひお試しください。