購買プロセスが長く複雑なBtoB企業において、オウンドメディアを通して良質なコンテンツを提供することは、見込み客と信頼関係を構築するのに有効です。そのほかにも、商品・ブランドの認知拡大や広告費の削減などの効果も期待でき、多くのBtoB企業がオウンドメディアの運用によってビジネスの促進に成功しています。


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本記事では、BtoB企業がオウンドメディアに取り組むべき4つの理由と10の成功事例をご紹介します。オウンドメディアで成功するためのポイントも解説しますので、オウンドメディアの運用にお役立てください。
BtoB企業がオウンドメディアに取り組むべき理由
購買プロセスが複雑で顧客の検討期間が長い傾向にあるBtoBにおいて、オウンドメディアの運用は有効なマーケティング施策であり、多くのBtoB企業が取り入れています。
ここでは、BtoB企業がオウンドメディアに取り組むべき理由を解説します。
認知拡大
BtoB企業がオウンドメディアを運営すべき理由の一つは、認知拡大です。BtoB企業は専門的な商品やサービスを扱うことが多く、一般的な認知度が低いケースが少なくありません。自社のノウハウや専門知識をオウンドメディアで公開することで、企業や商品・ブランドの認知拡大につながります。
BtoBビジネスでは、見込み客が問い合わせ前に深くリサーチするケースが多く、営業担当者が見込み客と接点を持つ前の段階で、すでに商品やサービスの絞り込みを完了しているケースが多いといわれます。そのため、BtoB企業のマーケティングや営業においては、潜在顧客と早期に接点を持つことが重要です。
オウンドメディアでリサーチ段階の見込み客の興味・関心に合わせたコンテンツを発信することで、具体的な商品やサービスの検討段階よりも前のタイミングで潜在顧客とのつながりの創出が可能です。
潜在顧客と早期に接点を持つことは、BtoBのマーケティング・営業において重要です。
商品やサービスの魅力を深く紹介できる
自社の商品やサービスの魅力を紹介できる点からも、オウンドメディアは有用です。
BtoBビジネスでは、ソフトウェアやサービスといった無形商材や専門性の高い商材を扱うためにユーザーに価値を伝えることが難しい場合があります。そのような場合でも、オウンドメディアで商品やサービスの特徴、活用方法、導入事例などを詳しく紹介すれば、自社の強みを見込み客にその価値を伝えられるからです。
また、BtoBビジネスでは検討期間が長く、購入の決断前に詳細な情報が求められる傾向にあります。オウンドメディアを運営することで、コラムやホワイトペーパーなど見込み客が意思決定をするために必要な情報を提供して、購買プロセスをサポートすることが可能です。
見込み客に有益な情報を提供し継続的な接点を創出できれば、良好な信頼関係の構築にもつながります。
幅広い層の見込み客にアプローチできる
BtoBビジネスでは、意思決定に複数の担当者が関与するのが一般的であるため、より多くの潜在顧客や見込み客にアプローチすることが、利益につながります。
オウンドメディアを活用すると、異なるターゲットに向けて多様なコンテンツを提供でき、それぞれのニーズに応えられます。 例えば、潜在層に向けた課題解決に役立つコンテンツや、検討段階にいる顕在層に向けたケーススタディや自社の強みをアピールするコンテンツを提供して、それぞれのニーズに応えることが可能です。
このように、オウンドメディアでは幅広い見込み客にリーチして、リードジェネレーションからリードナーチャリングまで一貫して行えるため、BtoB企業において重要な役割を担います。
企業の資産として活用できる
オウンドメディアは、BtoB企業における資産としても活用可能です。
一般に、広告を使って見込み客を創出・醸成する場合、継続的にコストがかかり広告費が高額になる傾向にあります。一方で、オウンドメディアからの流入が安定すると広告の運用数を減らせるため、広告費の削減につながります。
また、オウンドメディアのコンテンツ制作には費用がかかりますが、一度制作すれば半永続的に活用可能です。そのため、別のプラットフォームに展開することで、制作コストの削減を図れます。例えば、オウンドメディア向けに作成した事例や商材の紹介コンテンツを営業活動に用いたり、自社の価値観や文化などのコンテンツを人材採用に利用することもできます。
BtoB企業のオウンドメディア成功事例
多くのBtoB企業がオウンドメディアの運用によってビジネスを促進させています。
ここでは、運用のポイントとあわせて事例をご紹介します。
HubSpot|ブログ
出典:HubSpot
「HubSpotブログ」では、主に企業のマーケティング・営業・カスタマーサービス・Webサイト担当者に向けて、事業成長のヒントとなるコンテンツを配信しています。
コンテンツ作成の元になっているのは、HubSpotとして事業を推進するうえで培ってきたノウハウや、CRMやMA、SFA、CMSなどの製品を提供してきたなかでさまざまな顧客と対話してきた経験です。
「ブログに訪れるユーザーが、自身の課題を解決できるヒントを得られる内容になっているか」を重視しています。そのため、ブログ記事からさらに詳しい情報を求める方には無料でダウンロードできる資料を提供し、実際に機能を試してみたい方には無料ツールの案内をCTAとして設置するなどの工夫をしています。
株式会社セグメント|RPA BANK
出典:RPA BANK
ロボットトランスフォーメーション事業を展開している株式会社セグメントは、RPA(ロボットによる業務自動化)の認知を広げるため、2017年にRPA専門メディア「RPA BANK」の運用をスタートさせました。
当時はRPAが盛り上がり始めた頃で、Web上にRPAの情報がない状態でした。そのため、セミナーに参加した見込み客の多くがRPAの導入方法や運用、マネジメントにおいて悩みや不安を抱いていたのです。
そこで、RPAの導入を検討している企業に向けて実践的な情報やツールを紹介する場としてオウンドメディアを立ち上げました。また、セミナーやアンケートを通じてユーザーの課題を集めてその解決をSEOコンテンツに落とし込みました。分析・リライトを行いながら現在では自然検索からの流入を増加させています。
freee株式会社|経営ハッカー
出典:経営ハッカー
法人・個人事業主に向けた事務管理効率化クラウドサービスを提供しているfreee株式会社は、会計・経営に役立つ情報を提供する「経営ハッカー」を運用し、2022年の時点では100万PVを超えるメディアに成長しています。
経営ハッカーの特徴は、一般的なメディアが活用するPVなどの指標ではなく、「スモールビジネスに携わるすべての人が、創造的な活動にフォーカスできる時間を増やしたい」との経営理念を指標に落とし込み、「質の高い記事を毎日発信する」ことを重視している点です。さらに、ユーザーにとって本当に価値のある情報を提供するために専門家による執筆体制を構築し、品質を担保しています。また、コンテンツ制作のテーマ提供に全社員が協力していることも、重要な運営ノウハウです。
シナジーマーケティング株式会社|CRMのプロが書くマーケティングブログ
CRM領域におけるクラウドサービス、エージェント事業を展開しているシナジーマーケティング株式会社では、コーポレートサイト内に「CRMのプロが書くマーケティングBLOG」を運営しています。
Web経由での見込み客の創出を目的に設置され、CRMの利用事例や広告運用、データ分析のノウハウを提供しています。
同社では、アクセス解析をもとにKPIを定義して効果検証をしたり、ヒートマップ調査や顧客インタビューなどを実施したりして、メディアの構成や導線を見直しました。用語集の更新やCVにつながるページの導線を改善した結果、有効リードが増加し、改善後1年で問い合わせや資料ダウンロードのCVが12%増加するなどの成果につながっています。
SATORI株式会社|SATORIマーケティングブログ
国産のマーケティングオートメーションツールである「SATORI」の開発・運営・販売をしているSATORI株式会社では、マーケティング情報を発信する「SATORIマーケティングブログ」を運用しています。
メディアの運営体制が整わずに記事の制作が停滞してしまった過去があり、外部サポートを導入してオウンドメディア運営を強化しました。現在では、継続的な更新によって情報の鮮度を保つことを重要視し、メディアを運営しています。
また、複数の記事をまとめたものをダウンロード資料に用いるなどメディア向けに作成したコンテンツを活用し、ホワイトペーパー施策と掛け合わせることで見込み客の創出につなげています。
株式会社LIG|LIGブログ
出典:LIGブログ
システム開発・Web制作・マーケティング支援を中心に企業のDX支援を行っている株式会社LIGでは、「LIGブログ」を運用しています。
主な発信内容はWeb制作やデザインに関する情報ですが、事業とは直接関係のないユニークな内容の記事も制作しており、SNSで話題を呼ぶことで多くのPV数を獲得しています。
特に、エンタメ系の記事である「伝説のウェブデザイナーを探して・・・」という記事が拡散され、メディアの認知を一気に広げました。
また、社員は各自で学んだことを毎月1本のペースで記事にする体制が取られ、2023年の時点で公開記事数は8000本以上となっています。
株式会社カオナビ|カオナビ人事用語集
出典:カオナビ人事用語集
タレントマネジメントシステム「カオナビ」を提供する株式会社カオナビは、「カオナビ人事用語集」を運営し、企業の経営層や人事担当に向けて、人事やマネジメントに関する用語を解説しています。
メディア運営に際しては、キーワードの検索ボリュームや親和性、ニーズなどから記事の優先度を算出し、優先度が高い記事から制作する体制を構築しています。
コンテンツとホワイトペーパーを掛け合わせた施策を行うことで、Web広告の2.5倍もの見込み客の創出に成功しました。
サイボウズ株式会社|サイボウズ式
出典:サイボウズ式
グループウェアや業務改善サービスを提供しているサイボウズ株式会社では、「サイボウズ式」を運営しており、KPIを作らない独自の運営方針を掲げています。
メディアを立ち上げた初年度には新規月間訪問数3万UUという目標設定がありましたが、達成後は数値を目標にしないようにしました。
現在は、独自性と有益性を重視し、ほかのメディアの類似記事、2次情報だけで作成された記事、読者のためにならない記事は作らずに、自社独自の企画・取材をしています。
独自企画の記事が話題となり、テレビ番組にも取り上げられたことで企業の認知拡大に成功しました。
トヨモク株式会社|みんなのBCP
出典:みんなのBVP
安否確認サービスを提供しているトヨモク株式会社は、「みんなのBVP」を運営し、災害に関する情報や、BCP(事業継続計画)について発信しています。
テレアポなどで商品・サービスを売り込むプッシュ型のインサイドセールスから、オウンドメディアによってユーザーの興味関心を引き見込み客を創出するプル型の営業へとシフトしました。
「トヨモクだからこそ発信できる情報」をコンテンツにし、ユーザーにとって有益な情報を適切なタイミングで提供することに注力しています。
顧客の視点からコンテンツを考え、企業が抱える課題やトヨモクのサービスの導入により得られる成果に関する事例記事を掲載することで、トライアルへの転換率150%を達成しました。
KAIZEN PLATFORM|コラム
出典:コラム
セールスとマーケティング領域のDX支援を行う株式会社Kaizen Platformは、自社サイト「KAIZEN PLATFOR」内にコラムを設置して、マーケティングやWebサイト制作、動画に関する情報を発信しています。
購買プロセスに関わるステークホルダーそれぞれのペルソナを設定したうえで必要なキーワードを選定し、ニーズに合わせた質の高い記事を制作しているのが特徴です。
また、HubSpot( Marketing Hub, Sales Hub, Content Hub)を導入し、コンテンツマーケティングとMAを組み合わせることで、わずか1年でマーケティング経由の商談数・受注数が倍増しました。
BtoB企業がオウンドメディアで成功するポイント
BtoB企業がオウンドメディアで成功するためのポイントは次の通りです。
- 目的とターゲットの明確化
- 適切なKPI設定
- 継続できる運用体制を整える
- ユーザーにとって価値あるコンテンツを配信
それぞれ詳しく説明していきます。
目的とターゲットを明確にする
BtoB企業がオウンドメディアで成果を出すためには、目標とターゲットを明確にして、戦略的に運用していくことが重要です。
認知拡大、見込み客の創出・醸成など、オウンドメディアの運用目的に応じてコンテンツを制作します。
また、購買プロセスが複雑なBtoBビジネスでは、コンテンツのターゲットを明確にすることも大切です。
ターゲットを明確にすればユーザーニーズや求めている情報を把握できるようになるため、適切な情報提供に役立ちます。
適切なKPI設定
目的を設定した後は、KPIを設定します。KPI設定のポイントは、オウンドメディアのフェーズに合った適切なKPIを選択することです。
例えば、メディア立ち上げ初期は毎月の公開記事数をKPIとし、アクセスが伸びてきた中期ではホワイトペーパーのダウンロードといったコンバージョン数・コンバージョン率をKPIにすると良いでしょう。
安定してコンバージョンが取れるようになれば、オウンドメディアがどの程度売り上げに貢献しているかを把握するために、オウンドメディアからのアポイントメント獲得数をKPIとするのも有効です。
KPIをもとに定期的に分析を行い、コンテンツ戦略を修正・改善していきましょう。
継続できる運用体制を整える
オウンドメディアの運用は長期的な施策であるため、継続的に運営できる体制づくりが重要です。なぜなら、人材や時間などの兼ね合いにより継続できなくなるケースが多いからです。
メディア運営のすべてを自社でやる必要はありません。コンテンツ制作や効果検証など、一部の業務を外注するといった対策を検討し、体制を整えると良いでしょう。
また、コンテンツは公開するだけでなく、古い情報は見直すなどのメンテナンスも必要です。このような側面からも、継続できる運用体制を整えましょう。
ユーザーにとって価値あるコンテンツを配信
ユーザーに有益な情報を提供するには、ニーズの理解が不可欠です。市場調査や顧客へのヒアリングを実施して、見込み客が抱える課題や求めている情報を把握しましょう。
ユーザーニーズに沿った有益コンテンツを提供することで、ユーザーからの信頼を獲得できれば、見込み客の創出にもつながっていくでしょう。
また、自社が持っているノウハウや専門知識を記事に盛り込めば、ユーザーからの信頼獲得やブランディングにつながるだけでなく、SEOの効果も期待できます。
目的を明確にしてオウンドメディアを運営しよう
BtoB企業がオウンドメディアを運営することで得られるメリットは多くあります。
信頼関係の構築が重要なBtoBビジネスにおいては、ユーザーに価値あるコンテンツを配信し、接点を持ち続けることが重要です。運用目的を明確に定めたうえで、継続的に運営できる体制を整えましょう。
オウンドメディアの運営には、本記事でご紹介した事例や成功のポイントをぜひ参考にしてください。
HubSpotのContent Hubは、幅広いコンテンツ作成を支援するAI搭載のソフトウェアです。管理だけでなく、相手のニーズに合わせたコンテンツ生成や効果測定にも対応しています。
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参考:https://www.hubspot.jp/use-case/manage-content
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