採用活動で分析データを有効に使う方法は?確認したい指標や分析方法を解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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採用活動において分析業務は業務効率化やパフォーマンス向上のために重要な要素です。分析業務には、データ分析と予測分析の2種類があり、両者の組み合わせにより迅速な意思決定が可能です。

採用活動で分析データを有効に使う方法は?確認したい指標や分析方法を解説

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ビッグデータ活用の重要性が高まる昨今において、データドリブンな考え方を採用活動に取り入れたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。担当者の勘や経験だけではなく、社内外のデータを有効活用できれば適切なアクションプランを策定でき、採用活動の効率化や費用対効果の向上につながります

本記事では、採用活動における分析の重要性や具体的なデータ分析手法をご紹介します。確認すべき指標や分析の手順についてもわかりやすく解説しますので、データ分析に馴染みのない方もぜひお役立てください。

採用活動における分析の重要性

採用活動における分析の重要性

採用活動における分析とは、社内外のさまざまなデータを収集・統合して分析する「データ分析」と、過去のデータから未来の結果を導き出す「予測分析」を組み合わせたものを指します。両者はいずれも、採用活動のパフォーマンスを向上させるために不可欠な要素です。

例えば、より効果の高い求人広告の選別は、勘や経験だけで各チャネルの成果を判断するのは難しいでしょう。内定率や採用コストなどの指標をもとに、チャネル別の客観的なパフォーマンスを可視化できれば選別は容易になります。

また、分析業務は選考プロセスの課題を特定し、適切な解決策を立案することにも役立ちます。データ分析業務を繰り返し実施し、課題を改善できれば、採用活動における自社独自のノウハウが確立され、コスト削減や効率化につながるでしょう。

ただし、過去のデータから現状を把握する従来のデータ分析手法だけでは、将来起こり得る課題やリスクを予想できません。より精度の高い意思決定を行うためにも、将来的なリスクを予測できる予測分析を従来のデータ分析と組み合わせる手法が、近年における分析の主流となっています。
 

採用活動のデータ分析で見るべき項目・指標

採用活動の分析では、用いるデータの種類が多岐にわたります。限られたリソースで効率的に分析業務を行うためにも、分析すべき項目や指標を明確にしましょう。特に次の項目は、歩留まり率や内定率などを計算する際に必要となるため、重要性が高いといえます。
 

1. 選考プロセスに関する項目

選考プロセスに関して分析したい項目は次の通りです。

▼分析したい項目
  • 応募者数
  • 選考合否数
  • 内定の承諾数
  • 内定後の辞退者数
  • 面接の辞退者数
  • 音信不通者数
  • 入社数

これらの項目は、選考プロセスにおける歩留まり率や採用チャネル別の成果の判断に活用できます。また、後述するように、時系列分析における問題の特定にも役立てられます。応募や一次面接などのプロセスごとに各項目を書き出しておくと良いでしょう。
 

2. 採用チャネルに関する項目

採用チャネルに関して分析したい項目は次の通りです。

▼分析したい項目
  • 求人媒体別の応募数
  • 求人媒体別の応募経路に関するデータ
  • 求人広告、自社採用サイトなどのPV数(全体数、ページ別の閲覧数など)
  • 求人媒体別の内定率

採用チャネルには広告以外に人材紹介や自社サイトの採用ページ、SNSなど、さまざまな媒体があります。媒体ごとの各データを分析すれば、適切な仮説検証や解決策の立案に役立てられます

例えば、求人広告のPV数が少ない場合には、「ユーザーの検索意図にあうキーワードが設定されていない」との仮説が考えられるでしょう。PV数を上昇させるには仮説をもとに解決策を立案し、改善を繰り返すことが有効です。

 

3. 採用コストに関する項目

採用コストは外部コストと内部コストに分かれ、それぞれ分析すべき項目が異なります。

▼分析したい項目

【外部コスト】

  • 求人媒体への掲載費用
  • 転職サイトやダイレクトリクルーティング専用サービスの利用料
  • 採用サイトやパンフレットといった採用ツールの制作費
  • 採用イベントでかかった費用
  • 面接を受けにきた人へ支給する交通費や宿泊費

【内部コスト】

  • 採用担当者にかかる人件費
  • 採用担当者以外にかかる時間・人件費 (役員の面接対応、説明会の対応など)
  • リファラル採用におけるインセンティブ

採用コストは、採用活動の費用対効果を分析するための重要な要素です。現辞典でどの程度のコストを費やしているのかを把握し、費用対効果を向上させるための取り組みを実施しましょう。

 

【目的別】採用活動におけるデータ分析方法

【目的別】採用活動におけるデータ分析方法

採用活動におけるデータ分析においてどのような指標を算出するかは、その目的によって異なります。ここでは複数の目的に分け、具体的なデータ分析方法を解説します。
 

1. 選考プロセスを最適化したい場合

選考プロセスを最適化したい場合、歩留まり率が指標となります。歩留まり率とは、「応募~選考~内定~内定承諾」といった採用フロー全体において、各フェーズに進んだ人数の割合を指します。

  • 歩留まり率(%)= そのフェーズを通過した人数 ÷ そのフェーズの全体数 × 100

例えば、応募者数が100名、応募後の選考フェーズへと進んだ候補者が20名の場合、応募フェーズにおける歩留まり率は20%です。

  • 通過者数20名 ÷ 応募者数100名 × 100 = 歩留まり率20%

歩留まり率を算出する際は、採用フローにおいて各求職者が進むフェーズをすべて書き出しましょう。各フェーズの通過人数を把握できれば、採用課題に対する的確なアプローチが可能となるでしょう。また、辞退者が多い場合には、各フェーズの辞退率を算出することが有用です。どのフェーズにおいて辞退者が多いのかを把握し、改善に活かしましょう。

採用フローの設計方法についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。選考プロセスを見直したい方はあわせて参考にしてください。

 

2. 採用チャネルごとの成果を明確にしたい場合

採用チャネルごとの成果を把握したい場合、内定率が指標となります。内定率は、自社に最適な人材を効率的に集められているかどうかの判断基準となるからです。

内定率は、チャネルごとに次の計算式で算出します。

  • 内定率(%)= 内定者数 ÷ 応募者数 × 100

内定率が高い状態、つまり、応募者に対する内定者数が多い場合はそのチャネルから自社に適した人材を効率的に集められているといえるでしょう。反対に、たとえ応募者数が多くても自社に合わない人材が多く集まると内定率は下がるため、別のチャネルを検討することが重要です。
 

3. 採用チャネルごとの費用対効果を明確にしたい場合

採用チャネルごとの費用対効果を明確にしたい場合は、一人当たりの採用コストを指標とします。

  • 一人当たりの採用コスト = 合計コスト ÷ 採用人数

例えば、求人広告経由で採用した人数が30名、広告掲載費やオプションの利用料などを含めた合計コストが60万円の場合、一人当たりの採用コストは2万円です。複数のチャネルを利用している場合は一人当たりの採用コストを比較して、より費用対効果の高いチャネルの把握に役立てましょう

一人当たりの採用コストの相場を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

 

採用のデータ分析を効果的に行う際のポイント

採用活動の分析から課題解決までの流れを最適化するには、事前に入念な計画を立て、明確な目的やKPIのもとで施策を実施することが大切です。次に紹介するポイントを参考に、具体的なアクションプランを策定しましょう。
 

目的やKPIを明確にする

採用活動における分析の目的は、現在の課題を解決し、将来的なパフォーマンス向上につなげることです。目的があいまいなまま分析を行ってもアプローチ方法があわず、成果につながらない可能性があります。まずは分析業務の目的を定め、明確なゴールに向けて方針を固めることが大切です。

目的を定めた後は、それにあう複数のKPIを設定しましょう。

例えば、採用活動の最終的なゴールが内定率の向上だとします。内定率を高めるには、応募者数や選考通過数、内定辞退数などの指標が必要です。

KPIは採用活動のパフォーマンスを評価する判断軸となるため、具体的に設定しましょう。定期的にKPIを測定し、着実に課題を解決することが目的達成へとつながります。

 

行動する前に計画を立てる

分析業務の実行前には、具体的な計画を立てましょう。事前に計画を立てるのは、「分析~仮説検証~施策改善」の流れのなかで問題が生じた場合に、スムーズに軌道修正を行うためです。

具体的には、収集するデータの項目や集計方法、分析手法を明確にします。また、 分析後の効果を確かめるために、自社の要件に添った評価軸・達成軸を決定しておくことも重要です。

 

複数の分析手法を組み合わせる

採用活動における分析手法には、さまざまな種類が存在します。単一の手法のみでは、データが意味する背景や要因を把握しづらいため、複数を組み合わせて多角的に分析するのがおすすめです。

代表的な分析手法は次の通りです。

  • クラスター分析:
    母集団から性質が類似した集団をグループに分ける手法。各グループの特徴を比較することで、より正確なニーズの特定が可能となる。例えば、マネージャー層向けに採用活動を展開する場合、「対人的感受性」や「自己開発意欲」などの項目で候補者をグループ分けし、それぞれの適性を判断するなど。
  • アソシエーション分析:
    複数のデータの相関性をもとに課題解決策へと導く手法。例えば、インターン参加率と内定率に相関性がある場合、「インターンに参加した候補者ほど内定に結び付く可能性が高い」という仮説が考えられる。この場合、インターン参加率を高める施策にリソースを集中して採用活動の効率性を向上させる施策を検討できる。
  • 時系列分析:
    時系列に並んだデータをもとに、短期・長期的、周期的な変動要因を割り出す手法。例えば、一次面接から内定の採用フローで、どの箇所が最も辞退率が高いのかを割り出し、辞退数削減に向けて取り組むべき施策を明確にする。

 

データ分析ツールを活用する

採用活動における分析は、エクセルやGoogle スプレッドシートでも可能です。しかし、手作業でのデータ入力や関数の構築に手間がかかる可能性があります。データ分析を効率的に行うためには専用のツールを利用するのがおすすめです。

例えば、選考プロセス全体の最適化には採用管理システムが役立ちます。採用管理システムは、選考プロセスにおけるデータを一元管理できるほか、製品によっては求人広告の作成や候補者管理といった機能を搭載しています。

自社サイトの採用ページを活用している場合は、Google Analyticsでアクセス解析を行うと良いでしょう。Google Analyticsでは、ページごとのPV数やコンバージョン数、直帰率などの指標を確認できます。

弊社が提供するツールは、マーケティングオートメーションやCRM(顧客関係管理)をはじめ、さまざまなマーケティング機能が搭載されていますが、採用活動にも利用できます。

例えば、リードジェネレーション機能は候補者への認知獲得に、リードナーチャリング機能は認知から応募、採用までの長期的な関係性の構築に役立ちます。そもそもの応募者が少ない、内定承認率が低いなど、候補者との接点創出や関係構築に課題を感じている場合は、ぜひ弊社のツールをご活用ください

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目的やKPIに沿って採用における効果的な分析を行おう

人手不足や採用活動の非効率化といった課題を解決するためには、分析業務が欠かせません。採用活動におけるさまざまなデータの分析は、コアな課題の特定と、それに対する仮説・改善策の立案につながります

採用活動の分析を進めるには、選考プロセスや採用チャネルごとに必要なデータを抽出することが大切です。そのうえで歩留まり率やチャネル別の内定率などを算出し、課題となる箇所を特定すると良いでしょう。

本記事を参考に、まずは目的やKPIを設定し、実効性のある計画のもとでデータ分析を進めましょう。

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トピック: 採用管理

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