よくある採用課題とは?中途・新卒別の課題一覧と7つの対策方法を解説

ダウンロード: 採用業務効率を改善させるATS無料テンプレート
水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

最終更新日:

公開日:

売り手優位の採用難が続くなか、「求人への応募が少ない」「求めている人材が集まらない」など多くの企業が採用課題を抱えています。しかし、漠然と課題は感じているものの、根本的な原因や対策を明確にできている企業は少ないのではないでしょうか。

よくある採用課題とは?中途・新卒別の課題一覧と7つの対策方法を解説

【無料】採用業務の効率化と優秀な人材確保に

ATSは、採用業務に関する情報を一元管理できるツールです。このテンプレを使用して効率的に作業しましょう。効果的な採用管理、コストの軽減、データの蓄積などにご活用ください。

採用業務効率を改善させるATSテンプレート ダウンロードする→

採用活動を効率よく進めるには、自社の採用課題を整理し、課題ごとの対策や解決のポイントを理解することが大切です。

本記事では、よくある採用課題の例を募集から入社までの段階別に解説します。新卒・中途に分けて、具体的な対策や解決するためのポイントを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

採用業務効率を改善させるatsテンプレート

採用課題とは

採用課題とは、企業の採用活動でボトルネックとなっている点や、うまく採用できない原因・改善すべき課題のことです。採用が計画通りに進まない理由は企業によって異なり、新卒・中途のどちらの比重が大きいかによっても、取るべき対策は大きく変わってきます。

また、採用課題は社会情勢によっても変わってきます。2023年は、少子化に伴う労働人口の減少により、企業は労働力確保のための対策が急務となっています。さらに、大企業よりも中小企業のほうが、採用状況が厳しいという見方もあります。

採用課題を根本から解決するためには、現状を分析して課題を可視化し、個別に対策を講じることが必要です。

出典:令和4年版 情報通信白書|生産年齢人口の減少|総務省少子高齢化と労働力供給構造|厚生労働省

2021年版「小規模企業白書」 第3節 雇用の動向|中小企業庁

 

【段階別】よくある採用課題の例

企業によって採用課題は異なるものの、一般的に聞かれる悩みには共通事項があります。新卒・中途における段階別によくある採用課題の例は、次の通りです。

【段階別】よくある採用課題の例

ここでは、新卒・中途の採用課題を、「募集~選考」「内定・入社後」の2つの段階に分けて説明します。
 

新卒の採用課題

まずは、新卒の採用課題を見ていきましょう。
 

募集~選考の課題

  • 応募が来ない、応募が少ない
  • 自社の求人に興味・関心を持つ学生が集まらない
  • 求める人材のペルソナ設定が難しい
  • 選考中に辞退されてしまった

新卒向けの求人募集では、大企業のような知名度がないと、他社の求人に埋もれて応募が集まりにくい懸念があります。

リクルートワークス研究所が行った大卒求人倍率調査(2022年卒)によると、新卒は特に大企業と中小企業での求人倍率の差が大きく、5,000人以上の企業が0.41倍であるのに対して、300名未満の企業は5.28倍という結果でした。大企業のほうが応募者を集めやすいことが明らかになっています。

そもそもの応募者数が少ない中小企業は、より一層、採用が難しくなるでしょう。

自社に関心を持ってもらえないという課題については、企業と求職者双方のニーズがマッチしていないケースも考えられるため、結果的に選考に要する時間が無駄になることがあります。採用に至っても、早期退職してしまう可能性があります。

さらに、新卒は採用基準を明確にしづらく、選考での見極めが難しいことも課題です。中途採用とは異なり、実務経験やスキルをもとにした判断ができないため、求める人物像である「ペルソナ」の設定が難しい傾向があります。

選考中の辞退は、新卒者側で再考した結果、その企業が希望と異なると判断したことや、他社での採用が決まったことが理由として考えられます。
 

内定・入社後の課題

  • 内定後に辞退されてしまった
  • 入社後すぐに退職してしまった

新卒者は、同時期に複数の企業の面接を受け、より関心の高い企業からの内定を選ぶのが一般的です。内定辞退の理由は、ほかに魅力的な企業があったことや、面接での対応や仕事内容、待遇といった条件が合わなかったことなどが考えられます。

入社後すぐに退職してしまう人もいますが、これは内定時に話していた仕事内容や実際の配属先、職場環境が違うなどのギャップが生じた可能性が高いでしょう。
 

中途の採用課題

続いて、中途の採用課題を見ていきましょう。
 

募集~選考の課題

  • 応募が来ない、応募が少ない
  • 求めるスキル・経験を有する人材が集まらない
  • 選考中に辞退されてしまった

中途採用の求人への応募が来ない、もしくは応募が少ない原因の一つとして、募集のタイミングが考えられます。中途採用は、現状の人員の退職や異動などに伴って行われることも多いため、採用期間が通常よりも短く、急を要するケースもあります。

また、求めるスキル・経験を有する人材が集まらない場合は、求める人材のレベルが高すぎる可能性があります。

選考中の辞退は、仕事内容・給与・勤務地など、募集時の条件と面接で説明された条件が異なることが主な原因と考えられます。
 

内定・入社後の課題

  • 内定後に辞退されてしまった
  • 入社後の定着率が低い
  • 採用コストが高い

中途採用における内定後の辞退は、勤務条件があわなかったことや、ほかの企業からの内定を承諾したことが主な理由と考えられます

入社後の定着率の低さは、入社前と入社後でのイメージの乖離が原因でしょう。

また、中途採用では企業が求めるスキルや経験に該当する求職者を見つけることが難しく、即戦力となる人材の採用コストは高くなる傾向があります。

 

採用課題を解決する7つの対策

採用課題を解決する7つの対策

採用の段階ごとにさまざまな課題はありますが、適切な対策を講じることで解決につながります。

ここでは、採用課題を解決する7つの対策を紹介します。自社で取り入れられそうな方法があれば、ぜひ実践してみてください。
 

1. 求める人材を明確にする

求める人材が不明瞭なままでは、採用課題の根本的な解決には至りません。まずは、自社で求める人材や人物像を明確にすることが第一ステップです。

採用条件を言語化して社内で共通認識を持つことで、採用のミスマッチを防ぐことにもつながります。具体的には、年齢や性別、経験の有無、必須スキルなどの水準を決めておくと良いでしょう。自社にそぐわない人物像の思考や行動も決めておくと、判断基準として運用しやすいのでおすすめです。

 

2. 募集条件を見直す

応募が来ない場合や少ない場合、期待する人材が集まりにくい場合は、条件設定の見直しが必要かもしれません。

一例として、求めるスキル・経験の条件を低くする、入社後に教育を実施することを前提とした内容にするなどがあげられます。条件に対する報酬・待遇が見合っていないことも考えられるため、他社の相場も参考にして検討しましょう。
 

3. 自社の魅力を求職者目線で考える

求職者に応募してもらうには、自社の魅力を適切に伝えることが大切です。その際、企業側から伝えたいことだけでなく、採用したい人材がどのような企業に魅力を感じるかという視点で考えると、アピールするべきポイントがわかってきます

自社の魅力については、人事部署だけで考えるのではなく、他部署でヒアリング・アンケートを実施すると、新しい訴求ポイントが見つかることもあります。
 

4. 自社に合った採用手法を選択する

採用手法にはトレンドがあります。自社でまだ試したことがない手法にはどのようなものがあるのかを理解したうえで、目的に合った手法を取り入れることが重要です。

新卒・中途に分けて、採用手法をいくつか紹介します。
 

新卒

新卒向けの採用手法には、次のようなトレンドがあります。

  • ダイレクトリクルーティング
  • 採用オウンドメディア
  • 採用ピッチ資料の導入
  • ポテンシャル採用
  • SNSの活用

ダイレクトリクルーティングとは、企業から学生に直接アプローチする採用手法です。自社で求めるターゲットに絞って接点を持つ方法であるため、採用活動を効率的に進められます。

採用オウンドメディアは、自社で保有するメディアで情報を発信する採用手法です。自社の認知度や理解度を高めやすく、興味・関心の醸成や、認識のズレを防いで定着率の向上が期待できます。

採用ピッチ資料とは、応募者に公開する会社紹介資料を指します。企業の魅力に加え、課題もオープンにすることで、入社後のミスマッチを軽減することが可能です。

数ある中途採用の手法のなかでも、ポテンシャル採用は平均より低いコストで実施可能です。ポテンシャル採用とは、スキルや経験以外の人柄・素養といった潜在的な能力を重視した採用方法です。

また、昨今は新卒・中途ともに、SNSを活用した採用活動も盛んです。特に、Z世代と呼ばれる世代は検索エンジンだけでなく、TikTok・YouTube・Twitter・Instagramなどのソーシャルメディアや、ニュースアプリで情報を収集している可能性が高いでしょう。

企業アカウントで理念や求人募集していることを発信することで、興味の醸成や認知度アップにつながります。

SNSを含め、さまざまな採用手法を検討し、うまくマッチしなかった手法もナレッジとして蓄積し、適切な採用フローを構築しましょう。

 

中途

中途向けの採用手法には、次のようなトレンドがあります。

  • アルムナイ採用
  • リファラル採用

アルムナイ採用とは、一度退社した人を再雇用する採用手法です。実際に働いたことがある人材であるため、即戦力になりやすいというメリットがあります。

リファラル採用は、自社で働いている従業員から紹介を受けて選考する採用手法であり、採用後のミスマッチが起きにくいことが特徴です。

どちらも、新たな募集の掲載や外部の求人サービスを使用する必要がないため、コストを抑えられます。

ただし、求職者とのタイミングが合わないと採用に至らず、採用期間が長期化しやすい点には注意しましょう。

採用手法はこちらの記事でも詳しく紹介しています。あわせて参考にしてください。

 

5. 内定までのフローを迅速に行う

応募から内定までに長い期間を要すると、徐々に関心や働く意欲が薄れていきます。また、求職者の視点で考えると、対応が遅い企業よりも迅速な対応をする企業のほうが好印象といえるでしょう。

高いスキルや多くの経験を持つ人材は、複数の企業から内定を得る可能性が高いため、求める人材を確実に採用するためにも、内定までのフローを迅速に行う必要があります。

採用管理ツールなどを活用し、業務効率化を図ることも一つの手段です。内定まで時間を要している場合は、採用フローの見直しも検討しましょう。

採用フローのパターンや特徴については、こちらをご覧ください。

 

6. 応募者に合わせて面接日程・方法を変更する

面接日程などの連絡が遅いと、選考の時点で辞退されるリスクが上がります。面接前の辞退を防ぐためには、早めの日程調整も意識しましょう。

面接のスケジュール調整が難しい場合は、応募者の退社後や休日に面接を設定することや、オンライン面接を検討すると良いでしょう。

応募者にあわせて柔軟に面接日程や方法を変えることで、辞退を防ぐことにつながります。また、求める人材をより早く採用できるという利点もあります。
 

7. 内定・入社後のフォローを行う

内定通知後から入社までの期間中、求職者に対してフォローアップを行うことも対策の一つです。入社までの期間が空くと、他社での採用へ心変わりしたり、不安な感情などから内定を辞退したりする可能性もゼロではないためです。

具体的には、入社前に内定者と社員がコミュニケーションを取る機会を設けることや、入社後の研修の実施やサポート役を配置するといった方法があります。

フォローのための人員を割けない場合は、外部委託も可能です。

自社の採用課題や具体的な対策方法を可視化したあとは、それらを踏まえて採用計画を立てていきましょう。

 

採用課題ごとの対策や解決のポイントを理解し、自社の採用活動に活かそう

企業の採用課題は多岐にわたり、課題ごとに実施すべき対策や解決のポイントが異なります。

採用活動を計画通りに進めるためには、自社の採用課題を整理し、課題にあった対策を講じることが重要です。

採用課題を整理する際には、募集・選考・内定後など段階ごとに階層化して考えることや、新卒・中途それぞれの課題の根底にある原因を考えると可視化しやすくなります

採用課題ごとの解決のポイントを捉え、自社の採用活動に活かしましょう。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

採用業務効率を改善する ATSテンプレート

トピック: 採用管理

関連記事

ツールを使って採用コストと手間の軽減を実現させましょう