働き方が多様化し場所にとらわれずに仕事する方が増えていくなかで、オンライン会議を実施する機会が増えているのではないでしょうか。オンライン会議ツールの中でも多くの企業が導入しているのが「Zoom」です。
ただZoom会議に参加したことはあるものの、不慣れなために使い方がいまいちわからない、他の参加者が使いこなしている機能を自分は使えずもどかしい・・・そう感じている方も少なくないかもしれません。
ミーティングで頻繁に利用する機能の1つが「画面共有」です。今回はZoomの画面共有機能について、操作方法や活用方法をご紹介します。画面共有機能を使いこなし、ミーティングをリードできるような状態を目指しましょう。
Zoomの画面共有機能でできること
Zoomで利用できる画面共有機能について、概要やメリット、注意点、具体的な機能についてご紹介します。
Zoomの基本的な使い方や会議を主催する方法などが知りたい場合は、こちらの記事をご覧ください。
Zoomを使いこなすには?基本的な使い方を解説
Zoomのインストール方法については、以下の記事にて詳しく説明しています。
ZoomのPC版・アプリインストール方法を解説
画面共有機能とは
画面共有機能とは、会議の参加者に対し、自身のパソコンで表示している画面を共有して見てもらうことができる機能です。
Zoomでは誰でも簡単に利用することができます。
自分以外の参加者が画面共有を行った場合、共有された画面がZoomアプリ全体に表示されます。こうすると、共有画面は大きく見やすいですが、他の参加者の様子がわからなくなります。
このような全画面表示を解除したい場合は、カーソルを画面上のほうへ持っていき、「オプションを表示」から「全画面表示の終了」もしくは「左右表示モード」を選択します。
「全画面表示の終了」を選択した場合は全画面表示ではなくなり、「左右表示モード」を選択した場合は共有画面と参加者の映像が左右に分かれて表示されるようになります。
画面共有機能を使うメリットと注意点
Zoomの画面共有機能の大きなメリットは、各参加者が同じ画面を見ながら会話を進めるられる点です。
資料や画像、映像を全員が共有できることで、音声による会話だけでは進めるのが難しい議題もスムーズに進めることが可能です。スライドを表示しながらポインターで見て欲しいところを示すことなどもできるので、ウェビナーなどでも活用できます。
注意点としては、画面共有時に誤って表示したくない画面を共有しないよう留意することが挙げられます。
特に全画面共有を行っていると、表示したい画面以外のアプリを間違って呼び出してしまい、社外秘の資料を公開してしまうなどのセキュリティ上のリスクもあります。
このようなリスクを避けるためには、詳しい方法は後述しますが、画面全体ではなく特定のアプリを共有する方法がおすすめです。
Zoomでウェビナーを開催する際の手順については、以下の記事にて詳しく解説しています。
Zoomでウェビナーを開催するには?メリットや利用手順を解説
画面共有機能でできる4つのこと
Zoomの画面共有機能では、主に以下のような4つの機能が利用できます。
各機能の使用方法はスクリーンショット撮影した実際の画面を使用して後述していますので、参考にしてください。
- 共有するアプリを選択する
自身のパソコン画面を共有する際、画面全体の他に、特定のアプリを選択して共有することができます。
この機能を使えば、自身はパソコン上で別のアプリを閲覧・使用しても、会議の参加者には最初に共有したアプリが表示され続けます。
- ツールを用いて画面を説明する
画面を共有中、画面上部のバーから「コメントを付ける」を選択すると、表示画面を説明するためのさまざまなツールを使用できます。
ポインターを使って見て欲しい箇所を示したり、線を使って重要な箇所をマークしたりなどの機能を使えば、会議をスムーズに進めることが可能です。
- ホワイトボードを使用する
画面共有機能の中に、「ホワイトボード」という機能があります。
ホワイトボード機能を使えば、まっさらな画面に文字や絵を書きながら参加者にその画面を共有することができます。イメージを共有したいとき、ブレインストーミングをするときなどに便利です。
- iPhoneやiPadの画面を共有する
Zoomでは、パソコン経由でiPhoneやiPadの画面を参加者に共有することも可能です。
なお、Androidの画面を共有する際は、Android端末のほうでZoom会議に参加し、端末で画面共有の操作をする必要があります。
自分の画面を相手と共有する
パソコン版アプリで画面共有機能を使用するには、まずZoomを起動しビデオ通話に参加しましょう。
通話を開始すると、画面下部に以下のようなメニューアイコンが表示されます。
「画面を共有」アイコンをクリックすると、以下のように共有可能な画面の一覧が表示されます。アイコンクリック後、ウィンドウから共有したい画面を選択できます。
例えば、ここでホワイトボードを共有したい場合は、上図の「ホワイトボード」アイコンをクリックした後、画面右下の「共有」ボタンをクリックします。
では、Zoomのメニューバーに表示されている機能についても解説していきます。
- ミュート
「ミュート」ボタンをクリックすると、マイクミュートのON/OFFの設定が切り替わります。ミュートにすると話し声が相手に聞こえません。
相手が話している時にミュート解除していると、雑音が通話相手に聞こえてしまい、通話の声が聞き取りづらくなってしまうので注意が必要です。
- ビデオの開始
クリックすると、ビデオのON/OFFを切り替えます。
ビデオをオンにしていると、パソコンやスマホについているカメラの映像が通話相手から見えるようになります。オフにすると見えなくなります。背景を見せたくないするときにはビデオをオフするとよいでしょう。
- セキュリティ
「セキュリティ」アイコンをクリックすると上図のメニューが表示されます。
「ミーティングをロックする」をクリックすると、外部からミーティングへ参加できなくなります。また「参加者に次を許可」以下のメニューで、参加者に許可する設定を指定できます。
- 参加者
通話に参加している参加者が誰なのかを確認できます。名前を確認することで、部外者が参加していないことを確認できます。
- 新しい共有
現在共有している画面の共有を中止し、新たに別の画面の共有を開始します。
- 共有の一時停止
クリックすると共有を一時的に停止します。
- ホワイトボード
ホワイトボードメニューを表示します。ホワイトボードを使用すると、ペイントのような画像編集ソフトのように絵を描きながら、それを通話相手に共有することができます。
- 共有の停止
クリックすると現在の共有画面を停止します。
次に「詳細」アイコンをクリックした後に表示されるメニューを見ていきます。
- チャット
チャットウィンドウを開きます。チャットを使うと通話しながら、文字情報やファイルのやり取りも行うことができます。大勢でのセミナーやイベント時、話を聞いている側でのディスカッションも行うことができます。
- レコーディング
ミーティングの録音や録画を開始します。ミーティング終了時に映像や音声を保存することができます。
- 参加者の注釈を無効にする
共有中に他の参加者が注釈を付けることができないようにします。
- 注釈者の名前を表示
注釈をつけた参加者の名前を表示します。
- コンピューターの音声を共有
利用しているデバイスで再生する音声を共有します。YouTubeの映像などを相手と共有しながらみることができます。
- フルスクリーンビデオクリップのための共有を最適化
ビデオクリップをフルスクリーンモードで共有したいときにクリックします。
- 終了
ミーティングを終了します。
共有している画面にテキストやイラストを入れる
ホワイトボード以外の画面を共有している状態で「コメントを付ける」アイコンをクリックすると、注釈をつけるためのツールが表示されます。
注釈ツールを1つずつ説明します。
- マウス
マウスカーソルを表示します。マウスによるウィンドウ操作が可能です。
- 選択
共有画面の一部を選択します。
- テキスト
共有画面にテキストを入力します。
- 絵を描く
共有している画面に絵や文字、図形などを描きます。
- スタンプ
スタンプを使って注釈をつけることができます。
- スポットライト
スポットライトにすると、マウスでクリックした箇所を光らせて目立たせることができます。
- 消しゴム
書いたメモを消します。
- フォーマット
注釈ツールのフォーマットを変更します。
- 元に戻す
行った操作を戻すことができます。
- やり直し
元に戻した操作を再度行うことができます。
- 消去
記入した注釈を消去します。
- 保存
全ての注釈を画像として保存します。
音声付きで画面共有する方法
パソコンで再生する音声を含めた画面共有をご説明します。
「コンピューターの音声を共有」にチェックを入れると、デバイスで再生される音声がミーティング参加者に共有されます。
例えば、YouTube動画やパソコンに保存してある動画を参加者に共有したい場合に便利です。
複数の参加者で画面同時共有する
Zoomでは通常のミーティングの場合、主催者、参加者関係なく誰でも画面を共有できます。
基本的には1人が画面共有している時は他の参加者は画面共有できません。ただ、複数名が同時に共有できる設定も可能です。
「画面を共有」の右にある「^」アイコンをクリックします。すると、2つのメニューが表示されます。
「同時に1名の参加者が共有可能」にチェックが入っている場合は、通常通り一人ずつ画面共有できる状態です。
「複数の参加者が同時に共有可能」をクリックすると、複数人が同時に画面共有できる状態となります。
「高度な共有オプション」をクリックすると、画面共有を制限できる画面が表示されます。
共有できるのは誰ですか?の項目で、「ホストのみ」を選択すると、ホスト以外の参加者は画面共有を行えなくなります。参加者が多い場合に利用するとトラブルを防げるでしょう。
自分のスマホ画面をPC画面上で共有する
次は自分のスマートフォンの画面を、パソコン上で画面共有する方法を説明します。「画面を共有」クリック後の画面まで進みましょう。
そこで表示されている「iPhone/iPad」アイコンをクリックして、画面右下の「共有」ボタンをクリックします。
パソコンと同じネットワークに接続したスマホで、画面を下から上にスワイプします。
「画面ミラーリング」をタップします。
「Zoom-Owner」をタップします。スマホの画面がZoom画面上で共有されます。
画面共有中に動画や音声を共有する
Zoomの画面共有機能では、資料やWebブラウザだけでなく、動画や音声を参加者に共有することも可能です。
動画や音声を参加者に共有するための手順
まずは共有したい動画や音声を、普段自身が使っているアプリで読み込みます。
次に、Zoomの「画面の共有」アイコンをクリックし、再生アプリを選択します。このとき、画面左下の「音声を共有」にチェックを入れます。
「共有」をクリックすれば画面と音声が共有されるので、再生して参加者に共有しましょう。
動画を共有する場合、画面の選択時に左下の「ビデオクリップの最適化」を選択すると、自身が動画を全画面表示した際に参加者にも最適な形で共有されます。
動画や音声共有時の注意点
動画や音声を共有する際、「音声を共有」にチェックを入れていないと、パソコンで再生されている音声が会議の参加者へ共有されなくなります。
具体的には、自身がイヤホンマイクなどを使っている場合、音声は自分にだけ聞こえて参加者には聞こえません。
自身がパソコンのマイクとスピーカーを使っている場合、パソコンが再生した音声をパソコンのマイクが拾い、劣化した音声が共有されることになります。
動画や音声を共有する際は、「音声を共有」のチェックを忘れないようにしましょう。
画面共有機能が使用できない場合は?
画面共有機能を上手く使用できないときは、以下の可能性があるため、原因に合わせた対処を行いましょう。
アプリのバージョンが古い
パソコン、スマホともに、アプリのバージョンが古いと画面共有機能が正常に機能しない可能性があります。
公式サイトやアプリストアなどで最新版にアップデートしましょう。
ホストが参加者に画面共有を許可していない
画面共有機能は誰にでも使用できる機能ですが、会議のホストは参加者の画面共有を禁止することができます。
この場合、参加者は画面共有ができないので、必要であればホストへ設定の変更を依頼しましょう。
設定を変更するには、「画面の共有」アイコン右上の矢印をクリックし、「高度な共有オプション」を選択します。共有できる人を「ホストのみ」から「全参加者」にすれば、誰でも画面共有が使えるようになります。
パソコンの動作が重い
上記のいずれでもなく、パソコンの動作が重くて上手く機能しないと感じる場合は、一度会議から退出し、アプリを再起動してから再度会議に参加してみましょう。動作が軽くなる可能性があります。
他に立ち上げているアプリがパソコンの処理能力を圧迫している可能性もあるため、必要のないアプリをすべて閉じることで動作が軽くなることもあります。
それでもなお動作が重い場合は、パソコンを再起動しましょう。
画面共有機能を使いこなしてスマートな会議を
画面共有機能を使いこなせるようになると、資料の共有だけでなくホワイトボードを使って話を整理したり、イラストや図を使ってコミュニケーションしたりすることもできます。
オンラインでのミーティングは、実際に会議室で行うものと比べると互いの様子がわかりづらいため、話だけでなく、視覚情報も積極的に駆使するのが効果的です。
オンラインでもスムーズなコミュニケーションを取れるよう心がけましょう。