案件管理とは、顧客情報を可視化し、取引先ごとにアポイントメントの取得や商談といった営業の進捗を管理することです。
一元管理を実現!営業案件 & 進捗管理テンプレート
商談の進捗状況がひと目でわかる営業管理シート
- 営業の進捗状況とタスクを一元管理できる
- チーム内でタスクを共有管理
- 取引先を一括管理できるマスタシート
- 案件、顧客ごとの進捗、受注金額を把握できる管理シート
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業務効率化や営業プロセスの改善などのメリットがある案件管理ですが、管理すべき項目や具体的な管理の方法がわからないとお悩みの方も多いでしょう。
本記事では、案件管理の手法やおすすめのツールなどを詳しく解説します。
案件管理とは
案件管理とは、顧客情報を可視化し、取引先ごとに営業の進捗状況を管理することです。
案件管理では、主に次のような情報を取り扱います。
- 取引先名
- 案件名
- 担当者
- 商談日
- 商談内容
- 商材名
- 進捗状況
- 担当者の行動履歴
- 受注見込み率
- 受注予定日
- 売上見込み額
- 失注理由
案件管理を行うと、状況に応じて営業担当者に適切なアドバイスができるようになります。営業フローの課題も明確になるため、案件管理に取り組むことは顧客体験の向上につながります。企業側のメリットとしては、業務効率化や売上の増加が期待できるでしょう。
案件管理の手法
ここでは、案件管理の主な手法を3つ紹介します。無料のツールと有料のツールがあるため、費用対効果も考慮しながら最適なツールを検討しましょう。
- エクセル(Excel)・Google スプレッドシート
- タスク管理ツール
- SFA/CRM
エクセル(Excel)・Google スプレッドシート
エクセル(Excel)やGoogle スプレッドシートを活用した案件管理は、多くの企業で採用されている手法です。
2021年に株式会社ハンモックが実施した調査で、53%以上の企業がエクセルを活用していることがわかっています。Google スプレッドシートは無料で使用が可能で、エクセルに比べてリアルタイムのデータを共有しやすいのが特徴です。
SFAやCRM(顧客関係管理)ツールといったデジタルツールの導入も進んでいますが、エクセルやGoogle スプレッドシートを用いた案件管理を行っている企業も依然として多いことがうかがえます。
エクセルやGoogle スプレッドシートを用いた案件管理は、コストを抑えられることがメリットです。しかし、案件数が増えると管理が煩雑になります。さらに、案件ごとにデータを探す手間もかかり、データを会議資料などに用いる場合は、グラフや表に手動で変換しなければなりません。
案件管理を効率化したい場合は、組織の規模を問わずデジタルツールの活用がおすすめです。
タスク管理ツール
タスク管理ツールは、各担当者が行うべきタスクを一覧表として可視化するツールです。期日やタスクの種類、優先度などの詳細情報を分類し、効率的に管理できます。また、コメントの追加やファイル添付にも対応しており、コミュニケーションの簡略化も可能です。
個人とチームそれぞれの進捗状況をチーム全体で把握できるため、作業の遅延や抜け漏れを防げます。
ただし、タスク管理ツールは、あくまで案件管理の補助をするためのツールです。効果的な営業活動を実現するには、案件管理に特化したツールを導入すると良いでしょう。
SFA/CRM
SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)ツールは、営業活動の進捗や履歴、顧客情報を一元管理するためのものです。
SFAは営業活動を全般的に管理するツールで、受注予定日や見込み額など、案件に関する情報をリアルタイムで更新・確認できます。蓄積されたデータから営業の成功パターンを導き出すことも可能で、効果的な営業活動の改善が可能です。
CRMツールは、顧客情報を管理するためのツールです。顧客の社名や住所といった連絡先だけでなく、購入履歴やメルマガの開封履歴、Webサイトの訪問履歴なども記録できます。顧客の状況や行動をもとにしたアプローチを行うことで満足度を高め、企業と顧客の間に良い関係性を構築することを目的としていることから、CRM(Customer Relationship Management)と名づけられました。
顧客と良好な関係を築くと、リピーターの増加につながります。さらに、リピーターが良い口コミを広げてくれることで、新たな見込み客の醸成にもつながるため、企業にとっても大きなメリットがあります。
SFAとCRMを併用することで、より効果的な案件管理が可能になります。そのため、近年は両方の機能を統合したタイプのツールも増えています。
HubSpotは、CRMを基盤とした統合型プラットフォームであり、SFAの機能を持つSales Hubを導入すると、顧客情報から営業の商談状況などまで一元管理が可能です。
無料版もあるため、小規模にスタートしたい方は、ぜひ無料版から試してみてはいかがでしょうか。
案件管理を行うメリット
ここでは、案件管理を行う主なメリットを紹介します。
- 進捗状況をリアルタイムで確認できる
- 営業活動の属人化を防げる
- 営業活動に関して重要な意思決定ができる
- 営業プロセスが改善できる
- 関連部門との連携を円滑に行える
進捗状況をリアルタイムで確認できる
案件管理を行うことで、案件の進捗状況をリアルタイムに確認できます。それにより、未対応の案件や商談の停滞にいち早く気付くことができ、営業活動の最適化につながります。
営業の案件管理に役立つSFA(営業支援システム)なら、進捗の遅れを見逃さないために、遅延している案件の色を変化させたり、アラートを表示させたりといった設定が可能です。
エクセルやスプレッドシートを使った案件管理を行っている場合は、SFAに切り替えることで、案件管理の効果をより高めることができるでしょう。
営業活動の属人化を防げる
営業活動を組織全体で共有すると、情報の属人化を防げることもメリットのひとつです。担当者が抱える案件や進捗状況を全員で把握できるため、特定の担当者に依存せず、誰でも対応できるようになります。結果として、営業活動の効率化や業績アップが見込めます。
また、重要な案件にスキルの高い担当者を割り当て、必要に応じてマネジメント層が同行して受注率を高めるなどの、戦略的な営業活動にも役立ちます。
営業活動に関して重要な意思決定ができる
SFAなどのツールを活用した案件管理は、営業活動の重要な意思決定にも効果を発揮します。営業担当者が、各案件の受注見込み率や見込み額をシステムに入力すると、組織全体で数字を把握できるようになるためです。
システムに蓄積されたデータは、経営戦略の策定やリソースの適切な分配などに役立ちます。例えば、特定の案件に対してリソースを重点的に配分すると、受注率を高めることが可能です。
案件ごとの性質を見極め、適切なタイミングで必要なアクションを取ると業績アップにつながります。案件管理は営業活動の全体を可視化し、より戦略的な意思決定を実現するための方法ともいえるでしょう。
営業プロセスが改善できる
すべての案件の記録をシステムに残し、受注や失注の要因を分析すると、営業プロセスを改善できます。営業ノウハウを蓄積することで、人材育成にも役立てられるでしょう。
SFAを活用した案件管理を行うと、営業プロセスのボトルネックが客観的な数値で把握できます。営業担当者の成果に差がある場合は、パフォーマンスの良い担当者の活動内容を参考にすることで、チーム全体のスキルの底上げが可能です。
データに基づいた改善策の実施は、営業の最適化や体制強化に不可欠です。
関連部門との連携を円滑に行える
SFAに入力したデータは、他部門ともリアルタイムで共有が可能です。
例えば、マーケティング部門とデータを連携すると、顧客に合わせた商談・提案を行うためのサポートが期待できます。また、カスタマーサポート部門が顧客の情報を正しく把握することで、相手のニーズに合ったサポートの提供が可能になります。
案件管理の必須項目
案件管理では、次の項目を必須の項目として設定しましょう。
- 担当者
- 進捗状況
- 顧客情報
- 受注予定日・確度
- 予想売上金額
それぞれの項目が必要とされる理由を解説します。
担当者
案件管理は、各案件の担当者の明確化が重要です。各案件に対して誰が担当しているかを記録すると、案件が放置されるリスクを防げます。
また、担当者を明確にすることで案件の的確な割り振りが可能になり、一部の担当者がオーバーワークになることを回避できます。案件の進捗状況が管理しやすくなることもメリットといえるでしょう。
進捗状況
進捗状況の管理は、案件の円滑な進行を確保し、チーム全体の生産性を向上させるうえで重要です。
各案件のフェーズを常に記録しておくと、マネージャーが進捗を管理することが可能になります。また、商談前にロールプレイングの実施を提案したり、進捗が滞っている場合にはヒアリングを行ったりするなど、状況に応じたサポートにも役立ちます。担当者自身も、案件の進捗状況を常に意識して動くようになるでしょう。
顧客情報
会社名や事業所名、担当者の名前や特徴などの顧客情報も、案件管理の必須項目です。
取引先の情報は、事業所の移転や担当者の変更などによって頻繁に変わります。最新の情報が部門内で共有されていないと、過去の情報をもとに連絡を行ってしまうことも考えられます。場合によっては顧客との信頼関係を損なう可能性もあるため、常に最新の情報を関係者全員が閲覧できるようにしておくことが重要です。
受注予定日・確率
受注予定日を適切に管理すると、最適なタイミングで顧客に提案ができたり、受注予定日から逆算して営業活動を効率的に進めたりすることが可能です。スケジュールをチーム内で共有しておくと、マネージャーやほかのメンバーからアドバイスをもらえることもあるでしょう。
また、受注見込み率を考慮したうえで案件管理を実施すると、案件数や価格に基づいた売上の予測を立てることもできます。受注見込み率の把握により、どの案件にリソースを優先すべきかが明確になり、成約率の向上にもつながります。
予想売上金額
案件ごとの見積金額を記録し、受注見込み率と組み合わせると、より精度の高い売上予測が立てられます。今後の収益見通しを把握し、リソース配分を最適化できることは、営業部門にとって重要です。
また、予想売上額と実際の売上にギャップが生じた場合は、その要因を分析することで課題がわかるため、営業フローの改善にも効果的です。
スムーズに案件管理を行うコツ
ここでは、案件管理をスムーズに行うコツを3つ紹介します。
- 進捗を毎日確認する
- 管理項目や記入方法のルールを定める
- 案件管理の目的をチームで共有する
進捗を毎日確認する
案件管理で進捗を確認する頻度が少ないと、プロジェクトの遅れに気付かない可能性があります。そのため、進捗は毎日確認しましょう。適切な対処ができないことで、問題が大きくなってしまうことも考えられます。
例えば、資料請求を行った見込み客へのファーストコンタクトが遅れると、商談の機会を逃してしまう可能性があります。
業務開始直後や終了前など、時間を決めて進捗確認をルーティン化すると良いでしょう。
管理項目や記入方法のルールを定める
管理項目や入力方法のルールを定めると、いつ誰が確認しても案件の進捗を正確に把握できます。また、情報の粒度が統一されることで、案件ごとの比較が容易になる点もメリットです。
例えば、確実に受注できると思われる案件は「Aクラス」、次に受注の可能性が高い案件は「Bクラス」など、ルールを定めて分類すると、進捗の見える化にも効果があります。
営業担当者とマネージャーで、ルールに対する認識を統一しておくことも大切です。
案件管理の目的をチームで共有する
案件管理を行う際は、目的を決めてチームで共有しましょう。説明がないまま営業担当者に情報提供を求めても、うまく機能しないので注意が必要です。
例えば、成功パターンや失敗パターンをチーム全体で共有し、担当者全員が成果を出せるようになることを目的として共有するケースもあります。営業担当者にとってもメリットがあることを理解してもらえると、協力を得やすくなります。
ツールを導入して案件管理を効率化しよう
見込み客の数を増やすことは重要ですが、それよりも重要なのは、「創出した見込み客と、どのように良い関係性を構築するか」ということです。
営業の成果を上げるには、顧客視点で考える営業活動が不可欠といえるでしょう。リアルタイムの顧客情報を社内で共有し、案件管理によって営業活動の状況を可視化することで、見込み客の状況やニーズに合った提案が可能になります。
HubSpotは、顧客情報を一元管理するCRMが基盤となったシステムです。営業活動の最適化や効率化に役立つ「Sales Hub」とあわせて使用することで、顧客情報をもとにした営業活動を実現できるのが特徴です。SFAやCRMの導入が初めての方でも迷わないよう、丁寧なサポートも行っています。
無料版もあり、小規模にスタートできるため、案件管理方法に悩んでいる方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。