【初心者向け】GA4の導入・初期設定・その他の設定方法を解説【画像付き】

GA4とは、アクセス解析ツールの代表例であるGoogle アナリティクスの最新のプロパティです。プロパティとはGoogle アナリティクスにおけるバージョンのようなものであり、現在、Google アナリティクスとなるとGA4を指します。

Google アナリティクス 4（GA4）の基礎と導入ステップ

Web分析の第一人者 小川卓氏に学ぶ！

• 小川卓氏によるGoogle アナリティクス 4概論の講演
• GA4の実装方法
• GA4の探索機能
• GA4とHubSpotの連携について

今すぐ無料ダウンロードする 詳しく見る 今すぐ無料ダウンロードする

今すぐダウンロードする

全てのフィールドが必須です。

ダウンロードの準備ができました

下記のボタンよりダウンロードいただけます。

今すぐダウンロードする

GA4には初期設定をふくめさまざまな設定項目があり、初めて設定する場合は戸惑うこともあるかもしれません。

そこで本記事では、GA4導入に必要な設定から推奨する初期設定、分析に必要なイベントの設定やレポートのカスタマイズについて実際の画面を見ながら解説します。

また、日本におけるアクセス解析の第一人者である小川卓氏のアドバイスもお届けしますので、どうぞご活用ください。

GA4（Google アナリティクス4）とは、アクセス解析ツール「Google アナリティクス」で現在使用されているプロパティで、2020年10月にリリースされています。一つ前のプロパティであるUA（ユニバーサルアナリティクス）は、しばらくの間併用できましたが、2023年7月1日をもって終了となりました。

Google アナリティクスのGA4の特徴は、アクセス解析をユーザー単位で行う点にあります。

従来のUAではセッション単位でアクセスを行っていましたが、これではユーザーが別デバイスで再アクセスしたときなどに追跡が途絶え、正確な経路がわからないなどの問題がありました。

GA4にてユーザー単位の解析が可能になったことで、例えばWebサイトとアプリを横断して追跡が可能になり、ユーザーの行動がより実態に近い形で解析できるようになっています。
 

本記事では、GA4の導入時から運用開始までにやっておきたい初期設定・その他の設定について解説します。具体的に解説する項目は、以下のとおりです。

• 初期設定
• GA4の導入からプロパティ設定まで
• Webサイトとの接続
• 推奨する初期設定
• その他の設定
• イベントの設定
• レポートのカスタマイズ

もしGA4について他のことが知りたい場合は、包括的に解説している以下のコラムをご覧ください。

まずはGA4プロパティの導入・初期設定方法について解説します。

プロパティの作成にはGoogle アカウントが必要なので、社用アカウントがない場合には作成しておきましょう。
 

1. 導入～プロパティ設定

GA4を導入するまでの手順を簡潔にご紹介します。

1.  Google アナリティクスの公式ページから［測定を開始］をクリック
   
2.  アカウント名を入力し、案内に従って入力を進める
   
3.  「ビジネスの説明」と「ビジネス目標」を選択する
   
4.  プラットフォームで「ウェブ」を選択後、導入するWebサイトのURLと任意のストリーム名を入力して［ストリームを作成］をクリック
   

これにてWebサイトを分析するためのGA4プロパティが作成されました。
 

2. GA4とWebサイトを接続

GA4プロパティを作成したら、Webサイトとの接続を行います。これにはトラッキングコードと呼ばれる計測用のコードをWebサイトのHTML内に挿入する必要がありますが、現在はほとんどのケースでその必要はなく、以下2つの方法で接続が可能です。

• CMS（WordPressなど）の機能を利用して接続
• GTMを使う

多くのWebサイトはWordPressなどなんらかのCMS、あるいはWebサイト作成ツールを用いて作成していると思われますので、1つ目の方法で簡単に接続できます。スクラッチで作成している場合はHTMLの編集が必要ですが、その場合は作成を担当した制作会社が行ってくれます。

GTM（Google タグマネージャー）とは、Google 関連サービスで使用するタグ（トラッキングコードなど）を一括で管理するツールです。連携するだけなら1つ目の方法のほうが早いですが、今後Webマーケティングを拡大していくならGTMで導入しておくのがおすすめです。

CMSの機能を利用する場合は、プロパティ作成後に出てくる次の画面で［タグの実装手順を表示する］をクリックします。

［プラットフォームを選択］をクリックし、Webサイトで使用しているツールを選択して、表示された手順どおりに連携を進めれば完了します。

GTMでの設置方法はこちらの記事からご確認いただけます。

3. 初期設定をする

GA4導入後に行う4つの初期設定をご紹介します。

次に記載している4つの設定をあらかじめ行っておくと、アクセス解析時に便利です。

• データ保持期間を14か月に変更
• Google シグナルのデータ収集を有効化
• クロスドメイントラッキングの設定
• 内部のIPアドレスを除外

データ保持期間を14か月に変更

GA4ではデフォルトで2か月に設定されているため、設定で延長します。

「管理」から「データ設定」、「データ保持」と選択

イベントデータの保持のプルダウンから14か月を選択して「保存」

Google シグナルのデータ収集を有効化

Google シグナルを有効にすると、ユーザーがデバイスを変えてアクセスしたことも同一ユーザーとしてカウントし、広告でもクロスデバイス対応した状態でリマーケティングキャンペーンを実施できるなど、さまざまな利点があります。

「管理」から「データ設定」、「データ収集」と選択

「Google シグナルによるデータ収集を有効にする」をオンに

クロスドメイントラッキングの設定

自社が複数ドメインのWebサイトを持っている場合、通常は他サイト扱いとなるため、ユーザーが自社AサイトからBサイトへ遷移すると離脱と扱われます。

クロスドメインの設定をすることで、サイト内の回遊と同じ扱いになります。

1.  「管理」から「データストリーム」を選択
   
2.  データストリームを選択
   
3.  「タグ設定を行う」、「ドメインの設定」を選択
   
4.  「条件を追加」を選択し、マッチタイプとドメインを入力して「保存」
   
5.  2つ目移行も同様に

以下コラムにて、画像付きで詳しく解説しています。

内部のIPアドレスを除外

自身や同じプロジェクトのメンバーなどは頻繁にWebサイトへアクセスを行いますが、顧客ではありません。こうした内部メンバーのIPアドレスをアクセス解析から除外することで、より正確な解析が可能となります。

1.  「タグ設定を行う」までクロスドメイントラッキングと同様
2.  「すべて表示」で展開してから「内部トラフィックの定義」を選択
   
3.  「作成」を選択し、ルールと除外するIPアドレスを記入して「条件を追加」
   

以下コラムにて、画像付きで詳しく解説しています。

GA4で計測・分析を行うためには、イベントやレポート設定が必要です。自社独自のカスタマイズ設定が必要な場合は、次の設定方法を参考にしてください。
 

GA4のイベント設定

GA4では、次の5つのイベントが自動で計測されます。

• page_view
• first_visit
• scroll
• click
• file_download

他に計測したいユーザーアクションがあれば、カスタムイベントとして設定が可能です。
 

新規でカスタムイベントを設定する方法

カスタムイベントの設定においても、GA4の管理画面上から設定する方法と、GTMを使用して設定する2つの方法があります。

1.  【GA4の管理画面上で設定】
2.   ［設定］→［イベント］→［イベントを作成］
   
3.   カスタムイベントの作成ページが表示されるので［作成］をクリック
   
4.   設定内容を記入し［作成］をクリック
   
5.  作成したイベントの反映を確認して完了

反映までに24時間ほどかかる場合があります。反映されていない場合には、時間を置いて再度ご確認ください。

GA4のイベントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【GTMで設定】

GTMを使用するカスタムイベントの設定は、HTMLの編集が不要で、タグの管理も容易に行えます。

広告でも同じイベントを使用したい場合や、複数のイベントを管理したい場合には、GTMでの設定がおすすめです。

1.  GTMから［新しいタグ］→［GAイベント］を選択
2.  ［タグの設定］を開き、必要項目を入力
   
3.  ［トリガーの設定］を開き、必要項目を入力
   
4.  タグを保存したらプレビューモードでタグの発火を確認
   
5.  タグが発火していれば公開して完了

GTMでのイベント設置方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。

イベントをキーイベント（コンバージョン）に設定する方法

作成したイベントをコンバージョンとして設定する方法を紹介します。レポートなどにコンバージョンとして表示させるためには、事前に設定が必要です。

なお、一般的にコンバージョンと呼ばれる指標の設定は、GA4では「キーイベント」と呼ばれるようになりました。これは、Google 広告と連携した際、Google 広告のコンバージョンと数値が変わってしまうために行われた変更です。

1.  ［設定］→［キーイベント］→［新しいキーイベント］を開く
2.  ［新しいイベント名］の欄に作成したイベント名を入力し保存
3.  キーイベントに作成したイベントが追加されていれば完了

この時、［キーイベントとしてマークをつける］がONになっていることを必ず確認してください。

GA4のキーイベント設定については、こちらの記事で詳しく解説しています。

GA4レポートのカスタマイズ設定

GA4では、データ集計を確認するレポート機能と、より深いデータ分析を行うための探索の2つがあります。それぞれのカスタマイズ設定手順を詳しく説明します。

レポートから確認できるデータは次の4つです。

• レポートのスナップショット
• リアルタイム
• ユーザー
• ライフサイクル

ユーザーとライフサイクルは、［ユーザー属性の詳細］や［集客サマリー］など、さらに下層に分かれています。

レポートの編集は次の手順で行います。

1.  編集したいレポートを開き、右上位に表示されている編集マーク（レポートをカスタマイズ）をクリック
   
2.  右側のカスタマイズメニューから、不要なカードを削除し、［カートの追加］から表示したい指標を追加
   
3.  完了したら［保存］をクリック

このレポート機能では、主要な集計やディメンションを指定した比較となるため、より踏み込んだアクセス解析を行う場合には、次で解説する探索機能を使います。
 

より詳しいデータ分析なら探索機能

レポートではそれぞれの指標の大まかなデータを確認するのみですが、「探索」を使用すればより詳しいデータ分析が可能になります。

いくつかのテンプレートが用意されており、目的に合わせて選択してカスタマイズできます。以下は、自由形式を選択した場合の画面です。

左側で探索の設定を行い、その設定に合わせてデータが右側に表示されるという仕組みです。

「変数」では、データの深堀りに使用する要素を追加します。例えば、「ディメンション」では地域・期間・ユーザー属性など、「指標」では表示回数・イベント数などがあります。以下は、ユーザーに関連する指標で選択できる項目です。

探索では、例えば以下のようなレポートを作成できます。

ここでは、GA4の設定やその他GA4に関してよくある質問をまとめました。疑問点があった場合、まずこちらをご確認ください。
 

GA4はGoogle サーチコンソールと連携できる？

UAから引き続き、Google サーチコンソールと連携可能です。なおUA時代からGoogle アナリティクスを使用している場合は、GA4にて再設定が必要となります。

QRコード、メール、広告などからの流入を計測するutmパラメータは利用できる？

UAで可能だったのと同様に、GA4でもutmパラメータを付与することで流入の詳細を計測できます。
 

UAとGA4では指標の名称はどう変わった？

GA4へ移行するにあたり、いくつかの指標は廃止となり、新しい指標が追加、いくつかは定義が変更されています。詳しくは以下のコラムをご覧ください。

ここまでご紹介したGA4プロパティの導入、初期設定、その他各種設定については、広告代理店などに外注することも可能です。

例えば、社内リソースが足りない場合には、初期設定は自社で行い、カスタマイズ設定は外部に依頼することも可能です。社内状況に応じて外部への依頼をご検討ください。

また、外注によって、通常のマーケティング業務に専念できるメリットもあります。外注先の選定時は、カスタムイベントのコンバージョン設定やレポートのカスタマイズ設定まで依頼できるかどうか、確認しておきましょう。

設定代行の依頼に適した外注先やスケジュール感についてウェブアナリストの小川氏に伺いました。

「外注先は、主に広告代理店があげられます。有償版のGA4を使用しているのであれば、販売代理店やGA4の導入支援を行うコンサル会社、一部のWeb制作会社にも外注可能です。ただし、混雑状況によっては相談しても断られるケースや、2〜3か月先になる場合もあります。」（小川氏）
 

GA4でアクセス解析をするには、導入設定に加え、状況に応じてカスタムイベントやレポートの設定も必要です。

基本的な設定は本記事を参考に進めることも可能です。アナリティクスのカスタム機能を活用している場合や、社内リソースが足りない場合には、外部への依頼もご検討ください。

アナリティクスのカスタム機能を活用している場合には、導入から本格的な運用開始まで2～3か月ほどかかる場合があります。操作に慣れるまでの時間も考慮し、早期の導入が重要です。

まずは必要な設定事項とそれぞれの設定方法を確認し、早めにGA4の設定を行ってください。