オウンドメディアとは、企業が運用するメディアのことで、コンテンツマーケティングにおいては、主にコラムを掲載するWebサイトを指します。見込み客や顧客のニーズに合った有益な情報を提供することで、信頼関係が構築され、安定した集客や自社のブランド力の強化につながります。また、コンテンツを自社の資産として蓄積することが可能で、中長期で運用するほど費用対効果が高まる点もメリットのひとつです。


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本記事では、オウンドメディアの立ち上げを検討中の方に向けて、オウンドメディアのメリットを詳しく紹介します。デメリットや対策もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアの8つのメリット
オウンドメディアは、売上向上やブランド力を高めるのに効果的です。ここでは、具体的な8つのメリットを紹介します。
- 見込み客を創出できる
- コンテンツを資産として蓄積できる
- 広告費を削減できる
- 売上の向上が見込める
- ブランド力を向上させられる
- 採用活動の強化につながる
- 幅広いテーマのコンテンツを発信できる
- 顧客ロイヤルティの向上が期待できる
1. 見込み客を創出できる
オウンドメディアを運用すると、潜在顧客や見込み客へ効果的にアプローチできます。
一例として、システム開発会社が運用するオウンドメディアであれば、「システム選定の際の注意点」や「業務効率化の方法」といったテーマでコンテンツを制作することが考えられます。それにより、システムの導入や入れ替えに興味がある企業や担当者にリーチすることが可能です。
また、記事内で有益な情報を提供し、自然な流れで自社サービスを紹介すると、商談やコンバージョンにつながります。潜在顧客や見込み客のニーズを捉えた良質なコンテンツを発信し続けることで、継続的な見込み客の創出が期待できます。
2. コンテンツを資産として蓄積できる
掲載したコンテンツは、一度公開するとその後も残り続けます。検索エンジンやSNSなどのユーザーが継続的にコンテンツにアクセスすることで、長期的に資産として活用できるでしょう。
良質なコンテンツを制作し、定期的にアップデートを行うことで、時間が経過してもコンテンツが価値を持ち続け、継続的に集客ツールとして機能します。
3. 広告費を削減できる
Web広告は、掲載を続けると継続的に費用が発生し、掲載をストップすると集客効果もなくなります。一方で、オウンドメディアの場合は、コンテンツの制作やサーバー利用料などの費用はかかるものの、一度制作したコンテンツで継続的に集客できるため、広告費の削減につながります。
オウンドメディアで集客ができるようになるまでには、中長期的なプランをもとにコンテンツをコツコツと制作しなければなりません。しかし、検索エンジンからの自然流入が始まると、広告費がかからない集客ツールとして機能するという大きなメリットがあります。
4. 売上の向上が見込める
有益なコンテンツを提供し続けると、ターゲット層から「信頼できる情報源」として認知されるようになり、信頼関係が構築されます。その結果、自社の商品・サービスに興味を持ってもらえる見込み客が増え、売上の向上が見込めます。
すでに自社の商品・サービスに対して購入意欲がある「顕在層」には、具体的な使用方法やユーザーの声などのコンテンツを提供することで、スムーズに購入へとつなげられるでしょう。
一方で、自社の商品・サービスを認知しているものの、まだ具体的なアクションを取っていない「潜在層」に対しては、別のアプローチが必要です。商品やサービスの特徴、競合との差異化ポイントといった基本的な情報をわかりやすく整理することで、比較・検討段階に移ってもらいやすくなります。
5. ブランド力を向上させられる
オウンドメディアは自社で運用するため、デザインやコンテンツ内容の自由度が高く、企業の個性を色濃く反映できます。自社の価値観や強みを明確に打ち出すことでブランドイメージが強化され、他社との差異化を図ることが可能です。
例えば、機械メーカーが運用するオウンドメディアで、開発事例やエンジニアのインタビュー記事を発信すると、品質へのこだわりや技術力の高さをブランドイメージとして読者に伝えられます。自社の商品やサービスの特徴だけでなく、企業文化や社会貢献への取り組みなど、自社の理念をベースに幅広い情報を提供することで、ブランドイメージを深く印象付けられます。
6. 採用活動の強化につながる
企業が運用するオウンドメディアは、求職者に対して自社の価値観や働き方を発信できる採用ツールとしても機能します。例えば、「社員の1日」や「商品の開発秘話」などを発信すると、求人情報ではわからない企業のリアルな情報を求職者に伝えられます。
また、専門性の高さや技術力をアピールすると、エンジニアなどの優秀な専門職人材へのアプローチにも効果的です。採用後のミスマッチも防止できるため、離職率の低下にもつながります。
7. 幅広いテーマのコンテンツを発信できる
オウンドメディアは企業の公式ホームページと異なり、情報発信に特化しているという特徴があります。そのぶん設計の自由度が高く、幅広いテーマのコンテンツ配信が可能です。
商品やサービスの紹介だけでなく、ノウハウやお役立ち情報など、さまざまな切り口でコンテンツを展開しましょう。記事内に動画コンテンツを挿入したり、メルマガの登録フォームを設置したりといったマーケティング手法も自由です。
ただし、オウンドメディアの方向性がブレないように、目的をしっかりと定めたうえで運用することが大切です。
8. 顧客ロイヤルティの向上が期待できる
オウンドメディアを通じて有益なコンテンツを提供することで、顧客との信頼関係が構築でき、ロイヤルティの向上が見込めます。ロイヤルティの高い顧客が増えるとLTV(ライフタイムバリュー)が向上し、中長期的に収益が安定します。
ロイヤルティが高い顧客は、商品やサービスを使い続けるだけでなく、良い口コミを広げてくれることもあります。その結果、新規顧客が創出されるという好循環が生まれます。
オウンドメディアのデメリット
オウンドメディアには、広告に頼らない集客やブランディングが可能になるなどのメリットがありますが、次のようなデメリットもあります。運用を開始する前に把握しておくと良いでしょう。
- 専門的な知識が必要
- コンテンツ制作の工数と費用がかかる
- 成果が出るまでに時間がかかる
- 信頼性低下のリスクがある
専門的な知識が必要
オウンドメディアを効果的に運用するには、SEOやマーケティングの専門知識が必要です。特に、検索エンジンで多くの人が検索するキーワードは、検索結果の上位表示を狙っているサイトが多数存在するため、戦略的な取り組みが欠かせません。
具体的には、キーワード選定や内部リンク最適化などのSEO対策と、受注や問い合わせへの導線を設計するためのマーケティングの知識が求められます。また、サイト構築やアクセス解析ツールの選定には、IT関連の専門知識も必要です。
自社に専門知識を持った人材がいない場合は、外部のマーケティング会社に依頼しましょう。徐々にコンテンツ制作を内製化できるようにサポートしてくれる会社もあるため、自社の予算とリソースを踏まえて依頼先を検討することが大切です。
コンテンツ制作の工数と費用がかかる
コンテンツ制作やSEO対策などを外部の専門家に依頼すると費用がかかり、打ち合わせのための時間も確保しなければなりません。一方、自社で編集チームを立ち上げた場合、外注費はかかりませんが、人件費が必要になるため、自社に最適な方法を総合的に判断することが大切です。
また、動画コンテンツなど、専門的なツールやスキルが必要なコンテンツの制作を検討している場合は、そのための費用も考慮する必要があります。コンテンツマーケティングは中長期的に取り組む施策であることから、入念に予算計画を立てたうえで進めましょう。
成果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアで成果が出るには時間がかかるため、中長期的にじっくりと取り組むことが大切です。制作した記事が検索エンジンに認知され、評価が上がって上位表示を目指せる状態になるまでには、少なくとも3か月、長いと6か月以上かかるケースもあります。
また、ユーザーを惹きつける良質なコンテンツを作るためにも、試行錯誤を繰り返しながら改善を積み重ねていく必要があります。
信頼性低下のリスクがある
オウンドメディアで制作したコンテンツは、多くの人が読むことになるため、不適切な内容のコンテンツを発信すると、企業の評価に影響する可能性があります。
特に、信憑性の低い情報や誤った情報の掲載には注意が必要です。オウンドメディアは、企業が公式な情報発信を行う場であることを意識して、内容を精査しましょう。
また、オウンドメディアが更新されずに放置されていると、サイトを訪れたユーザーが不審に思います。検索エンジンからの評価を得るためにも、立ち上げ当初は週に2~3記事程度の投稿を目指すことをおすすめします。
オウンドメディアの運用は外注すべきか?
オウンドメディアの運用は、自社で行う「内製化」と、外部の専門家へ委託する「外注化」に大きく分かれます。初めて取り組む場合は、専門家にアドバイスを受けながら運用を開始し、徐々に内製化していけると良いでしょう。
オウンドメディアの運用で成果をあげている企業は、専門家の力を借りながらも、自社で対応可能なことについては積極的に取り組み、ノウハウを蓄積しています。
特に、コンテンツにオリジナリティを出す部分は、業界や顧客の事情に精通しているプロフェッショナルとして、企業が担う必要がある重要な役割です。完全に外部の専門家に運用を依頼することもできますが、丸投げするのではなく、主体的に取り組むことが成功のポイントです。
コンテンツ制作のサポートツールを活用することで、専門知識がなくても質の高いコンテンツを自社で制作できます。外注化とあわせて、ツールの導入も検討しましょう。
中長期的な視点でオウンドメディアを運用しよう
オウンドメディアは、顧客とのつながりを生み出す重要な媒体ですが、成果が出るまでに数か月はかかります。そのため、広告のように短期的な利益を求めずに、中長期的な視点で継続的にコンテンツを発信することが重要です。
オウンドメディアの運用を自社で効率的に行いたい場合は、コンテンツの制作をサポートしてくれるツールの導入がおすすめです。
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