観られる動画を作るには?ユーザーを惹きつける6つの心理テクニック

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戸栗 頌平(とぐり しょうへい)
戸栗 頌平(とぐり しょうへい)

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動画コンテンツは、写真やテキストに比べて一度に伝えられる情報量が多く、うまく活用できればユーザーの関心を多く集めることができます。動画の効果が広く知られたことで動画コンテンツの制作を検討する企業担当者が増えています。

観られる動画を作るには?ユーザーを惹きつける6つの心理テクニック

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ただ、動画をうまく活用するには、適切な素材を用意するだけでなく、編集技術が必要です。何より、ユーザーから関心を得るためには、ユーザー心理を把握しておく必要があります。

本記事では、まず動画制作の基本を解説した上で人を惹きつける動画を作るために知っておきたい6つの心理テクニックをご紹介します。

動画マーケティングの基礎ガイド

動画コンテンツの現状

HubSpotではマーケティングとセールスに従事する6,000人以上の人々を対象にアンケートを実施し(英語)、現代の消費者の嗜好に合わせて戦略をどのように変化させているか調査を行いました。回答に多くあげられたのが動画コンテンツやソーシャルメディアです。

その結果、マーケターの約半数が、来年は動画配信のためにYouTubeとFacebookをチャネルに追加すると回答しました。

直近12ヶ月で導入したいコンテンツ

マーケティングにおいて、コンテンツマーケティングは無視することのできない手法となっています。中でも、動画コンテンツの制作・効果については多くのマーケターが熱視線を送っていることがわかります。

コンテンツマーケティングについては、別の記事でより詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

コンテンツマーケティングとは? 定義から実践方法までを徹底解説

また、コンテンツマーケティングにおける成功事例をこちらの記事で紹介しています。

コンテンツマーケティング事例|業界別の国内・海外の成功例まとめ
 

マーケティングにおける動画コンテンツを活用するメリット

コンテンツマーケティングで活用できるコンテンツは動画だけではありません。動画コンテンツを上手に活用することで、他のコンテンツにはない次のようなメリットが生まれます。

なお、コンテンツマーケティングにおいて活用可能な動画以外のコンテンツについては、別の記事で詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

コンテンツマーケティングに効果のあるコンテンツの種類とは?
 

一度に多くの情報を伝えることができる

一般的に、動画は静止画や文章に比べてより多くの情報を伝えることができると考えられています。音やナレーションを組み合わせることで、提供する情報の内容をより深く印象付けることもできます。
 

ユーザーとのエンゲージメントを醸成しやすい

動画で伝えられる情報量は多いため、自社商品の魅力や、自社の特色など細かなニュアンスまで伝えやすくなります。そのような動画をターゲットユーザーに向けて発信すれば、自社をより深く理解してもらいやすくなり、エンゲージメント向上が期待できます。
 

ブログと動画は共存できるか?

HubSpotでは、動画コンテンツの制作によってHubSpotのマーケティングブログ記事やソーシャルメディアチャネルへのトラフィックが向上するのかどうかを確かめるため、次のような実験を行いました。
 

私たちの行った実験

2017年の2月から5月にかけて、専属チームと協力して7つの新しいブログ記事のための動画コンテンツを公開しました。

動画コンテンツをYouTube、Facebook、Instagram Storiesに公開しました。一部のブログ記事についてはYouTubeとFacebookの両方に動画を投稿しました。その後YouTubeとFacebookの動画をブログ記事に埋め込んでクロスプロモーションを図り、Instagram、Facebook、YouTubeのすべての動画にブログ記事へのリンクを入力しました。
 

実験結果から見えるもの:3つの教訓

この実験からはすでに多くのことを学ぶことができました。ブログコンテンツを動画に作り変える取り組みの次のステージで活かしたい主な教訓をまとめました。
 

1) 再生数の多いFacebook動画がブログ記事へのトラフィック向上につながるとは限らない。

いくつかのケースではブログ記事よりもFacebook動画の方がはるかに人気が高かったうえ、ブログ記事へのトラフィックを作り出すこともできませんでした(Facebookは動画再生数のソースを公開していないためブログ記事への埋め込みが再生数の増加に貢献した可能性もあります)。

Facebookで動画の再生数が良好だったのは、HubSpot制作チームの撮影・編集スキルの素晴らしさが主な要因となったことは間違いありません。しかし、動画の内容が充実しており興味をそそるものだったことも、再生数に貢献したと思います。動画がよくできていたからこそ、視聴した人は同じトピックについてのブログ記事を読む必要性を感じなかったのかもしれません。

HubSpotのケースでは、Facebook動画はブログ記事へのトラフィック向上ツールとして利用するよりも独立したコンテンツとして扱った方が効果的なのかもしれません。しかし、ブログ記事とFacebook動画が共生的に働いたケースもありました。 
 

2) 何が「バイラル」となるかはメディアの種類で決まる場合もある。

ブログ記事やYouTube動画の人気が最も高く、Facebook動画でも2番目に再生数が多かったトピックは、ソーシャルメディア・カレンダーでした。このケースではFacebook動画の再生数とブログ記事の閲覧数が、同時進行で急上昇する現象が見られました。キーワード検索の量に基づいてトピックを選び、ブログ記事や動画の制作においてはソーシャルメディアを利用しているすべての人の役に立ち、興味をひく内容を心がけたことが功を奏し、動画の再生数やオーガニック検索トラフィックが占める割合を伸ばすことができました(ブログ記事への合計トラフィックの20%)。

それでもFacebookからブログ記事へと流入したトラフィックの量は比較的低く、Facebookへの投稿はブログ記事へのトラフィック向上ツールとしてはあまり効果的ではないことを示しています。

F8カンファレンスの概要をまとめたブログはカレンダーの記事よりも閲覧数が低くなりましたが、Facebookへの投稿動画は最も高い再生数を獲得しました。今回の実験の結果から、ニュース報道やライフスタイルコンテンツはソーシャルメディアで最も効果を発揮でき、キーワードに特化したコンテンツはブログの方がより良い結果を残せることがわかりました。
 

3) Instagram Storiesはブログ記事へのクリックスルー率が最も高い。

この実験で投稿したInstagram Storiesは、ブログ記事へのクリックスルー率に最も貢献したことがわかりました。ブログ記事の閲覧数そのものは全体的にそれほど高くありませんでしたが、投稿日当日にソーシャルメディアから流入したトラフィックの大部分がInstagram Storyからのものでした。

つまり、ここで反応したユーザーはInstagramの投稿をうわの空でチェックしているのではなく、Storiesを視聴し、CTAのメッセージに従ってブログ記事を読んでいるということです。
 

マーケティングで活用できる動画の種類は?

実際にマーケティングに活用できる動画にはどのようなものがあるのでしょうか。もちろん、作り手次第で無限大の可能性があることは否定しませんが、ここでは代表的な例をいくつか紹介します。
 

エンターテインメント系

ユーザーが楽しんで視聴できるコンテンツは需要が大きいでしょう。できれば自社の得意分野に絡めた内容で作成することで、自社情報やサービス情報の提供やCTAへの誘導がスムーズになります。
 

情報提供系

ユーザーが知りたいことや困っていることの解決策となる情報を提供する動画も有効です。情報提供系動画では、その情報の正確性と有用性が重要となります。自社の得意分野や知見のある分野の内容で作成することで、企業に対する信頼度の向上にもつながります。
 

ハウツー系

DIYやガジェットの操作方法など、ユーザーの関心のある分野におけるハウツー動画も人気のある分野のひとつです。何かしらの問題解決につながる内容で作りやすく、自社サービスや製品の情報をさりげなく盛り込むことも可能です。
 

インタラクティブコンテンツ

動画の中には、ユーザーが操作可能なものもあります。これを「インタラクティブコンテンツ」といいます。ユーザーが自分に関する情報を入力することで個別化した情報を手に入れることができたり、クイズやパズルなどちょっとしたゲームを楽しむことができたりといった内容が考えられます。

ユーザー自身が操作を行うことで動画に対する関心が高まり、コンテンツ内の滞在時間の延長効果も期待できます。

インタラクティブコンテンツについてはこちらの記事でもより詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

インタラクティブコンテンツとは?海外ブランドの興味深い事例も紹介
 

動画を作る際の注意点

実際に動画コンテンツを作成する際には、マーケティングコンテンツであるということを意識する必要があります。具体的には、次のようなポイントに留意すると良いでしょう。
 

動画コンテンツの目的を明確化する

その動画コンテンツを公開することで、企業にとってどのような効果を期待するのかを明確にしておきましょう。企業の知名度を向上するのか、製品の購入者数を増やすのかによって、適した動画の内容は全く異なります。目的に適したコンテンツを制作できるよう、目指したい効果は具体的に設定しておく必要があります。
 

ターゲットを具体的に想定する

想定するターゲット像によっても、好まれる動画の内容や見た目、作り方に差が生まれます。想定するターゲット像をより具体的に設定し、ペルソナを作成した上でコンテンツの内容を検討すると良いでしょう。
 

動画を制作する前に用意するもの

動画制作の際には、まず「動画で誰に何を伝えたいか」を明確にして、目的に沿ったシナリオを検討しましょう。シナリオが決まれば撮影プランを作成して、実際に撮影、及び編集を行います。本章では撮影、編集に必要になる機材やツールについて解説します。
 

撮影機材

以前は動画撮影といえばビデオカメラが一般的でしたが、最近はスマホやデジタルカメラでもクオリティの高い動画が撮影できるようになりました。場面によって最も適した機材を選択すると良いでしょう。

例えば長時間撮影を行うならビデオカメラが便利です。動画だけでなく写真画質にもこだわりたいならデジタルカメラが良いでしょう。旅先での急な撮影などでは、スマホによる動画撮影も活用しない手はありません。

その他にも、360度カメラやウェアラブルカメラ(ヘルメット等に取り付けるカメラ)を利用すると一味違う動画素材が撮影できます。

撮影をサポートする機材としては、三脚、スタビライザー(カメラの揺れ・ブレを軽減する道具)、外付けマイク・ワイヤレスマイク、グリップハンドル、照明などがあります。撮影プランに合わせて準備しましょう。
 

編集機材

一般的に動画の編集作業ではパソコンと動画編集ソフトを用います。動画編集ソフトには無料版、有料版があります。後ほど動画編集ソフトを紹介しますので参考にしてください。

なお、動画編集には通常の事務作業より高いパソコン性能が求められ、性能が良いほど編集作業が快適になります。使用する編集ソフトが奨励する性能を提示していることが多いので、事前にご確認ください。

もし多くの編集機能を必要とせず、簡単に動画編集を行いたいなら、スマホでも編集可能です。つまり、撮影から編集までスマホで完結できます。
 

動画素材、撮影対象

動画素材は、実際に撮影する方法以外にも、shutterstokやAdobe Stok等のサイトから購入することもできます。動画のシナリオを作成する際、サイトを事前チェックしておくと効率的な撮影プランを立てる事ができます。

撮影対象を検討する際には法的規制を理解しておく必要があります。具体的には、著作権と肖像権に対処しなければなりません。

  • 著作権
    著作物(小説、音楽、絵画、建築、写真、映画、プログラムなど)を作り出した著作者の人格を守る著作者人格権(著作者の名誉や作品への思い入れを守る権利)、及び、著作者が著作物の利用に対する使用料を受け取る著作権(財産権)があります。著作権は契約に基づき譲渡可能です。一方、著作権を譲渡しても著作者人格権は譲渡できません。
     
  • 肖像権
    人物の無断撮影、及び撮影物の無断公表をしないように主張できるプライバシー権、及び、有名人など、肖像や名前に起因する経済的価値を有名人本人で支配するパブリシティ権があります。
    例えば、意図せず版権キャラクターが映り込んでしまった場合、動画コンテンツの差し止めだけでなく、損害賠償に発展することがあり得ます。また、自社の従業員のインタビュー動画を撮影すると被撮影者に肖像権が発生します。この場合は、事前に使用許諾を得る必要があるでしょう。

他にも、施設内の撮影の場合、施設管理者の許可が必要なケースがほとんどです。動画撮影を行う前に法的な問題点がないか専門家に相談しておくと良いでしょう。
 

動画の作り方

動画を制作する方法には、撮影機器(ビデオカメラ、デジタルカメラなど)で撮影した動画素材をパソコンで編集する方法だけでなく、スマホで撮影から編集までを行う方法があります。

オリジナリティのある動画を作成する場合にはパソコンを利用し、旅先などですぐに動画を投稿する場合などはスマホで完結するなど、状況に応じて使い分けも可能です。
 

パソコンにおける動画作り方の流れ

下記のような作業の流れが一般的です。

  1. 動画制作の目的「誰に何を伝えたいか」を決める
  2. 動画のシナリオを決める
  3. シナリオを基に撮影プランを決める
  4. 撮影を行う
  5. パソコンで動画編集を行う。
  • 動画編集に必要な素材(動画、画像、音源)を読み込む
  • 読み込んだ素材に対して、カット、トリミングなど行う
  • テキストや画像などを動画に挿入する
  • 動画にエフェクト・フィルター加工を行う
  • 動画をエンコードして1つの動画ファイルを出力する
     

スマホにおける動画の作り方の流れ

スマホにおける動画制作においても、「パソコンにおける動画作り方の流れ」の(1)~(3)までは同じです。(4)での撮影、及び(5)の編集でスマホを使います。なお、スマホの動画編集機能はパソコンの動画編集ソフトより少ないため、どのアプリを使うか事前に検討しておきましょう。

下記に代表的な動画編集アプリを提示します。iOS版とAndroid版のどちらも提供されています。(iPhoneにインストールされているiMovieは後ほど説明します。)

動画編集アプリの比較
 

動画で人を惹きつけるための6つの心理テクニック

動画で人を惹きつけるための6つの心理テクニック

HubSpotはFacebookで動画を公開しています。全体の傾向としては、長めの動画よりも1分間の動画の方が再生回数が多いのですが、現時点で再生回数が第3位の動画は、長さが4分近くもあります。それなのに上位に入っているのは、なぜだと思いますか。

Facebookでは、ユーザーを強く惹きつけた動画ほどオーガニックリーチが拡大します。つまり、大勢に見てもらうには、最初から最後までオーディエンスの心をとらえて離さない動画にする必要があります。長さがほかの動画の4倍近いとなるとなおさらです。それができなければ、動画の存在自体を多くの人に知ってもらえなくなります。

今回の動画では、オーディエンスのエンゲージメントを最大限に高めるために、心理学に裏付けられたテクニックを至るところで活用しました。まずは実際の動画をご覧ください。その後で、この動画で使った6つの心理テクニックを解説していきます。
 

1)好奇心を刺激する

好奇心を刺激するうえで役立つのが、カーネギーメロン大学のGeorge Loewenstein教授が打ち出した、好奇心のギャップ理論です。

この理論によると、自分が知っていることと知りたいこととの間にギャップがあるのを感じた人は、そのギャップを埋めるための行動をどうしても取りたくなります。たとえば、リンク先の記事を読もうとするのはそのようなときです。

今回の動画では、見る人の好奇心をかき立てるために、シンプルながらも示唆に富むタイトルを付けました。「Entrepreneurship is Back(起業家精神が戻ってきた)」というものです。

このタイトルを見ると、何らかの疑問が頭をよぎるかもしれません。「戻ってきたということは、最近までは消えていたのか?」「昔と今で何が変わったのか?」「自分がいま起業するにはどうすればよいのか?」などです。そのような疑問が浮かべば、動画を見てもらえる可能性が高まります。

好奇心を刺激しつつ、疑問の答えを示さずにおけば、閲覧者が知っていることと知りたいこととの間にうまくギャップを生み出せるかもしれません。
 

2)オーディエンスを逃さない

Facebookの動画をユーザーがどのように見ているかを同社が分析した2016年のデータによると、動画の冒頭3秒を見た人の45%は、そのまま30秒まで見続けるそうです。

逆に言うと、オーディエンスの好奇心をかき立てて動画の再生にこぎつけたからといって、ずっと興味を惹きつけておけるとは限りません。冒頭の3秒で視聴者を瞬時に惹きつけるためのフックが必要です。人間の関心は持続期間が短いですから、退屈と思わせたらその時点で負けなのです。

では、人々を惹きつけるフックとは何なのでしょうか。Bufferによると、見る人の関心を視覚的に呼び覚まし、動画の核となるメッセージを予告するようなフックが効果的です。見る人の注意を引きつけつつ、その後の展開に関心を抱かせるようにしましょう。

今回の動画の場合は、冒頭の3秒で、テレビ番組「Shark Tank」(米国版「マネーの虎」)にちなんだ数多くの映像を次々と映し出し、その素早い切り替わりで視聴者の注目を誘っています。そして、番組に登場した起業家に見覚えがあるとしたら、この動画のテーマもわかるという寸法です。

オーディエンスを逃さない

また、ナレーションでも、動画全体のテーマを冒頭で簡潔に打ち出しています。開始後すぐ本題に入り、起業家精神の高まりを取り上げた動画であることを伝えています。HubSpotの動画を見る人の中には、起業を夢見ている人が大勢いますから、このように全体のテーマをすぐに示せば、間違いなく興味をそそられるはずです。
 

3)視覚に訴える

赤ちゃんは視覚を通じて物と行動を結び付けます。たとえば、ボールを見たら遊ぶ時間、というようにです。視覚だけが世界を知るための窓です。

だからこそ、人は視覚情報を250ミリ秒で理解できます(まばたきの倍近い速さです)。また、脳の半分以上は視覚系に関係しています。昔も今も、目で見ることは、何かを学ぶ最善の方法なのです。

話の内容をビジュアルに示すと、概念やデータをつかみやすくなります。そこでこの動画では、テロップやナレーションを補うために、動きのあるグラフィック、人気映画のワンシーン、インタビューなどを使っています。

ナレーションで何らかの概念やデータを詳しく伝える場面では、その説明とあわせて、画面上で同じ内容をビジュアルに表現しています。こうして、動画の核となるアイデアが確実に伝わるようにしています。

視覚に訴える
 

4)物語を伝える

人の話を聞いていると、その体験や考えが自分の心にそのまま染み込んでいって、まるで自分が体験しているかのような気分になることがあります。

強烈な話を聞いたときに共感が呼び覚まされるのは、脳の中で、実際にその体験をしたときと同じ部分が活性化されるからです。たとえば、ロブスターを食べたときの話を聞くと感覚皮質が反応し、試合で初ゴールを決めたときの話を聞くと運動皮質が反応します。

自分の記憶をもとに、感覚を刺激する細部が再現され、話で聞いた出来事が、自分自身の考えや体験に変わるのです。

今回の動画に出てくるのは起業家精神についての話です。具体的には、起業家精神の歴史や、世の中にもたらす意義を取り上げています。あるいは、最近までの低迷、現在の復活、今後の輝かしい未来について、それぞれの背景を取り上げています。

こうした事実を織り込んだ話を聞くことで、視聴者は現代の起業家になった気分になるかもしれません。この結果、「生きるために仕事をする」という意識では達成感がないという点や、起業の道を追求することが本人や世界にもたらす影響について、我が事のように実感できます。
 

5)見る人を元気づける

Psychology Todayによると、どのブランドを選ぶかというのは、かなりの部分が感情に左右されるそうです。また、人に対して感じるのと同じような性格的特徴を、ブランドに対しても感じています。

お気に入りのブランドを選ぶのは、特定の友だちを親友と感じるのと同じようなものです。気持ちが安らぐ人と一緒に時間を過ごしたいと思うのと同じで、気持ちが安らぐブランドと関わりを持ちたいと人は思います。

見る人の心に響く動画にしたいのなら、温かい気持ちをかき立てる必要があります。実際、コンテンツのバイラル化を促すことが特に多いのは、幸せ、希望、ワクワクといった感情です。

今回の動画では、デジタル時代は市場参入にかかるコストが低いこと、投資を受ける必要性が減ったこと、ソーシャルメディアを通じてこれまでにない規模のブランドエンゲージメントを効率的に構築できることを取り上げています。未来はこれまで以上に明るいから夢を追い続けよう、という励ましを、世界各地の起業家がこの動画から感じています。
 

6)信頼できると感じさせる

インバウンドマーケティングの世界は信頼が肝心です。HubSpotを信頼していない人は、HubSpotの動画コンテンツを見てはくれません。また、HubSpotのマークが付いた動画だからといって、内容をそのまま信じてもらえるわけでもありません。

そこで今回の動画では、The Entourageの創業者でCEOのJack Delosa氏にもご登場願い、解決策を提供する前に問題を見つけるということや、起業の意義、そしてソーシャルメディアの力について証言をいただいています。

信頼できると感じさせる

Delosa氏は定評のある起業家ですし、HubSpotの関係者ではありません。そんなDelosa氏の証言があることで、この動画の信用度が上がり、HubSpotのコンテンツに対するオーディエンスの信頼が高まります。

Facebookを制するのは、単なる動画コンテンツではありません。人を魅了する動画コンテンツです。見る者の心を強くとらえる動画を作るためには、人間の傾向や行動を理解し、予測する必要があります。

今や心理学は、大学で仕方なく習う必修科目ではありません。マーケティングに欠かせない中心的存在です。
 

初心者におすすめ!動画編集ソフト

パソコン向け、及びスマホ向けには多くの動画編集ソフトがあり、どれを選択すべきか迷ってしまう方も多いと思いでしょう。無料版と有料版があり、有料版でも機能が多くなると値段が高くなります。まずは、無料版、もしくは有料版でも比較的安いソフトを使ってみて、さらに高機能が必要かどうか判断することをオススメします。
 

iMovie

Apple社が提供している無料ソフトです。無料版ですが下記の機能が使えます。特に初心者の方には十分な機能と言えます。iMovieにはiOS版、mac版があります。

  • 動画のカット
  • 音源挿入、効果音挿入
  • クロップ編集(動画の上下に黒部分を付ける)
  • スローモーション、倍速編集 → スピードランプ編集
  • 手振れ補正編集
  • フィルター編集
  • カラーコレクション
  • トランジション(画面切り替え時の画像処理)
  • テロップ挿入、動画内への画像挿入
  • クロマキー合成(背景などを特定の色で撮影して別の映像を合成)

なお、Apple社は、iMovieを越えるオリジナリティ動画を作成したいユーザー向けに、有料の「Final Cut Pro X(Mac版)」を提供しています。
 

ムービーメーカー

ムービーメーカーは、Windowsに標準でインストールされていた動画編集ソフトです。2017年にムービーメーカーを含む「Windows Essentials 2012」のサポートが終了、ダウンロードが不可能になりました。

マイクロソフト社では、標準でWindows10にインストールされている「フォト」アプリを代替ソフトとして提案しています。もし、Windows10をお使いで「フォト」がインストールされてない場合は、公式サイトからダウンロードしましょう。

フォトでは選定した写真やビデオを基に簡単に動画を制作する機能があります。また動画編集では、フィルター機能、テキスト挿入、音源挿入などの基本機能が使用可能です。さらに、蝶、レーザー、爆発などの3D 効果も挿入できます。
 

Wondershare Filmora

有料版の動画編集ソフトで、「FilmoraPro」と「Filmora9」があります。

  • Filmora9   ※2020年9月時点では9.5がリリースされています
    動画制作初心者の方を中心に、多数の利用者がいるソフトです。簡単操作とスタイリッシュなエフェクトが特徴。Version 9.5から縦書きテキストに対応しました。また機能別の学習機能が追加され、多彩な機能を利用しやすくなっています。
  • FilmoraPro
    動画を一から自分の思い通りに作ってオリジナリティのある動画を制作してみたいユーザー向けのソフトです。エフェクトもカスタマイズ可能です。

参考までに、Wondershare FilmoraのYouTubeチャンネルをご紹介します。

作成した動画の効果測定はどう行えばいい?

マーケティング用に動画コンテンツを作成・公開したら、その効果測定も行う必要があります。適切に効果を図らなければ、マーケティングコンテンツとして意義があったか判断することはできません。効果測定の指針は、最初に立てた動画コンテンツ制作の目的をもとに設定される必要があります。例えば、次のようなKPIが考えられます。
 

視聴回数

企業や製品の知名度を上げるためには、より多くのユーザーの目に止まる必要があります。つまり、動画の視聴回数が重要な指標となるでしょう。
 

ユニーク視聴者数

動画を視聴した人数のユニーク数も重要な指標のひとつです。ユニーク視聴者数と視聴回数の間に開きがある場合、リピーターが多いということでもあります。
 

再生時間

平均してどの程度の時間再生されているのかも大切なポイントです。動画全体の長さに対して再生時間が短い場合、ターゲット層の求める動画の長さよりも長めに作ってしまっているかもしれません。様々な長さの動画を公開しながら、最も適した時間を見出すことも大切です。
 

視聴完了率

その動画がどの程度の割合で最後まで再生されているのかも必ずチェックしましょう。離脱が多いのであればその原因を探ったり、離脱されない早い段階に重要な情報を持ってきたりするなどの対策が可能となります。
 

コンバージョン数

製品ページへの誘導やサービスの購入など、目指すアクションがあるのであれば、そのコンバージョン率は必ず測定しましょう。再生数は多いのにコンバージョンは伸びないのであれば、目指すコンバージョンに合わせてコンテンツ内容を再検討する必要があるかもしれません。
 

魅力的な動画で惹きつけるコンテンツを作ろう

動画制作において、動画素材の撮影、動画編集による魅力ある見せ方が大切であることは言うまでもないでしょう。しかしながら、動画のシナリオ作り、編集作業において最も大切なことは、常にユーザー視点で取り組むことです。

新しい編集機能を使っても必ずしもユーザーの関心を得るわけではありません。「動画で人を惹きつけるための6つの心理テクニック」の章で解説した事例からユーザーの心理を想像して、魅力的な動画で惹きつけるコンテンツを作りましょう。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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