インバウンドマーケティングでは、多くの人を自社に惹き付けたり、プロスペクトとの信頼を築いたりするために、コンテンツが非常に重要な役割を果たします。
コンテンツのフォーマットにはさまざまな種類があり、作成に費やしたリサーチの量や情報量によって、いずれかのフォーマットを選んでコンテンツが作成されます。
コンテンツをインタラクティブなフォーマットで作成すると、プロスペクトに飽きることなく長時間操作に集中してもらえるため、コンテンツに企業が込めたメッセージを、プロスペクトにしっかりと伝えることができます。
最近ではますます多くのコンテンツが、インタラクティブな要素を取り入れて作成されています。
オーディエンスが1つのコンテンツに集中している時間は、年々短くなっています。そのような状況で長い時間注意を向けてもらうためには、オーディエンスがコンテンツを消費しているあいだ、何らかの操作を意識的に行うようにすることが有効です。つまり、インタラクティブな要素を含めてストーリーを展開するのがよいでしょう。
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それによってコンテンツへのエンゲージメントが高まるほか、ウェブサイトの訪問時間や、SNSでのシェアの数といった指標も改善される可能性があります。
次回コンテンツを作成する際の参考になる、海外の素晴らしいインタラクティブコンテンツの例を45点ご紹介したガイドブックを、こちらから無料でダウンロード(英語)してください。
HubSpotはPlaybuzzと協力し、インタラクティブなコンテンツの素晴らしい例を皆さんにご紹介するために、数々のウェブサイトを探しました。各業種ともそれぞれに固有の課題やトピックを取り上げていましたが、興味深いことに、インタラクティブなコンテンツは、どの業種でも、そして、どのようなトピックやオーディエンスでも関係なく、常に上手く機能しているように思えました。
今回は、インタラクティブなコンテンツの好例を、いくつかご紹介したいと思います。
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インタラクティブコンテンツとは?
インタラクティブコンテンツとは、ユーザーが求める情報と、企業が提示したい情報を結びつける「双方向型」のコンテンツです。「ユーザーが問いに答えると最適な商品が紹介される」といった形式のコンテンツが該当します。
インターネットの普及に伴う情報量の増加により、一方的な情報提供では消費者の興味を惹くことは難しくなってきました。さまざまなメディアへ手軽にアクセスできるスマートフォンの普及も、従来のコンテンツを見劣りさせる要因になっています。
選択肢が増える一方で、容易なアクセスが実現する現代では、アクションを起こしているユーザーに的を絞って情報を提供する動的なコンテンツが求められているのです。
なお、現代社会におけるコンテンツマーケティングの重要性については別の記事でより詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
コンテンツマーケティングとは? 定義から実践方法までを徹底解説
効果的なコンテンツマーケティングの計画についてはこちらの記事をご覧ください。
成功しているコンテンツマーケティングの事例についてはこちらの記事で紹介しています。
コンテンツマーケティング事例|業界別の国内・海外の成功例まとめ
インタラクティブとパッシブコンテンツの違い
従来の静的なWebページが「パッシブコンテンツ」です。パッシブコンテンツは、企業側が発信したい情報を、一方的にユーザーへ届けることしかできません。
一方、双方向コミュニケ―ションが実現するインタラクティブコンテンツは、ユーザーが自ら選択した情報の詳細を提示できるため、商品への興味と感心を強くさせることができます。
インタラクティブコンテンツを活用する目的
パッシブコンテンツに比べ、インタラクティブコンテンツの制作には時間もコストもかかります。しかし、それでもインタラクティブコンテンツを制作すべき大きな理由があります。
それは、インタラクティブコンテンツであれば、次のような目的を実現することができるという点です。
ユーザーのコンテンツ滞在時間を伸ばす
一方的な情報提供型のコンテンツでは、ユーザーが飽きるのも早くなります。一方インタラクティブコンテンツであれば、ユーザー自身が操作を行うため集中力がより長く持続し、結果としてコンテンツ内での滞在時間が長くなります。
ユーザーの関心を引き、コンバージョン率を向上させる
ユーザー自身が操作することと、それにより個人的なニーズを入力することで、コンテンツに対するユーザーの関心度は高まります。その結果コンテンツに対する親密度が高まり、コンバージョンの向上につながります。
個別化した情報の提供
ユーザーに個人的なニーズに関わる情報を入力させることで、提供する情報を個別化できます。個別化された情報であればそのユーザーが本当に必要な情報だけ提供可能です。
ユーザーは「自分に合った情報を受け取ることができた」と感じますし、不要な情報のノイズに邪魔されることなく情報を吟味することもできます。
インタラクティブコンテンツの種類
インタラクティブコンテンツの主な種類をご紹介しましょう。
なお、パッシブコンテンツも含めたコンテンツの種類についてはこちらの記事でより詳しく紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください
- インフォグラフィック
情報やデータを視覚的に表現しているコンテンツです。フローチャートや相関図、ピクトグラムなどを使って情報を整理し、ユーザーの理解力を高めます。
- インタラクティブ動画
従来の動画といえば視聴だけでしたが、インタラクティブ動画には、ユーザーが操作できる仕掛けが施されています。一方的な動画の提供とは異なり、ユーザーが動画に「触れる」ことで、視聴時間や接触回数などのエンゲージメントが高まります。
- 選択型広告
画像やイラストのなかにクリックできる箇所がいくつかあるタイプのコンテンツです。ユーザーが知りたい情報をクリックすると、それぞれの内容が詳しく提示されます。対話をするようにして選択できるため、自分に適した商品やサービスへのスムーズなアクセスが可能です。
- クイズ、診断テスト
クイズやスキルテストなどの結果によって、紹介商品が変わるインタラクティブコンテンツです。「自分に適した資格を探しているユーザーに、最適な資格を紹介する」などのケースで活用できます。
- 計算機
計算機に数字を入力すると、ユーザーに適した情報が表示されます。各種見積もりやROIを知りたいユーザーへの訴求に役立つでしょう。
インタラクティブコンテンツのメリット・デメリット
インタラクティブコンテンツを導入する前に、メリットとデメリットを知っておくことも大切です。メリットに関しては、具体例を挙げて紹介しています。
インタラクティブコンテンツのメリット
インタラクティブコンテンツは、訪れる度に「新しい楽しさ」をユーザーに提供できます。
ホンダが提供する「3Dビュー」では、好みの車のカラーやオプションを選択すると、自動的に見積額を算出してくれます。画像は回転させれば、自分好みにセッティングした姿を好きな角度から眺めることも可能です。
用意されている車種やカラー、オプションも多彩なので、何度でも訪れていろいろな組み合わせを試してみたくなります。
「静的」なパッシブコンテンツには、2度、3度と訪れたくなる要素が少なめです。頻繁にコンテンツを更新するという方法もありますが、一方的な情報提供であることに変わりはありません。その点インタラクティブコンテンツはその弱点をカバーし、エンターテインメント性を補ってくれます。
インタラクティブコンテンツのデメリット
静的なパッシブコンテンツに比べると、動的なインタラクティブコンテンツは制作時間や費用がかかります。コンテンツ公開後の管理や更新費用も高めです。予算や専門的なスキルがなければ導入は難しいでしょう。
ただし、近年では手軽にインタラクティブコンテンツの製作ができるツールも登場しているので、参入のハードルはそれほど高くありません。
インタラクティブコンテンツが適しているコンテンツ
インタラクティブコンテンツは全てのコンテンツにおいて最適解というわけではありません。中にはパッシブコンテンツでの提供の方が望ましいものもあります。インタラクティブコンテンツが特に適している内容としては、次のようなものがあります。
ユーザーひとりひとりに個別化したコンテンツ
ユーザーの個別のニーズに合わせた情報を提供するのであれば、インタラクティブコンテンツが適しています。例えば、携帯電話や生命保険のサイトに見られる最適プラン診断などは、個別化したコンテンツの好例と言えます。
エンターテインメント性の高いコンテンツ
ユーザーが楽しんで操作や入力を行えるコンテンツも、インタラクティブコンテンツに向いています。クイズやちょっとしたゲームなど、楽しみながら参加することでいつの間にかコンテンツ内に長時間滞在していた、というコンテンツが考えられます。
ユーザーの関心をひくコンテンツを作るにあたっては、こちらの記事も参考になると思われます。ぜひ合わせてご覧ください。
観られる動画を作るには?ユーザーを惹きつける6つの心理テクニック
海外ブランドによるインタラクティブコンテンツの例
実際にインタラクティブコンテンツを活用したマーケティングの例は既に複数あります。ここでは、インタラクティブコンテンツを上手に活用し効果をあげている例をいくつか紹介します。
1)The Wall Street Journal
大量の情報を1つのコンテンツにまとめて提供することは、決して簡単ではありません。ですが、このThe Wall Street Journalによる例では、読者が自分で操作しながら知りたいポイントを調べることができ、非常に多くの情報を入手することができます。
たとえば画面の再生ボタンをクリックすると、データの変化が時間の流れに沿って動画で表示されるなど、さまざまな方法で情報を確認できるよう作成されています。
お手本にしたいポイント: 何かを調査するというインタラクティブなアクションをコンテンツに取り入れることにより、読者は大量の情報を興味を持ち続けたまま確認することができます。操作のオプションをいくつも追加するかどうかは、作成するコンテンツにもよりますが、必ずしも必要ではないと思います。
もし作成するなら、PDFや動画のコンテンツにもインタラクティブな操作を取り入れて作成することが可能な、FlippingBookやViostreamなどのツールの使用をお勧めします。
2)National Geographic
インタラクティブコンテンツでお手本にしたいのが、読者がまるでその場所にいるかのように、画面上で見たい場所へ移動できるようにする手法です。この例では、古代に作成された「トラヤヌスの記念柱」の表面に移動することができます。読者は螺旋状に描かれているレリーフを、下から上の方へ向かって順に見ていったり、見たいポイントをクリックして選んだりすることができます。
お手本にしたいポイント: 歴史上のトピックからリアリティのあるコンテンツを作成するには、非常に高い技術が必要です。重要な史実や数値を正確に示すことも重要ですが、読者がさまざまなことを自由に想像して楽しめるよう工夫することも大切です。読者の想像力を掻き立てるような、真っ白なキャンバスを用意しましょう。文章での補足も必要ですが、創造力の邪魔にならないよう最低限に留めておきましょう。
3)Orbitz
旅行代理店の選び方ひとつで、素晴らしい旅を経験できることも、あるいは旅先でひどい目に遭うこともあり得ます。Orbitzは旅行者である顧客層のそのような不安を理解し、出張に出かける旅行者を主なターゲットとして、対話式で回答できるクイズを作成しました。
お手本にしたいポイント: インタラクティブなクイズを作成すると、オーディエンスの興味を比較的簡単に惹くことができますが、この例のようにビジネスに関連するトピックでクイズを作成する場合は、(そのクイズによって、オーディエンスからコンタクト情報を入手する場合は特に)時間を投資してでもクイズに回答したいと思ってもらえるコンテンツを、考えて作成する必要があります。
インタラクティブコンテンツの作成を始めるには
デジタルコンテンツの作成にまだ慣れていない方は、簡単なクイズやフラッシュカードをブログの記事に表示して、読者に楽しんでもらうことから始めるのがよいと思います。この種のコンテンツを使用すると、オーディエンスにシェアを促すことができるため、ファネルの上部に位置する人たちのエンゲージメントを高めることが可能です。
さまざまなフォーマットやトピックでコンテンツを作成し、購買ジャーニーのどのステージにいる人に対して、どのようなコンテンツが効果的かをテストしましょう。
より高度なコンテンツを作成したい方は、自らのアイデアを基に開発者に相談してアドバイスを求めてください。高度なコンテンツであってもやはり、テストを行うことが非常に重要です。
コンテンツを頻繁に公開して、フィードバックを持続的に収集し、その情報を基により質の高いコンテンツを作成するという作業を繰り返してください。
事例を参考にインタラクティブコンテンツを活用しよう
インタラクティブコンテンツの導入を検討しているなら、事例を参考にしてぜひ自社で活用してみてください。ユーザーとの双方向コミュニケーションが実現すれば、エンゲージメントの向上だけではなく、自社ブランドに対する信頼も高まるでしょう。
海外のインタラクティブコンテンツの例を40以上ご紹介したガイドブック(英語)を、こちらからダウンロード可能です。シンプルなものから複雑なものまで、さまざまな業界から集めたコンテンツをお見せしますので、ぜひご覧ください。