SFA(営業支援システム)とは、案件管理や商談管理、売上予測などの機能により、営業活動を効率化するためのツールです。
【不動産業界向けDX推進ガイド】 CRMの活用で業務効率化・成果最大化を実現するには
不動産DXがもたらすメリットを具体的な改善策と導入事例で学びましょう
- 不動産DXとは
- 不動産業界の主な課題と改善策
- HubSpot活用によるDX化で不動産業務を改善するには?
- 不動産業界のHubSpot導入事例
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
SFAを活用すると、業務フローの可視化や営業データの一元管理が可能になり、営業やマネジメントの効率化につながります。ツールでデータを管理することで、業務の属人化やアナログ的な営業手法からの脱却も同時に実現できます。
本記事では、不動産業界におけるSFAの重要性やおすすめ製品、選び方などを解説します。
不動産業界でSFAの活用が有効な理由
ここでは、不動産業界でSFAの活用が有効な理由を3つ紹介します。
購買プロセスが長期化しやすいため
不動産業界では高額な取引が多いため、おのずと認知から比較・検討、商談、成約までの購買プロセスが長期化しやすい傾向にあります。成約までの期間が長くなるほど進捗状況の管理が難しくなり、適切なフォローアップができず、失注につながってしまうケースも珍しくありません。
購買プロセスの管理は紙やスプレッドシートでも可能ですが、情報が増えてくると管理が煩雑になるため、SFAの導入がおすすめです。
SFAでは、購買プロセスの一連の流れを可視化できるほか、フェーズごとに担当者や見込み額、ステータス、コミュニケーション履歴などの細かい情報を付与できます。リアルタイムでの営業状態が一目でわかるため、営業プロセスにおけるボトルネックの特定や課題の解消、スムーズなフォローアップなどにつながります。
部門間連携を円滑にするため
成約までにさまざまなフェーズを経る不動産業界では、マーケティングと営業がそれぞれの役割を明確にしたうえで、適切な協力体制を確立しなければなりません。しかし、部門が違うと情報連携がスムーズにいかないことがあります。
SFAを活用すると、見込み客や顧客の情報を一元管理できます。営業部門とマーケティング部門が持つ顧客情報を1か所に集約できるため、部門間における情報の齟齬や認識漏れを防げるのがメリットです。
また、リード分析やスコアリングの機能を搭載したMA(マーケティングオートメーション)ツールと連携すれば、マーケティングから営業へとよりスムーズに送客できます。
アナログな業務フローから脱却するため
不動産会社の一般的な業務は、不動産管理や顧客管理、不動産ポータルサイトへの出稿、事務処理など多岐にわたり、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって大幅に効率化できる業務が多いのが特徴です。
SFAを導入すると、営業活動の進捗状況や案件情報、リード情報など、営業関連のあらゆる情報を1つのシステムに集約できるため、紙を使った管理業務を減らすことが可能です。Web接客やWeb内見予約の機能が備わったSFAであれば、営業活動そのものの変革にもつながります。
不動産業界に合ったSFAを選ぶポイント
不動産業界でSFAを活用する際は、導入前に次のようなポイントを検討しましょう。
- 機能性
- 不動産業の導入実績
- モバイル対応の有無
- 外部システムとの連携範囲
- セキュリティ
- サポート体制
上の6つの観点からSFAの選び方を解説します。
1. 機能性
一般的にSFAには次のような機能が搭載されています。
- リード管理・顧客管理
- 案件管理
- 活動管理(パイプライン管理)
- 商談管理
- 日報・週報作成
- 営業分析・売上予測
- スケジュール・タスク管理
また、物件管理や自動追客、Web接客といった不動産業界の業務に役立つ機能を備えたSFAもあります。同じSFAでも、製品ごとに強みが異なるため、自社にとって最適なものを選別することが重要です。
自社のニーズに合ったSFAを絞り込むには、営業現場で発生している課題をもとに要件定義を行うと良いでしょう。既存の営業フローを可視化したうえで、現場担当者にヒアリングすることで、現状の課題が浮かびあがります。
2. 不動産業の導入実績
不動産業界での導入実績が豊富なSFAを選ぶことも重要です。蓄積されたノウハウで、的確なアドバイスやサポートを提供してくれるでしょう。自社の事業規模や業務形態に近い企業の導入事例があるベンダーであれば、導入から運用開始までスムーズに進むことが期待できます。
3. モバイル対応の有無
不動産業界の営業担当者は、外出や出張の機会も多いでしょう。オフィスだけでなく外出先からもシステムにアクセスできれば、業務報告のために帰社する必要がなくなり、生産性の向上につながります。
レスポンシブデザイン(端末の画面幅に合わせてレイアウトや文字サイズを自動調節する機能)に対応しているSFAやモバイルアプリが用意されているSFAは、場所を問わずに利用可能です。無料トライアルを利用する際は、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでの操作性も検証しましょう。
4. 外部システムとの連携範囲
SFAの多くは、外部の業務システムやクラウドサービスと連携できます。
例えば、MAツールと連携すると、マーケティングで取得した見込み客の情報をそのままSFAに移行したり、営業からのフィードバックをもとにアプローチの優先順位を決定したりと、さまざまな活用が可能です。
ほかにも、CTI(電話・FAXとコンピューターを統合させる技術)ツールとの連携により、システム内からの営業電話やコミュニケーション履歴の記録などの機能が使えます。不動産業界では不動産ポータルサイトを利用する機会が多いため、その連携可否も確認するのがおすすめです。
外部システムと連携することで、機能拡張やスムーズな情報共有につながるのが利点です。SFAを長く運用していると、新しく連携したいシステムが増えることもあるため、中長期的な視点で検討する必要があります。
5. セキュリティ
不動産業界の業務では、見込み客や顧客の会社情報や個人情報を扱う機会が多いため、システムのセキュリティ体制は必ず確認する必要があります。近年はサイバー攻撃やマルウェア感染のリスクが高まっているといわれており、高度なセキュリティ体制の構築は必須です。
セキュリティを検討する際は、まず搭載されている機能に着目しましょう。多要素認証やアクセス制御、データ暗号化、ログ監視など、幅広い機能が搭載されていれば、より安全にシステムを利用できます。
また、ベンダーのセキュリティ認証資格の有無や実績を確認することも大切です。
6. サポート体制
サポート体制が充実しているベンダーであれば、さまざまなアドバイスやサポートを受けることが期待できます。ベンダーのサポートによって営業担当者の不満や課題を解消することで、SFAの定着につながる可能性が高まります。
ベンダーのサポート体制を検討する際は、サポート内容や問い合わせ窓口の種類、費用などを確認しましょう。
また、SFAを初めて導入する企業のために、 KPI策定支援やコンサルティングなど、充実したサービスを提供するベンダーも存在します。不動産業界に精通したベンダーであれば、豊富な実績にもとづいた業界特有の課題の特定や導入計画の策定が可能です。
不動産業界におすすめのSFA7選
不動産業界におすすめのSFAには、次のような種類があります。
それぞれの特徴や導入メリットを解説します。
1. Sales Cloud
出典:Sales Cloud
Sales Cloudは、SFAとCRM(顧客関係管理)の両機能が使えるツールです。案件管理や活動管理、売上予測などの機能と、CRMのリード管理や顧客管理の機能を組み合わせて利用できます。また、見込み客の優先順位付けや分析データの抽出が可能なAI「Einstein(アインシュタイン)」を活用できるのも特徴です。
Sales Cloudは汎用型SFAではあるものの、業界トップシェアを誇り、不動産業界でも数多くの実績を有しています。ユーザー数が多いことから、操作方法がわからない場合やエラーが発生した場合の対処法といった情報がインターネットで探しやすいこともメリットです。
不動産業界のSFA導入事例や活用方法に関してスムーズに情報を探せるのは、Sales Cloudならではのメリットだといえるでしょう。
- 価格
- Starter:月額3,000円/ユーザー
- Professional:月額9,600円/ユーザー
- Enterprise:月額19,800円/ユーザー
- Unlimited:月額39,600円/ユーザー
- Einstein 1 Sales:月額60,000円/ユーザー
- 主な機能
- リード管理
- 活動管理
- 商談管理
- 売上予測
- 公式サイトhttps://www.salesforce.com/jp/sales/
2. Sales Hub
出典:Sales Hub® | HubSpot(ハブスポット)
Sales Hubは、HubSpotが提供するSFAです。リード管理や案件管理、活動管理、売上予測など、SFAに必要な幅広い機能が搭載されています。各機能にAIが組み込まれており、例えばデータをもとに売上予測を算出したり、優先してアプローチするべきリードを抽出したりと、営業活動をあらゆる側面でサポートします。
不動産業界の導入実績も豊富で、すでに導入している企業の事例を参考にしながら進められるのがメリットです。
有料プランと無料プランの選択肢があるのも特徴です。ツールの操作性や機能性に慣れる場合は、まず無料プランからスタートし、組織への定着度に応じて徐々にアップグレードするのも良いでしょう。
また、HubSpotではほかにも、 CRMやMA、CMS(コンテンツ管理システム)、問い合わせ管理システムなどのツールがあり、それぞれを組み合わせて活用できます。システムを拡張すると利用できる機能が増えるほか、マーケティングやカスタマーサービスといった業務領域を広げることも可能です。
- 価格
- 無料プラン
- Starter:月額1,800円/シート
- Professional:月額10,800円/シート
- Enterprise:月額18,000円/シート
- 主な機能
- リード管理
- 案件管理
- 活動管理
- MAやCMSなどのシステム拡張
- 公式サイトhttps://www.hubspot.jp/products/sales
3. eセールスマネージャー Remix Cloud
出典:eセールスマネージャー
eセールスマネージャー Remix Cloudは、SFAとCRMの機能が統合されたツールです。
リード管理や案件管理といったSFAの基本的な機能に加え、業務効率の向上につながるAI機能も実装されています。同ツールのAIは「AIコンシェルジュ」と呼ばれており、 PDFや画像などのファイルから自動的にテキストデータを読み取り、システム内に反映できるのが特徴です。
不動産業界や建築業界の導入実績も豊富で、中小企業から大企業まで、さまざまな導入事例を参考にできます。
- 価格
- スケジュールシェア:月額3,000円/ユーザー
- ナレッジシェア:月額6,000円/ユーザー
- スタンダード:月額11,000円/ユーザー
- 主な機能
- リード管理
- 案件管理
- 日報管理
- スケジュール管理
- 公式サイトhttps://www.e-sales.jp/
4. Mazrica Sales
Mazrica Sales(旧Senses)は、SFAだけでなくCRMやMAの機能まで利用できるツールです。
リード管理や案件管理などの営業向けの機能に加え、メール配信やWebアクセス解析などのマーケティング向けの機能も備わっています。システムを拡張する必要がなく、ワンストップで営業・マーケティング向けの幅広い機能を利用できるのがメリットです。
また、 Mazrica SalesのAIは、案件ごとの確度や契約金額などのデータを機械が学習し、類似案件の提案やリスク分析を行ってくれます。検討期間が長くなりやすい不動産業界では、目標を確実に達成するためにゴールから逆算して営業を行う必要がありますが、AI機能により目標達成に必要な要素や不足する箇所を発見しやすくなります。
- 価格
- Starter:月額27,500円/5ユーザー
- Growth:月額110,000円/10ユーザー
- Enterprise:月額330,000円/20ユーザー
- 主な機能
- リード管理
- 案件管理
- 名刺管理
- メール配信
- 公式サイトhttps://product-senses.mazrica.com/
5. GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)は、SFAとCRMの機能が統合されたツールです。外部システム連携とAIの機能が充実している点に特徴があります。
連携できる外部システムは、Google サービス(マップ・カレンダー・メールなど)やビジネスチャットツール、MA、Webフォームなど多岐にわたります。AI機能に関しては、自動文字起こしや自動データ入力などが代表的です。
また、多彩な申し込みフォームや営業成績トップの担当者の行動パターン可視化などの機能も搭載されています。不動産業界では、反響があった際のフォロー対応の遅延を防いだり、ショールーム来店時に営業成績トップの担当者の行動を模倣したりといった活用が可能です。
- 価格
- スタンダード:月額34,800円/10ユーザー
- プロ:月額54,800円/10ユーザー
- エンタープライズ:月額98,000円/10ユーザー
- 主な機能
- リード管理
- 活動管理
- 商談管理
- Google マップ・カレンダー連携
- 公式サイトhttps://chikyu.net/
6. ホットプロファイル
ホットプロファイルは、名刺のデータ化や一元管理に強みを持つツールです。「お客さまカルテ」と呼ばれる顧客管理機能や、営業報告、目標・タスク管理などの機能も搭載されているため、単なる名刺管理ツールではなく、SFAやCRMとしても活用できます。
不動産業界では、購買意欲の高い「いますぐ客」への効率的なアプローチが重要とされています。条件を満たす見込み客を自動抽出できる「ホット顧客リスト」を活用することで、「いますぐ客」の特定やアプローチの効率性が高まります。
運営会社の株式会社ハンモックは、ホットプロファイルのほかにも、新規開拓向けの「ホットアプローチ」と呼ばれるツールも提供しています。ホットアプローチは、フォーム営業や企業リストの取得に強みを持つツールです。両方のツールを組み合わせることで営業活動の最適化につながります。
- 価格
- 要問い合わせ
- 主な機能
- リード管理
- 名刺管理・データ化
- 営業報告
- データクレンジング
- 公式サイトhttps://www.hammock.jp/hpr/
7. いい生活賃貸クラウド One
出典:いい生活賃貸クラウド One - 賃貸業務のDX(デジタル化)を支援
いい生活賃貸クラウド Oneは、SFAやCRMの機能を搭載した不動産管理システムです。自動追客や不動産ポータルサイト連携、物件管理といった標準機能に加えて、顧客情報管理や活動管理などのSFA・CRMの機能も備わっています。
豊富なテンプレートが用意されており、短時間で契約書を作成できるだけでなく、契約情報はオンラインで一元管理されます。
また、不動産業界に精通した専任担当者から幅広いサポートを受けられるのもメリットです。導入前の相談やサービスの提案、初期設定サポート、障害対応など、サポート体制が充実しています。
- 価格
- 要問い合わせ
- 主な機能
- 顧客情報管理
- 活動管理
- 営業分析
- 自動追客
- 公式サイトhttps://www.es-service.net/service/contract/
不動産業界に合ったSFAで営業効率を高めよう
不動産業界におすすめのSFAには、さまざまな種類があるため、製品ごとの特徴やメリットをしっかりと理解して選ぶことが重要です。
HubSpotのSales Hubは、CRM(顧客関係管理)ツールがベースになっているのが大きな特徴で、最新の顧客情報をもとにした効果的な営業活動を進めることが可能です。不動産投資事業の見込み客管理にHubSpotを活用している株式会社ランドネットでは、見込み客の購買プロセスが可視化され、案件ごとに最適なコミュニケーションを行えるようになりました。
HubSpotの導入事例の一覧は、次のリンクでご覧いただけます。