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2017年10月03日

動画でユーザーを惹きつける6つの心理テクニック

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eyecatch_image_1-083696-edited.jpgHubSpotはFacebookで動画を公開しています。全体の傾向としては、長めの動画よりも1分間の動画の方が再生回数が多いのですが、現時点で再生回数が第3位の動画は、長さが4分近くもあります。それなのに上位に入っているのは、なぜだと思いますか。

Facebookでは、ユーザーを強く惹きつけた動画ほどオーガニックリーチが拡大します。つまり、大勢に見てもらうには、最初から最後までオーディエンスの心をとらえて離さない動画にする必要があります。長さがほかの動画の4倍近いとなるとなおさらです。それができなければ、動画の存在自体を多くの人に知ってもらえなくなります。

今回の動画では、オーディエンスのエンゲージメントを最大限に高めるために、心理学に裏付けられたテクニックを至るところで活用しました。まずは実際の動画をご覧ください。その後で、この動画で使った6つの心理テクニックを解説していきます。

動画で人を惹きつけるための6つの心理テクニック

1)好奇心を刺激する

好奇心を刺激するうえで役立つのが、カーネギーメロン大学のGeorge Loewenstein教授が打ち出した、好奇心のギャップ理論です。

この理論によると、自分が知っていることと知りたいこととの間にギャップがあるのを感じた人は、そのギャップを埋めるための行動をどうしても取りたくなります。たとえば、リンク先の記事を読もうとするのはそのようなときです。

今回の動画では、見る人の好奇心をかき立てるために、シンプルながらも示唆に富むタイトルを付けました。「Entrepreneurship is Back(起業家精神が戻ってきた)」というものです。

このタイトルを見ると、何らかの疑問が頭をよぎるかもしれません。「戻ってきたということは、最近までは消えていたのか?」「昔と今で何が変わったのか?」「自分がいま起業するにはどうすればよいのか?」などです。そのような疑問が浮かべば、動画を見てもらえる可能性が高まります。

好奇心を刺激しつつ、疑問の答えを示さずにおけば、閲覧者が知っていることと知りたいこととの間にうまくギャップを生み出せるかもしれません。

2)オーディエンスを逃さない

Facebookの動画をユーザーがどのように見ているかを同社が分析した2016年のデータによると、動画の冒頭3秒を見た人の45%は、そのまま30秒まで見続けるそうです。

逆に言うと、オーディエンスの好奇心をかき立てて動画の再生にこぎつけたからといって、ずっと興味を惹きつけておけるとは限りません。冒頭の3秒で視聴者を瞬時に惹きつけるためのフックが必要です。人間の関心は持続期間が短いですから、退屈と思わせたらその時点で負けなのです。

でも、人々を惹きつけるフックとは何なのでしょうか。Bufferによると、見る人の関心を視覚的に呼び覚まし、動画の核となるメッセージを予告するようなフックが効果的です。見る人の注意を引きつけつつ、その後の展開に関心を抱かせるようにしましょう。

今回の動画の場合は、冒頭の3秒で、テレビ番組「Shark Tank」(米国版「マネーの虎」)にちなんだ数多くの映像を次々と映し出し、その素早い切り替わりで視聴者の注目を誘っています。そして、番組に登場した起業家に見覚えがあるとしたら、この動画のテーマもわかるという寸法です。

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また、ナレーションでも、動画全体のテーマを冒頭で簡潔に打ち出しています。すぐに本題に入って、起業家精神の高まりを取り上げた動画であることを伝えています。HubSpotの動画を見る人の中には、起業を夢見ている人が大勢いますから、このように全体のテーマをすぐに示せば、間違いなく興味をそそられるはずです。

3)視覚に訴える

赤ちゃんは視覚を通じて物と行動を結び付けます。たとえば、ボールを見たら遊ぶ時間、というようにです。視覚だけが世界を知るための窓です。

だからこそ、人は視覚情報を250ミリ秒で理解できます(まばたきの倍近い速さです)。また、脳の半分以上は視覚系に関係しています。昔も今も、目で見ることは、何かを学ぶ最善の方法なのです。

話の内容をビジュアルに示すと、概念やデータをつかみやすくなります。そこでこの動画では、テロップやナレーションを補うために、動きのあるグラフィック、人気映画のワンシーン、インタビューなどを使っています。

ナレーションで何らかの概念やデータを詳しく伝える場面では、その説明とあわせて、画面上で同じ内容をビジュアルに表現しています。こうして、動画の核となるアイデアが確実に伝わるようにしています。

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4)物語を伝える

人の話を聞いていると、その体験や考えが自分の心にそのまま染み込んでいって、まるで自分が体験しているかのような気分になることがあります。

強烈な話を聞いたときに共感が呼び覚まされるのは、脳の中で、実際にその体験をしたときと同じ部分が活性化されるからです。たとえば、ロブスターを食べたときの話を聞くと感覚皮質が反応し、試合で初ゴールを決めたときの話を聞くと運動皮質が反応します。

自分の記憶をもとに、感覚を刺激する細部が再現され、話で聞いた出来事が、自分自身の考えや体験に変わるのです。

今回の動画に出てくるのは起業家精神についての話です。具体的には、起業家精神の歴史や、世の中にもたらす意義を取り上げています。あるいは、最近までの低迷、現在の復活、今後の輝かしい未来について、それぞれの背景を取り上げています。

こうした事実を織り込んだ話を聞くことで、視聴者は現代の起業家になった気分になるかもしれません。この結果、「生きるために仕事をする」という意識では達成感がないという点や、起業の道を追求することが本人や世界にもたらす影響について、我が事のように実感できます。

5)見る人を元気づける

Psychology Todayによると、どのブランドを選ぶかというのは、かなりの部分が感情に左右されるそうです。また、人に対して感じるのと同じような性格的特徴を、ブランドに対しても感じています。

お気に入りのブランドを選ぶのは、特定の友だちを親友と感じるのと同じようなものです。気持ちが安らぐ人と一緒に時間を過ごしたいと思うのと同じで、気持ちが安らぐブランドと関わりを持ちたいと人は思います。

見る人の心に響く動画にしたいのなら、温かい気持ちをかき立てる必要があります。実際、コンテンツのバイラル化を促すことが特に多いのは、幸せ、希望、ワクワクといった感情です。

今回の動画では、デジタル時代は市場参入にかかるコストが低いこと、投資を受ける必要性が減ったこと、ソーシャルメディアを通じてこれまでにない規模のブランドエンゲージメントを効率的に構築できることを取り上げています。未来はこれまで以上に明るいから夢を追い続けよう、という励ましを、世界各地の起業家がこの動画から感じています。

6)信頼できると感じさせる

インバウンドマーケティングの世界は信頼が肝心です。HubSpotを信頼していない人は、HubSpotの動画コンテンツを見てはくれません。また、HubSpotのマークが付いた動画だからといって、内容をそのまま信じてもらえるわけでもありません。

そこで今回の動画では、The Entourageの創業者でCEOのJack Delosa氏にもご登場願い、解決策を提供する前に問題を見つけるということや、起業の意義、そしてソーシャルメディアの力について証言をいただいています。

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Delosa氏は定評のある起業家ですし、HubSpotの関係者ではありません。そんなDelosa氏の証言があることで、この動画の信用度が上がり、HubSpotのコンテンツに対するオーディエンスの信頼が高まります。

Facebookを制するのは、単なる動画コンテンツではありません。人を魅了する動画コンテンツです。見る者の心を強くとらえる動画を作るためには、人間の傾向や行動を理解し、予測する必要があります。

今や心理学は、大学で仕方なく習う必修科目ではありません。マーケティングに欠かせない中心的存在です。

編集メモ:この記事は、2017年8月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Clifford Chiによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

トピック: 動画マーケティング

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