インサイドセールスとは、電話・メール・手紙などを活用した営業手法のことで、非対面で行われるのが特徴です。一方のインバウンドセールスは、顧客からの問い合わせをきっかけに行う営業活動を指します。
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それぞれ異なる意味を持ちますが、具体的な手法を見るとインサイドセールスとインバウンドセールスのどちらにも当てはまるケースも多く、意味の混同が起きやすい言葉です。
この記事では、インサイドセールスとインバウンドセールスについて、目的・対応領域・営業手段の項目別の違いと、共通点を解説します。
インサイドセールスとインバウンドセールスの違い
インサイドセールスとインバウンドセールスには、意味・目的・対応領域・営業手段に違いがあります。
定義の違い
インサイドセールスとインバウンドセールスの定義を、それぞれの対義語とあわせて確認していきましょう。
インサイドセールスの定義
インサイドセールスは、営業活動を対面で行うか、非対面で行うかによって営業活動を分類した言葉です。メールや電話といった手段を活用し、非対面で行われる営業活動をインサイドセールスと呼び、直接訪問して見込み客や顧客とコミュニケーションをとる営業活動はフィールドセールスと呼ばれます。
インバウンドセールスの定義
インバウンドセールスは、営業活動のきっかけが顧客側からの問い合わせか、企業からの働きかけかという違いで営業活動を分類した言葉です。見込み客の関心を引き出し、接触を促すことから「プル型営業」とも呼ばれます。
インバウンドセールスの対義語は、「アウトバウンドセールス」や「プッシュ型営業」です。企業から積極的に潜在顧客へアプローチする、テレアポ・飛び込み営業・チラシ配布などの営業手法は、アウトバウンドセールスに当たります。
目的の違い
インサイドセールスとインバウンドセールスは、営業活動の目的が大きく異なります。
インサイドセールスの目的
インサイドセールスの主な目的は、見込み客との関係を深めて商談機会をつくることです。多くの場合、見込み客のヒアリングからリードナーチャリング、リードクオリフィケーションまでを主な目的としています。中長期的に見込み客とコミュニケーションをとり、良好な関係を築きます。
インバウンドセールスの目的
インバウンドセールスの目的は、見込み客に対して商品・サービスに関する有益な知識を提供して、関心や契約の意思を引き出すことです。インバウンドセールスの一環としてリードナーチャリングやリードクオリフィケーションも行われますが、最終的な目的は成約にあります。
対応領域の違い
インサイドセールスとインバウンドセールスでは、担当する営業プロセスにも違いがあります。
インサイドセールスの対応領域
インサイドセールスは、見込み客へのファーストコンタクトとヒアリング、フォローアップを行います。その後、商談に至った見込み客をフィールドセールスに引き継ぐ流れが一般的です。
企業によっては、インサイドセールスとフィールドセールスの役割を分けずに、フィールドセールスがオンライン会議ツールなどを活用して商談・成約を行うケースもあります。例えばSaaSサービスは、オンライン会議も活用しながらインサイドセールスで契約・アフターフォローまで行うのが主流です。
インバウンドセールスの対応領域
顧客側からの問い合わせを受けて開始する営業活動は、すべてインバウンドセールスに該当します。そのため、インバウンドセールスは、初回のヒアリングや商談、フォローアップといった営業のプロセスに関わらず対応するのが特徴です。
営業手段の違い
インサイドセールスとインバウンドセールスの定義を正しく理解すると、営業手段の違いもわかりやすくなるでしょう。
インサイドセールスの営業手段
非対面で行われる営業活動は、すべてインサイドセールスに該当します。次のような手法が代表的です。
- メール
- 電話
- 手紙
- ビデオ会議
- SNS
- ウェビナー
インバウンドセールスの営業手段
インバウンドセールスの営業手段は、対面・非対面を問いません。
問い合わせがあった見込み客に対する営業活動を非対面で行った場合は、インサイドセールスとインバウンドセールスのどちらにも該当することになります。このように、インサイドセールスとインバウンドセールスには重なる部分もあるため、混同しないように注意しましょう。
インサイドセールスとインバウンドセールスの共通点
インサイドセールスとインバウンドセールスは異なる意味を指す言葉ですが、実際の営業活動には共通点も多くあります。
主に見込み客からの問い合わせが起点
インサイドセールスとインバウンドセールスは、どちらも主に見込み客を対象とした営業活動を行うという共通点があります。マーケティング活動によって接点が生まれた見込み客の社名・連絡先・問い合わせ方法といった情報を確認して、詳細なヒアリングを行うことから営業活動を始めます。
企業によってはインサイドセールスが潜在顧客にアプローチする段階から営業を開始し、見込み客を創出するケースもあります。
マーケティング部門の役割が重要
インサイドセールスとインバウンドセールスは、見込み客からの問い合わせをきっかけにアプローチを開始します。そのため、どちらの営業スタイルにも、問い合わせを促すためのマーケティング活動が欠かせません。
潜在顧客にとって価値のあるコンテンツを提供し、自発的に自社の商品・サービスに興味を持ってもらえれば、問い合わせ件数の増加や意欲の高い見込み客の創出につながります。顧客からの問い合わせを促す「インバウンドマーケティング」の強化が、インサイドセールス・インバウンドセールスの成果に直結するといえます。
見込み客の課題を解決することを目指す
インサイドセールスとインバウンドセールスは、企業主体ではなく見込み客主体の営業活動が求められる点でも共通しています。
どちらの営業スタイルも、いきなりプレゼンを行って見込み客を説得することはしません。まずは見込み客が抱えている本質的な課題をヒアリングで引き出すところから始めます。その後、自社の商品・サービスが課題解決につながると判断したら、具体的な提案に進む流れが基本です。
見込み客の悩みを一緒に解決しようとする姿勢を持つことで信頼関係が構築され、結果的に自社の商品やサービスに興味を持ってもらえます。
インサイドセールスとインバウンドセールスの意味を理解して導入を検討しよう
インサイドセールスとインバウンドセールスは、どちらも比較的新しい営業手法です。
非対面で行うインサイドセールスは、営業活動を効率化できるだけでなく、見込み客側が対面で営業担当者を受け入れる手間や時間を節約できるというメリットがあります。一方のインバウンドセールスは、企業からのアプローチではなく見込み客からの問い合わせを起点とします。そのため、見込み客が商品やサービスに興味を持っている状態で営業活動を開始することが可能です。
インサイドセールスとインバウンドセールスの役割やメリットが重なることもあるため、違いを正しく理解したうえで導入を検討し、営業体制を強化しましょう。