予実管理とは?目的や必要性、やり方のポイントを解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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予実管理とは、目標値に対する現在の状況を数字で管理することで全体像を把握する管理手法を指します。業績改善を行うためには欠かせない領域です。

予実管理とは?目的や必要性、やり方のポイントを解説

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もちろん、予実管理は経営側だけでなく、営業やマーケティングの現場でも活用されます。

予実管理は、進む方向が正しいかを都度確認するための地図のようなものです。このままの進捗で売上目標は達成できるのか、経費を使いすぎてはいないか、プロジェクトへの予算配分は適切か。活動内容や判断基準を適宜見直し、都度軌道を修正することで、目標達成に近づきます。 今回は、予実管理の基本と現場が実行する際のポイントをご紹介します。

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予実管理とは?

予実管理とは?予実は「予算と実績」のことであり、予実管理とは、予算と実績を比較し、目標に沿って計画通りに物事が実行できているかどうかを管理することです。予算目標に対して進捗が良いのか悪いのか、管理者側が判断するために用いられます。

経営者や各部署のマネージャーにとって、予実管理は全体を正しい方向に導くために欠かせない指針です。適切に管理するためには、実績とそれに付随するデータをリアルタイムに更新していく環境が必要です。営業など現場のメンバーが自分の実績や行動記録を入力し、適宜振り返りを行えるような運用が求められます。
 

予実管理が必要な部署は?

予実管理は、経営層はもちろん、予算を持つ全ての部署で実施されます。例えば、営業部門やマーケティング部門があげられます。

営業職の予実管理に必要なデータは、売上目標、最新の実績、営業メンバーの行動記録です。ここでいう行動とは、コール数・訪問数・見積もり実施数など、営業プロセスごとの行動と実績数を指します。これらをデータとして蓄積しておけば、進捗が良くない場合、どのプロセスが問題になっているのかボトルネックの把握に役立ちます。

マーケティング部門では、認知拡大、リード獲得、ナーチャリングなど見込み客を商談に促すまでの様々な施策を実施する必要があり、施策ごとに予算を割り振ります。各施策で成果を出すためにはどれだけの予算が必要なのかを仮説立て、シミュレーションした上で実施し、仮説が正しいかどうかを予実管理を通じて確認します。適切に予実管理ができれば、適切な予算配分を実現できます。

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予実管理を実施すれば属人的な判断を防げる

予実管理を実施すれば、属人的な判断を防げる

予実管理を実施する最大のメリットは、予算と実績の差が定量化されることです。ビジネスの現場では、日々の活動から察する事柄がたくさんあります。

「なんとなく営業の努力が足りない気がする」

「経費を使いすぎているかもしれない」

「来期の売上はよさそうだ」

このような予測、見通しはすべて感覚的なものです。認識が本当に現状に沿っているかを判断できるのが、予実管理を行うメリットです。数値に基づく予算と実績の差が明らかになることで、感覚で捉えていた現状を客観的に分析できます。

さらに、定量データに基づく分析結果は、他者からの納得を得られやすいという側面もあります。例えば、営業チームの売上が目標に対して何%遅れているのか、受注件数をペースアップするために改善するべき営業プロセスはどこか、どんな改善行動をすればいいのか、これらをマネジメント側の主観ではなくデータに基づいて導き出すことで、「これを実行すれば目標達成できる」とメンバーに納得してもらいやすくなるでしょう。徹底した予実管理は、予算と現状の差異から「変えるべき点」を教えてくれます。売上未達のチームや成績不信のメンバーが見えてくるだけでなく、昨年の実績と比較することで市場変化にいち早く気づけるのもメリットです。
 

予実管理の3つの目的

予実管理の3つの目的

ここでは、予実管理によってもたらされるメリットを紹介します。
 

1. 目標達成にむけて適宜軌道修正できる

これまで説明してきたように、予算と現状の差を把握するために予実管理は用いられます。受注金額や経費を追いかけることで、柔軟な軌道修正を行うことが可能です。

この際、なるべくリアルタイムの情報が入力されている必要があります。また、予算と現状の差をふり返る機会は定期的に設けるのが理想的です。

また、現状が思わしくない場合、予算設定自体が適切なのかを疑う視点も重要です。市況感や企業の特徴など売上拡大の根拠がなく、「前年比〇倍」といった営業目標を立てるケースがあります。実態に沿わない目標が設定されていないかどうかを検証するためにも、適切に予実管理を行いましょう。「現場の行動は適切であるか」だけではなく、「予算や目標数値は適切であったか」もセットで考えれば、より目標達成に結びつく行動を選択できるでしょう。
 

2. 仮説に説得力を持たせられる

予実管理は、社内での現状把握に使われるだけではありません。社外から信頼を得るための「根拠」としても用いられます。

例えば、新規事業のために融資を申請する際、その事業の将来性や継続性が問われます。また、新規プロジェクトをクライアントに提案するときは、プロジェクトの実現可能性について相手を納得させる必要があります。

予実管理から導き出される数字は、こうした信頼を獲得するための根拠となります。新規事業の計画には、関連性の高い事業や過去に行った実績値を将来予測に利用できます。企画の提案の際も同様に、過去の実績値に基づいたシミュレーションが説得力を持つでしょう。
 

3. 経営上のリスクをいち早く察知できる

予実管理では、目標値と現状の際だけではなく、過去の実績と現状を比較できます。

営業の受注実績や企業の設備投資費、消費者の購買金額といった数値は、その時々の市況感を表します。社会全体の不況を引き起こすような要因があるとき、数字からその予兆を読み取ることができる場合があります。
 

適切な予実管理を行うための3つのポイント

適切な予実管理を行うための3つのポイント

では、実際に予実管理を行う際にはどのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。今回は3つに絞って解説します。
 

1. タイムリーに数値を集める

予実管理を役立てるためには、なるべく短いスパンで予算と現状の差を確認し、分析することが大切です。そのためには、現状を把握するための数字をなるべくリアルタイムで集計する必要があります。経営状態は刻々と変わっていきます。数か月前の数値を分析し改善策を提案しても、手遅れということがあります。少なくとも1週間ごとにデータを更新し、週次・月次の分析を行いましょう。
 

2. 現場の運用負担をできる限り小さくする

タイムリーな集計のためには、現場の負担を軽くすることも重要です。予実管理で負うべきおおよその数値を決めます。この段階では細部までこだわりすぎる必要はありません。1円単位の集計にこだわっては、現状を素早く分析するのに支障が出るからです。

また、集計の方法を見直すことも大切です。営業の行動記録は手軽に即入力できる体制が理想的です。予実管理で差異の分析を行う際も、属人的に毎回計算するのではなく、マクロを組んだテンプレートを利用したり、予実管理のシステムを使うことで運用にかかる手間を省力化できます。
 

3. 予実管理によって可視化された問題はしっかり深堀りする

予実管理を適切に運用することで、予算に対する現状の過不足が明らかになります。その際、ボトルネックはどこなのか、問題点を深堀りしましょう。例えば、ある化粧品の売上状況が伸び悩んでいる場合、問題となっている要因の仮説を立てます。宣伝方法がターゲットに合わない仮説であれば、マーケティングの見直しが必要です。営業チャンネルが少ない場合は営業体制を変える必要があります。現場の販売スタッフの接客スキルが問題かもしれません。

このように、問題を深堀りして立てた仮説から改善策を考えることで、より効果の高い施策を生み出せます。また、改善策を一度やって終わりではなく、繰り返し実行しましょう。
 

予実管理の注意点

予実管理の注意点

予実管理を行う際は、現場が使いやすいツールを用いることが重要です。管理ツールには、予実管理システムやエクセルのテンプレートがあります。

予実管理システムはグラフの自動集計や入力作業の簡素化、大勢での情報共有に優れています。一方で導入コストと労力がかかり、現場が使いこなせないといった問題も考えられます。

対して、エクセルのテンプレートを利用した管理はコストや労力が少なく、自社の目的に沿った形式にカスタマイズできる点が魅力的です。ただし、大人数での共有には不向きであると認識したうえで運用する必要があります。

必ずしも管理のために多機能な管理システムを導入することが最適とは限りません。予実管理システムを大々的に導入する場合は、社内の経理ソフトなど周辺システムとの連携にも気を配る必要があります。

現場の使い勝手を優先し、少ない労力で予実管理が適切に行える方法を自社で検討しましょう。
 

予実管理の目的に沿って数字を追うことが重要

まとめ:予実管理の目的に沿って数字を追うことが重要

目標達成や予算管理、費用対効果の効率化のために予実管理は重要です。営業職のみならず、経理やマーケティングなど多岐にわたる職種で必要とされており、その使用方法は職種によって異なります。予実管理を行う際は数字を追って終わりにするのではなく、現状を分析することで改善行動につなげましょう。

導入にはコストや労力がかかります。予実管理を無駄にせず運用するには、ツールと現場との相性が大切です。自社に合った管理ツールやテンプレートを試しながら最適な方法を検討しましょう。

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