メルマガは、企業が活用するマーケティング手法の一つです。企業は、新商品の告知やブランド認知など多様な目的でメルマガを配信します。しかし、メルマガを配信するごとに一から作成すると時間がかかったり品質が変わったりしてメルマガの効果を得られない可能性があります。
そこで活用したいのがテンプレートです。事前にメルマガの内容や目的に応じたテンプレートを用意しておくことで、メルマガを効率的に作成できます。
本記事では、メルマガのテンプレートを使用するメリットや、テンプレートの構成要素を解説します。メルマガの文章フォーマット例や効果が出やすいテンプレートの作り方もご紹介しますので、自社のメルマガ配信にお役立てください。
メルマガのテンプレートを使用するメリット
メルマガ作成時にテンプレートを使用すると、次のようなメリットが得られます。
- メルマガの作成時間を短縮できる
- スタイルや品質を一定に保てる
- 効果検証をしやすくなる
- チェック作業がしやすくなる
- 業務の引継ぎを容易にできる
メルマガの作成時間を短縮できる
テンプレートを使用すれば構成を一から作る必要がなくなり、作業時間を短縮できます。メルマガ配信の目的や内容、ターゲットなどに応じてテンプレートを用意しておくと、メルマガ作成に慣れていない人でも
無駄なく作成を進められます。必要最小限の時間でメルマガを完成させられるでしょう。
スタイルや品質を一定に保てる
テンプレートは、構成やデザインなどを定めたメールのひな形です。読者が内容に興味を持ち、本文を読み進め、最終的な行動促進につながるような流れを押さえたテンプレートがあれば、メルマガの書き方に迷うことがなくなります。メルマガ作成の経験が浅い人でも、一定の品質を保ったメルマガを作成できるでしょう。
また、同じテンプレートで配信を続ければ、読者は自分の知りたい情報がどこに掲載されているかを把握できるメリットもあります。ブランドイメージの定着にもつながるでしょう。
効果検証をしやすくなる
テンプレートを使用すれば、ある程度の型を保ちながらメルマガを配信できるため、デザインや文言をマイナーチェンジした際に効果を検証しやすくなります。
効果改善のために開封率やクリック率などの指標を計測していても、毎回異なる型で配信している場合は、どの要素が影響しているかがわかりにくいでしょう。テンプレートを活用すれば、必要な要素のみ変化を加えて効果検証を行えます。PDCAサイクルを繰り返すことで、テンプレートをブラッシュアップし、より効果的な配信が可能となります。
チェック作業がしやすくなる
テンプレートはデザインやフォーマットが統一されているため、配信担当者が異なる場合や、上司、同僚がチェックする場合でもチェック作業が容易になります。
メルマガのフォーマットが異なる場合は、本文のすべてを確認しなければならず、時間と労力がかかってしまいます。一方、テンプレートを活用すれば、メルマガごとに内容を変える箇所が限られるので、効率的なチェックが可能です。
業務の引き継ぎを容易にできる
メルマガ配信の担当者が変わる際に引き継ぎが容易にできるのもテンプレートを使用するメリットです。メルマガの作成方法やメルマガの構成やデザインなど、細かい引き継ぎをする必要がなくなるため、作業の属人化の防止や継続的な運用が可能になります。
メルマガテンプレートを構成する要素
メルマガテンプレートは、次の8つの要素で構成されます。
- 件名
- ヘッダー
- リード文
- 見出し
- メインコンテンツ
- CTA
- クロージング
- フッター
件名
メルマガを開封してもらうために重要な要素が「件名」です。メルマガを開封して読んでもらうためには、「特別感」が伝わるキーワードを盛り込むのがおすすめです。
例えば、次のような表現を入れることで読者の興味を喚起できたり、自分事のように感じてもらえたりします。
- 「無料」
- 「限定」
- 「今だけ」
- 「メルマガ購読者のみの」
- 「プレゼント」
- 「〇〇%オフ」
- 「〇〇について悩んでいませんか? 」
ヘッダー
ヘッダーは、読者がメルマガを開封した際、画面上部に表示される部分です。読者が安心して読み進められるように、配信元となる企業名やロゴを表記すると良いでしょう。
次の例のように配信号数を記載すれば、過去に配信された未読のメルマガを読むきっかけにもなります。
例
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〇〇レター 第10号
======================
また、ヘッダー直下に次のような文章を記載しておくと、読者はメルマガが届いた理由を把握でき、安心して読んでもらえるようになります。
- 本メルマガは以前に名刺交換をさせていただいた方に配信しています
- 過去に、弊社商品をご購入いただいた特別なお客様だけにお送りしています
見出し
見出しは「目次」に該当し、本文の内容を端的に示したものです。読者は見出しを確認することでどのような内容が書かれているのか、全体でどのくらいのボリュームの内容なのかを確認できます。
また、見出しがあれば読者は気になるコンテンツから読むことができ、離脱防止にもつながります。
見出しを目立たせるために、装飾を活用して可読性を高めるのもおすすめです。
メインコンテンツ
メインコンテンツはメルマガの要となる部分です。読者が読み進めやすいように情報をわかりやすく記載するのが大切です。文字装飾や画像挿入などを活用し、読者の興味を引くデザインやレイアウトになるように工夫をしましょう。
また、近年はスマートフォンでメルマガを閲覧する読者も増えています。読みやすさを高めるために、改行や箇条書きなども活用すると良いでしょう。
CTA
申込や購入など購買促進を目的にメルマガを配信する場合、読者に行動を促すCTA(Call to action)リンクを設置します。資料請求やイベント申込み、商品購入ページへのリンクを設置しましょう。
CTAリンクを目立つ部分に配置したり、クリックを促すマイクロコピーを添えるとコンバージョンの向上に効果的です。
クロージング
クロージングには、コンテンツのまとめやCTAへとつなげる内容を記載します。例えば、サービス申込みによるメリットや特典内容をわかりやすく伝えるのもおすすめです。CTAリンクと近い位置にクロージングを記載すると、行動を迷っている読者を後押しする効果も期待できるでしょう。
フッター
フッターは、メルマガの最下部に位置し、送信者情報や連絡先などを記載します。特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)では、次の5項目の記載が義務づけられています。フッター部分に必ず記載しておきましょう。
- 送信者などの氏名または名称
- 受信拒否の通知ができる旨
- 受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURL
- 送信者などの住所
- 苦情・問合せなどを受けることができる電話番号、メールアドレス、URL
なお、受信拒否の対象外となる広告宣伝メールでは、受信拒否に関する項目は表示する必要がないなど、表示義務には一定の例外があります。
メルマガの文章フォーマット例
メルマガはテンプレートを活用することで、効率的に作成することが可能です。ここでは、4つの配信目的に応じた文章フォーマット例をご紹介します。
- 情報発信コンテンツのメルマガ
- セミナー案内のメルマガ
- 商品購入が目的のメルマガ
- サイトやSNSへ誘導するメルマガ
情報発信コンテンツのメルマガ
お役立ち情報など読者が必要とする情報を発信する文章フォーマット例は次の通りです。
【本文】
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〇〇通信 Vol.00 コンテンツタイトル
=============
〇〇様
こんにちは。〇〇通信の配信担当▲▲です。
いつもメールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
涼しい時間が多くなり、秋らしくなってきましたね。
季節の変わり目は、体調を崩しやすいので〇〇様もお気をつけください。
さて、今回のメルマガでは〇〇についてのお役立ち情報をご紹介します。
~目次~
□ 〇〇の使い方でこんな悩みはありませんか?
□ 〇〇の便利な使い方
『コラム内容記載』
今回の内容はいかがでしたでしょうか。
毎週、日々のお役立ち情報を配信していますのでぜひご覧ください。
【送信者などの氏名または名称】
【受信拒否の通知ができる旨】
【受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURL】
【送信者などの住所】
【問い合わせ・クレームなどを受け付けることができる電話番号、電子メールアドレス、URL】
セミナー案内のメルマガ
セミナー情報を案内する文章フォーマットは次の通りです。
【本文】
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〇〇塾 Vol.00
コンテンツタイトル
=============
〇〇様 こんにちは。〇〇塾、代表の▲▲です。
いつもメールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
この度、〇〇塾では〇〇な悩みをお持ちの方を対象とした「〇〇セミナー」を開催いたします。
・~について悩んでいる
・~のスキルを取得したい
という方にぴったりのセミナーをご用意しました。
【セミナー詳細】
内容:
日時:
時間:
会場:
定員数:
特典:
費用は〇〇円となります。
このたび、下記のURLからお申し込みいただいたメルマガ購読者様限定で〇〇円でセミナーにご参加いただけるキャンペーンを実施します! ぜひ、お得なチャンスをお見逃しなく!
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【URL】
【送信者などの氏名または名称】
【受信拒否の通知ができる旨】
【受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURL】
【送信者などの住所】
【問い合わせ・クレームなどを受け付けることができる電話番号、電子メールアドレス、URL】
商品購入が目的のメルマガ
商品購入を促す文章フォーマット例は次の通りです。
【本文】
=============
ブランド名 配信00号
コンテンツタイトル
=============
〇〇様
こんにちは。〇〇通信、配信担当▲▲です。
いつもメールマガジンをご覧いただきありがとうございます。
今月より、〇〇が新登場しました!
今まで、〇〇な悩みをかかえていたモニター様も、〇〇を使用して効果を感じています。
【商品の紹介】
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【送信者などの氏名または名称】
【受信拒否の通知ができる旨】
【受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURL】
【送信者などの住所】
【問い合わせ・クレームなどを受け付けることができる電話番号、電子メールアドレス、URL】
サイトやSNSへ誘導するメルマガ
サイトへ誘導する文章フォーマット例は次の通りです。
【本文】
=============
企業名
コンテンツタイトル
=============
〇〇様
こんにちは。〇〇通信、配信担当▲▲です。
この度、サービスの品質向上を目的としたアンケートを実施することにいたしました。
下記のURLからアンケートにお答えいただいた方には〇〇を贈呈いたします。
\アンケートはこちらから /
【URL】
みなさまいただいたアンケート内容は、当社の品質向上の目的のみで使用いたします。 いただいた個人情報は第三者に提供することはなく、当社のプライバシーポリシーに従って保管いたします。
【送信者などの氏名または名称】
【受信拒否の通知ができる旨】
【受信拒否の通知を受けるための電子メールアドレスまたはURL】
【送信者などの住所】
【問い合わせ・クレームなどを受け付けることができる電話番号、電子メールアドレス、URL】
効果が出やすいメルマガテンプレートの作り方
ここでは、効果が出やすいメルマガテンプレートを作る4つのポイントを解説します。
装飾は適度に使用する
メルマガは、装飾を施すことで本文が読みやすくなります。ただし、装飾をし過ぎるとかえって読みづらくなるため注意が必要です。伝えたい情報を目立たせるためにも、装飾は、見出しや強調したい箇所に留めましょう。次のように記号などを用いてラインを作ると、情報をより際立たせることができます。
例①
<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
見出し
<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
例②
■□◆□■□-----------------------
見出し
■□◆□■□-----------------------
例③
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見出し
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ターゲットでテンプレートを分ける
読者に効果的に情報を伝えるためには、ターゲットに応じてテンプレートを使い分けることも大切です。
例えば、BtoBメールにおいて役職別にターゲットを分けることにより、ニーズに沿った情報を届けられるでしょう。また、BtoCメールの場合は、新規登録者、リピーター、休眠顧客など顧客の属性や年齢などのセグメントに分け、最適な情報を届けることでより訴求力が高まります。
パソコン・スマートフォンでの見え方を確認する
読者はスマートフォンからメールを読むことが少なくありません。そのため、テンプレートの作成時は、スマートフォンを意識してデザインすることが大切です。特に、HTMLメールで画像や文字装飾などを施す場合、レスポンシブ対応がされていないとデザインが崩れる恐れがあります。一方、テキストメールでも飾り文字や改行、余白を意識的に用いて読みやすさを高めましょう。
また、媒体やシステムによって表示できる文字が異なります。キログラムなど単位や通過を表す特殊文字、丸囲み文字などの環境依存文字、絵文字などの仕様は控えるようにしましょう。画面サイズによって改行位置が変わることもあるため、パソコンやスマートフォンからどのように表示されるかをチェックし、読みやすさに問題がないかを確認してから配信するのがおすすめです。
テンプレートサイトを活用する
自社でテンプレートを作るのが難しい場合は、テンプレートサイトを活用するのも有用です。例えば、次のサイトでは、テンプレートが無料で利用できます。
HTMLメール
- Benchmark Email
- Canva
- SATORI
テキストメール
- メルラボ
- メルマガ・テンプレート
無料で利用できるテンプレートサイトについて詳しくは次の記事を参考にしてください。
テンプレートを活用して効果的なメルマガを作成しよう
メルマガのテンプレートは「件名」「ヘッダー」「リード文」「見出し」「メインコンテンツ」「CTA」「クロージング」「フッター」で構成されています。テンプレートを作成する際は、それぞれの要素のポイントを意識することが大切です。
本記事で解説した内容を参考に、効果が出やすいメルマガテンプレートを作成して、効率的にメルマガを運用しましょう。
また、メルマガの運用は、効果測定と改善を継続的に繰り返し、より成果のでるフォーマットにブラッシュアップする必要があります。改善を繰り返しながら、自社のメルマガの勝ちパターンを作りましょう。