「メールマーケティングは効果があるのか?」「メールマーケティングで成果を上げるにはどうすれば良いのか?」など、メールマーケティングに関する悩みや疑問を持つ担当者少なくありません
メルマガ配信ガイド&事例集(2021年最新版)
メルマガ(メールマガジン)運用をゼロから始める方法を詳しく解説します。
- 卓越したデザイン
- ユニークで魅力的なコピー
- クリックしやすいCTA
- 読み手を疲れさせない構成
今すぐダウンロードする
全てのフィールドが必須です。
本記事では、メールマーケティングの概要や種類とともに、メリット・デメリットを解説します。実際にメールマーケティングを実施する手順やポイント、成功事例も分かりやすくご紹介しますので、メールマーケティング施策の実施にお役立てください。
メールマーケティングとは
メールマーケティングとは、その名の通り、メールを活用したマーケティング手法を意味します。見込み客の属性や状況に合わせてメールの配信タイミングや配信内容を柔軟に変更するなど、さまざまなコミュニケーション手法があります。
メールマーケティングの目的
メールマーケティングの主な目的は、メールを通じたコミュニケーションによる、顧客・見込み客との信頼関係の構築や、購買意欲の醸成、ブランドの認知向上などです。メールマーケティングにより、結果的に顧客エンゲージメントの向上と売上の増加が見込めます。
メルマガはメールマーケティング手法のひとつ
メールマーケティングはメルマガと混同されがちですが両者は異なります。メールマーケティングはマーケティング施策の一つであり、メルマガはメールマーケティング施策の手法の一つです。
なお、メルマガを含めた主要なメールマーケティング手法については、後ほど詳しくご紹介します。
メールマーケティングが重要と言われる背景
メールマーケティングは従来から行われてきた手法ですが、近年再び注目を集めています。その理由の一つが、MA(マーケティングオートメーション)ツールの登場によって、より精度の高いメールマーケティングが可能になったことです。
MAツールの多くはメールマーケティング機能を搭載しており、HTMLメールの作成やステップメールの利用、開封状況やリンクのクリック率などの効果測定が容易に行えます。これらの結果をもとに見込み客の興味や関心を明確にでき、読者ごとにパーソナライズ化されたメールを配信できるメリットもあります。
また、メールというと古いイメージを持たれるかもしれません。総務省情報通信政策研究所が発表した「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、30代以上の働く世代における平日のメールとSNSの利用量の差はわずかで、40代以上ではメールを読む・書く時間がSNSの利用時間を上回る結果となりました。
チャットツールが普及した現代でも、特にビジネスにおいて、メールは最も身近なコミュニケーションツールだといえるでしょう。
出典:令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 <概要> 令和5年6月
このような背景もあり、現在も多くの企業がメールマーケティングを活用しています。
メールマーケティングの種類
メールマーケティングにはメルマガをはじめとする、さまざまな手法があります。ここでは、メールマーケティングの5つの手法を解説します。それぞれの特性を理解し、自社のメールマーケティング施策の目的に応じて使い分けましょう。
メルマガ
メルマガとは、メール配信によって見込み客の行動を促す手法です。メールマーケティングのなかでも取り組みやすく、多くの企業が活用しています。
メルマガの特徴は、すべての読者に対して同一のメールを一斉配信することです。例えば、販売促進目的(イベント・セミナー・セール情報のお知らせ)や、課題喚起(業界の最新情報や活用事例紹介)などのメールを配信します。
目的やターゲットに応じて配信内容や頻度を決定することでメルマガ施策は成果を得やすくなります。
リターゲティングメール
リターゲティングメールとは、見込み客のWebサイト訪問履歴をもとに、メールでアプローチする手法です。リターゲティングメールの活用によって、見込み客の状況・要望に合った内容のメールを最適なタイミングで配信できます。
例えば、料金ページにアクセスしたユーザーには特別価格キャンペーンの案内を、ヘルプページにアクセスしたユーザーにはフォローアップメールを配信します。ユーザーの実際の行動履歴にもとづいてメールを配信できるため、コンバージョン獲得につながりやすい点が特徴です。
あらかじめシナリオを設計して自動送信を設定しておくと見込み客へ効率的にアプローチできます。結果的に、信頼関係の構築や売上向上につなげられるでしょう。
ステップメール
ステップメールは、特定のアクションをした人に対して、事前に作成したシナリオに合わせてメールを送信する手法です。
例えば、はじめてサービスを購入した顧客に対し、お礼メール、使い方に関するレクチャーメール、困ったことがないかといったフォローメールを段階的に配信します。
配信のタイミングは自由に設定できるため、適切なタイミングで配信できれば顧客満足度の向上や、リピート率の向上につなげられます。
休眠顧客発掘メール
休眠顧客発掘メールは、一定期間活動がない休眠顧客に対して、行動を促すためのメールを配信する手法です。例えば、前回の購入から1年間購入がない顧客に向けて、状況の確認や新商品の案内を行います。メール配信により自社を再認識させ、購買につなげることを目的としています。
過去に購入経験がある休眠顧客は、新規の見込み客に比べて商品やサービスに対する信頼度が高く購入につながりやすいため、顧客フォローの一環として使われる手法です。なかには連絡先が変わっている顧客もいるため、顧客リスト精査にも役立ちます。
セグメントメール
セグメントメールは、配信対象を絞って配信する手法です。見込み客の興味度合いに応じてランク分けや、年齢・性別・属性など条件に適した内容を配信します。
メールを受信した見込み客は、画一的な内容のメールに比べて、「自分宛に送信された」と感じるため、行動変容が期待できます。
メールマーケティングのメリット
メールマーケティングは、ビジネスに多くの利点をもたらします。メリットを理解して、状況に応じた施策の使い分けを行いましょう。
低コストではじめられる
メールマーケティングは低コストで導入・運用が可能です。紙媒体のDMは、デザイン・印刷・配送にコストがかかりますが、メールマーケティングに必要なものは、配信先の顧客リストとメール本文のみです。始めたいときに即実践できます。
メールマーケティングツールを利用する場合は月額利用料がかかりますが、多くのメールマーケティングツールの利用料はリーズナブルな価格に設定されているため、コストを抑えてマーケティング施策を実施できます。
効果測定がしやすい
メールマーケティングは、効果測定がしやすい点でも優れています。メールマーケティングツールを活用すれば、メールを受信した顧客や見込み客の行動を分析可能です。
具体的には、メールの開封率やクリック率、二つ率やコンバージョン率などの効果測定が容易に行えます。得られた結果をもとに改善を繰り返すことでより効果的な施策を実施できるでしょう。
顧客・見込み客に合わせた内容・頻度で訴求できる
メールマーケティングのなかでもリターゲティングメールやステップメールでは顧客や見込み客の属性や行動に合わせて個別にメッセージを調整できます。そのため、より関連性の高いメッセージを届けられます。また、配信頻度やタイミングも見込み客の段階や属性に合わせて変えられます。
パーソナライズ化されたアプローチは、顧客や見込み客の興味関心を引きつけやすく、関係強化につながるでしょう。結果として、施策効果の向上が期待でき、コンバージョン率(購入や登録などの行動への変換率)が上がる可能性も高まります。
コンテンツの再利用ができる
メールマーケティングで顧客に届ける情報を毎回考えるのは大変だと感じるかもしれません。メールマーケティングでは、そのすべてを新しく考える必要はなく、自社のブログなどオウンドメディアのコンテンツの再利用と配信が可能です。
例えば、顧客事例や顧客に役立つ記事について、紹介文とともにURLリンクを挿入することで、オウンドメディアへの流入を増やすことができます。オウンドメディア内での回遊率が高まれば、見込み客の購買意欲が醸成され、最終的な購入へとつながります。
メールマーケティングのデメリット
メールマーケティングは効果的なアプローチができる一方で、デメリットも存在します。デメリットを理解したうえで、長期的な視点でメールマーケティングを展開することが求められます。
コンテンツ作成の手間がかかる
メールマーケティングにおいて、読者の興味を引くには魅力的なコンテンツを作成する必要があります。そのためには読者の属性や状況を見極めコンテンツをパーソナライズ化する必要があります。
しかし、たくさんのコンテンツアイディアを創出するのは容易ではないでしょう。メールマーケティングは低コストで始められる一方で、運用のための人件費や制作時間がかかることも考慮しなければなりません。
先述したように、社内のコンテンツを再利用したり、配信内容はテンプレートを活用したりするなどの工夫が必要です。
すぐに効果が出ないことが多い
メールマーケティングは、効果が現れるまでに時間がかかることが少なくありません。単発のメール配信での大きな効果や即時の成果は期待しない方が良いでしょう。
顧客との信頼を築き、強固な関係を構築するためには、複数のメール施策を継続的に実施する必要があります。長期的な視点を持って読者に求められるコンテンツを作成し、着実に関係を築きましょう。
メールマーケティング施策実行までの流れ5ステップ
メールマーケティングの効果を最大限に高めるためには、手順を守ることが大切です。ここでは、実際のメールマーケティング配信手順に沿って5つのステップをご紹介します。
1. ターゲット・目的の設定
まず、メールマーケティングを行う目的と配信先となるターゲットを明確にします。誰がどのような悩みを抱えていて、解決のためにどのような情報が欲しいのかを、ターゲットとなる顧客や見込み客の悩みを基点にして、具体的にイメージしましょう。
BtoBであれば、業界・業種・企業規模・事業内容・抱えている悩みなどを設定し、ペルソナに落とし込みます。不特定多数の人に「みなさん」と投げかけるよりも「あなただけ」と言われる方が、興味を持ってもらえる可能性は高まります。
具体的なペルソナ設定のポイントや注意点については次の記事でご紹介していますので、参考にしてください。
2. 配信先リストの準備
続いて、配信先リストを準備します。企業名、担当者名、メールアドレスがまとめられたリストを用意すると良いでしょう。
顧客情報が名刺などの紙ベースで散在している場合は、CRM(顧客管理システム)を活用してみましょう。名刺情報などの顧客情報を一括管理でき、属性に分けてデータを抽出できるため、顧客リストを容易に作成できます。
HubSpotでは無料で使えるHubSpot CRMを提供しています。ご興味のある方はこちらをご覧ください。
3. メールコンテンツ作成
配信するメールの内容を検討します。初めてコンテンツを作成する際は、あれもこれもと情報を詰め込み過ぎて長文になったり、何を伝えたいのかわかりにくくなったりする可能性がありです。読者に情報を受け取ってもらうためにも、1通のメールで伝える内容は一つに絞りましょう。
複数の情報を記載したい場合は、ポイントを簡潔に伝え、詳細はランディングページのURLをクリックしてもらうように導線を引くのもおすすめです。箇条書きや画像挿入によって可読性を高めることも大切です。
メール配信ツールのテンプレートを活用すれば、初めての方でもクオリティの高いメール文面の作成・配信が可能です。
4. メール配信
メールが完成したら実際に配信します。一般的なメールサービス(Outlook、Gmailなど)で配信することもできますが、あまりおすすめはしません。メールを配信するたびに宛先と本文を変更しなければならず労力がかかり、誤送信や情報漏えいなどのリスクがあるからです。
メール配信ツールを使えば誤送信のリスクが減ります。また、ステップメール機能を使うことで、顧客・見込み客のアクションに応じた、2通目以降の自動配信も可能になります。
5. 効果の分析と改善
メールマーケティングでは、メールを一度送って終わらせるのではなく、効果分析と検証を行うことが大切です。
メールマーケティングツールを活用すれば、メールの開封率、本文内のURLクリック率、資料ダウンロード数などあらゆるデータを確認できるため、より精度の高い分析を行えるようになります。
分析結果を施策改善に活かし、PDCAサイクルを継続的に回すことで、徐々に成果を高めましょう。
メールマーケティングを成功させるためのポイント
メールマーケティングを成功させるには、効果を最大化するための戦略的なアプローチが必要です。ここでは、メールマーケティングを成果に結び付ける4つのポイントをご紹介します。
長期目線で計画・運用を行う
先述の通り、メールマーケティングは効果が出るまでに時間がかかるため、長期目線での計画を立て運用を行うことが大切です。例えば、メルマガは題材がないと配信できないため、年間スケジュールを立て、どのタイミングでどの内容のメールを配信するかを決定します。
イベントや販促キャンペーンなどと連動できるように、自社のマーケティングやセールスのスケジュールを把握しておくことも重要です。
定期的な効果測定と改善を繰り返す
メールマーケティングを成功させるには、定期的に効果測定をし継続的に改善を繰り返すことが必要です。メールマーケティングツールを導入して施策の効果を評価しましょう。
具体的には、開封率やクリック率、コンバージョン率などのデータを収集、分析し、課題を特定します。その結果をもとに、改善策を検討し、次回の施策へ反映させましょう。
ユーザーにメリットがあるコンテンツを作成する
メールマーケティングを成果につなげるには、読者のニーズや関心に合わせてパーソナライズ化されたコンテンツを提供し、悩みの解決策を提示することが大切です。ユーザーにとって有益な情報であれば、反応率は向上します。そのためにも、まずは自社のメールマーケティングのターゲットが誰かを明確にし、メリットを感じてもらえるコンテンツを作成しましょう。
メールマーケティングをサポートしてくれるツールを活用する
多くの見込み客に向けて手動で多くのメールを送信するのは、時間と労力がかかります。メールマーケティングを効率的に行うためにも、メール配信ツールやMAツールの活用がおすすめです。ツールの主な役割は次の通りです。
- メール配信ツール: メール一斉配信、リスト管理、名前・情報差し込み、HTMLメール作成、予約配信、データ分析など
- MAツール:セグメントに応じたメールの自動配信、行動データによるパーソナライズ化されたコンテンツ配信、見込み客のスコアリング、データ分析など
HubSpotのMarketing Hubは、メール配信機能を備えたツールで、顧客リストの抽出からスコア分析まで容易に実施でき、メール作成のテンプレートも豊富に備わっています。
メールマーケティングの成功事例
ここではメールマーケティングを活用して、ユーザー数を増やすことに成功した事例をご紹介します。どういった情報をメールで配信しているのか、具体的なポイントも記載しているので、ぜひ参考にしてください。
Grammarly社
出典:Grammarly Business - チームの英語コミュニケーションをサポート
英文の添削・校正ツールを提供するGrammarly社が取り組んだのが、ユーザーがSNSに投稿した自社サービスに対する客観的な評価と期間限定情報のメールへの掲載です。
客観的な評価は自社が発する宣伝よりも信頼性が高く、ユーザーが自社サービスを選ぶきっかけにつながります。また、「〇月〇日まで〇〇%オフ」との期間限定のセール情報もあわせて掲載することで、ユーザーの行動を促す効果が期待できます。
メールマーケティング戦略を実施した結果、世界各国でのユーザー数は数千万人、導入企業は数万社に拡大しました。
Dropbox
出典:Dropbox
オンラインストレージサービスを提供するDropbox社では、リターゲティングメールを効果的に活用しています。
登録ユーザー数は7億人以上にのぼる一方で、利用の期間が空くユーザーは少なくありません。そこで、柔らかく楽しいデザインと強み、ユーモアを交えたリマインドメールを送付しています。また、操作に自信を持てないユーザーへ向けて、再開用のチュートリアルページも提供しています。簡潔で押しつけがましくないメッセージを送ることで、自社のサービスの良さを思い出してもらい、再開へとつなげているのが特徴です。
サッポロビール
出典:サッポロビール
国内大手のビールメーカーであるサッポロビール株式会社は、1997年より、Webサイトの会員向けにメルマガを配信しています。同社が実施しているのが、会員の属性によって配信内容を変えるセグメント配信です。
会員の住んでいる地域の限定情報や、閲覧した記事をもとに会員の興味にあう製品情報を配信することで、ユーザーの興味関心を高め、関係性を築いています。
メールマーケティングを活用して成果につなげよう
本記事では、メールマーケティングの基礎から実施の手順まで解説しました。多くの企業がビジネスメールを活用していることからもわかる通り、メールマーケティングは現代のビジネスにおいても非常に有効なマーケティング手法です。また、コスト面でも導入しやすいメリットがあります。
メールマーケティングを上手に活用すれば、読者が必要としている情報を最適なタイミングで届けられます。結果として、顧客・見込み客との関係強化が期待できます。顧客満足を基点に事前設計と検証、改善を繰り返し、戦略的に取り組んでいきましょう。