BtoBマーケティング担当者の中で、自社では「リードジェネレーション」が成功している?と聞かれた際に、自信を持って「YES」と言える方は何%ほどいるでしょうか?

自社のマーケティング活動を成功へ導く上で、「リードジェネレーション」=「見込み客の獲得」は、マーケティング担当者が直面する最初の関門であり、最も突破が難しい関所の1つと言っても過言ではありません。
多くのBtoB企業が、営業主体の組織体制からマーケティング主体の組織への変貌を目指す中で、この関所を突破しなくては、次のステップである「リードナーチャリング」=「見込み客の育成」へは進めません。
そこで、今回はリードジェネレーションを成功させるために、必要が考え方や具体的な手法を解説します。
自社のマーケティング活動をどのように進めれば良いか分からない!という担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
リードジェネレーションとは?

リードジェネレーションとは、あなたの会社やその製品やサービスに何かしらの興味を示している見込み客を「創出する(ジェネレーション)」という意味です。
つまり、リードを獲得すること、またはその過程ということです。
例えば、自社のWebサイト上に「資料請求はこちら」という問い合わせフォームを設置したとします。
この場合、自社のサービスに対し興味を示している人の情報を集めていることになるので、リードジェネレーションの1種であると言えるでしょう。
リードとは?
リードとはBtoBマーケティングにおける「見込み客」のことです。ただし、全ての企業に通用するリードの定義はありません。
リードの意味について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
今さら聞けない『リード』の意味とは?収益最大化の3つのプロセス
リードと潜在顧客の違い
よくリードと混同されがちな「潜在顧客」との違いについても確認しておきましょう。
- 潜在顧客
「商品やサービスを認識する前の段階にいる人」です。商品やサービスを認識すれば、リードになる可能性があります。抱えているニーズと合致すれば興味が喚起されて、コンバージョンや購入へと進むでしょう。
- リード
「商品やサービスをすでに認識している人」です。関心を持っていて、積極的に情報を集めています。リードの求めている情報に沿ったアプローチをすれば、購入に至るだけではなく、優良顧客へと成長する可能性もあります。
リードと潜在顧客の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
潜在顧客と見込み客の違いは?市場から将来の優良顧客を発掘するアプローチ方法
リードジェネレーションとリードナーチャリングの違い

上記の図はHubSpotが提唱するインバウンドマーケティングの方法論において、見込み客を創出してから顧客化するまでの行程を図示しています。
この図の中で、リードジェネレーションは「Attract(惹きつける)」「Convert(転換する)」を含んだステージに位置しています。
まず、自社のサービスを認知していないペルソナに対してブログ、SNS、広告などを活用しサイト訪問を促します。
そして、サイト訪問者が個人情報を明かしても良いと思えるような付加価値が高いオファー(ホワイトペーパーやウェビナー申込みなど)、フォーム付きランディングページなどを準備し個人情報を取得します。
このように見込み客を発見してコミュニケーションをとれる状態にするまでが、リードジェネレーションと定義されます。
一方、リードナーチャリングとは、リードになった見込み客の興味関心・理解を高め、顧客化を促進することを指し、見込み客を顧客へ育成するためのより深いコミュニケーションを取るプロセスとなります。
リードナーチャリングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
リードナーチャリングとは? 効果的な手法とHubSpotの成功事例
リードのWEBサイト訪問履歴を管理して、見込み度が高いリードに対しては見込み客の関心が高い情報をステップメールなどで送付し、自社との関係性作りを促進します。
ステップメールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ステップメールとは? 効果的なシナリオを作るコツとおすすめ事例3選
リードジェネレーションにおいてコンテンツが必要な理由
では、リードジェネレーションを成功させるためにはどうすれば良いでしょうか?
ずばり、ポイントはコンテンツ制作です。
この記事を読んでくださっている方の中には、「お問い合わせ」や「資料請求」などの入力フォームを用意して顧客の個人情報を入手すれば良い、とお考えの方もいらっしゃるかも知れません。
※「自分だ!」と思われた方は要注意です。
たしかに、「お問い合わせ」や「資料請求」をしてくれる方は自社への興味度合いが高く、質の良いリードの可能性が高いと言えます。
しかし、見込み客自らが情報を調査し、自社に問い合わせてくれるようなケースは確率的に見てもかなり少なく、すぐにビジネスが成り立つことはめったにないでしょう。
参考までに、下の図をご覧ください。これはBtoB企業のウェブサイトに設置されているオファー(ダウンロード可能なEbookなどの総称)をバイヤーズジャーニーに沿って整理したものです。

この図を見ても分かるように、資料請求やお問い合わせは、解決策を提示できる企業を絞っている、または複数の候補企業で比較検討しているといった、「決断段階」の見込み客向けに、自社の製品やサービスを訴求するオファーとなります。
つまり、資料請求やお問い合わせでは「認知段階」や「検討段階」と呼ばれる、今すぐ購入はしないけども役に立ちそうな情報は欲しい、という属性の見込み客へは作用しません。
お問い合わせを行わないようなサイト訪問者の状況や関心に応じて、幅広い領域(認知段階や検討段階)にもオファーを増やす必要があります。
それを図式化したのが下の図になります。

まずは、サイト訪問者をリードと判断するには個人情報が必要になるので、顧客が個人情報を提供しても欲しいと思えるような、ebook、テンプレート、チェックリストといったコンテンツを用意します。
次に検討段階における見込み客には、ウェビナーとして課題の解決策を解説するセミナーを実施したり、より専門的な情報を掲載したホワイトペーパーを提示します。
自社の製品やサービスに関わる情報ではなく、見込み客の立場で彼らが必要とする課題解決策をコンテンツとして提供することで、幅広いリードが獲得できます。
実際、7,000社に対するHubSpotの自社調査でも、ランディングページの数(=オファーの数)を10から15に増やした場合、リードの数が55%増加したという結果もあります。
リードジェネレーションを成功させるためのアプローチ
ではリードジュネレーションを成功させるためにはどんなことが必要なのでしょう?
ここでは、リードジェネレーションを進める上での考え方や思想、具体的なアクション方法をご提示します。
1. Takeの前に、Giveの精神を

急速なインターネットの普及により、消費者の購買行動は大きく変化し、消費者はWebを利用して容易に商品やサービスの情報を収集して比較できるようになりました。
これにより、購買行動の始まりは、営業マンと接触する前から始まるようになり、接触する時にはすでに、ある程度製品・サービス、または業者の選定がなされた後だというケースが多くなってきています。
そのため、製品やサービスを提供する企業側にとっては、顧客の求める情報をいかに、顧客ニーズに沿って、最適のタイミングで届けられるかということが重要になってきます。
例えば、ある調査機関が行ったアンケートによると、BtoBサイトで利用したいサービスで最もポイントが高かったのは「製品・サービス選定を支援する機能」(61.6%)。
次いで「製品・サービスの購入」(57.4%)などのECに関するものですが、ここで注目したいのは3位に位置している「業界動向・技術動向がわかるコンテンツ」(54.2%)のような周辺情報も欲しているという点です。

出典:トライベック・ブランド戦略研究所
BtoBサイト調査結果分析2017「第6回:BtoBサイトで利用したいサービス」
業界によっては技術進歩が速く、ユーザーが情報を収集し、理解していくことが難しい場合もあります。
業界や技術の最新動向を知ることができるのは、ユーザーにとって有益なのでしょう。
このようにBtoBマーケティングにおいては、製品やサービスに直接的に関わる情報だけでなく、様々な情報を収集、吟味している顧客に対し、彼らが「欲しい」と思える情報、つまりコンテンツを提供することが重要となるのです。
2. 顧客インサイトの徹底的な理解

では、彼らが欲しいと思える情報を把握するには、どうすれば良いでしょうか?
彼らの潜在ニーズの先にある、ニーズの源泉となるインサイトを知ることです。
製品やサービスの検討を始めた見込み客が、どのような課題を抱え、解決策を模索し、どのような情報ニーズを持ち、何を知りたいと思い、どんな疑問を持っているのかを知ることです。
それら見込み客が抱える様々な疑問や障壁を解決してあげる情報こそが有益なコンテンツとなります。
そこで大切なのが営業との良好な関係性です。
営業担当者は日頃から顧客と接しています。
彼らの営業に同行し顧客の声を生で聞くのが最も効果的でしょう。
また、同行が難しい場合でも、営業と顧客の商談の模様を録画してもらい、その映像を見ることでも顧客の雰囲気やインサイトは十分に把握できます。
商談内容の録画も難しい場合は、一番営業成績が良い営業担当者と直接会話をしてみてください。
彼らは、優良顧客の属性や抱えている課題を良く理解しているはずです。
営業担当者と定期的に対話する機会を設け、顧客についての情報を常日頃から収集し、顧客インサイトを徹底的に理解するようにしましょう。
3. 質が高く、見込み客の意図に沿ったコンテンツ幅広く提供する
さて、顧客インサイトが理解できたら、顧客に届けるコンテンツ作りです。
リードジェネレーションにおけるコンテンツにはさまざまな種類がありますが、ここではバイヤーズジャーニーに沿ってそれぞれのコンテンツの特性と役割を説明いたします。
「認知段階」
業界レポート
見込み客が属する、業界や技術の最新情報などを取りまとめた資料をホワイトペーパーとして提供します。
市場環境や業界の傾向、製品やサービスに関する最新技術などを紹介できます。
抱える課題の解決策を探るうえで幅広い知識を得ようと思っている見込み客に有効です。
業界レポートなどは、社内のコンサルタントや営業担当者が独自で作成をしていたりするケースもありますので、ゼロから作る前に、一度社内に対して外部に発信できそうなレポートがないか確かめてみましょう。
テンプレート
見込み客の書類作成や、サービスツール作成をサポートするテンプレートです。
画像や文字のデザイン、レイアウトなど、あらかじめ一定の書式を用意してあげることで、見込み客の作成負荷を抑えることが可能です。
誰でも加工ができるよう、パワーポイントやエクセルで提供することが多いです。
自身の仕事をラクにしてくれるコンテンツなので、大きな集客効果が見込めます。
HubSpotでは、Excel形式の営業案件管理だったり、マーケティング予算の管理などが人気のテンプレートです。
「検討段階」
ウェビナー
分かりにくい製品やサービスを見込み客に対し分かりやすく効果的に訴求でき、時間や場所の制約がなく双方向のコミュニケーションが可能なマーケティングツールです。
受講者側にとっては
- 「どこからでも参加できる」
- 「パソコンやスマートフォン、タブレットなど様々な端末から気軽に参加が出来る」
- 「移動費や移動時間が掛からない」
- 「録画データなら、欠席した時や聞き逃した箇所も後でゆっくり聞き直せる」
というメリットがあり、「新規見込み客獲得」や「既存顧客の活性化」に有効です。
「決定段階」
無料トライアル
決定段階まで至った見込み客は、自社製品と他社線品を比較検討している場合が多いでしょう。
自社製品の無料トライアルを提供し、製品の優位性、使いやすさなどを体験してもらうのが効果的です。
実際、SaaS系ベンチャー企業の多くは、「無料サインアップ」や「期間限定の無料トライアル」などのオファーを提供しているケースが良くあります。
無料コンサルティング/無料体験
自社のビジネスが、無形物であるサービスなどを提供している場合は、1時間だけ無料でサービスが擬似体験できるようなオファーを作ってみてください。
注意が必要な点としては、誰にでも「無料サービス」を提供してしまうとサービスが持つ本来の価値が下がってしまう可能性がある点です。
例えば、Webサイトなどに常に「無料コンサルティングはこちら」などのようなバナーを表示してしまっていては、「認知段階」「検討段階」の見込み客にも見えてしまいます。
「検討段階」が完了した見込み客に対して、期間を定めてEメールで通知するなどが有効的でしょう。
リードの獲得に効果的なウェブサイトの要素を詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
新規リード獲得に効果的なウェブサイトの重要な8つの要素
リードジェネレーションを実践するための7つの手法
では、具体的にリードジェネレーションを進めるための手法を、オンラインとオフラインに分けてご紹介します。
「オンライン」

(1)コンテンツSEO/ブログ×CTA×LP
SEO上位を狙ったブログと、ダウンロードコンテンツを配したCTA,そしてフォーム機能を持たせたランディングページのセットです。
見込み客の情報ニーズに応えるコンテンツをブログ記事で作成し検索上位で表示させます。
その記事を閲覧した人に有益な情報をダウンロードコンテンツにより提供し、ランディングページでより詳しい個人情報を入手するという手法です。
HubSpotブログにおける一例ですが
①「インサイドセールス」という検索キーワードで、SEO対策を実施したブログを上位表示

②ブログ内に「ホワイトペーパーのDLページ」へ遷移するCTAを設置

③フォーム付きのランディングページを準備してホワイトペーパーダウンロードを訴求する

ポイントとしては、ライバルが多いビッグキーワードを最初にあまり狙わないことです。
上位表示が達成しやすいスモールキーワードで流入増を狙うことで、自社と見込み客の情報ニーズを合致しやすくなります。
(2)Web広告
フリートライアルをGoogle広告などで出稿したり、オファーをFacebook広告などで展開する手法です。
(3)Eメールマーケティング
メルマガからリードへ転換させる手法です。メールアドレスだけ取得できたユーザーに対して、ホワイトペーパーや成功事例集などを送付します。
Eメールで定期的にコミュニケーションをとり、見込み客の課題を解決するコンテンツを提示し育成していく手法です。
(4)SNSマーケティング
TwitterやFacebookなどで自社コンテンツを拡散する手法です。反響が高いコンテンツはユーザーに二次拡散されリーチできる幅が広がることが大きなメリットです。
しかし近年では、若者のFacebook離れなどが原因で従来よりも効果が下がってきています。自社のペルソナが良く閲覧しているSNSなどを調査してから、取り組むか否かを検討すると良いでしょう。
(5)PR/リファラル
業界に関するレポートを準備して、主要メディアなどにピッチを行います。
リード獲得という目的だけではなく、評価が高い媒体などから被リンクをもらうことで、自社サイトの評価が上がるという効果も期待できるため、副次的にSEO効果もあります。
「オフライン」
(6)展示会
オフラインで最も代表的なのが展示会への出展です。
一度の出展で何百、何千という名刺を獲得できますが、獲得した見込み顧客の温度差がまちまちで、自社の製品やサービスを購入してくれるとは限りません。
獲得したリードのうち、導入を検討してくれる人の割合は5~10%と言われており、残りの90%以上のリードは無駄になってしまうこともあります。
またブースを出すには多くのコストが掛かり、現在では決してコストパフォーマンスが高い手法とは言えません。
(7)共同セミナー/イベント
展示会と同様に会場のレンタルや人員の手配など、大きなコストと手間が掛かります。
しかし、オンラインで獲得したリードよりも温度感が高い場合があるため、オンライン施策と平行して活用を検討していくと良いでしょう。
共同でセミナーを実施する場合は
●どちらが集客を担うのか?もしくは、両社が実施するのか?
●どのようにリードの情報を共有し合うのか?
●どちらが会場を準備するのか?
など、確認すべきポイントを事前にクリアにしておき、セミナー終了後に揉め事が起きないように気をつけましょう。
リードジェネレーションを成功させるコツ
それでは、リードジェネレーションを成功させるために知っておくと役立つコツを「Webサイトへのトラフィックがある場合」と「Webサイトへのトラフィックがない場合」に別けてご紹介していきましょう。
「Webトラフィックが既に充分ある」場合
(1)トラフィック毎に検索意図を分解する
例えば、HubSpotブログにおいて、「スマホ 写真 撮り方」というキーワードで検索をすると、スマホで極上の写真を撮るための基礎テクニック18選【無料写真素材付】 が1位で表示されます。
これに対して、HubSpotに関する資料請求などのCTAを設置していても、おそらく誰も個人情報を渡してまで資料が欲しいとは思いませんよね?
逆に、本記事の中に「リードジェネレーションを成功させるための5つの秘訣」みたいなホワイトペーパーが存在していれば、ちょっとダウンロードしてみたいな。と思われるのではないでしょうか?
トラフィックは伸びているが、思うようにリード数が伸びない、という方は、一度流入している検索キーワードの棚卸しと、各キーワードの検索意図からニーズにあったCTAを出せてないページは存在しないか?などチェックしてみると良いでしょう。
(2)新規オファーを作成する
お役立ち資料などのホワイトペーパーを作成するのは簡単ではありません。
テンプレートやチェックリストなどをExcelで作成するだけでも充分なオファーに成り得るので、手元にない人は制作してみて下さい。
HubSpotブログでも、ホワイトペーパーよりテンプレートの方がコンバージョン率が高い傾向にあるので、テンプレート系のオファーを準備するだけでもリード獲得数は伸ばせるかもしれません。
(3)CTAを出し分ける(Web接客的なツールを活用)
最近ではポップアップを表示させるようなWebサイトも増えてきています。
Webページ毎に、ブログであれば関連するホワイトペーパーを表示する、また料金ページなどを見ているユーザーに対しては、営業担当に直接チャットができるボットなどを表示させると良いでしょう。
「Webトラフィックが全くない」場合
(1)コンテンツSEOにフォーカスする
広告に依存することになるので、資産と成り得るオーガニックトラフィック獲得に、まずはフォーカスしてみてください。
(2)オファーを作成 × Web広告
SEOは半永続的な効果が得られる反面、効果が出るまで時間がかかります。少なくとも半年、長くて1年以上です。
もし、SEOだけでは会社から求められているスピード感に追いつかないのであれば、ホワイトペーパーなどのオファーを準備して、Facebookリード獲得広告やGoogle広告に出稿してみるのも施策の1つです。
(3)共同パートナーを見つけてイベントを実施する
リードを共有できるようなパートナーを探し、共同でセミナーを実施することでWebトラフィックがなくともリードを獲得できます。
しかし、各ステークホルダーとの調整や当日の登壇、登壇資料準備など、やらなくてはいけない事が盛り沢山なので、自社リソースの状況に合わせて検討しましょう。
取引に消極的なリードの対応策について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
マーケティングでリードが取引に消極的な場合の対応策
リードジェネレーションで注意すべきポイント
効率的なリードジェネレーションを実現させるために覚えておきたい注意点をご紹介します。
リードの定義を明確にする
マーケティング部内で、どこまでの個人情報が取得できれば「リード」と定義されるのかが、決まっていないケースが良くあります。
例えば、HubSpotでは、氏名、企業名、WebサイトURL、emailアドレス、電話番号、従業員数、提供サービス内に「SEO、デジタルマーケティング、ウェブデザイン、広告運用」は含まれるか?この項目全てが揃わなければ”リード”にはなりません。
上記の情報を全て企業側に提供しても良い、と見込み客が思える程の素晴らしいコンテンツを提供して初めて、「リード」= 「見込み客」と呼べるのかもしれません。
リードの数だけを意識しない
フェーズによってはリードの母数も必要ですが、数だけを追っていると質の低いリードが集まり、受注に繋がらない可能性が高くなります。
リード獲得のコストと時間を無駄にしないためには、質の高いリードの獲得を意識したリードジェネレーションが大事です。
リードの質を高める方法
リードの質を高める方法は以下の通りです。
ABM戦略を採用する
ABMとはAccount Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)の略で、価値の高い顧客を「企業単位」で捉えて最適なアプローチを行うマーケティング手法です。
BtoBでは購買プロセスに複数人が関わってくるため、個人単位でスコアをカウントしていると「企業単位」での高確度なシグナルに気づかないことがあります。
施策の無駄を省くためにも、理想の顧客とする企業のポテンシャルと、見込み度合いを基準にしたステータスを意識してリードの質を高めていきましょう。
ABMについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
ABMとは?インバウンドマーケティングとの違いとそのメリット
マーケティングオートメーション(MA)を活用する
マーケティングオートメーションには、リードとの接点になる「登録フォーム」や「ランディングページ(LP)」の作成機能があります。
特別な知識がなくても作成できるため、人件費や作成時間を省いた効率的なリードの獲得が可能です。
マーケティングオートメーションについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【2020年最新版】マーケティングオートメーション完全ガイド | 使い方から、ツール比較、事例まで
リードジェネレーションの効果測定方法
リードジェネレーションの手法は様々ですが、施策の効果を計測するためには、下記の数値指標を設定し追跡する必要があります。
1.リードの流入元
Webサイトやセミナーなどのチャネル別にリードの獲得数を計測します。Web検索やSNS広告からの流入は、MAツールのWebトラッキング機能を使うと計測が簡単です。
2.中間コンバージョン
リードの獲得から成約に至るまでの間にチェックポイントを定義して、そこに到達したリードの割合を計測します。計測結果を曖昧にしないためにも、「メールの開封率」や「資料請求数」のような確実に計測できる指標を採用してください。
3.受注への貢献
上記「1」と「2」の測定結果から、受注に至る確率が高い流入元を分析します。SNS広告は受注率が低くWeb広告からの受注率が高かった場合は、SNS広告への予算配分を上げるなどして、マーケティング施策のブラッシュアップを行いましょう。
リードナーチャリングを進めるために意識してほしいこと
「与えよ、さらば与えられん」
ビジネスに関する本を読んでいると、上記のセリフは良く目にする事があるかもしれません。
人間には、
①Giver(ギバー:与える人)
②Matcher(マッチャー:どちらもする人)
③Taker(テイカー:もらう人)
の3つタイプがあるとされ、GIVE&TAKE(与える人)こそ成功する時代(著:アダム グラント氏) の一説によると、与える人こそ、成功しやすい時代になったと言われています。
少し前の話ですが、Twitterで株式会社ZOZO 元代表取締役社長 前澤氏が、100万円を100人に無償で配る1億円キャンペーンが世間の話題を集めました。
意図せずの結果だと思いますが、結果としてRT数世界新記録、フォロワー500万人増加という驚異的な数字を残しました。
また、皆さんも自分の周囲の人を思い浮かべてみてください。
誰からも好かれおり社内でも成功を収める人は、損得勘定なし与える姿勢を持っている人が多いのではないでしょうか? BtoBにおける、リードジェレーションを成功させるための考え方も同様です。
見込み客が抱える課題や困難を理解し、手助けができる(無償で)ようなコンテンツを準備することこそ、中長期的に結果をもたらしてくれる手法です。
営利企業である限り、自社利益のために成り得ないことは切り捨てる、という考え方もありますが、持続可能な成長を得るためには、顧客成功にフォーカスする以外に道はありません。
リードジェネレーションが思ったように上手くいかない、と悩んでいる担当者の方は、是非とも一度実施する施策の中に、顧客視点を加えてみてはいかがでしょうか?
リードジェネレーションだけでなく、マーケティング オートメーション全般に関して知りたい方は以下の記事もご覧ください。
マーケティングオートメーション完全ガイド | 使い方から、ツール比較、事例まで

