SNSなどの新しいコミュニケーションツールの登場により、「メルマガは時代遅れだ」といわれることが少なくありません。しかし、今なおメルマガは読者との信頼関係を築き購買意欲やロイヤリティを高める効果的なマーケティング手法であり、メルマガを有効活用している企業も多くあります。
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では、なぜメルマガは時代遅れだと考えられているのでしょうか。本記事では、メルマガが時代遅れなマーケティング施策ではないことを示す4つのデータと、時代遅れだと誤解される理由を詳しく解説します。
時代遅れにしないためのポイントもご紹介しますので、これからメルマガを始めようとしている方や配信継続を迷っている担当者はぜひ参考にしてください。
メルマガは時代遅れの施策ではない
SNSなどの新しいマーケティングツールの登場により「メルマガは時代遅れ?」と疑問を持つ方もいるでしょう。結論からお伝えすると、メルマガは時代遅れの施策ではありません。
メルマガが効果的であることはデータが示している
ここでは、メルマガが効果的なマーケティング施策であることを4つの調査結果から解説します。
1日あたりの購読時間は前年と変わらない
まず、Benchmark Japanが行った「日本のメールマガジン購読状況調査 2022年度版」の回答結果をご紹介しましょう。「1日にどれくらいの時間メルマガを読んでいるか?」との質問に対して、仕事用では1位が1~5分、2位が1分未満と、前年度と大きく変わらない回答が得られました。この結果は、メルマガが読まれる時間は従来と変わらないことを示しています。
企業の情報を取得する手段として多く選ばれている
株式会社WOW WORLDが、2023年2月15日~2月17日に実施した「生活者が企業に求める情報発信方法」の調査によると、企業からの情報を受け取る媒体として、メルマガは49%と、1位の公式Webサイト(55%)に次いで多い結果となっています。
また、メール配信システム「配配メール」を提供する株式会社ラクスが実施した「メールマガジンに関する意識調査2023」では、企業からのお知らせを受け取る手段としてメールはSNSよりも多く活用されているという結果が明らかになりました。前年度比では、SNSは数%のアップで、メールは100%と同様でした。この結果から、メールは多くの人に情報を届ける手段として今も有効なツールであるとわかります。
40代以上はSNSよりもメールの利用率が高い
総務省から2023年6月に発表された「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」からは、年代によっては、SNSよりもメールの利用率が高いことがわかります。平日に利用する情報通信メディアにおいて、10代、および20代はメールよりもSNSの利用率が高く、30代以上ではメールとSNSの利用量に大差はありませんでした。しかし、40代以上ではメール利用がSNSを上回る結果となりました。年代によっては、SNSよりもメルマガのほうが効果的なマーケティング施策になることを示しています。
これらのデータから、メルマガは時代遅れではなく今でも効果的なマーケティング施策であるといえます。見込み客や顧客にとって身近なメールを用いて有益な情報を提供することで、関係の強化が可能となるでしょう。
メルマガが時代遅れといわれてしまう理由
メルマガが時代遅れだといわれる理由には、主に次の2つがあげられます。
- SNSやLINEなどの新しいマーケティング手法が出現したこと
- メルマガが10年以上も前から存在するマーケティング手法であること
SNSやLINEなどのコミュニケーションツールの誕生により、メール自体の利用頻度が減り、多くの企業がこれらのツールをマーケティング施策に取り入れるようになりました。そのため、10年以上も前から利用されてきたメルマガは、一昔前の手法であるといわれるようになったのです。
しかし、これらの理由だけでメルマガが時代遅れだと判断するのは早計です。メルマガがマーケティング施策として長く利用されてきたのは、その有効性が認められているからです。現在でも、多くの企業がメルマガによって目標を達成しています。
また、SNSやLINEなどのツールはプラットフォームに依存する点に留意が必要です。運営会社によってアカウントの利用が停止された場合には、これまでに蓄積されたコンテンツや顧客リストを失いかねません。一方で、メルマガはメールアドレスを含む顧客リストさえあれば、ツールを変更しても配信を続けられます。
新たなコミュニケーションツールが続々と登場する昨今、メルマガはマーケティング手法として確かに古い側面もあります。しかし、その有効性はデータで裏付けられており、今後も必要とされていくでしょう。メルマガの効果については次の記事で詳しく解説しているので、ぜひお読みください。
時代遅れにならないメルマガ運用のポイント
メルマガの効果を最大化させるには、自社が届けたい情報を届けるだけでなく読者目線にたった運用が求められます。時代遅れのマーケティング手法とならないために、次の5つのポイントを押さえましょう。
- 配信時間や頻度を適切に設定する
- 売り込みすぎない
- 配信停止の動線をわかりやすくする
- PDCAサイクルを回す
- MAツールを活用する
配信の頻度と時間を適切に設定する
読者のことを考えて、配信頻度と時間を設定しましょう。過度な配信や深夜、早朝の配信は読者に不快感を与えて、配信停止やクレームを引き起こしかねません。
そもそもメルマガは、読者との信頼関係を構築して自社の目標を達成する施策です。配信の頻度や時間に配慮することで顧客の自社への信頼感は高まり、積極的にメルマガを読み進めてくれるでしょう。
効果的なメルマガの配信時間については次の記事で詳細を解説しているので、ぜひお読みください。
売り込みすぎない
メルマガは企業にとって目標を達成するための手段である一方で、読者にとっては有益な情報を得るためのものです。自社の目標を達成するためには、まず読者の目的を満たす必要があります。自社の目標を優先して商品やサービスをアピールしすぎると、読者は不要なメルマガだと判断して配信を停止する可能性もあるでしょう。
メルマガではキャンペーンや商品・サービスの感想の紹介、無料トライアルの案内など、読者の悩みに寄り添った内容や有益な情報を配信することが大事です。例えば、新商品の化粧水をメルマガで案内する場合は単に商品を売り込むのではなく、使用感や効果を提示したりキャンペーン情報を盛り込んだりすると興味を引きやすいでしょう。メルマガの詳細な作り方とテンプレートについて知りたい方は次の記事をご覧ください。
配信停止の導線をわかりやすくする
配信停止の導線をメルマガ内でわかりやすく示すことも大切です。配信停止の手続きが複雑だと読者は戸惑い、企業イメージの低下につながる恐れがあります。
読者が容易に配信を停止できるようにするためにも、メルマガの本文中に配信停止のURLを掲載する、配信停止専用のメールアドレスを設定するなどの工夫をすると良いでしょう。なお、いつでも配信停止を出来るようにしておくことは、「特定電子メール法」により義務付けられています。
PDCAサイクルを回す
メルマガの運用において、PDCAサイクル(「計画(Plan)」「実行(Do)」「評価(Check)」「改善(Action)」)を回すことは重要です。PDCAサイクルを回すことにより読者のニーズにあったメルマガへと改善し、関係性の向上につなげられます。
具体的には、まず「計画」段階でメールマーケティングの目的を明確にして配信ターゲットや訴求内容を策定します。次に、「実行」段階でメールの作成と配信を行います。「評価」段階では配信結果を分析し、開封率やクリック率などの指標を確認しましょう。最後に、分析結果をもとに配信内容の「改善」を行います。
大切なのは、改善内容をもとに再度計画を立て、実行、評価、改善のPDCAのサイクルを繰り返し回すことです。メルマガマーケティングの効果を最大まで引き出すことができるでしょう。
MAツールを活用する
MAツール(マーケティングオートメーションツール)とは、あらゆるデータを解析してマーケティングの効果を高める自動化ツールのことです。MAツールを活用すればAIなどの最新技術を活用したメルマガマーケティングが可能になります。
例えば、ユーザー属性によるセグメント(分類)によりニーズに応じた配信が可能となり、開封率や成約率を高めることができます。他にも、スコアリング機能を活用して読者の自社に対する興味を評価し、スコアに応じた施策を実行可能です。自動化による作業の効率化が行えるのも、MAツールのメリットといえるでしょう。
HubSpotの提供するMAツール「Marketing Hub」でも、メルマガの作成や配信、分析などが可能です。A/Bテストや動的コンテンツ作成、アナリティクスによる分析ができる他、CRMとの連携によって、蓄積されたデータから顧客の行動を分析し、配信メッセージ内容に反映することも可能です。無料でご利用いただけるので、ぜひ一度お試しください。
自社のメルマガが時代遅れにならないために
メルマガが時代遅れだといわれるのは、10年以上の歴史があるマーケティング施策であることに加えて、SNSなどの新しいコミュニケーションツールが登場したことに起因します。しかし、SNSが普及した現在においてもメルマガの有効性はデータで裏付けられています。また、メルマガで成果を上げている企業があることも事実です。
メルマガの効果を最大化させるには、読者を第一に考えて信頼関係を構築することが大切です。結果として自社の目標達成につながるでしょう。メルマガが時代遅れになるかどうかは、運用次第といえます。MAツールも活用しながらPDCAサイクルを回して改善を繰り返し、顧客ニーズに沿った配信を心がけましょう。