カスタマージャーニーにおけるペルソナ設計の重要性とポイントを詳しく解説

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亀山 將(かめやま まさし)
亀山 將(かめやま まさし)

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顧客の購買プロセスが多様化した現代では、カスタマージャーニーの各フェーズに合わせたマーケティング施策の立案が不可欠です。

カスタマージャーニーにおけるペルソナ設計の重要性とポイントを詳しく解説

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本ガイドではカスタマージャーニーマップ作成の基礎から、作成後の運用まで紹介しています。顧客に焦点を当てた、成果につながる施策を展開しましょう。

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カスタマージャーニーをマーケティング施策に活用する際は、ペルソナ分析やカスタマージャーニーをマップとして可視化した「カスタマージャーニーマップ」の作成を行うことが多いでしょう。

ペルソナ分析は、企業の願望や思い込みではなく、実態をどれだけ正確に反映できるかが重要です。顧客の行動や感情の変化にあわせた施策を打つことで、必要な情報を必要なタイミングで提供でき、顧客満足度も向上します。

本記事では、効果的なカスタマージャーニーマップを作成するにあたってのペルソナの重要性や、ペルソナの設計方法を詳しくご紹介します。自社のカスタマージャーニーマップの作成に、ぜひお役立てください。

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    カスタマージャーニーにおけるペルソナの重要性

    まずは、カスタマージャーニーにおけるペルソナの重要性を理解しておきましょう。
     

    ペルソナとは

    ペルソナとは、年齢層や性別、居住地といった詳細を設定したユーザー像のことです。ペルソナの設定は、ターゲット層の興味・関心や悩みを深掘りし、マーケティング戦略に活用することが主な目的です。

    ターゲット層は「30代前半の女性」のように特定の範囲を設定するのに対して、ペルソナは、ひとりの顧客のプロフィールを具体的に設定する点が大きな違いです。

    個人を想像できるまでペルソナを突き詰めて設定すると、関係者で共通認識を持てるようになります。施策について意見が分かれたときにも、ペルソナがしっかりしていれば「この人に買ってもらうにはどうすればいいか」と考えることができ、迷うことが少なくなるでしょう。

    なぜペルソナが重要なのか

    カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知してから購買に至るまでの一連のプロセスを、旅になぞらえて分析するフレームワークです。カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーをマップとして可視化したものです。そして、旅の主人公となるのがペルソナです。

    ペルソナを正しく設定することで、カスタマージャーニーマップ作成時の分析ポイントである顧客の行動や思考、接点ポイントなどを深く理解でき、より効果的なマーケティング戦略の立案につなげることができます
     

    カスタマージャーニーマップ作成において必要なペルソナ設定のポイント

    カスタマージャーニーマップ作成において、知っておきたいペルソナ設計のポイントを紹介します。
    以下、ステップごとに解説していくので、作成時の参考にしてください。
     

    1. 必要項目の洗い出し

    ペルソナの作成に必要な項目を明らかにします。詳細なペルソナを設計するためには、基本情報だけでなく、ストーリーや情報収集の手段など、複数の要素を組み合わせることが重要です。基本的には、次のような項目があります。

    <基本情報>

    • ペルソナの名前
    • 性別
    • 年齢
    • 居住地域
    • 家族構成
    • 学歴
    • 休日の過ごし方
    • <仕事情報>
    • 職業
    • 業種
    • 仕事内容
    • 部署
    • 役職
    • 会社の年商、従業員数

    <ストーリー>

    • ペルソナの状況:現在の目標、現状の課題など
    • 心理学的傾向:何を好み、何を理想としているかなど

    <情報収集に関する情報>

    • 情報収集をする時間帯
    • 日常の情報収集の手段:検索、テレビ広告、雑誌、イベントなど
    • 利用端末の種類:パソコン、モバイル
    • SNSの利用状況

     

    2. 情報収集・定量調査

    必要項目を設定したあとは、実際にペルソナ設計のための情報収集をします。このときに、自社の主観や願望が入らないよう、事実ベースの情報をできるだけ多く集めましょう

    情報収集の対象は、既存顧客や見込み客です。業種や商材、B2BかB2Cかなどによっても収集する情報は異なりますが、基本的にはステップ1で設定した項目に沿って調査していくと良いでしょう。

    調査方法には大きく分けて、定量調査と定性調査があります。
    定量調査は、ペルソナの大まかな傾向を理解するのに役立ちます。定量調査とは、数値化されたデータを分析するものです。これにより、ペルソナの属性や行動などの傾向が理解できます。おもな定量調査の方法は次の通りです。
     

    アンケート

    アンケート調査では、自社に必要な情報を手軽に集められます。ステップ1の必要項目に基づき、顧客や見込み客を対象に質問を設定しましょう。アンケート調査は、リサーチ会社など外部に依頼することも可能です。
     

    サイト/SNS分析数値

    自社サイトやSNSのデータ分析も定量調査の材料となります。次の3つのポイントを分析することで、自社に関心のある顧客層や、その行動パターンなどの把握が可能です。

    • SNSのフォロワーの属性など
    • ユーザーがどの経路でサイトにアクセスしたか
    • ユーザーがサイト内でどのような行動をしているか

    Webサイト分析については以下の記事でも詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

    厚生労働省の統計調査結果

    定量調査には、一般に公開されている調査結果も活用できます。例えば、厚生労働省の統計調査結果では、幅広いジャンルの統計が閲覧可能です。各統計結果が年単位、月単位で公表されており、最新のデータを簡単に確認できます。
     

    3. 情報収集・定性調査

    ペルソナの思考や心理を分析する際には、定性調査のデータを使用します。定性調査とは、実際の対象者の言葉や文章、行動などの数値化できないデータを分析することです。それにより、定量調査では見えないペルソナの思考や心理、行動パターンなどを正しく理解できます。おもな定性調査の方法は次の3つです。
     

    アンケート

    アンケートは、定量調査・定性調査ともに有効な方法です。定性調査で活用する場合は、アンケート内に「記述式」の設問を取り入れましょう。対象者の課題や商材を購入した理由など、自社で知りたい質問を設置することで、顧客の具体的な思考や心理を把握できます。
     

    インタビュー

    インタビューは実際に顧客の意見を聞ける方法で、定性調査の中では複数人で同時に行うグループ・インタビューが代表的です。インタビューする人数は場合によって異なりますが、ペルソナごとに3人から5人を目安にしましょう。

    インタビューでは参加者と柔軟にコミュニケーションを取れるため、顧客に対する理解が深まるという利点があります。
     

    行動観察

    ペルソナの潜在ニーズや課題を導くためには、行動観察が役立ちます。行動観察とは、その名の通り対象者の行動や態度、反応などを観察する手法です。Webマーケティングでは、実際にユーザーにWebサイトを使用してもらい、その一連の流れを観察する方法などがあります。ペルソナが無意識にとる行動から気づきを得ることができます。
     

    4. ペルソナの設定

    最後に、集めた情報を整理して、ペルソナを設定します。

    ペルソナ作成時のポイントは次の通りです。

    • 先入観や思い込みを排除し、実際のデータに基づき作成する
    • ペルソナの生活スタイルがイメージできるレベルまで、詳細に設定する

    調査結果に基づいて、顧客のパターンや共通点を洗い出し、必要項目と照らし合わせながらペルソナを作成します。具体的なイメージを持つためには、基本情報として人物の顔写真を選定することも効果的です。

    また、次のようなシートを活用することでペルソナを視覚化でき、社内で共有しやすくなります。

    4. ペルソナの設定

    膨大な情報の整理にはツールの使用が便利です。HubSpotのペルソナテンプレートを無料ダウンロードしてご利用ください。

    ペルソナについては以下の記事でも詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

    5. 複数のペルソナを設定

    ペルソナは「大勢いる顧客像のうちの1人」のため、答えもひとつではありません。そのため、ペルソナを複数設定することも重要なポイントです。商材によっては、10人以上必要なケースも存在します。

    ただし、あまりにも多く作成してしまうと正しいニーズ調査ができなくなる可能性があるため、最初は3~4人程度にとどめると良いでしょう。

    複数のペルソナを設定したあとは、ペルソナを主要ペルソナとセカンドペルソナにグループ分けします。優先順位をつけてグルーピングすることで、ペルソナに合わせた最適なマーケティング施策を行えます。

    作ったペルソナを主人公にカスタマージャーニーマップを作成する際は、ひとつのマップにまとめるのではなく、ペルソナごとに同じ数のカスタマージャーニーマップを作成します。
    ペルソナによって行動や思考はさまざまで、購買へ至るまでの過程も異なるからです。

    例えば、商材が健康食品の場合、以前から健康に気を付けている人と、最近健康に関心を持ち始めた人では、考え方や購入に至るまでの行動に差があるでしょう。

    そのため、ひとつのカスタマージャーニーマップでマーケティング戦略を立てるのではなく、ペルソナごとにカスタマージャーニーマップを作成することが大切です。
     

    カスタマージャーニーマップ作成の基本的な流れ

    カスタマージャーニーマップ作成の基本的な流れ

    作ったペルソナを主人公にカスタマージャーニーマップを作成する際には、以下の流れを参考にしていただくとよいでしょう。
     

    1. マップの横軸(フェーズ)の設定

    まずは、カスタマージャーニーマップの横軸となるフェーズの内容を設定します。フェーズとは訴求したい商品・サービスに対するペルソナの状態のことで、例えば「認知・興味関心・比較検討・行動」の4つのフェーズを基本とする作り方があります。

    フェーズを設定する際は、AIDMAやAISASなどの購買行動フレームワークを参考にするのもおすすめです。
     

    2. 行動とタッチポイントの洗い出し

    次に、ペルソナの行動とタッチポイントの洗い出しを行います。ペルソナが行動をした結果タッチポイントに触れる、あるいはタッチポイントにおける接触でペルソナの行動が影響されるため、この2つは同時に考えます。

    例えば、YouTubeをよく見るペルソナであれば、視聴中の広告から商品・サービスの存在を知ることがありえます。これは「認知」フェーズの行動とタッチポイントになります。
     

    3. 思考・感情の設定

    次に、フェーズやタッチポイントごとにペルソナの思考や感情の変化を設定します。思考や感情を想定するのは、どのようにして購買行動まで至るのかを知るために重要です。
    カスタマージャーニーにおいては、一度ネガティブな感情を抱くことも十分に考えられます。そういうこともしっかりとマップに組み込むことで、次の施策の検討につながっていきます。
     

    4. 施策や課題の検討

    タッチポイントにおける行動や思考・感情の変化から、打つべき施策を考えていきます。
    ポジティブな感情を後押しする施策、ネガティブな感情を改善する施策などが必要で、場合によってはタッチポイントの追加も検討するといいでしょう。
     

    5. KPIの設定と改善

    カスタマージャーニーマップが完成したら、各施策におけるKPIを設定し、実績と照らし合わせながら改善していきます。

    例えば、認知フェーズにおいては広告のインプレッション数がKPIとなりえますが、実績がKPIを下回った場合はマップの設計に不備があるかもしれません。

    効果検証を繰り返していくことで、精度の高いカスタマージャーニーマップの作成が可能になります。

    正しいペルソナ設計で効果的なカスタマージャーニーマップ作成を

    効果的なカスタマージャーニーマップを作成するには、正しいペルソナ設計と分析が鍵となります。

    ペルソナは、社内目線の主観や妄想で設計せず、データに基づいて正しく分析しましょう。作成したペルソナは定期的にブラッシュアップして見直すことも重要です。

    顧客体験の重要性は、今後も増していくと考えられます。カスタマージャーニーマップの作成に取り組むことで、顧客の行動や心理を深く理解し、適切なアプローチができるようになります。顧客体験の向上は、企業と顧客の双方にメリットがあります。

     

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