クリック率は、配信が成功したメールの総数に対して本文中のURLがクリックされた割合を指し、メルマガの効果を測定するために重要な指標です。
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この記事では、クリック率の概要や測定・算出方法、業界別の平均値、クリック率を向上させるためのポイントをわかりやすく解説しています。
メルマガをより効果的な施策へと改善したい方はぜひ参考にしてください。
メルマガのクリック率とは
メルマガのクリック率とは、配信に成功したメールの総数に対して、メルマガ本文に設置されたURLリンクがクリックされた割合のことです。CTR(Click Through Rate)とも呼ばれます。また、配信総数のうち、URLをクリックして特定のWebページを訪問したユーザーの比率を送客率といいます。
メルマガは、本文中のURLリンクをユーザーにクリックしてもらって、遷移先のページでコンバージョンを獲得することを目的に配信されるのが一般的です。そのため、クリック率はメルマガ配信において最も重要な指標の1つとなります。
クリック率の測定・計算方法
クリック率の測定は、メールに計測用のURLを配置して行います。計測用URLを経由して特定のページへ遷移するよう設定しておくことで、計測用URLがクリックされた件数からクリック率を求められます。メール配信ツールやMA(マーケティングオートメーション)ツールを利用すれば容易に測定可能です。
クリック率は次の計算式で求められます。
クリック率以外のメルマガの重要指標
メルマガの重要指標にはクリック率の他に、開封率・反応率があります。それぞれの概要と計算方法は次の通りです。
【開封率】
開封率は、配信が成功したメルマガ総数のうち、実際に開封された割合です。ユーザーが開封を決める要素としてメルマガの配信タイミングや件名、セグメントが有効であったかを測る指標として利用します。
【反応率】
反応率は、開封したメルマガの総数に対して本文内のURLがクリックされた割合です。ユーザーがメルマガを開封して本文を読んだ後にURLをクリックしたかどうかを示すため、コンテンツ内容のよしあしを見る指標として利用されます。
【平均】業界別メルマガ開封率・クリック率
一般的に、メルマガの平均的なクリック率は2~3%程度といわれています。ただし、業界や業種の他、同じ業種でもターゲット層が異なるため留意が必要です。
次の一覧は、メールマーケティングシステムを提供している「ベンチマーク社」の調査による業種業態別の開封率とクリック率を示したものです。先述の通り、業種や業態だけでは分類しきれません。また、同社のサービス提供国におけるユーザー全体の調査結果ですので、参考値としてご活用ください。
【業種業態:開封率/クリック率】
- 広告・マーケティング・PR・メディア・デザイン:21.94%/3.35%
- 建築・建設:26.00%/4.54%
- 観光・エンターテイメント・ホスピタリティ:26.86%/3.36%
- 教育(大学、社会人):29.02%/3.54%
- コンサルタント・HR・人材:25.92%/3.23%
- ファイナンス:23.16%/2.94%
- 医療:25.92%/3.32%
- 保険:21.38%/2.58%
- 製造/物流/エンジニアリング:20.49%/3.10%
- NPO・行政サービス:31.95%/4.04%
- 不動産:25.23%/2.91%
- 小売・消費サービス:27.29%/3.42%
- 教育(小中高):36.00%/4.10%
- テクノロジー・通信:25.33%/3.26%
- フィットネス:27.65%/3.43%
出典:Benchmark Email「 平均メール開封率・クリック率レポート (2022年度版) 業種別・地域別(国別)の最新情報」より
なお、上記は国をまたいで算出された平均値のため、地域(国)別の日本の平均値も参照すると良いでしょう。日本のメール平均開封率と平均クリック率は次の通りです。
- 平均開封率:37.42%
- 平均クリック率:4.84%
自社の数値と平均値を比較し目標数値を設定して、メルマガ配信の改善目標として役立てましょう。
メルマガのクリック率を上げるための7つのポイント
メルマガのクリック率を上げる方法には、大きく分けて次の2つがあります。
- 開封率(開封数/配信に成功したメール総数)を上げる
- 反応率(クリック数/開封済のメール総数)を上げる
クリック率は「配信に成功したメールの総数」が分母のため、開封率が上がれば結果的にクリック数(クリック率)も上がりやすくなります。クリック率を向上させるにも、メルマガを開封してもらうための工夫やURLをクリックしてもらうための本文の改善ポイントをあわせて確認しておきましょう。
1. 配信タイミングを最適化する
開封率を上げるためには、ユーザーがメルマガをチェックしやすく、興味を持ってもらいやすいタイミングで配信するのが重要です。ユーザーが忙しく余裕のないタイミングで配信しても、開封には至らず、その後のクリックにもつながらないでしょう。
一般的に、BtoBのサービスであれば平日11~14時くらいのランチタイムがメルマガ配信に適しているとされています。BtoCのサービスであれば、8~10時、もしくは17~19時くらいの通勤時間帯の配信が効果的といわれています。
ユーザーの多くがメルマガをチェックする時間帯は、通勤中や仕事の前、ランチタイム、就寝前です。ただし、対象者やメルマガの内容によっても変わります。
配信のタイミングを最適化するためにも、ユーザーを分けて、それぞれ別の時間帯に配信して結果を確認するA/Bテストを実施すると良いでしょう。
2. 件名を工夫する
件名の工夫は開封率を高める施策として有効です。開封率が向上すると本文を読んでもらえる可能性も高くなるため、結果的に、クリック率の改善に影響を与えます。件名でユーザーの興味を喚起し、熱量を持った状態で本文を読んでもらうことで、スムーズにクリックにつなげることが可能です。
ユーザーは件名でメルマガを開封するかどうか決めています。他社と類似した件名は興味を引きにくく、メールを開いてもらえる可能性が高くなるでしょう。また、スマホからの閲覧では画面に表示される文字数に限りがあるため、件名の文字数にも注意が必要です。
文字数は15?30字にして、とくに伝えたい重要な情報は前半の15文字に含めましょう。本文で提供されている情報や価値をイメージできるよう、内容は具体的にして、緊急性や独自性をもたせることも重要です。
件名を作成する際は、自分のスマホにテストメールを送ってどのように表示されるかを検証しながら進めると良いでしょう。ユーザーにとってわかりやすく効果的な件名を作成することができます。
3. ファーストビューを工夫する
ファーストビューとはメルマガを開いたときに、最初に視界に入る画面のことです。ファーストビューはユーザーの印象に残りやすく、最後まで読んでもらえるかを左右します。クリック率やCV率にも影響するため、ファーストビューに工夫を凝らしましょう。
冒頭で、「このメルマガには有益な情報がある。読む価値がありそうだ」と思ってもらうことが重要です。件名と同じように、メリットや限定感・緊急性・独自性・具体性を意識しながら文章を作成しましょう。
デザイン面でも工夫が必要です。冒頭にメルマガ名や会社名を含んだ画像を過度に大きく表示すると、肝心のリンクがファーストビューに表示されず見落とされる可能性があるため必ず表示を確認しましょう。
4. ユーザーがクリックしやすい配置・形式でリンクを設置する
URLリンクの配置や形式もクリック率に影響する要因です。基本的に、ファーストビューの範囲内で見切れない位置とメルマガの末尾にリンクを設置するのをおすすめします。
メルマガを読み進めたユーザーが、「もっとくわしく知りたい」と思ったタイミングにリンクがあるのが理想です。興味を持って最後まで読んでくれたユーザーはコンバージョンしやすいため、メルマガ末尾にもリンクを設置しておきましょう。
また、どのような形式のリンクを設置するかも大切です。例えば、HTMLメールでボタン形式のCTAを設置すると、単純なURLやアンカーテキストよりもユーザーは注目しやすくなるでしょう。
リンク周辺に短い文章を添えるマイクロコピーも有用です。ユーザーにより適切な情報を伝えて興味を引くことができるでしょう。
HTMLメールでは受信側において画像非表示設定がされている場合には、ボタンの画像が表示されません。画像の設定とあわせてアンカーテキストを設定し、画像が表示されないときの対策をしておきましょう。
5. 配信内容は1メール1つに絞る
メルマガのコンテンツは、原則として1通のメールに対して1つの内容に絞りましょう。
複数の異なるコンテンツを1つのメルマガに盛り込んだとしても、ユーザーの興味は薄れてしまい、全文を読んでクリックする可能性は低くなるでしょう。また、一般的に、ユーザーが特定の1つのリンクをクリックしてWebページに遷移した場合において、再びメールに戻って他のコンテンツを読む可能性は低いといわれています。
ユーザーがメルマガにかける時間は限られています。忙しいユーザーにメルマガを読んでもらうためには、重要な情報をわかりやすく記載し、容易にクリックできる工夫をしましょう。
6. セグメント配信をする
メルマガ配信のリストをユーザーの属性や行動などで分け、グループごとに内容を変えることをセグメント配信といいます。セグメントごとにユーザーが興味関心を持つ情報を配信し、コンバージョンの内容を変えられるため、クリック率を向上させられます。
セグメント配信では、メルマガ配信後の検証が大切です。「どのセグメントのユーザー」が「どのような内容に」「どのように反応したのか」という情報を集めることで、より効果的なメルマガへと改善していきましょう。
7. HTMLメールとテキストメールを併用する
クリック率を高めるためには、マルチパートメールを使うのも効果的です。マルチパートメールとは、1つのメールにHTML・テキストの2つの形式を作成しておき、受信者の受信環境にあわせてどちらかを表示するメール形式です。
HTML形式では、開封率を測定でき、画像が多く視覚的にリッチなメルマガを送ることが可能です。しかし、受信設定やドメインの仕様により受信できないことがあります。HTMLメールを受信拒否設定しているユーザーもいるためです。
マルチパートメールであれば、HTML形式は受信できない場合であってもテキストメールを届けられます。ただし、テキストメールには画像の挿入や文字色をつけられないため、罫線を使った装飾や記号を用いてリンクを強調するなど、重要な情報へと誘導できる工夫を心がけましょう。
8. モバイル環境での見え方に配慮する
レスポンシブデザインでモバイル・PCでの表示を最適化しましょう。レスポンシブデザインとは、使用するデバイスやブラウザにあわせてレイアウトが自動的に最適化されるWebデザインのことです。
株式会社ベンチマークジャパンが行った「 日本のメールマガジン購読状況調査 2023年度版」によると、仕事用は24.1%がPCのみ、19.8%がスマホのみ、56.1%がPCとスマホの両方でメルマガを読むと回答しています。
このような背景から、スマホとPC、それぞれのユーザーに快適な閲覧環境を提供することが大切だとわかります。スマホとPCにおける閲覧のしやすさやリンクのクリックのしやすさなども確認しておくと良いでしょう。
メルマガのクリック率を改善してコンバージョンにつなげよう
メルマガのクリック率は、メール本文のリンクからユーザーがページに遷移する割合であり、コンバージョンにつなげるための重要な指標です。クリック率にはさまざまな要素が影響するため、数値の改善には一部だけでなく多角的な工夫をする必要があります。
どの要素を改善する際もユーザー目線で考えることが重要です。閲覧のしやすさやリンクの見つけやすさ、クリックのしやすさなど、ユーザーの使いやすさを確認しながら作成しましょう。
効果検証やA/Bテストの実施を通して、自社のメルマガ配信における勝ちパターンや知見を蓄積することが大切です。継続的な改善により、コンバージョンにつながるメルマガ配信を実現しましょう。
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