私たちの日常にすっかりお馴染みになったサブスクリプションサービス。PCで使うWindows OfficeやAdobe Photoshopも、スマホのアプリも、身近なソフトウェアの多くがSaaS(Software as a Service)として提供されるようになりました。

また、最初に契約を結んで定期的に料金を支払うことで、映画を見たり、本やコミックを読んだりできるサービスも、一般的になってきました。

サブスクリプションサービスでは新たにサービスの利用する際に専用のソフトウェアを購入&インストールする必要がなく、必要ないと思えば簡単に解約できる利便性から、消費者の購買活動を根本から変えつつあります。

サブスクリプション型ビジネスモデルの推進者であるティエン・ツォは、「5年以内に私たちは何も買わなくなり、すべてをサブスクリプションとして利用するだろう」と語りました。

その言葉通りに、BtoCの分野ではアマゾンなどを代表とするeコマースやアプリ、BtoBの分野でのSaaSが多くの顧客を獲得しています。今後はさらに、歯科診療など従来では想像もつかなかった分野で、サブスクリプション化が進んでいくことでしょう。

しかし、サブスクリプションサービスを提供する企業側にとって、「簡単に利用できて、簡単に解約できる」ことは、非常に大きなリスクを抱えることでもあります。

継続的に利用してくれる顧客を確保し続けることが、安定した利益を得るためには死活的に重要だからです。顧客の離反を防ぎ、継続してサービスを利用してもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。

サブスクリプションサービスを手掛けていない企業にとっても、既存顧客の離反を防ぐことは重要な課題です。ここでは顧客との関係維持」を意味するリテンションに注目して「なぜリテンションが重要なのか?」「どうしてリテンション率を計測しなければならないのか?」「どのように計測した数値を活かすべきなのか?」を説明して、既存顧客との良好な関係を維持しつつ、新たな収益機会を創出する方法を紹介します。

リテンションとは?リテンション率の計測と向上が必要な理由

商品やサービスを購入してくれる新しい顧客を獲得することと、購入を続けてくれている既存顧客を逃さないようにすること。どちらも企業にとって重要な活動ですが、あなたが経営幹部なら、どちらに重点を置いた施策を取りますか?

Econsultancyがアメリカおよびヨーロッパの企業に対して行ったアンケートによると、新規顧客に重点を置くと答えた企業が44%、既存顧客の維持に重点を置くと答えた企業は18%でした。確かに「新規キャンペーン」を目にする機会の多さを考えると、納得の行く数字です。

しかし、企業に大きな利益をもたらすのは、長期に渡って購入を続ける既存顧客です。既存顧客を維持し続けることで、ビジネスは大きく成長できるのです。リテンションがなぜビジネスの成長にとって重要なのか、詳しく見ていきましょう。

リテンションを計測することがなぜ重要なのか?

リテンションとは英語で「維持・保持」を意味する「retention」という言葉に由来して、「企業が一定期間、顧客を維持する能力」を意味します。

「つまり固定客のことね?」「お得意様を大切に、ってこと?」と思った方も多いのではないでしょうか。しかし、そうではありません。「顧客を維持する能力」とは意欲や決意ではなく、それを裏打ちする測定データがあって初めて証明できるものです。

既存顧客を維持する能力は、リテンションの数値に現れます。そこからデータを分析し、顧客の離反を食い止める施策を打つことで、本当の意味で「既存顧客を大切にする」ことができるのです。

では、なぜリテンションが重要なのでしょうか。

それは「LTV(顧客生涯価値) > CPA(顧客獲得単価)」であること。すなわち顧客が生涯に渡って企業にもたらす利益(LTV)が、その顧客を獲得するために必要な広告費やマーケティング費の合計(CPA)を上回っていなければ、ビジネスの持続的成長は望めないからです。

身の回りの事例を考えてみてください。アマゾンプライムは最初の30日間は無料でプライム特典を利用することができます。このときアマゾンが負担しているのは、初月の利用料ばかりではありません。テレビCMを始めとしたマーケティング費も、相当なものになります。

アマゾンは、顧客に継続してサービスを利用してもらうことで、初めて利益が生まれるのです。

「アマゾンプライムって、月額500円だよね?ほかにも動画配信とかいろんなサービスを提供しているし、CMもバンバンやってるよね?それで採算が取れるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

結論から言えば、採算が取れるからアマゾンも続けているのです。その「採算が取れているかどうか」を教えてくれるのが、リテンションです。

リテンションを測定することで、新規顧客が平均してどのくらいの期間、顧客であり続けるのかがわかってきます。それがわかれば新規顧客の獲得のための投資が、本当に成功しているのかどうかもわかってきます。

また離反する顧客を追跡することで、サービスのどんなところに問題があったのかも見えてきます。数字を追うことで、さまざまなことがわかってくるのです。

具体的にリテンション率を求めるには、次の計算式で算出します。

リテンション率(%)=(期間終了時の顧客数 - 期間中に獲得した顧客数) ÷ 期間開始時の顧客 × 100

仮に期間開始時点で顧客が10人いるとします。第1四半期に5人の新規顧客を獲得し、1人が解約して、期間終了時点では14人の顧客がいるとします。その場合は以下のようなリテンション率になります。

リテンション率(%) = (14 - 5) ÷ 10 × 100 = 90%

実際にはどのくらいのリテンション率があれば良いのでしょうか。「Mixpanel Benchmark Report(2017)」の業界別リテンション率のグラフによると、金融、SaaS、eコマース、メディアのすべての業界で、1週目でリテンション率は30%前後まで落ち込み、8週目には20%を割っていることがわかります。

2か月後に25%を維持していれば、平均を上回っていると言えるでしょう。一般的にSaaSの分野では、35%を維持すると成功だとみなされます。

なぜビジネスの成長にとってリテンションを向上させることが重要なのか

KPMGが2014年に出した「Retail Industry Outlook Survey」の統計によると、「収益を上げる要因は何か」という質問に対して、「顧客維持(52%)」という回答がトップで、「新規顧客獲得(45%)」や「製品のイノベーション(30%)」を上回っていました。

広告費や販促費などの新規顧客の獲得に必要なコストは、既存顧客の維持に比べると5倍かかることを表したのが「1:5の法則」です。2011年にForrester Researchがアメリカやヨーロッパのオンライン小売店に対して行った調査でも、インタラクティブ・マーケティング予算の80%が新規顧客のために費やされていることが明らかになっています。

しかし、実際の収益の多くは既存顧客から得られるのです。Forrester Researchのオンライン顧客の統計では、以下のようなことがわかっています。

  • アメリカでは、Webサイトの全訪問者のうち、既存顧客が占める割合はわずか8%であるにもかかわらず、全収益の41%を既存顧客の購入が占めている
  • 既存顧客のうち、3回以上購入しているリピーター1人から得られる収益は、アメリカでは新規顧客5人、ヨーロッパでは7人に相当する
  • リピート購入者は、ホリデーシーズンや経済成長の鈍化の時期にさらに多くの収益を計上する

既存顧客のもう1つのメリットは、口コミ効果です。商品やサービスを気に入って購入するリピーターは、その商品やサービスについて人に語り、レビューを書き、SNSでも拡散します。それが無料の広告の役割を果たします。

顧客ロイヤリティビジネスモデルの提唱者であるフレッド・ライクヘルドは、顧客継続率を5%向上させれば企業の利益率を25%~95%向上させることができると言っています。

実際にHubSpotの数値を見ながら、顧客の離反を減らすことがどれだけ利益の改善につながったかを見ていきます。

HubSpotでは、2011年の第1四半期の「顧客生涯価値(LTV) ÷ 顧客獲得費用(CAC)= 1.7」でした。この数値が1であれば利益ゼロ、1を割り込めば、継続して商品の販売やサービスの継続を行えば行うほど赤字になる状態です。数値が大きければ収益率が高いということで、一般的にSaaS企業の場合、「LTV ÷ CAC > 3」であれば成功といえます。

当時、その数値が達成できなかったHubSpotは、MRRチャーンレート(収益ベースの解約率。「今月に解約があったアカウントによる減益の合算 ÷ 今月初日の月次収益 × 100」で求める)の低下に真剣に取り組み始めました。

2011年~2012年にかけて、HubSpotではこのMRRチャーンレートを改善すべき重要経営指標として捉え、カスタマーサクセス部門(詳しくは後述)の立ち上げによる解約率の低下を図りつつ、顧客をセグメント別に分けてそれぞれの顧客セグメントに沿った価格体系の見直しを図りました。

その結果として、MRRチャーンレートは3.5%から1.5%まで低下して、LTVでは$10,074から$31,806まで改善することで「LTV ÷ CAC = 4.7」を到達しました。

この事例から確認できるのは、解約率を低下させ、顧客が継続したくなるような施策を取ることで、経営指標には明確な改善が見られるということです。

ではここから具体的に、顧客の離反を防ぐためには何をしなければならないかを考えてみましょう。

顧客が離れていく理由を知っていますか?接客よりも重要な「顧客体験」という視点

顧客の離反を食い止め、リテンション率を上げるためには、まず離反する理由を突き止めなければなりません。業界によって、また企業によって、離反の理由はさまざまなものがあるでしょうが、まずはおおまかな傾向を把握したうえで、対策を立てていきます。

顧客が離れていくのは価格や品質が理由ではない

2011年にOracleが行ったCustomer Experience Impact Reportを見ると、消費者がブランドに何を求めているか、また、好きなブランドであっても、どれだけすぐに離れていくかがわかります。

  • 86%の消費者は、より良い顧客体験のためなら、余分にお金を払っても良いと考えている
  • 89%の消費者は、顧客体験が悪ければ、競合他社に移る
  • 79%の消費者は、クレームを無視されたら、顧客体験の悪さをオンラインでシェアする
  • 50%の消費者は、問い合わせに対して1週間返事がなければ、そのブランドと取引を止める

統計からわかるのは、消費者が求めているのは「より良い顧客体験」であり、きちんと対応してくれる「カスタマーサービス」だということです。それが得られなければ、たとえ好きなブランドであっても、顧客は速やかに離れていくということでした。

日本の消費者は、どんな時にブランドから離れるのでしょうか。SAP Hybrisが2017年に行った、企業側の顧客対応に関する意識調査「消費者インサイトレポート」によると、企業がブランドを離れる主な理由は、以下のとおりです。

  • 本人の許可なく顧客データを使用…84%
  • 不必要な迷惑メール…76%
  • カスタマーサービスの対応の悪さ…71%

また、消費者をいらだたせるブランドの態度は以下のとおりです。

  • 過剰なセールス・勧誘電話…62%
  • 過剰なダイレクトメール…56%
  • 興味のないコンテンツの受信…56%

リテンションのために大量のキャンペーンメールを送っている企業はありませんか?また、スマホに送られるプッシュ通知に関しては、「大量のプッシュ通知が原因でアプリを削除したことがある」と答えた人は46.6%にも上るという統計もあります。

リテンションを保つために行っているはずのメール送信やプッシュ通知が、逆にブランド離れにつながっているのです。

では、顧客離れを防ぐためには、どんな施策なら効果があるのでしょうか。「もっと顧客に寄り添ったもの」という声が聞こえてきそうです。

日本の「接客」は世界1…それでも顧客が離れていくのは「顧客体験」の視点が不足

海外に滞在した後、帰国して「ああ、ここは日本だな」としみじみ感じることのひとつに、接客があります。

「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と丁寧にお辞儀してくれる、小さなものを買っただけでも、包装が必要かどうかを確認した上で、こちらの返答にきめ細かに対応してくれ、袋を止めるテープは、開けやすいように端が折ってある…。改めて日本の接客水準の高さを実感します。

反面、こうした経験はないでしょうか。ある商品が故障して、カスタマーサポートに電話をかけたが、なかなか通じない。やっとつながって不具合を説明すると、別の窓口へ回され、そこでもまた同じ説明を求められる。その挙句、それはうちでは対応できない、メーカー、あるいは別の代理店に電話してくれ、と言われ、結局事態は何も進展しない…。

こんな経験をした人が、次もまた同じ会社の商品やサービスを利用するとは思えません。同じ「接客」なのに、どこでこのような差が出てくるのでしょうか。

ひとつの理由として考えられるのは、サービスを高めるために高度にマニュアル化された、テクニックとしての接客は、経験のない人材でも比較的身につけやすいのに対し、個々の顧客が抱える問題を見極め、適切に対処し、解決につなげなくてはならない「カスタマーサポート」は、マニュアルでの対応に限界があります。

それにもかかわらず、カスタマーサポートをアウトソーシングしている会社は少なくありません。限られた人数で回しているカスタマーサポートだから電話は通じない、不具合を聞いておくことはマニュアルで指示されているけれども、商品の知識があるわけではないので実際には対処できない。

これは企業の側がカスタマーサポートを「コストセンター」としてとらえている現れではないでしょうか。

顧客体験という視点から考えるならば、不具合の訴えにスピーディに対応できるよう人員配置をしたり、トラブルに対処するための従業員のスキルを向上させることが不可欠なのです。

一例を挙げると、パナソニックの航空機向けの電子機器設備開発を手がけるアビオニクスは、世界の主要な空港に保守管理用のエンジニアを常駐させています。そうすることで、世界中のどこでも、すぐにメンテナンスを行える安心感を、顧客体験として提供しているのです。その結果が70%を超える市場占有率に現れているのではないでしょうか。

カスタマーサポートは顧客と直接に対話や交流を行う、顧客体験のいわば最前線です。そこで満足のいく対応、期待した以上の対応が得られれば、離反するはずだった顧客が、一生の顧客に変わるかもしれません。

そのためにも「カスタマーサポート」を「コストセンター」と位置づけるのではなく、利益を生み出す「プロフィットセンター」として作り変えていくことが必要です。

「顧客に寄り添う」とは、心構えの問題ではなく、その技術をもった人を育成し、配置するために投資を行うことなのです。

HubSpotのカスタマーサービス組織が、どのように「コストセンター」から「プロフィットセンター」へ変貌を遂げたのか、下記の記事でまとめておりますので、ご参考ください。

HubSpotのカスタマーサービス チームがプロフィットセンターになるまでの軌跡とすぐに実践できるヒント

リテンション向上のためにできること

カスタマーサポートをアウトソーシングする企業が多いのは、「コスト削減」による数値が目に見えるのに対し、電話がつながるのを待っている顧客の時間や、その結果として発生する顧客の不満を計測できないからです。では、顧客体験はどうやって計測したら良いのでしょうか。

ロイヤリティの高い顧客とやがて去る顧客を識別するNPSという指標

「初月無料」に引かれて利用を開始した顧客の多くは、無料期間が終了すれば解約します。そんな顧客を引き留めるためには、もう一度、無料期間を設定するしかありません。果たしてそのようなロイヤリティの低い顧客を引き留める必要があるのでしょうか。

「パレートの法則」として知られている「ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している」のように、維持すべきなのは売上の8割を生み出す2割の顧客です。

商品やサービス、ブランドが気に入って、これからも利用し続けてくれるロイヤリティを持った2割の顧客を見つけ出し、アプローチしていかなければなりません。

この顧客ロイヤリティを測る指標が「NPS」です。NPSは「Net Promoter Score」の略で、直訳すると「推奨者の正味比率」になります。

NPSの指標を考案したライクヘルドは、顧客ロイヤリティを測る明快な指標を求めて、膨大な量の調査と実験を行いました。その結果、明らかになった究極の質問とは以下です。

「X社を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」

さらに友人や同僚に薦める可能性を10段階で評価してもらい、「非常に高い」を意味する9や10を選んだ顧客を「推奨者(プロモーター)」として、ロイヤリティの高い熱心な顧客に分類しました。

7もしくは8を選んだ顧客は満足してはいるけれども競合他社からの働きかけにもなびきやすい「中立者(パッシブ)」、6以下は不満を抱えている「批判者(デトラクター)」に分類します。

そこから以下のようにNPSを定式化しました。

NPS = (顧客に占める推薦者の割合) - (顧客に占める批判者の割合)

ライクヘルドらの10年間に及ぶ研究の末、NPSの高さと成長率の間には業界を問わずに高い相関が見られることがわかりました。一例を挙げると、1999年から2002年までの3年間で、NPSの最も高かったサウスウエスト航空が、最も高い平均成長率を上げ、老舗の航空会社から市場シェアを奪っていたのです。

では、このNPSはいったいどこで計測すれば良いのでしょうか。その答えは、顧客体験の最前線であるカスタマーサポートにあります。

カスタマーサポートの充実がリテンション向上の第一歩

あなたの会社ではカスタマーサポートが充実しているでしょうか。充実したサポートを運営するために、必要な投資がなされているでしょうか。

顧客と直接交流して対話する従業員は十分なトレーニングが必要で、同時に顧客ニーズに応えられるように行動できる権限が与えられていることも大切です。

リッツカールトンホテルでは、従業員1人に1日当たり2,000ドルの決済権が与えられています。そのため「肉の焼きはミディアムを注文したのにレアが出された」という苦情に対して、その場で従業員がデザートをサービスする判断が行えるのです。

顧客とのコミュニケーション・スキルを習得するためには、実際の会話を想定したロール・プレイングが最も効果的です。持ち込まれたトラブルにどのように対処するかだけでなく、背景に対する洞察力、反応のスピード、相手に共感する能力などの面からチェックしてください。

トラブルが起こるときは、顧客にとってマイナスの状態です。顧客はマイナスをゼロに戻してくれるよう、問い合わせを行います。カスタマーサポートがそれをゼロに戻すだけではなく、感動をプラスして相手に届けることによって、高いNPSにつなげていけます。

カスタマーサポートが適切に運営されているかどうかは、以下のチェックポイントで測ることができます。

  • NPSは取れているか?
  • 顧客が問い合わせの電話をかけてから対応するまでに何分要しているか?
  • 顧客の問い合わせには平均して何分かけているか?
  • クレーム対応で顧客の不満が解消されたか?
  • クレームを訴えた理由を聞き出せたか?
  • 不具合は解消されたか?
  • 料金や機能に対する不満が強まった場合は、不満の具体的な内容を把握したか?またそれに対処できたか?
  • オンボーディングプログラムは用意できているか?プログラムに対する不満はないか?
  • クレームの記録は全体化できているか?

以上のチェックポイントを参考に、カスタマーサポートをより良い顧客体験の場となるよう、構築してください。

カスタマーサポートが達成できればカスタマーサクセスへ

BtoBのSaaSを中心に、「カスタマーサクセス」という部門を設置する企業が増えてきました。しかし、多くの日本企業は未だカスタマーサポート部門すら、十分に活用できていない状態です。

まずはカスタマーサポートが十分に達成できているかどうかを確認してください。うまく回っているのでそれをさらにグレードアップしたい、という時に、カスマーサクセス部門の立ち上げを検討し、そのうえで、カスタマーサポート部門と統合させてカスタマーサクセス部門を立ち上げることが必要です。

カスタマーサクセス部門が目指すのは、顧客の成功に対して中長期的に寄り添い、結果的にサービス・製品を長く利用し続けてもらうといったような、双方にとってWin-Winの関係性を築いていくことです。カスタマーサクセス部門は、受動的に顧客からの要望を待つのではなく、顧客を成功に導くための道筋を示し顧客が成功するために伴走する組織なのです。

オンボーディングとしては

  1. アプリならチュートリアルやステッププッシュ通知
  2. How to コンテンツの拡充
  3. BtoB企業なら既存顧客向けのユーザー会やウェビナー/セミナーも有効的

などを検討することになります。

まとめ

ビジネスの成長のために不可欠のリテンションですが、日本では未だ積極的な施策を取っている企業が少ない状態です。

サブスクリプションモデルが中心になるにしたがって、リテンション率を計測ところも増えてはいますが、数値の意味を読み取って、顧客のニーズを理解し、顧客ロイヤリティを高める施策へとつなげていくことが重要です。

リテンションを向上させるためには「さらなる品質向上」「低価格化」「サービス向上」ではなく、「顧客体験」を重視することが重要です。顧客体験の質を上げていくためにも、カスタマーサポートの充実と、そこへの投資が必要不可欠です。

また、顧客体験が低いままで留まっているのは、企業内における情報ギャップです。顧客からの問い合わせに対応するサポート部門と、マーケティング部門や営業部門の情報の共有化が大切です。

HubSpotであれば1つのプラットフォームで全ての部署と情報共有ができる仕組みとなっているため、活用をご検討ください。

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元記事発行日: 2019年9月11日、最終更新日: 2019年9月11日