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「営業活動の生産性をもっと上げたい」「今の営業方針は適切なのか?」

営業チームをマネジメントする立場の方は、このような課題やを常に抱えているのではないでしょうか。

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生産性を向上させていくためには、属人的なチームから脱出するための営業戦略を設計する必要があります。売り手ではなく、買い手の視点に立った営業戦略に基づいて、限られた自社のリソースを有効活用できれば、営業成績の向上につながるでしょう。

本記事では、営業戦略の目的や立て方、そして、部門の垣根を超えた営業戦略を策定するために役立つフレームワークをご紹介します。また、これから営業戦略を立てていく方に向けたテンプレートもご用意していますので、ぜひご活用ください。

無料テンプレート

営業計画の無料テンプレート

〜一つにまとめた営業戦略を共有して大きな成果を収めるヒント〜

営業戦略とは?

営業戦略とは?

営業戦略とは、自社のリソースを駆使して、最もROIの高い方法で顧客を獲得・維持するために、商品・サービス・市場・ターゲットなどを決めることです。言い換えれば、これから企業がどのように営業活動を行っていくかを決める道筋のようなものです。

例えば、ある目的地に向かって出かけるとき、道筋が把握できていないと遠回りをして体力を浪費してしまい、最悪の場合は目的地に到達できないということもあり得ます。これは営業も同じです。企業目標というゴールに、最も効率良く最短ルートで到達するために、営業戦略は重要な役割を担うのです。

かつては、ベテラン社員の成功体験に基づいた「勘」や「経験」から営業戦略が立てられていました。しかし、現在は営業にまつわるあらゆるデータを収集できるようになったため、そのデータに基づいた営業戦略を立てることが必要となっています。
 

営業戦略を設計する重要性とは

営業戦略が企業にとって不可欠な理由は、「企業が活用できる営業リソースに限りがある」からです。無限に営業担当者を雇えたり、無限にマーケティング予算をかけられたりするのであれば営業戦略は必要ありません。思いつく施策をすべて実践していけばいいでしょう。

しかし、現実にはそのような企業は存在しません。特に中小企業やスタートアップ企業では、大手企業に比べてリソースに大きな制限があり、営業活動の効率性が重要となります。そのような制約下で出来るだけROIの高い方法で顧客を獲得し維持していくための方策を決定するのが営業戦略です。

そして、営業、マーケティング、カスタマーサクセスといった部門の垣根を超えて、一貫した営業戦略を立てることは、顧客体験の向上にもつながります。顧客体験の向上はLTV(ライフタイムバリュー)の向上にもつながり、より多くの利益を企業にもたらしてくれます。
 

営業戦略は営業部門だけで作ってはいけない

営業戦略は営業部門だけで作ってはいけない

営業戦略と聞くと、営業部のみで立案するものとイメージしがちです。成果の出る営業戦略を立てるためには、マーケティング、カスタマーサクセスなどの部門を横断して設計していく体制が不可欠です。

なぜなら、顧客にとっては、営業・マーケティング・カスタマーサクセスという区分は存在せず、1つの企業・商品として認識されているからです。顧客にとって最も重要なことは、「自社の抱える課題をスムーズに解決し、利益をもたらしてくれるかどうか」という点なのです。

組織の連携が取れず、各部署が独立した戦略を持っている場合、顧客から見れば実際に購買に至るまでの道のり(カスタマージャーニー)が一直線ではなくなってしまいます。非効率な営業になってしまうのはもちろんのこと、顧客体験が損なわれてしまいます。

顧客体験が損なわれると、契約率の低下や解約率の上昇を招いてしまいます。したがって、顧客の目線に立って部門横断的に戦略を立てることが重要なのです。
 

営業戦略はどう立てる?フェーズごとに考えてみよう

営業戦略はどう立てる?フェーズごとに考えてみよう

では、実際にはどのように営業戦略を立てていけばよいのでしょうか。営業フェーズに分けて例をご紹介します。
 

潜在顧客の発掘・見込み顧客の獲得

潜在顧客の発掘や、見込み顧客の獲得のためには、顧客視点に立って以下の項目について戦略を立てます。

  • 顧客の抱える課題は何か?
  • 顧客の課題はどうすれば顕在化するか?
  • 課題が顕在化した顧客に対して、どのようにアプローチすれば興味を持ってもらえるか?

このフェーズでは、主にマーケティング部門が顧客とのタッチポイントを作ることが多いでしょう。しかし、顧客と実際にコミュケーションをとっている営業やカスタマーサクセスと情報共有しながら戦略を立てると、より成果の出るものとなります。
 

見込み顧客の育成

一度興味を持ってもらった見込み顧客であっても、すぐに契約となるケースは少ないでしょう。特にBtoBにおいては、取引の単価が高く意思決定に関わる人が多い傾向があるため、実際の契約までの期間が長期化する傾向があります。

  • どうしたら顧客から信頼を得られるのか?
  • 見込み顧客1件当たりに時間やコストをどれだけかけて信頼獲得を目指すか?
  • どの程度信頼が蓄積されたら営業担当者がアプローチすべきか。またその基準は?

このフェーズでは、マーケティングから営業にバトンタッチが行われます。このバトンタッチをスムーズに行うためにも、部門間が連携して戦略を立てなくてはいけません。
 

見込み客のクロージング

売上を作るためには、契約(クロージング)につなげる必要があります。

このフェーズでは、

  • どうすれば見込み客は契約したくなるのか?
  • どのような見込み客にクロージングをかけていくべきか?

このような視点で戦略を立てます。

顧客の企業内でも、担当者ごとに求めているものや抱えている不安が異なります。そのため、成約、そしてその後の活用のためにはすべての意思決定者からの同意を得られるようにする必要があります。

例えば、担当者が稟議書を通すための材料提供や、担当者の部署以外への根回しが必要な場合もあります。また、契約してもらうための戦略を考える一方で、「クロージングをかけてはいけない見込み客」についても戦略的に考えていく必要があります。というのも、タイミングが悪かったり、十分な信頼や合意が得られていないまま強引なクロージングを行ったりすると、顧客体験を損なってしまう恐れがあるからです。

一度でも顧客の信頼を失ってしまうと、その顧客が今後その商品・サービスが必要になったとしても、その企業から買うことを避けてしまうでしょう。無理なクロージングは契約につながらないばかりか、営業リソースを浪費してしまうことにもなるので注意が必要です。

このような事態を引き起こさないためにも、クロージングをかけてはいけない見込み客の基準を明確にし、部門間で共有しましょう。

(参考:3 REASONS WHY SALES IS NOT CUSTOMER SUCCESS|zuora
 

既存顧客の維持

営業活動は契約して終わりではありません。顧客に商品・サービスの価値を体感してもらうための戦略が必要です。

SaaSといったサブスクリプション型のビジネスモデルはもちろん、買い切り商品であっても、その後のクロスセルやアップセルにつなげるためには顧客の維持はとても重要なフェーズです。

このフェーズでは、

  • 顧客の問題の発見と解決
  • 顧客ロイヤリティの向上

を目的とした戦略を立てる必要があります。カスタマーサクセス部門を設けている企業では、契約以前にマーケティングや営業が顧客とどのようなコミュニケーションをとっていたのかを把握し、顧客が抱える悩みを解決できるようにしましょう。部門横断的に戦略を立てることで、顧客の課題に最短距離でアプローチできます。また、結果としてコミュニケーションコストが下がるという利点もあります。
 

営業戦略を立てるための3つのステップ

営業戦略を立てるための3つのステップ

営業戦略は、「自社が何をするべきか」という視点に偏りがちです。しかし、自社視点に偏りすぎると、顧客体験がおざなりになってしまう危険性があります。

そうならないためには何をすればいいのでしょうか。この章では実際に顧客視点に立って営業戦略を立てるための3つのステップを解説します。
 

顧客像(ペルソナ)を明確にする

営業戦略を立てていくにあたり、まず考えなくてはいけないのが「誰に」営業していくかということです。この「誰に」にあたる顧客像を「ペルソナ」と呼びます。

これまでに集めた顧客分析のデータを参考に、主に以下の3つの視点からペルソナを明らかにしていきましょう。

  • 自社の製品やサービスで課題解決できる顧客は誰か
  • LTV(ライフタイムバリュー)が高い顧客は誰か
  • ROIが高くなる

なお、ペルソナを作成する際には、「40代、営業部長」というようなセグメント分けで終わらせずに、その人の人となりが見えてくるくらい具体的なものを作成しましょう。

当社HubSpotでは、以下の画像のレベルまでペルソナを具体化することを推奨しています。

顧客像(ペルソナ)を明確にする

(出典:HubSpot: カスタマージャーニー徹底研究!基礎知識から作成・分析方法までを解説

具体的なペルソナを設計することでイメージが湧きやすくなり、より顧客視点で営業戦略を立てられるようになります。もちろん、このペルソナも顧客と関係するすべての部署で連携して作成しましょう。部署間の連携が取れていないと、以下のような状態に陥ってしまう可能性があります。

「マーケティング部門でお問い合わせを獲得しやすいペルソナを設定したが、実は営業コストの高い見込み顧客だった」

「成約率が高く営業効率がいいと思って設定したペルソナが、実は継続率が低くLTVベースで見ると重要ではなかった。さらに、その顧客たちの対応でカスタマーサクセスチームが疲弊しまっている」

このような状況に陥らないためにも、部門横断的にペルソナを共有し、全社的視点で顧客や市場をとらえることを意識しましょう。
 

カスタマージャーニーを設計する

ペルソナの設計ができたら、カスタマージャーニーを設計しましょう。カスタマージャーニーは、顧客視点で成約までのプロセスを可視化し、その間に顧客の課題や心境がどのように変化していくのかを図式化するフレームワークです。

カスタマージャーニーを設計する

(出典:HubSpot: カスタマージャーニー徹底研究!基礎知識から作成・分析方法までを解説

カスタマージャーニーを設計し、それに基づいて部門間のコミュニケーションをとることができれば、顧客体験の向上につながる営業戦略を立てられるようになります。

ペルソナ作成からカスタマージャーニー作成までの手順は、カスタマージャーニー徹底研究!基礎知識から作成・分析方法までを解説の記事で詳しく解説しています。ぜひ、併せてご参考にしてください。
 

カスタマージャーニーに沿ってアクションプランを設計する

カスタマージャーニーまで完成したら、実際に顧客のアクションプランを設計していきます。顧客目線に立って、「自分が顧客の立場だったらどのフェーズでどのような情報が欲しいか」「どのくらいの頻度でアプローチしてきてほしいか」などを、これまでの顧客データから導いていきます。新規事業などでデータがない場合は、想像力を働かせて仮説に基づいたアクションプランを設計しましょう。

また、「顧客をマーケティングから営業にトスアップする条件」もここで設定します。しっかりと基準をすり合わせておくことで、「せっかく獲得した見込み顧客を営業が逃がしてしまう」「マーケティングで獲得したリードの質が低い」といった、部門間の不和の予防にもなるでしょう。
 

営業戦略を立てるにあたり分析すべき項目は?

営業戦略を立てるにあたり分析すべき項目は?

ここまで、営業戦略は顧客視点に立ってペルソナやカスタマージャーニーを作成し、それに基づいて作成されるべきと説明してきました。営業戦略を立てる際には、顧客の心情について想像力を働かせるのが重要です。しかし、それだけでは不十分。きちんとしたデータ分析に基づいていなければ、営業戦略としては機能しません。

この章では、営業戦略を立てる際に分析すべき項目について紹介していきます。
 

市場調査

まず、自社がどの市場に営業リソースを投下すべきなのかを調査します。市場規模を踏まえて、自社のペルソナはどこにいるのかを調査しましょう。

また、これまでの顧客データに基づき、「獲得効率のいい市場」、「LTVの高い顧客がいる市場」も同時に分析しましょう。
 

営業課題分析

営業戦略を立てる前に、自社が抱えている営業課題を分析します。

CRMのデータから、

  • なぜ失注したのか
  • どのタイミングで失注・解約が起きているのか
  • どの営業プロセスに時間がかかっているのか

などのボトルネックを把握し、解決策を模索します。

一方で、成果が出ており、再現性の高い営業プロセスは、営業戦略を立案する際に積極的に採用していきます。
 

自社分析

自社が顧客に提供できる価値を把握しておくことは、営業戦略において不可欠です。

顧客への訴求力を高めるため、自社の商品・サービスによって解決できる顧客の課題や、提供価値を分析しましょう。
 

競合分析

市場に複数のプレイヤーがいる場合は、 競合を分析し、自社の目指すポジションを明確にしましょう。競合分析の中では、参考になりそうな戦略を模倣すると同時に、差別化できる要素も考案しましょう。
 

《結論》営業戦略の成功の秘訣は、データ活用と部門間の連携

《結論》営業戦略の成功の秘訣は、データ活用と部門間の連携

営業戦略は、営業活動の指針になる重要な戦略です。どのチャネルで、どのターゲットに、どのようにアプローチするのか、などを具体的に決定していきます。また、「営業戦略」という名前から「営業部門が決めるもの」と思われがちですが、顧客体験や売上を向上させるためには、顧客獲得プロセスに関わるすべての部門との連携が必要です。

そして、最も大事なのは、購買活動の意思決定者は顧客であることを認識し、顧客視点で営業戦略を立案することです。 もし、これから営業戦略を立てていくという方は「営業計画の無料テンプレート」をご活用ください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

営業計画の無料テンプレート

 営業計画の無料テンプレート

元記事発行日: 2020年9月30日、最終更新日: 2021年2月19日

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