「販売戦略をもっとうまく立てたいのだが、どうやればいいか、わからない」
このような悩みを抱えている経営者や、営業部門・マーケティング部門の方は、多いのではないでしょうか。
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デジタル化が進む現代では、人々の行動も変化しています。
戦略のない、感覚的な販売活動は、限界を迎えているといっても過言ではありません。
優れた販売戦略がなければ、市場での競争力を失い、ビジネスチャンスを逃すことにつながります。
本記事では、販売戦略の基本から立て方のポイント、役立つフレームワークまで幅広く解説します。
ご一読いただくと、販売戦略を効果的に策定し、ビジネスの成長を加速させる方法を学べます。
初めて販売戦略の立案に取り組む方にもわかりやすく解説しますので、ご安心ください。さっそく基本事項から、見ていきましょう。
1. 販売戦略とは?基礎知識
最初に、販売戦略とは何か、定義や目的、重要性から確認していきましょう。
1-1. 販売戦略の定義と目的
販売戦略とは、商品やサービスを市場に提供し、販売額を最大化するための大局的な計画や方策を指します。
販売戦略の主要な目的は、「目標市場を特定し、顧客のニーズを満たし、的確な「売り方」の実現によって競争上の優位性を築くことです。
成功への道は、顧客を理解し、顧客が価値を感じる独自の特徴を、商品・サービスに組み込むところから始まります。
販売戦略には、多岐にわたる要素が含まれます。たとえば、市場調査、顧客ニーズの理解、価格戦略の策定、販路の設計、営業部門やマーケティング部門の活動計画などです。
【販売戦略の主要素】
- 商品・サービス:主力商品の現状分析と新商品の開発が、市場ニーズに基づいて行われているかどうか。
- 販売促進:計画された販売促進活動が、目標達成に向けて効果的に機能しているかどうか。
- 販路・店舗:商品が効率的に流通し、顧客に適切に提供されているかどうか。
- 販売組織:組織が市場および顧客の要求に応えるために、適切に構築・管理されているかどうか。
※上記の詳細は後述しますので、続けてご覧ください。
1-2. 販売戦略と営業戦略など類義語との違い
販売戦略に関するよくある質問に、「営業戦略との違いは?」というものがあります。
ビジネスで登場する“○○戦略”には、ほかにも経営戦略やマーケティング戦略があります。ここで整理しておきましょう。
- 経営戦略:組織全体の目標達成に向けた方向性と枠組みを定義する最上位の概念です。長期的なビジョン、経営資源の最適な配分、成長戦略の策定など、組織の根本的なアプローチを包括します。
- マーケティング戦略:経営戦略に基づき、商品やサービスの市場における位置付けと価値を顧客に伝えるための戦略です。市場セグメンテーション、ポジショニング、ブランド戦略など、市場での認知度と関与度を高めることに焦点を当てます。
- 販売戦略:経営戦略やマーケティング戦略を具体化し、商品やサービスを市場に提供し売上を最大化するための計画です。ターゲット市場の特定、顧客ニーズへの対応、価格戦略、販売チャネルの選定など、市場での販売活動に関わる包括的な方策を展開します。
- 営業戦略:販売戦略に基づき、個々の顧客や取引に焦点を当てた、より具体的な戦略です。顧客との直接的な関係構築、個別のニーズに応じた商品やサービスの提案、営業目標の達成に向けた方針など、実行段階での詳細な戦略が含まれます。
組織の目標達成に向けた戦略は、上位概念の経営戦略から始まり、マーケティング戦略、販売戦略、営業戦略といった下位概念に派生しています。
これらは重複する部分もあります。厳密に区分することは難しいですが、組織の成功に向けて相互に補完し合い、体系的なアプローチを形成します。
なお、注意点として、上記は一般的な定義に基づいたものです。企業によって、また業界によって、異なる定義が用いられることもあります。
「文脈によって正解が変わる」ことを踏まえておきましょう。社内外のメンバーとのコミュニケーションの際には、お互いの解釈をそろえ、共通認識を形成することが大切です。
2. 販売戦略の立て方:チェックシートによる解説の全体像
続いて、実務に直結する「販売戦略の立て方」を掘り下げていきます。ここでは、“販売戦略のチェックシート” を使って、解説します。
チェックシートを使うのは、戦略を作るときに核心となる視点を、効率的に学べるからです。
以下は、中小機構が運営するWebサイト「J-Net 21」にて推奨されている、販売戦略のチェックを表にまとめたものです。
【販売戦略チェックシート】
出典:J-Net21「販売戦略をチェックする」より作成
上記シートでは、販売戦略を次の4つの分野に分けて、チェックしています。
- A. 商品・サービス:主力商品の現状分析と新商品の開発を行なっているか
- B. 販売促進:販売促進活動の効果は上がっているか
- C. 販路・店舗:商品を効率的に流通させ顧客に提供しているか
- D. 販売組織:組織的な販売と販売員の教育訓練を実行しているか
以下でそれぞれ、見ていきましょう。
3. 「商品・サービス」の販売戦略
まず、「商品・サービス」の販売戦略では、製品ライフサイクルやポジショニングといった、商品・サービスの現状把握をしたうえで、顧客ニーズを捉え、価格戦略を検討する必要があります。
【A. 商品・サービス】主力商品の現状分析と新商品の開発を行なっているか
- 主力商品・サービスが製品ライフサイクル上のどこに位置するのかを適切に把握しているか
- 主力商品・サービスの市場や顧客のポジショニングを明確に分析しているか
- 新商品開発のための市場調査や需要予測、コスト分析などを行なっているか
- 新商品の開発において、品質、デザイン、ネーミング、価格、色彩、商標、包装など顧客のニーズに応えようとしているか
- 商品価格は適正利潤を確保する合理的なものとなっているか、また競合他社の価格との兼ね合いに妥当性はあるか
以下で、ポイントを解説します。
3-1. 製品ライフサイクル
製品ライフサイクルとは、製品が市場に投入されてから衰退するまでのサイクルを、「導入期・成長期・成熟期・衰退期」の4つの段階に分けて捉える理論です。
この理論における基本的な考え方は、成長期・成熟期を過ぎた製品は、やがて衰退して寿命を迎える、ということです。
製品ライフサイクルに合わせて撤退時期を設定したり、あるいはリニューアル新発売といったテコ入れで刷新したりと、戦略を立てる必要があります。
3-2. ポジショニング
ポジショニングとは、競合他社と比較した際の自社の位置付けや、さらには顧客の心の中でどのように知覚されるか、を指す概念です。
たとえば、「手頃な価格のファミリーカー」のポジショニングと、「富裕層向けの高級車」のポジショニングでは、販売戦略は異なることがイメージできるかと思います。
ポジショニングの概念を効果的に活用するためには、STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)のフレームワークが役立ちます。
- セグメンテーション:市場を分析し、類似のニーズや特性を持つ顧客を、グループに分けて捉えます。
- ターゲティング:セグメンテーションに基づき、特定の顧客グループ(セグメント)をターゲットとして選定します。どのセグメントが、最もビジネスの目標に合致するかを判断します。
- ポジショニング:選定したターゲット市場内で、商品やサービスがどのように知覚され、競合とどのように差別化されるかを定めます。
いきなりポジショニングから考えるのではなく、上記のように手順を踏んで検討することで、適切なポジショニングを導き出せます。
3-3. 顧客ニーズ
顧客のニーズ(何を求めているのか、何を満たしたいのか)を十分に理解することは、的確な販売手法を検討するうえで、欠かせないプロセスです。
具体的には、顧客ペルソナの設定とカスタマー ジャーニー マップの作成が、顧客ニーズを深く理解するために役立ちます。
顧客ペルソナ(またはカスタマーペルソナ、バイヤーペルソナ)とは、市場調査や実際の顧客に関するデータに基づいて作成された、典型的な顧客像のことです。
ペルソナは実在の人物ではありませんが、実際の顧客の特性を反映して作りあげるので、いわば「セミ・フィクション(現実と想像の中間)」の人物像です。
参考:The Definition of a Buyer Persona(英語)
※ペルソナの作り方の詳細については、バイヤーペルソナの作り方と無料テンプレートをご参照ください。
ペルソナを作成したら、そのペルソナを活用して、カスタマー ジャーニー マップを作成します。
カスタマージャーニーとは、顧客が企業・ブランドや商品・サービスを認知して購買するまでの道のりや、その後の顧客体験までの一連のプロセスを、ジャーニー(旅)になぞらえて、時系列で捉える概念です。
カスタマージャーニーを可視化したマップが、「カスタマー ジャーニー マップ」となります。
詳しい作り方は、以下のページにてご確認ください。
3-4. 価格設定
最後に、価格設定についてです。
前出のチェックでは、
〈商品価格は適正利潤を確保する合理的なものとなっているか、また競合他社の価格との兼ね合いに妥当性はあるか〉
と書かれていました。
価格は、高ければ良いとも、安ければ良いともいえません。
値付けの重要性をきちんと理解して、戦略的に価格設定を行いたいところです。
ポジショニングや顧客ニーズに照らし合わせて最適な金額であり、かつ、採算性にも考慮する必要があります。
価格設定を戦略的に行いたい方へ、おすすめの記事があるので、ご紹介します。
以下は、上記記事の冒頭部分です。
価格は、顧客体験を左右する重要な要素です。
HubSpot最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のブライアン・ハリガンは、よく「何を売るかではない、どのように売るかだ」と言っています。
(中略)
そのままの価格モデルで従来のやり方を継続しても、それなりに成果を上げることはできたでしょう。しかし、HubSpotはスマートな成長を遂げるために価格体系を抜本的に見直すことに決めました。
ぜひ続きは、下記の記事をお読みください。
3-5. 補足:市場や自社・競合をよりよく知るためのフレームワーク
なお、上記でご紹介した以外に、市場や自社・競合について深く理解するフレームワークとして、PEST分析、3C分析、SWOT分析などがあります。
3-5-1. 【PEST分析:マクロ環境の分析を行うフレームワーク】
3-5-2. 【3C分析:自社を取り巻く環境を可視化するフレームワーク】
3-5-3. 【SWOT分析:自社の強みや弱みを発見するフレームワーク】
上記の詳細は、下記の記事にて取り上げていますので、あわせてご確認ください。
4. 「販売促進」の販売戦略
次に、販売促進(販促、プロモーション)に関する販売戦略について、チェックしましょう。
【B. 販売促進】販売促進活動の効果は上がっているか
- 販売促進の計画と予算は販売計画に基づいて立てているか
- 販売促進の費用対効果の測定・分析を行なっているか
- 販売促進活動を組織的に行なっているか
- 現在の広告媒体は自社のマーケティング戦略に合致するものであり、また、日々新たな販売促進企画を練っているか
- 顧客への情報提供を積極的に行ない、 顧客とのコミュニケーションをつねに図っているか
- 顧客からのクレームや相談に対応できる体制にあるか
以下で、ポイントを解説します。
4-1. 計画と予算の管理
販売促進活動の成功は、明確な目標設定と予算管理から始まります。目標に基づいた計画を立て、予算内で最大の効果を出せるように戦略を調整する必要があります。
目標設定では、KGIとKPIを設定するとよいでしょう。
- KGI(重要目標達成指標):全体的なビジネス目標や戦略的目標の達成度を測る指標です。たとえば、年間の売上目標や市場シェアの増加などが該当します。
- KPI(重要業績評価指標):特定の活動やプロセスの効果を測るための具体的な指標です。販売促進キャンペーンにおけるリード(見込み客)獲得数やコンバージョン率の向上などが例として挙げられます。
詳しくは、下記の記事にて解説しています。
4-2. 費用対効果の測定と分析
次に、実施した販売促進活動が、投資に見合った結果をもたらしているかを評価することが大切です。これにより、今後の活動で何を改善すべきか、どの戦略が最も効果的かを判断できます。
費用対効果の測定と分析は、ROI(投資収益率)を最大化するためのベースとなります。
【費用対効果の分析の例】
- ROIの計算:投資した費用に対する利益の割合を測定します(利益金額 ÷ 投資金額 × 100)。この比率は、販売促進活動の収益上の効果を示し、活動の費用対効果を評価する上で不可欠です。
- パフォーマンス指標の分析:販売数・販売金額・サイトのアクセス数・リードの獲得数など、特定のパフォーマンス指標を用いて、活動の効果を測定します。
- 顧客の反応分析:顧客からのフィードバックや顧客満足度調査を分析し、販売促進活動がターゲットとする顧客群にどのように受け入れられているかを評価します。
- 市場変化のモニタリング:販売促進活動を実施する前後で市場の変化を観察し、活動が市場シェアやブランド認知度にどのような影響を与えたかを分析します。
4-3. 組織的な販促活動
重要なポイントとして、販売促進は「組織全体」で取り組むべき活動です。
販売部門(営業部門)、マーケティング部門、カスタマーサポート部門をはじめとする、すべての関連部門が協力し、連携して進めることで、顧客に対して一貫した体験を提供できます。
【組織的な販促活動を実現するための取り組み例】
- 目標の共有:組織内の全メンバーが販売促進活動の目標を理解し、共有することで、一体感を持って取り組むことができます。
- 役割の明確化:各部門、各メンバーの役割と責任を明確にすることで、効率的な活動が可能になります。
- コミュニケーションの強化:定期的なミーティング(会議)やフィードバック、日々の対話を通じて、組織内のコミュニケーションを促進します。
4-4. 顧客とのコミュニケーション
顧客とのコミュニケーションは、販売促進活動の成功に不可欠です。
まず、顧客のニーズや関心に合わせて、コミュニケーションの内容を最適にカスタマイズします。それを、適切なタイミングで届けることで、関係が深まり、結果として購買意欲が高まります。
これらの活動を、より効果的に、かつ効率的に実行するために必要となるのが、「CRMツール」です。
CRMとは、“カスタマー リレーションシップ マネジメント”の略語で、日本語では「顧客関係管理」と訳されています。
顧客と長期的に良好な関係を構築するために、その関係性を管理・マネジメントする手法、またはそのためのツールをCRMといいます。
CRMの導入に関しては、HubSpotが2023年1月19日に開催したウェビナーの動画とeBookを、初めてのCRM導入ポイント解説にて公開しています。
実践的な内容となっていますので、あわせてご確認ください。
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5. 「販路・店舗」の販売戦略
続いて、販路や店舗の分野に移りましょう。販売戦略において、販路や店舗は、商品・サービスを顧客に届ける重要な要素です。
【C. 販路・店舗】商品を効率的に流通させ顧客に提供しているか
- 販売チャネルの設計は計画的に進められ、効率的なチャネル・システムを構築しているか
- 販売チャネルの開拓や新店舗の開設など、販売拠点の強化拡充をつねに図っているか
- 適切な(品切れを起こさない、過剰在庫をもたない)在庫管理を行なっているか
- 物流の効率化を検討し実行しているか
- 店舗や営業所は商品やサービスを提供する場(陳列、POP、レイアウトなど)として、あるいは商談する場として有効に機能しているか
以下で、ポイントを解説します。
5-1. 販売チャネルの設計
販売チャネルの選定と設計は、商品やサービスを顧客ニーズに合わせて、効率よく届けるために不可欠です。
よく計画された販売チャネルは、商品の流通をスムーズにし、顧客への到達範囲を広げます。
たとえば、オンラインとオフラインの両方を統合するオムニチャネル戦略を採用することで、顧客の購入障壁を下げ、より買いやすい環境を作れます。
【販売チャネルの設計における主要な考慮点】
- 市場分析:市場のニーズと動向を理解し、それに応じて販売チャネルを選定します。
- 顧客体験:顧客が求める購買体験(例:利便性、簡単さ、快適さなど)を実現できる販売チャネルの設計を心がけます。
- コスト効率:流通コストをできるだけ低く抑えながら、多くの顧客に届けられる販売チャネルを選びます。
- 柔軟性:市場に変化が生じた際にも迅速に対応できるよう、柔軟に対応可能な販売チャネル構築を目指します。
- 統合戦略:オフライン・オンライン・その他の販売チャネルの統制を取り、統一感のある良好な顧客体験を実現できるように設計します。
5-2. 販売拠点の強化拡充
販売拠点の強化と拡大は、市場での影響力を高め、もっと多くの顧客にリーチするために大切です。
新しい店舗のオープンや、未開拓の市場への進出によって、新しい顧客を獲得し売上を伸ばすことができます。
【販売拠点強化のための戦略】
- 市場調査:市場ポテンシャル(売上数や収益が最大となる期待値)や顧客のニーズを、詳密に調査します。
- 立地選定:アクセスの良さ、ターゲット顧客の密集度、競合の状況などを考慮し、最適な立地を選定します。
- ブランド一貫性:新しい販売拠点でも、企業のブランドイメージと価値提案を、一貫して提供できるようにします。
- 地域社会との連携:地域社会の一員として積極的に関わり、地域に根ざした活動を通じて顧客との関係を構築します。
5-3. 在庫管理・物流の効率化
在庫管理と物流の効率化は、“コストの削減”と“顧客満足度の向上”の双方につながります。
適切な在庫レベルを維持することで、品切れや過剰在庫の問題を防ぎ、物流コストを削減できます。
また、在庫切れがないことや、スピーディかつ正確な配送は、顧客満足度を大幅に向上させる要素です。
【在庫管理と物流効率化のポイント】
- 在庫管理の最適化:需給バランスを正確に把握し、在庫コストを最小限に抑えつつ、需要に迅速に対応できるようにします。
- 物流プロセスの見直し:配送ルートや倉庫管理のプロセスを見直し、配送スピードとコスト面の改善を図ります。
- テクノロジーの活用:在庫管理システムや物流管理ソフトウェアを導入することで、自動化と効率化を実現します。
- サプライチェーンの最適化:サプライヤーや物流業者との連携を強化し、サプライチェーン全体のコスト削減と効率化を目指します。
5-4. 店舗や営業所の有効性
店舗や営業所は、顧客との接点を生み出し、直接のやり取りが行われる大切な基点です。
商品やサービスを提供する場所として、あるいは商談を行う場として、最適な状態をキープすることが大切です。
【店舗や営業所の効果を高めるポイント】
- 店舗デザインの工夫:商品の魅力を際立たせるデザインや、顧客が快適に過ごせる空間づくりを心がけます。
- POP広告の戦略的配置:顧客の関心を引きつけ、商品情報を効果的に伝えるために、POP広告を戦略的に配置します。
- レイアウトの最適化:商品の陳列方法や店内の動線を工夫し、顧客が欲しい商品を簡単に見つけられるようにします。
- 商談スペースの設定:顧客との商談を円滑に行うための快適なスペースを設け、落ち着いた雰囲気を整えます。
- 情報提供の充実:商品の特徴やサービスの詳細をわかりやすく伝えるための資料やデジタルコンテンツを充実させます。
上記を参考に、店舗や営業所の効果を最大化していきましょう。
6. 「販売組織」の販売戦略
最後に、組織に関係する販売戦略について、見ていきましょう。
【D. 販売組織】 組織的な販売と販売員の教育訓練を実行しているか
- 自社の顧客構造や商品・サービス特性を考慮した販売組織編成(エリア別、顧客別、商品別など)になっているか
- 計画に基づいた組織の販売目標が立てられ、 実績との差異分析を行なっているか
- 販売員の教育訓練を行なうとともにその評価・報酬を適切に行ない、モラールの向上に努めているか
- 定期的な販売会議や必要に応じた販売管理者によるレビューを行なっているか
- 販売員の即戦力化のために販売方法の標準化を図っているか
- 営業担当者は提案型営業やコンサルティング営業を志向し、顧客満足度の向上を追求しているか
以下で、ポイントを解説します。
6-1. 組織の最適化
販売組織の最適化は、競争力を高める中枢的な戦略です。
自社の顧客、商品やサービス、市場の特性を深く理解し、それに基づいて組織を編成することが必要です。
【販売組織編成の例】
- エリア別編成:地域特性に合わせた戦略を立て、地域密着型のサービスを提供します。
- 顧客別編成:顧客群の特性を分析し、それぞれに合ったアプローチを実施します。
- 商品別編成:商品の特性に応じて、専門知識を持つ販売員を配置します。
6-2. 従業員のマネジメント
現場での販売戦略を推進する従業員のマネジメントは、成果に直接影響する要素です。
従業員の能力開発とモチベーション向上を図り、公正な評価と報酬体系を通じて、持続的に成長する組織の構築を目指しましょう。
【マネジメントのポイント】
- 目標設定:具体的な販売目標を設定し、各従業員が達成すべき成果を明示します。
- レクチャーとトレーニング:継続的な教育プログラムを通じて、従業員のスキルと知識の向上を図ります。
- 評価と報酬:実績に応じた公正な評価と報酬体系を確立し、従業員のやる気を促進します。
- 販売会議の定期開催:定期的に販売会議を開催し、戦略の共有、成功事例の共有、問題解決を行います。
- 販売手法の標準化:全従業員に標準化された手法を浸透させ、新入社員でもすぐに成果が出せるような体制を整えます。
なお、営業部門のマネジメントに関しては、営業マネジメントトレーニング:新時代の優れた営業チームを構築するための戦略をご確認いただくことをおすすめします。
上記のとおり、数分で終わる軽いものではなく、時間をかけてしっかりと深く学べる内容です。ぜひ、ご確認ください。
6-3. 営業力の強化
BtoB企業であれば、販売戦略の実行において、「営業力の強化」が非常に重要な課題となります。
前述のマネジメントを実施したうえで、さらに一歩先を行く営業部門を作るためには、SFA(営業支援システム)に着目することが有効です。
SFAは、“セールス フォース オートメーション” の略語であり、営業部門の高度化・オートマ化(自動化)を図るシステムを指します。
前出のリストでは、
〈営業担当者は提案型営業やコンサルティング営業を志向し、顧客満足度の向上を追求しているか〉
というチェック項目がありました。
SFAは、顧客ニーズをデータ分析して最適な提案を打ち出したり、最も顧客満足度の高くなるタイミングを担当者に知らせたりして、営業担当者の活動を強力に支援します。
SFAに関する詳細は下記の記事にて公開していますので、ぜひあわせてご確認ください。
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7. 的確な販売戦略で現代のビジネス環境を切り抜けよう
本記事では「販売戦略」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
「商品・サービス」の販売戦略
- 製品ライフサイクル
- ポジショニング
- 顧客ニーズ
- 価格設定
「販売促進」の販売戦略
- 計画と予算の管理
- 費用対効果の測定と分析
- 組織的な販促活動
- 顧客とのコミュニケーション
「販路・店舗」の販売戦略
- 販売チャネルの設計
- 販売拠点の強化拡充
- 在庫管理・物流の効率化
- 店舗や営業所の有効性
「販売組織」の販売戦略
- 組織の最適化
- 従業員のマネジメント
- 営業力の強化
販売戦略は、非常に幅広い範囲に及びます。さまざまな分野を横断しながら、効果的な戦略を模索する必要があります。
変化の激しい現代の市場環境において、柔軟性を持ちつつ持続可能な成長を追求することは、重要な課題です。テクノロジーを駆使することも含め、的確な販売戦略を策定し、実行していくことが求められます。