ペイドメディア(Paid media)とは、企業が費用を払って広告を掲載するメディアのことです。即効性が高く、認知拡大やブランディングに有効的なマーケティング施策ですが、上手に活用するためにはペイドメディアに対する正しい理解が必要です。


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本記事では、ペイドメディアの種類や役割、その他のメディアとの違いなどをわかりやすく解説します。メリット・デメリット、ペイドメディアで成果を出すポイントや事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ペイドメディアとは
ペイドメディア(Paid media)とは、企業が有料広告を掲載できるメディアのことです。まずは、ペイドメディアの役割やほかのメディアとの違いを解説します。
ペイドメディアの役割
ペイドメディアの主な役割は、広告を使ってターゲット層に直接リーチし、商品やサービスを認知してもらうことです。
テレビ・新聞といったマスメディアを活用した不特定多数の消費者へのリーチやWeb広告でのリターゲティングなど、企業は広告の目的に応じて手法を選択できます。
商品やサービスの認知拡大以外にも、ブランディングやキャンペーンの告知など、さまざまな用途で活用されています。
ペイドメディアとほかのメディアとの違い
企業がマーケティング戦略に活用するメディアは次の4つに分類可能で、「PESOモデル」と呼ばれています。
4つのメディアはそれぞれ、コンテンツを配信するメディアと目的が異なります。
- P:Paid media(ペイドメディア)
- 有料広告を掲載しているメディアで、認知拡大や集客が期待できます。
- E:Earned media(アーンドメディア)
- 企業ではない第三者が所有するメディアのことです。「Earned 」は「獲得する」という意味で、第三者からの評価を獲得することで企業をプロモーションします。マスメディアやインフルエンサーが所有するプラットフォームがアーンドメディアの代表例です。
- S:Shared media(シェアードメディア)
- SNSや口コミサイトなど、ユーザー自身が発信者となるメディアのことで、「Shared = シェアされる」ことで情報が拡散されることを目的としています。
- O:Owned media(オウンドメディア)
- 自社が「Owned = 所有する」メディアを指し、コンテンツを配信して商品やサービスへの理解を促進します。
4つのメディアの中でも、ペイドメディアは広告費を払って露出を増やすため、PESOモデルの中でも最も即効性が高いメディアです。
「トリプルメディア」では、オウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアの3つとなり、シェアードメディアはアーンドメディアに含まれます。
ペイドメディアの種類
ペイドメディアは次の3つに分類できます。
- Web広告
- マス広告
- セールスプロモーション広告
それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
Web広告
Web広告とは、Web上に出す広告のことです。ユーザーを年齢や性別、興味・関心などでセグメント分けできるため、ターゲティングの精度が高いのが特徴です。
また、Web広告では企業側で広告出稿のための費用を調整できるため、低コストで始められます。
配信方法や予算、ターゲティングの自由度が高いため、ペイドメディア初心者でも始めやすいでしょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、検索エンジンに表示されるテキスト広告のことです。
特定のキーワードを検索したユーザーに対して、検索結果の上部に表示されるので、注目されやすいのがメリットです。自社の商品・サービスと関連があるキーワードを選んで広告出稿することで、購買意欲が高いユーザー層へアプローチできます。
広告がクリックされると課金される仕組みになっているため、Web広告の中でも費用対効果が高いといえます。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリにバナーや動画で表示される広告です。テキストだけでは伝わりにくい商品やサービスの魅力を、ビジュアルを使って伝えられるのが特徴です。
ディスプレイ広告は、主に潜在層へのアプローチとなり、まだブランドや商品・サービスを認知していない層の興味関心を引くことを目的とします。
過去に自社サイトを訪れたことがあるユーザーへ広告を配信する「リターゲティング」という手法も活用可能です。
ソーシャルメディア広告
ソーシャルメディア広告は、FacebookやInstagram、XなどのSNSプラットフォーム上で展開する広告を指します。
ソーシャルメディアは、プラットフォームによってユーザー層や特徴、広告の配信方法が異なるため、目的やターゲットに合わせて選択することが大切です。
例えば、総務省が行った調査では、インスタグラムの国内利用率は20代の女性が最も多く、Facebookの場合、最もアクティブに使用しているユーザー層は30代後半~40代以上です。
自社の商品やサービス、広告の目的に合わせて適切なプラットフォームを選びましょう。
4マス広告
マス広告は、テレビ・新聞・雑誌・ラジオの4つのマスメディアで展開する広告です。
「マス」は大衆を意味し、不特定多数に向けての広告となるため、主に潜在層へのアプローチを目的として使用されます。
マス広告の中でも、特にテレビCMは幅広い層にリーチが可能で、大きな影響力を持っています。
新聞広告は読者の年齢層が幅広く、Web広告ではリーチが難しい高齢者層へ情報を届けやすいのがメリットです。「信頼性が高い」と認識している人が多いのも新聞広告の特徴といえます。
雑誌広告は、読者の年齢や性別、興味・関心が分かれる傾向にあるため、自社の商品・サービスに合った媒体を選ぶことで、費用対効果を高めることができます。また、ラジオ広告は放送エリアや時間帯が選択しやすく、地域密着型の広告にも適しています。
セールスプロモーション広告
セールスプロモーション広告とは、チラシや吊り革広告、ダイレクトメールやカタログといった、Web広告・マス広告以外のオフライン広告のことです。
Web広告やマス広告では、ブランディングを目的とすることもありますが、セールスプロモーション広告の場合は、主に販売促進を目的とします。
ペイドメディアのメリット
ペイドメディアのメリットは主に次の3つです。
- ターゲットや目的に合わせて戦略を選べる
- 短期間で効果が確認できる
- 企業が内容を決められる
それぞれ詳しく解説します。
ターゲットや目的に合わせて戦略を選べる
ペイドメディアは種類が多く、ターゲットや目的に合わせて媒体や内容を戦略的に調整できるのがメリットです。
特に、テレビなどのマス広告は利用者が多いので認知拡大の効果が高くなります。
精度が高いターゲティングを行いたい場合にはWeb広告を利用するなど、目的に合わせて媒体を選択することが可能です。
短期間で効果が確認できる
ペイドメディアは、オウンドメディアやアーンドメディアに比べて即効性が高いこともメリットです。
企業が費用を払って広告を掲載するため、事前にある程度の露出が担保されています。そのため、新しい商品やサービスの宣伝、イベント集客など、スピーディーに効果を得たい場合に最適です。
また、Web広告の場合にはリアルタイムで効果検証できるので、PDCAサイクルを迅速に回すことができるのもメリットでしょう。
企業が内容を決められる
ペイドメディアでは、広告内容を企業側がコントロールできるため、意図したメッセージを正確に伝えることができます。
シェアードメディアやアーンドメディアの場合は、企業ではない第三者が発信内容を決めることになります。その点において、ペイドメディアでは、企業が意図しない情報発信になるリスクが低いといえます。
ペイドメディアのデメリット
ペイドメディアには、次のようなデメリットもあります。
広告費がかかる
ペイドメディアに広告を掲載し続けるためには、費用が継続的に発生します。
費用は媒体や掲載期間によって大きく異なりますが、長期で掲載するほどコストがかかります。設定した掲載期間内で効果を得られるように、しっかりとした計画立案と効果検証を行うことが大切です。
他社との差異化が必要
ペイドメディアを活用して広告を出稿している企業は、数多くあります。広告を認知拡大や集客などの成果につなげるには、ユーザーの興味を引くメッセージやクリエイティブを使用して、競合他社との差異化を図る必要性があるでしょう。ターゲティングを適切に行うことも大切です。
自社に専門知識を持った人材がいない場合は、マーケティングを専門とする企業への依頼を検討するのも方法のひとつです。
ペイドメディアで成果を上げるためのポイント
ここでは、ペイドメディアで成果を上げるためのポイントを紹介します。
目的とターゲットの明確化
ペイドメディアを活用する際は、まず広告出稿の目的を明確にすることが重要です。認知拡大や見込み客の創出、売上の拡大など、広告を出稿する目的にはさまざまなものがあり、それに応じて施策が変わるためです。
また、ターゲットを具体的に定めることで、広告の精度も高まります。例えば、年齢・性別・興味関心・購買行動などのデータをもとにセグメント分けを行い、ターゲットに合わせてクリエイティブを調整するなどの方法があります。
具体的な目標設定とターゲットの明確化が、広告の効果を最大化する重要なポイントです。
適切なチャネル選択
広告出稿の目的とターゲットが明確になったら、それに合った広告チャネルを選択しましょう。
例えば、検索意図が明確なユーザーにリーチしたい場合はリスティング広告が有効です。視覚的な訴求を重視するなら、ディスプレイ広告やソーシャルメディア広告を活用すると良いでしょう。また、広告チャネルごとに特性が異なるため、適切なチャネル選択のためにはそれぞれの強みを理解しておくことも大切です。
高い成果が期待できるチャネルに絞り込むことで、広告の効率と費用対効果を最大化できます。
クリエイティブの最適化
ペイドメディアの広告効果を高めるためには、視覚的にも内容的にも魅力的なクリエイティブが欠かせません。
ターゲットのニーズや関心に合わせたキャッチコピーや、視覚的に印象的な画像や動画が必要です。
その他、Web広告ではCTAボタン(ユーザーのアクションを促すボタン)のテキストやデザインも重要となります。
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オウンドメディアやアーンドメディアと連携する
ペイドメディアは、オウンドメディアやアーンドメディアと連携させることで、より効果的なマーケティング施策となります。
例えば、ペイドメディアを通じて集客し、オウンドメディア(自社サイトやブログ)で詳細な情報やコンテンツを提供します。それにより顧客の理解を深め、コンバージョンにつなげられるでしょう。また、コンテンツがアーンドメディア(口コミやSNSシェア)に波及すれば、自然拡散による更なる効果も期待できます。
PDCAサイクルを回す
ペイドメディアの中でも、Web広告は特に効果測定がしやすいのが特長です。このメリットを最大限に活かして、PDCAサイクルを回していきましょう。
広告配信後にクリック率やコンバージョン率などのデータを分析し、問題点を特定します。そして、ターゲティングやクリエイティブ、配信スケジュールなどを改善することで広告の効果を改善できます。
配信開始後に継続的な改善を行うことで、費用対効果の高い広告運用が実現可能となります。
ペイドメディアの具体事例
ここでは、ペイドメディアの成功事例を3つ紹介します。
日清食品ホールディングス株式会社|マス広告でCM好感度1位
日清食品ホールディングス株式会社は、カップヌードルのテレビCMで好感度1位を獲得しました。SNSでもCMが大きな話題となり、動画の再生回数は1,000万回を超えています。
CMの内容は、誰もが知っている国民的ヒロインが「もしも現代で青春を送っていたら?」というパラレル・ワールドを描いているものです。
30秒の映画を作るつもりでディテールまでこだわって作られたCMは、広告表現としても前例がない挑戦で、AMD Awardにおいて優秀賞も獲得しました。
パナソニック株式会社|インスタグラム広告で売上2倍
家電メーカーのパナソニック株式会社は、2021年2月にオーブントースター「ビストロ」を発売し、同社では初めてプロモーション戦略の主軸にInstagram広告を使用しました。
パナソニックではInstagramで自社アカウント「Panasonic Cooking(パナソニッククッキング)」を運営し、自社の調理家電で作るレシピを紹介しています。このアカウントを「ビストロ」のプロモーションに活用しました。
Instagramを運営するフェイスブック ジャパンと協業し、消費者インサイトを探る事前調査から一緒に取り組み、旧モデルの2倍の売上達成に成功しました。
Netflix|黒い山手線を人気作品でジャックし話題に
動画配信サービスのNetflixは、オフライン広告として「黒い山手線」と題したインパクトのあるプロモーションを実施しました。
山手線の車体を真っ黒に塗装し、150年前の鉄道開業以来、初めての試みとして話題を呼びました。
また、車内にはNetflixの人気作品である5作品のビジュアルを展開し、SNSでも写真や動画が多数投稿されました。
ペイドメディアの活用で効果的なマーケティングを実現しよう
ペイドメディアは、迅速な認知拡大や売上向上に貢献する効果的なマーケティング手法です。しかし一方で、コストや競合との差異化といった課題も存在します。
ペイドメディアの成果を高めるには、MA(マーケティング・オートメーション)ツールが便利です。HubSpotのMarketing Hubは、CRM(顧客関係管理)ツールを基盤とした統合型のマーケティングツールで、マーケティング施策の管理や効果測定がワンストップで行えます。また、CRMに蓄積された顧客情報をもとに、ニーズに合ったクリエイティブの考案も可能です。
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