コンテンツマーケティング事始め〜オウンドメディアの基本と運営のコツ

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ここ数年、企業が自らのウェブサイトやブログをメディアとして運営し、コンテンツ発信を積極的に行う「オウンドメディア」の取り組みが増えています。この背景には、「コンテンツマーケティング」への注目があります。

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは混同されることが多々ありますが、インバウンドマーケティングは大きな枠組みである戦略的マーケティング思想の一つで、コンテンツマーケティングは具体的な施策の一つである、と覚えるとわかりやすいかもしれません。

今回は、コンテンツマーケティングの施策の一つとしてのオウンドメディアに取り組む際の「コンテンツ作り」について説明します。

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オウンドメディアはコンテンツマーケティング実践方法の1

コンテンツマーケティングは、ターゲット読者に向けて価値のあるコンテンツを継続的に届けることで、関係を維持したり、新たな見込み客を呼び込んだり、ファンになってもらったりして、最終的には企業の収益にも結び付けようというマーケティング手法です。この「価値あるコンテンツを継続的に届ける」部分の具体的な方法がオウンドメディアです。

「オウンドメディア(Owned Media)」とは、企業の立場から見ると「自分が所有するメディア」を意味します。これに対して、商業メディアは「広告など費用を払って自社の情報を載せる」という意味で「ペイドメディア(Paid Media)」、SNSやクチコミサイトなどのソーシャルメディアは「ユーザーの信頼や評価を得る場」という意味で「アーンドメディア(Earned Media)」と呼ばれています。

これら3つをまとめて「トリプルメディア」と呼び、マーケティングでメディアを利用する際にそれぞれの有用性が検討されます。

こちらはマーケティングにおけるメディアの種類とそれぞれの特徴を簡単にまとめたものです。

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広い意味では、SNSのアカウントもオウンドメディアですし、メルマガや紙の雑誌も、自社で発行していればオウンドメディアといえます。ただし、コンテンツマーケティングの文脈で語られる場合は、前述のように区別され、一般的に独自のウェブサイトのことを指します。ここでも、ウェブサイトのコンテンツにフォーカスして説明します。

オウンドメディアのコンテンツ制作5つのポイント

ウェブサイトのメディア運営で重要なポイントはたくさんあります。たとえば、考えるべきこととして、おもに以下のようなことが挙げられます。 

1)集客:どうやってメディアを知ってもらい、来訪してもらうか

2)コンテンツ:継続的にコンテンツを企画し、制作し、更新し続ける仕組み作り

3)効果測定:目標をクリアしているかのチェックとそれを受けての改善 

(1)と(3)は、一般的なウェブサイト運用でも考えなければならないことで、特にオウンドメディアに限らず、ウェブサイトの運用全般の話です。すでに多くのノウハウや手法が確立されています。ここでは、オウンドメディア特有の課題である(3)の「コンテンツ」について掘り下げます

 (1)ターゲット読者の明確化

コンテンツを作る場合、もっとも重要となるのがターゲットの設定です。これが決まらないと、具体的なコンテンツを作ることができません。

マーケティング施策である以上、目的や目標の設定が必要です。マーケティング全体としては「見込み客との直接コミュニケーション」「ブランディング向上」などやや漠然としたものから、「売上○%向上」といった具体的なものまで考えられます。その目的を達成するために、メディアとして「誰に向けて」「どんなコンテンツを届けるべきか」が決まってきます。

一般的には、以下のように自社製品の顧客層からターゲットと目的を設定するケースが多く、コンテンツ作りもスムーズに進めることができます。

1)自社製品に強い興味をもつ読者を集めて、その情報を得たい(マーケーティングデータ収集)

2)自社や製品のことを、既存客だけでなく、広く知ってもらいたい(ブランディング、新規顧客開拓)

3)既存客にもっと自社製品のファンになってもらいたい(ロイヤリティ向上、既存客との接点作り)

ここで注意したいのは、あまりターゲットを絞り込み過ぎると、コンテンツ企画の幅が狭まったり、想定していなかった見込み客を呼び込む可能性が減ったりするので、ある程度広めに設定しておくことをおすすめします。

たとえば、「競合製品の顧客層」もターゲットに含めると、新規顧客の獲得という点でも効果的です。

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オウンドメディア・ミー」では、多くのオウンドメディアサイトが紹介されています。どんな企業がどんなテーマのオウンドメディアを運営しているかを知ることができます。

2)ウェブサイトやブログの準備

先述のように、現在オウンドメディアを立ち上げるなら、ウェブが最適です。すでに自社のウェブサイトがあるなら、その一角にブログを設けてもかまいません(このHubSpot Marketing Blogもそうです)。

また、オウンドメディアという性格上、「あえて運営元の企業色を廃したい」「デザインやドメイン名まで含めて一貫したコンセプトで本格的なオウンドメディアにしたい」というケースがあります。また、既存のウェブサイトでは、すでに運用ルールが決まっていて、新しいことを始めにくいというケースもあるでしょう。その場合は、独立したサイトを立ち上げるほうがよいでしょう。

既存の企業サイト内に設置する

  • メリット:すばやく、低コストで始められる
  • デメリット:企業のイメージが付く。自由度が減る

新規のサイトとして設置する

  • メリット:新しいイメージで始められる
  • デメリット:一から構築するので手間とコストがかかる

また、コンテンツを継続的に作り、配信していくうえで、コンテンツ管理システム(CMS)は必須です。CMSは、現在のウェブ運営では常識になっていますが、種類や機能は千差万別で、目的に合わせて適切なものを使う必要があります。

たとえば、更新は複数の担当者で行うのかどうか、公開前のチェックは誰がするのか、他のマーケティングツールと連携できるかどうかなど、事前に検討すべき点が多数あります。

マーケティング施策として読者を把握するには、アクセス解析ツールも重要なツールです。Googleアナリティクスのような無料のツールでも十分な機能を持つものがありますし、有料であればさらに高機能なものがあります。

また、最初からコンテンツマーケティングを想定したメディアサービスもあります。このブログはグローバルで統一されたハブスポットのマーケティングツールを利用しています。

(3)コンテンツ制作体制の準備

日々コンテンツを作り、更新していくためには、しっかりとした社内体制を整えておく必要があります(更新は必ずしも毎日である必要はありませんが、頻度が低すぎると効果を発揮しづらくなります)。

具体的な作業としては、コンテンツの「企画」「制作」「効果測定」が最低限必要になります。

  • 企画:どんなコンテンツを作るか、いつ公開するか、予算はいくらかけるか
  • 制作:記事の執筆、イラスト/写真、デザイン、ページ制作
  • 効果測定:各コンテンツのページビューやユーザー数、来訪元やユーザー属性の把握、改善や反省点

スモールスタートとしては、1人の担当者がすべてをやってもかまいません。実際、広報部の担当者が、通常業務のかたわら、ブログを書くというケースもよく見られます。

ただし、更新をし続けるのは意外と大変なものです。特に、兼任業務として回していく場合、負担が大きくなって更新がおろそかになってしまわないように、事前に社内で検討しておくことが大切です。

(4)クオリティのバランスと外注

本格的で質の高いコンテンツを作ろうとすると、社内の人間だけでは難しいこともあります。プロのライターやカメラマン、イラストレーター、デザイナー、ウェブ制作者など、社外にも協力してもらうのも選択肢の1つです。

コンテンツの質が高ければ、より多くの読者を集められる可能性がありますし、メディアとしてのグレードも高めることができます。

社外の協力者に依頼する場合、予算が必要になります。たとえば、ライターに関しても、個人のライターに直接依頼するのか、編集プロダクションのような組織を介して依頼するのかによって必要な金額は異なります。

また、どのようなコンテンツの内容によっても異なり、専門的であれば費用は高く、誰でも書ける日常的なテーマであれば安価に依頼できます。

最近では、ウェブ上で個人のライターやデザイナーに仕事を依頼できるクラウドソーシング(受発注のマッチングサービス)もあります。必要なコンテンツと予算に合わせて使い分けるとよいでしょう。

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クラウドワークス」や「ランサーズ」のようなクラウドソーシングサービスでは、コンテンツ制作を依頼できる個人のライターやデザイナーを探すことができます。

ただ、ここで注意していただきたいのが、自社の製品やサービスの価値を知っているのは、フリーランサーではなく、あくまで自社のスタッフやお客さまだということです。

そのためフリーランスに偏重したコンテンツ制作は可能な限り避けるようにしましょう。

 (5)編集部としてのルール作り

社外の協力者も含めて、複数の関係者がいる場合、コンテンツ制作やメディア運用の共通ルールを定めておくとスムーズに進みます。たとえば、以下のようなものがあります。

  • 文体や用字用語の統一
  • デザインルール(たとえば、「冒頭に必ずアイキャッチ用の画像を入れる」など)
  • 画像サイズやファイル形式
  • 更新時間

細かいものを挙げていくとまだまだ無数にあります。これらは、メディアビジネスを本業とする出版社のような企業では「編集部の機能」として当然のものですが、一般には意識されることが少ないものです。

ささいなことですが、細かいルールが徹底されると、コンテンツ制作で迷うことが減り、メディアとしても統一感や信頼感、安心感を醸し出すことにつながります。

ただし、企業のマーケティング施策である以上、得られる効果と予算とのバランスを考える必要があります。外部のプロに依頼すると高い品質のコンテンツになるかもしれませんが、質を優先する代わりに量が不足してしまっては問題です。

また、メディアが目指す方向性や企画にもよりますが、お金や手間をかければ一概によいというわけではなく、常に「ターゲットとして設定した読者に対して意味があるか」で判断することが大切です。

コンテンツ企画のコツとオウンドメディア運営の心得

メディア運営でもっとも苦労するのがコンテンツの企画かもしれません。いざ、「多くの人に読んでもらえる面白いコンテンツ」や「狙ったターゲットが興味を持つ価値のあるコンテンツ」をどう作ろうかと考え始めて、悩んでしまうのではないでしょうか。

どんな企業でも無理なく始められるテーマが「自社や製品のこと」です。研究現場や製品開発の裏側などは、社外の人間にとっては興味深いものです。また、「ユニークな社員」や「わが社ならではの文化・風習」といったものでもよいでしょう。

「こんな情報を読んで、役立つ、嬉しいと思う人はいるのだろうか?」と疑問に持つかもしれませんが、そこは社内だけで判断せず、「出して読者に問う」という姿勢も大切です。それが、読者とのコミュニケーションであり、オウンドメディアならではのよさです。

最初からヒットコンテンツを連発できれば理想ですが、いきなり商業メディアと肩を並べるようなコンテンツを作るのは、なかなかできることではありません。実際、コンテンツの企画はプロのライターや編集者でも苦労します。

コンテンツマーケティングは、成果が出るまで時間がかかるものです。オウンドメディアの運営は、長く継続することで、それまで蓄積されたコンテンツが力となります。ぜひ、長期的な視点で取り組んでみてください。

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