「営業管理」とは、売上最大化を図るために顧客や案件、営業パーソンの行動などを管理することです。情報をもとに営業活動を改善していくことが求められますが、実際には案件や顧客のデータをExcelに記録しているだけという企業も少なくありません。

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ポイントを押さえて営業活動全般の管理を行うことで、営業組織の業務効率化や属人的営業からの脱却、さらには売上の向上も実現可能となります。

営業管理とは|売上最大化を目的に情報を管理する

営業管理とは営業活動を改善し、売上最大化を目指すために、顧客情報や商談履歴、営業パーソンの行動などの情報を管理することです。

営業管理とは|売上最大化を目的に情報を管理する

したがって、顧客や案件、日報などを紙やExcelに記録しておくだけでは、営業管理の目的を果たすためには不十分と言えます。営業活動の改善に活用できるような形で、情報を管理しなければいけません。

営業管理を徹底し、情報を営業プロセスに活かせるようになると5つの効果が得られます。
 

適切な営業管理がもたらすメリット

適切な営業管理がもたらすメリット

本章では、営業管理がもたらすメリットを5つ解説します。

  1. 意思決定の質・スピードの向上
  2. 案件情報の可視化と共有
  3. 業務効率化
  4. 営業ノウハウの資産化
  5. 社員のモチベーション・定着率の向上

 

1.意思決定の質・スピードの向上

営業目標を立てる際や目標を達成するための戦略を考える際、営業に関するデータが管理できていると、意思決定の質やスピードを向上させることができます。

例えば、目標に対して進捗が悪い場合、原因を突き止めるためには、担当者や案件まで細分化して分析する必要があります。しかし、情報が集計しやすい形で管理できていないと、情報を集めたり、集計できるように整えたりといった作業に時間がかかってしまいます。

情報の質が担保されていないと、そもそも判断の材料として使うことができないこともあるでしょう。普段から営業の情報管理が徹底されていれば、価値のあるデータをもとにしたスピーディーで質の高い意思決定ができるようになります。

 

2.案件情報の可視化と共有

案件の可視化と共有により、営業チーム全体が情報を把握できるため、全員でアドバイスや意見交換ができます。経験豊富なメンバーが他のメンバーに助言を提供したり、アイデアを共有したりすることで、売上向上のための動きが活性化します。

さらに、更新が滞っている案件や見落とされている案件を早期に発見できるため、失注を防ぐこともできます。見込み客とのコミュニケーションを維持し、競合他社へのリプレイス可能性を低下可能です。
 

3.業務効率化

営業に関する情報を一元管理し整理しておくことで、より効率的な業務が可能になります。例えば、提案資料を作る際に、論理を一から構築し根拠となる情報を収集するよりも、既存資料を参考にすることでより短い時間で提案資料を作成できます。

また、顧客について知りたい情報があった際に、担当者に聞いて回るのではなく、営業情報を管理したシートやツールを見ればわかるようにするのも業務効率を高めるうえで有効です。
 

4.営業ノウハウの資産化

営業に使った資料や商談履歴、顧客とのやりとりが管理されていれば、自社の営業ノウハウとして人材育成に活用できる資産になります。ハイパフォーマーのノウハウや反応の良かった資料やセールストークが社内で共有されることで、全体的な営業の質向上にも寄与します。

営業パーソンのコア業務は商談の準備や提案など顧客への対応です。社内に向けたノウハウの共有に時間を割くことが難しい場合も多いですが、営業管理を徹底していれば、継続的に営業組織のアップデートを図ることができます。

また、資料や商談履歴の蓄積は属人化の解消にも効果的です。営業管理によって、離職者や求職者が出た際に、スムーズに業務を引き継ぐことができるようになります。

 

5.社員のモチベーション・定着率の向上

営業管理が機能している組織では、マネージャーがメンバーの行動やチーム全体の状況の変化に気づきやすくなります。営業日報を導入している企業は多いですが、単なる記録にとどまっているケースも少なくありません。

ただ記録してもらうだけでなく、記録をもとにメンバーの行動や各人が持っている案件の状況を確認し、コミュニケーションをとったり、フォローしたりすることが「管理」にあたります。

適切なサポートが得られることで、営業メンバーは目標を達成できたり、承認されることでモチベーションが上がったり、定着率の高い組織を実現できます。

 

営業管理の5つの項目

営業管理の5つの項目

営業管理は、具体的に5つの項目に分けられます。それぞれポイントをおさえながら実行することで、パフォーマンスの高い営業組織へと最適化することができます。
 

1.目標管理

ポイント

  • 販売実績や市場動向などのデータに基づき、架電件数や訪問件数、見積提出件数や成約件数、平均受注額などのKPIを設定する

  • 必要に応じてKGIとKPIを見直す

  • 設定した目標を各担当者に周知する

目標管理においてはデータに基づいてKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定することが重要です。

KPIは組織の最終目標である「KGI(Key Gool Indicator:重要目標達成指標)」を達成させるために設定する中間目標です。

各KPIの設定値は、過去の見積提出件数から最終的に受注に至った成約率などから算出します。

例えば、ある企業の営業事業部の月間の組織目標(KGI)が2,000万円で、営業1部、営業2部の月次目標はそれぞれ1,000万円へ分配されるとします。すると、1部門の毎週の売上予算は250万円と設定できます。商材の価格が50万円の場合、5件を毎週受注する必要があることが分かります。

週に5件受注するためには、週に15件の商談数が必要で、そのためには週に30件のアプローチ数が必要である、といったように、最終の売上目標から逆算をしてKPIとそのために必要なアクションを設定します。

KGIとKPIの例

営業活動は最終的にKGIの達成を目指して行いますが、中間目標の中項目であるKPIが、全く達成できないようであれば、設定したKPIの値を修正する必要があります。

しかし、何度となくKPIを修正をしても、目標値から大きく外れてしまうような場合は、最終目標であるKGIの設定を見直す必要があります。もし、KGIが変わらず、現状の体制でKPIの達成が難しい場合は、人員を増やすなど体制を見直しましょう。

 

2.予実管理

予実管理とは、売上や仕入などの数値実績が目標どおりに推移しているか確認し、遅れがあれば適切な策を講じることです。

ポイント

  • 月末の締め日だけでなく、週単位の会議の場などでできるだけ高頻度にKPIの達成度合いをモニタリングする

KPIは、達成率を高頻度でモニタリングする必要があります。なぜなら、KPIに対して売上が未達成の見込みであった場合、早期に軌道修正をするためです。

例えば、月の第一週目が終わった時点で、アプローチ数のKPIが10件足りなかった場合、翌週は通常のKPI=30件のアプローチ数に、足りなかった10件をプラスしなければならないなど、月初のうちに営業活動へ修正をかけられるようになります。

SFAなどの営業ツールを導入していれば、リアルタイムで日々のKPIの達成度合いが閲覧でき、より管理しやすくなります。

 

3.顧客管理

ポイント

  • 顧客の状況を可視化し、効果的なリソース配分を促す

  • リマインドを設定するなどして顧客の取りこぼしを防ぐ

  • 商談のきっかけとなったチャネルや経緯を記録し、カスタマーサービス・カスタマーサクセスと連携する

顧客の状況を可視化することで、商談の遅れや受注・失注の要因を分析でき、より効率的・効果的な営業活動に繋げられます。

例えば当初の想定よりも進行が遅れている案件があった場合、顧客の行動履歴や商談記録などを分析することで、自社の営業側のアプローチ方法に問題があったのか、それとも顧客側の要因であったのかを把握できます。

もし、会社都合で半年以降でないと予算を確保できなくなったなどやむを得ない要因で商談が止まっている場合は、マーケティングチームへ戻してナーチャリング(有望な見込み客への醸成)を行い、営業側は別企業へのアプローチに集中するという判断ができます。

部を横断して顧客データを共有できれば、リソース配分が効率的になるだけでなく、LTV(顧客から得られる総利益)の向上も期待できます。

例えば、カスタマーサクセスは顧客データを活用できる部門の一つです。カスタマーサクセスの役割は、既存顧客を成功体験へ導くことであり、その先にアップセル(受注した上位商品の販売)やクロスセル(異なった自社商品の販売)につなげられる可能性もあります。

カスタマーサクセスは、既存顧客と長く良い関係を築いていく中で、顧客が日々困っていることを聞き出し、そこから顧客さえも気づいていなかった課題や問題点を想定し、解決策を提案していきます。顧客の課題に合致した商材を提案することで、さらなる売上向上を実現できます。

 

4.人材の育成管理

ポイント

  • 高成績者の行動パターンを各担当者にフィードバックする

  • 行動データを汎用的なノウハウに落とし込み、組織へ定期的に共有する

  • 営業成績や活動量の急激な変化からモチベーションの変化を察知する

営業担当者の活動データや、商談データを蓄積し、比較することで、受注率の高い営業担当者はどのような行動を取っているのか、逆に低い営業担当者はどのポイントでミスをしがちなのかが分析しやすくなります。

また、なぜこの案件は受注できたのか、逆になぜ失注してしまったのか、案件ごとの経緯がデータ化されていれば、担当者以外でも要因を分析できます。

複数名で要因を分析し、フィードバックし合うことで、営業スキルの底上げに繋がるでしょう。フィードバックされた内容を蓄積しておけば、人材育成のプログラムとしても活用できます。

 

5.人員計画

ポイント

  • 自社の求める人材像を定義する

  • 部内での人材育成も合わせて実施する

  • 各担当者のスキルやマインドに応じた配置転換も検討する

人員計画は、事業計画から逆算して部署の目標達成のために必要な人員を導き出すことです。目標達成のためには人数だけでなく人材のスキルや適性も関わるため、量的・質的の両面から人材のアサインを検討します。

人員計画においては、採用だけでなく、育成や配置転換も含めて見通しを立てることが重要です。

多くの営業部にとって慢性的な人材不足は課題となっています。しかし、市場競争により、ただ単に優秀な営業人材をアサインしたいと考えていても思うような成果は得られません。

まずは自社にとっての優秀な人材を定義する必要があります。営業部門の高成績者のスキルやマインドについてのデータを活用し、どのような人材が求められているのか、人事部と認識を合わせましょう。

事業計画達成のために必要なスキルがあれば、研修やOJTなどによって既存の営業部社員が身に付けられないかについても合わせて検討します。

さまざまな工夫をしているにもかかわらず成績が振るわない担当者については、配置転換も含めて検討することで、企業全体のパフォーマンスを最適化できます。

 

営業管理に活用できるツール

一般に営業管理を行う方法としてよく用いられているのは次の2つです。

  1. Excel/Google スプレッドシート

  2. SFA(営業支援システム)

Excelやスプレッドシートは使い慣れている人も多いですが、営業管理のために作られたものではないため、カスタマイズするために時間や手間がかかります。自社の状況に合わせて適切なツールを選びましょう。
 

Excel/Google スプレッドシート

Excel/Google スプレッドシート

メリット

  • Microsoft Officeが入っていれば、追加費用がかからない。

  • 知識があれば自社に合わせてカスタマイズできる。

デメリット

  • 管理工数がかかり、ヒューマンエラーのリスクがある。

  • 入力を促す機能はない。

  • レポーティング機能はない。

ExcelやGoogle スプレッドシートは、関数やマクロに詳しい社員がいれば、自由にカスタマイズでき、自社に合わせた営業管理が可能です。一方で、ITに精通した社員がいない企業では、カスタマイズやエラーの修正といった業務に時間が取られてしまいます。

バージョン管理が適切に行われないことで複数のファイルが混在して、どれが最新のデータかわからなくなるといったエラーのリスクもあるでしょう。

営業担当に入力を促す機能もないので、管理職やチェック担当が定期的にファイルを開いて、適切に入力されているか確認する必要があります。実際には、事務担当者がマネージャー層に見やすいように、会議ごとにシートを編集するケースも多いようです。

ExcelやGoogle スプレッドシートでの管理を行う場合、管理したい項目ごとにシートを分けて記入するべき項目を設定すると良いでしょう。管理項目を分類し、運用ルールを徹底しておけば、もしシステムに移行するとなった際もスムーズです。

 

SFA(営業支援システム)

SFA(営業支援システム)

画像は当社HubSpotの「SalesHub」利用画面

メリット

  • 顧客データ・商談データが自動的に紐づけられる。

  • 定型のフォーマットにより業務が効率化される。

  • レポーティング機能により分析レポートの作成が容易。

  • 情報共有が容易。

  • データの持ち出しができず、Excelよりもセキュリティが高い。

デメリット

  • 導入から定着までに時間がかかる。

以下のような業務が1つのシステムで管理でき、営業部の業務効率化や生産性向上に役立ちます。

  • 担当者の行動管理

  • 商談管理

  • 見込み客管理

  • 請求書・見積書の発行

  • データ分析

  • レポーティング

SFAを利用する場合は、導入時に用意された汎用的な入力用フォーマットをカスタマイズして、企業ごとに管理したい項目を設定します。導入当初は各担当者がシステム操作に慣れていないため、導入チームやベンダーのスタッフによる研修やサポートを受ける必要がある可能性があります。

ただし、近年のSFAは直感的な操作ができるUIであることが多いので、操作方法の習得自体に時間はかからないでしょう。

 

営業管理を行うときに注意するポイント

営業管理を行うときに注意するポイント

ここでは、営業管理を行う際のポイントを3つお伝えします。

1.自社に合うやり方を模索する

管理方法について、他社の良い事例をそのまま当てはめようとするのは避けましょう。あくまで現場担当者の意見を取り入れつつ、最適な管理方法を模索するのがおすすめです。

現場担当者との会議の場を設け、どのような管理の仕方が理想なのか、などをヒアリングし、形にしていくようにしましょう。

2.情報共有とコミュニケーションを徹底する

案件の引き継ぎや情報の共有がうまくいかない場合、顧客に迷惑をかけてしまい、最悪の場合失注につながってしまう可能性があります。例えば、週一回は必ずどの案件も情報を共有するようにしたり、共有すべき情報の項目を決めたりすることで、コミュニケーションの量と質を上げていきましょう。

3.ツールを活用して形式化する

営業管理は簡単に定着するものではないので、ツールで形式化し管理にかかる時間と労力を削減しましょう。少しでも楽なやり方を確立できれば、営業担当者の協力を得られ、より精度の高い管理が実現できます。
 

営業管理を改善し、営業プロセス最適化により顧客満足を

まとめ|営業管理を改善し、営業プロセス最適化により顧客満足を

適切な営業管理を行うためには、営業管理の意味や要素を理解し、営業支援ツールを利用しながらポイントを踏まえた運用を行うことが有効です。

効果的に営業管理を実行することで、営業部全体の業務効率化や時代に即応した戦略策定が実現できます。顧客へより良い提案を行うためにも、我流の営業管理を見直し、部のパフォーマンスを向上させましょう。

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一元管理を実現!営業案件 & 進捗管理テンプレート

 一元管理を実現!営業案件 & 進捗管理テンプレート

元記事発行日: 2023/07/27 23:04:06、最終更新日: 2023年8月08日

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