HubSpot Marketing Blog

2017年04月02日

秀逸な海外B2Bコンテンツマーケティング10選

執筆者: | @

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HubSpotの社員として心が弾むのは、HubSpotの新しいEメールダッシュボードを初めて使ったEメールマーケターの方が目を輝かせる瞬間に遭遇したときです。いわば、新型iPhoneが登場したときや、Netflixのドラマで新シーズンが始まったときにしかお目にかかれないような感激の仕方を、毎日の仕事で使うソフトウェアに関して見せていただけるなんて、うれしいことです。

興味深い切り口のマーケティングを実践している企業は、B2Cの企業ばかりだと思っていませんか。でも、仕事だって情熱を注ぐ対象になるということを忘れてはいけません。どのB2B製品であれ、知識を広げたい、他のユーザーの事例を参考にしたい、と思っている人は必ずいます。どんな物事であっても、本人の見方ひとつで、強い興味の対象になり得るのです。

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B2Bのコンテンツマーケティングも、適切に実践しさえすれば、B2Cのキャンペーンに勝るとも劣らない創造性や魅力を発揮します。B2Bコンテンツマーケティングで異彩を放ち、熱心なオーディエンスを獲得することに成功した企業にも、折に触れて着目していきたいものです。今回の記事では、そのような企業の事例を紹介していきます。

秀逸なB2Bコンテンツマーケティングの事例10選

1)InVisionのブログの「Inside Design」シリーズ

InVisionは、ニューヨークに本拠地をおく共同作業によるデザインを支援するプロトタイプ作成ツールです。2011年の設立以来、70万以上のユーザーを獲得し、そのブログには熱心な購読者が付いています。

InVisionのブログを見ても、同社のツールそのものへの言及はあまり見当たりません。代わりに、デザイン戦略や文化を取り上げたコンテンツが際立っています。InVisionのコンテンツマーケティング戦略は、極めて重要なポイントを認識したものとなっています。すなわち、デザイナーは自分の仕事に情熱を抱いている、という事実です。自社のツールやサービスではなく、その情熱に焦点を当てているからこそ、InVisionにぴったり合ったターゲットオーディエンスが集まって来ます。

成功のポイント:よそでは得られないコンテンツに照準を合わせる

InVisionがブログで取り上げている話題には、現地デザイナーへのインタビュー先進的なデザイン戦略作業を効率化するヒントデザインのインスピレーションなどがあります。

InVisionのコンテンツが傑出しているのは、唯一無二の存在であることです。コンテンツマーケティングを手がける企業の中には、紋切り型の記事、リンクベイトのリスティクル(箇条書き形式の記事)、キーワードを詰め込んだだけのコンテンツを乱造しているところも多くあります。

しかしInVisionは違います。ほかにはないコンテンツを通じて、デザインについての知見を広めることができます。特に読みごたえがあるのは、さまざまな企業の舞台裏に潜入して、デザインチームにインタビューし、デザインの哲学、作業環境、現場の雰囲気などについて尋ねる「Inside Design」というシリーズです。これまでに、NetflixやPreziなど、著名企業のデザインチームを取り上げ、その内幕に迫ってきました。

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2)Adobeの「99U」

クリエイター向けのポートフォリオサイトBehanceをAdobeが2012年に買収したことで、Behanceの「教育部門」だった99UもAdobeの傘下に入りました。99Uは、ブログという一言ではとても収まりきらないサイトです。アイデアを形にするうえで「足りないカリキュラム」を提供するサイトとして多くのトラフィックを集め、現役のクリエイターや志望者に必見のサイトとしてよく取り上げられています。そのコンテンツ戦略はブログにとどまらず、カンファレンス、書籍、ポッドキャスト、さらには雑誌にまで拡大しています。オンラインマガジンではなく、紙の雑誌です。

成功のポイント:セールスとコンテンツの間の一線を維持する

Behanceと99UをAdobeが買収した時点では、99Uのジャーナリスティックなコンテンツがこのまま打ち切りに向かうという不安や臆測もありました。コミュニケーションディレクターのRussell Brady氏は、ブログ記事で次のように述懐しています。

「Adobeが2012年12月にBehanceを買収した頃、クリエイターが集うこの世界屈指のソーシャルコミュニティについて、お先は真っ暗だと予想した人たちがいました(率直に言えば、ITに関するあらゆる企業の発表を否定的に論評する、臆病な悲観論者たちです)。クリエイターが作品を披露し合い、互いに刺激を求め合う、この活気あふれる空間にAdobeが上がり込んで来て、Adobeのマークが大きく掲げられ、不毛で味気ない企業サイトの類いにすぐに成り下がっていくだろうという予想でした。しかし、結局そうはなりませんでした」

Behanceも99Uも、完全に独立したコンテンツハブとして運営されていて、それぞれに愛読者がいます。99Uのイベントになると、もちろんAdobeも一枚噛んではいますが、99Uのコンテンツは、以前と変わらず、クリエイターを主役に据えています。熱心な売り込みも、あからさまなマーケティングもありません。

3)MYOBの「End of Year Financial Hub」

MYOBは、企業向けの業務管理ソリューションをオーストラリアとニュージーランドで提供している会社です。会計ソフトやオンラインサービスなどがあり、経理担当者や会計事務所との連携にも役立ちます。MYOBの主なオーディエンスは2種類に分かれます。1つは、事業のイロハを学んでいる段階の小規模企業。

もう1つは、事業のあらゆる面で洞察を深めたいと考え始めた中規模以上の企業です。この2種類のオーディエンスで、関心事はそれぞれ異なります。そして、MYOB.comのサイトには、それぞれの関心事に対応する情報が別々に集約されています。

成功のポイント:顧客を理解する

企業は、規模の拡大に合わせて、会計や財務上の判断について少しずつ理解を深めていくことが多いものです。MYOBのコンテンツ戦略は、そのことを認識したうえで、企業が成長の階段を上っていくときに役立つ情報源になろうとしています。サイトのコンテンツは、それぞれの顧客層が求めるニーズに沿った視点で構成されていて、起業直後に役立つヒントや、成長の壁を破って次の段階へと進むためのヒントなどが得られます。

4)Unbounceの「Page Fights」

グロースマーケターがコンテンツの最適化で実験に成功する様子を直接目にするのは刺激的です。ランディングページ作成ツールを提供しているカナダの企業Unbounceは、自らの経験からその刺激を理解したうえで、エンターテイメントの要素もあるマイクロサイト「Page Fights」を立ち上げました。

マーケティングの最適化に精通した専門家たちが、ランディングページに手厳しく批評を加える様子を、動画で生配信するという試みを、ConversionXLと共同で行っていました。

成功のポイント:文章以外のコンテンツへ幅を広げる

Unbounceには、人気の高いブログが以前からありましたが、同社は、文章以外のコンテンツに幅を広げるチャンスとしてPage Fightsを捉えました。マーケティング業界やWebデザイン業界でコンテンツの量が増える中、情報のフォーマットを多角化することは、オーディエンスの関心と学びを維持するうえで効果的です。

5)Deloitteの「Expertise」

Deloitteは、監査、税務、法務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー、リスクマネジメントなどのサービスを提供するコンサルティング会社です。政府機関からライフサイエンスまで、事業の対象となる業種は多岐にわたります。

ナレッジをセールスポイントとするDeloitteにとっては、情報が豊富で有益なコンテンツを制作することがマーケティング戦略の柱です。同社は以前から、その専門性を生かした手引きやリソースを公開してきましたが、最近その分析の強みと重みをいっそう強化しました。

成功のポイント:専門テーマごとのハブを構築する

金融機関から政府機関まで、多彩な顧客を持つDeloitteだけに、オーディエンスも多種多様です。その全員を喜ばせようとした場合、一歩間違えると、総花的でピンぼけのコンテンツ戦略になってしまいかねません。しかしDeloitteは違います。トピックタグを使って、サイバーセキュリティからコーポレートシチズンシップまで、テーマごとに的を絞ったコンテンツハブを構築しています。また、サイトにはコンテンツ検索ツールも完備されていて、別のトピックへと簡単にたどっていくことができます。

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6)First Roundのオンラインマガジン

ベンチャーキャピタルと聞くと、取締役会の様子とか、パリッとしたスーツの面々を思い浮かべるかもしれません。しかし最近では、新たな面を見せ始めているベンチャーキャピタルもあります。FlybridgeNextViewをはじめ、オリジナルコンテンツを制作したり、個人や会社のブログで展望を積極的に公開したりなど、起業家を熱心なオーディエンスとして獲得しているベンチャーキャピタルもあります。

中でも、コンテンツマーケティングを活用している顕著なベンチャーキャピタルがFirst Round Ventureです。起業に関連するテーマごとに分かれた9種類のオンラインマガジンで構成される「First Round Review」が人気を集めています。

成功のポイント:企業のネットワークを生かす

First Roundでコンテンツとマーケティングを統括しているのはCamille Ricketts氏です。同社のコンテンツ戦略を構成するのは、社内発のコンテンツばかりではありません。同社が関わりを持った企業のネットワークを生かし、投資先や支援先の企業を記事に取り上げています。

元記者のRicketts氏は、同じような経験をしてきた企業から教訓を引き出すことの価値と魅力を理解しています。オンラインマガジンの記事には、Airbnbが官僚主義に打ち勝った方法や、SurveyMonkeyが世界進出に成功した方法など、当事者の話を基にした貴重な記事があります。

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7)FireRockのビジュアルコンテンツ

HubSpotの顧客企業であるFireRockは、石材などの建築材料を業者向けに製造しているメーカーですが、そのPinterestアカウントは、B2B企業としては出色の出来です。極めて美しい暖炉を製造しているおかげで、画像自体が実に魅力的というのもさることながら、自社のビジネスに合う形でPinterestを活用する方法をきちんと心得ています(関連記事はこちら:The Ultimate Guide to Mastering Pinterest for Marketing)。

成功のポイント:

  • チャネルを明確に理解する:FireRockは、建材の写真をそのまま載せるのではなく、ユーザーが自宅のデザインやプロジェクトに役立つヒントをPinterestから得ているという点をきちんと理解したうえで、同社の建材が実際に使われている家の様子を写真で掲載し、人々が完成形をイメージできるようにしています。

  • 場所を明示する:写真の多くは、場所ごとのタグが付いていることから、地域を限定して検索している人に見つけてもらいやすくなっています。

FireRockは、新しいチャネルやメディアの登場に合わせてコンテンツ戦略を進化させています。最近では、家を持つ人や家づくりのプロ向けのビジュアルコミュニティサイトHouzzにも進出しました。Houzzには、家のリフォームや模様替えを積極的に考えている人が集まっており、理想的なオーディエンスにリーチできるチャンスだとFireRockは認識しています。

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8)Wistiaの自社コンテンツ

動画配信サービスWistiaをここで紹介するのは、同社自身が制作したハウツー動画や機能紹介の動画に関してです。ただし、そのアングルや照明が素晴らしい、といった話ではありません。思わず笑ってしまう動画を絶えず制作している点が抜群なのです。

成功のポイント:ユーモアを大切にする

Wistiaは、少人数の同じチームで何年も動画を制作しています。そうなると、一般にはコンテンツがマンネリ化してワンパターンになりがちですが、Wistiaは違います。新たな動画はどれも新鮮で魅力にあふれています。そして、何より肝心なのは、常に面白いことです。犬の動画一味違う音楽の動画タイムカプセル動画、さらには俳優のZach Braff氏が出てくる動画まであります。(最後のは一体どうやって実現したんでしょうか)。

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9)GEのInstagramアカウント

GE(General Electric)は、TwitterのフォロワーYouTubeのチャンネル登録者も十万~数十万に達しているだけに、オーディエンスを惹きつける術を確実に心得ています。産業機器メーカーで自社のストーリーを語る仕事なんてつまらなそう、という印象を持つ人もいるかもしれませんが、最高クリエイティブ責任者であるAndy Goldberg氏の仕事は、決してつまらないものではありません。同氏は、新興のプラットフォームで新たなストーリーを構築する取り組みを先頭に立って進め、GEブランドのリーチを拡大してきました。

私見では、GEが本当に際立っているのはInstagramだと思います。InVisionと同じで、GEも、ソーシャルチャネルを使って発信しているのは、同社の製品に限定した話題ではありません。科学やイノベーション全体に対する畏敬の念や魅力を発信しています。Instagramでもフォロワー数は数十万で、エンゲージメントは高い水準にあります。投稿はどれも、「いいね」が数千に達し、数多くのコメントが付きます。

成功のポイント:

  • フォロワーにニックネームを付ける:GE Aviationの場合、すべてのソーシャルメディアで、フォロワーたちのことを、親しみを込めて「AVgeeks」と呼んでいます。さらに、それをハッシュタグ化して、フォロワーが他の場面でも使えるようにしました。これは、すべての企業で使える手ではないかもしれません。しかし、コンテンツにコミュニティを交えることで、会社のソーシャルメディア活動が持つ意味が、その会社の範囲を大きく超えて広がっていきます。
  • 真面目になりすぎない:GEほどの歴史と伝統がある企業になると、ソーシャルチャネルは地味めになりがちです。しかしGEは、コンテンツに関してあえてリスクをとりました。ユーモア、対象物への情熱、フォロワーとの率直なやり取りが見られます。それが功を奏し、B2C企業に負けない熱心なオーディエンスを獲得しました。

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GEが、自社のルーツを忠実に守りつつも、ブランドを新たな高みに押し上げることに成功した要因は何だったのでしょうか。

10)GoToMeeting(Citrix)のTwitterコンテンツ

GoToMeetingは、ウェビナーやウェブ会議を行うためのオンラインサービスで、Citrixが運営しています。そのTwitterアカウントは、複数のメンバーから成るチームが専任で的確な対応にあたっていて、有益なコンテンツばかりが流れてきます。そのおかげで、5万人以上のフォロワーを獲得しています。

成功のポイント:

  • 他のユーザーのコンテンツも共有する:GEと同じで、GoToMeetingも、B2B企業が有益なコンテンツのキュレーション役として機能している好例です。下のツイートからもそれがわかります。

  • 話題の幅を広げる(ただし見当外れの方向には広げない):オンライン会議について同じようなプロモーションを繰り返しても、内容が色あせてしまいます。GoToMeetingのTwitterコンテンツはそうではなく、仕事の向上という大きなテーマを柱に据えて、生産性、在宅勤務、オフィスのユーモアなどに関するコンテンツを投稿しています。

今回は10社の事例を紹介しましたが、これですべてではありません。Twitterで情報提供を呼びかけたところ、HelpScoutKISSMetricsGrooveSidekickをはじめ、コンテンツマーケティングに力を入れているB2B企業の名前がたくさん挙がりました。クリエイティブなB2Bマーケターの皆さんは、コンテンツマーケティングの広大なチャンスをぜひつかんでください。

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編集メモ:この記事は、2015年6月に投稿した内容に加筆・訂正したものです。Meghan Keaney Andersonによる元の記事はこちらからご覧いただけます。

トピック: コンテンツマーケティング

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