5 min remaining

皆さんは、「コンテンツマーケティングを始めよう!」と思った時に、どんなコンテンツを制作しようと思いますか?

コスメ業界の企業であれば、メイクの方法や新商品の紹介をSNSで配信してもいいですね。

不動産業界の企業であれば、新しく売り出した家やマンションをブログで紹介することもできます。

基本的に企業から潜在顧客に向けて発信する情報は、販売している商品やサービスに関連することが中心ですが、コンテンツマーケティングの場合はそうとは限りません。

ダウンロード: 効果的なウェビナーを開催するための無料ガイド&動画

ここで、コンテンツマーケティングの基本を確認しましょう。

コンテンツマーケティングは、企業が伝えたいことではなく、オーディエンスが見たいと思うものを見せるのが基本です。オーディエンスの問題を解決したり、興味を満たすことでブランドのファンになってもらい、最終的に商品やサービスを購入を促します。

そのため、コンテンツマーケティングで成功している企業は、商品やサービスの詳細をコンテンツ化しているとは限らないのです。

「私たちの潜在顧客はどのようなことに困っているのか?」

「その悩みを解決できる方法は何か?」

「どのようなことに興味があるのか?」

「どのようなコンテンツであれば喜んでもらえるのか?」

コンテンツマーケティングに取り組む際は、徹底的に潜在顧客の立場になって考えることが必要です。潜在顧客に「価値があるコンテンツだ」と思ってもらえれば、業界の枠に囚われる必要はありません。

今回は、国内外でコンテンツマーケティングに成功している企業の事例を紹介します。

柔軟な発想でコンテンツマーケティングを成功させた企業の事例をぜひ参考にしてくださいね。

『業界別』コンテンツマーケティング国内・海外成功事例

コンテンツマーケティングは、「不動産会社 = 家に関するコンテンツ」「日用品メーカー = 日用品に関するコンテンツ」など、カテゴリに縛られる必要はありません。

潜在顧客の目線に立って柔軟な発想でコンテンツを考えることが成功の鍵です。

不動産業界の事例

コンテンツマーケティングで成功している不動産業界の企業は、早くからインターネットやソーシャルメディア、質の高いコンテンツの価値に気づき、積極的にマーケティング戦略に取り入れてきました。

National Association of Realtorsの調査では、不動産の購入を考えている人のうち42%がGoogleで不動産情報を検索することから家探しをスタートし、直接不動産会社に問い合わせをする人はたったの14%だといいます。

つまり、インターネット上に会社の存在を知ってもらう仕掛け(=コンテンツ)を作っておかなければ、最初の時点でおよそ4割の貴重な潜在顧客を取り逃がすことになるのです。

コンテンツマーケティングで成功している不動産業界の会社はどのような戦略を取っているのでしょうか。

参考:Case Study – How a Top 5% Real Estate Agent Uses Content Curation

不動産業界の海外事例【Weiniger】

What It's Really Like to Live in Central NJ | Weiniger Group

Weinigerを経営するJudy Weinigerさんは、ソーシャルメディアやYouTube、ウェブサイトなど複数のオンラインメディアのアクティブユーザーです。

彼女は家を売るためだけにコンテンツを制作しているのではなく、販売している家がある地域の情報を公開し、潜在顧客を惹きつけています。

地域の学校やレストラン、薬局、ヨガスタジオなど、生活に密着したコンテンツを配信し、YouTubeで地域の暮らしに関する動画も公開しています。

その動画には「不動産」の文字が含まれていないため、初めて動画を見た人は不動産会社が制作した動画だとは気づかないでしょう。

Weinigerが作成した「地域のおすすめヨガスタジオ11選」というブログは、ヨガスタジオの公式ウェブサイトを超えて、Google検索で二位を獲得しました。

それぞれのブログのページの一番下にはJudy Weinigerさんの連絡先と、「今すぐ問い合わせる」というCTAボタンが設けられています。

ニュージャージー州の不動産会社であるCranford & Westfieldは、Weinigerのウェブサイトを真似てコンテンツを作成しました。

そのうちの一つで、地域に新しくオープンしたレストランの情報を掲載したブログ記事がソーシャルメディア上で2,000回以上シェアされ、Google検索で一位を獲得しました。

参考:Our Town Gets Even Cheesier: Grilled Cheese Shoppe Opens

この戦略は、ウェブサイトさえあれば誰でも実行可能です。「不動産会社はその地域のことを他の誰よりもよく知っている」という利点を活かし、潜在顧客が興味を持つコンテンツを作成した好例です。

参考:Real Estate Agent Blogging Ideas That Are Way More than Just Listings

不動産業界の国内事例【株式会社マンションマーケット】

マンションサプリ | マンションサプリは、マンションの売却・査定サービスを運営するマンションマーケットが提供する、不動産情報メディアです。

株式会社マンションマーケットは、「マンションサプリ」というオウンドメディアを運営しています。マンションサプリでは、マンションの売却、購入、住宅ローンなど、マンションマーケットの顧客が興味を持ちそうなジャンルの記事が多数公開されています。

また、マンションマーケットのメイン顧客である売却検討層を惹きつけるために「管理」というカテゴリを設け、マンションの価値を守るための管理や修繕方法を紹介しています。

潜在顧客の目線に立って有益な情報を提供しながら、新規顧客の獲得という企業の目標を達成するために考え抜かれたメディアになっています。

参考:業界別コンテンツマーケティングの成功事例

EC業界の事例

ECは、コンテンツマーケティングによってウェブサイトへの訪問客を増やすことでダイレクトに売上を伸ばせる可能性がある業界です。ECサイトを運営する会社は、Eメール、ブログ、ウェブサイトなど、様々なコンテンツを用いて訪問客を獲得しています。

EC業界の海外事例【Fanatics】

Fanatics Official Blog -

スポーツEコマースウェブサイトのFanaticsは、自社ウェブサイトの常連客をもっと増やし、エンゲージメントを高めたいと考えていました。そこで、コンテンツマーケティング会社のFractlとタッグを組んでスポーツファンに向けたコンテンツを制作することにしました。

  • シーズン毎にリアルタイムのスポーツ情報をコンテンツ化
  • ウェブサイトの訪問客に長く愛される記事を制作するため、スポーツの歴史についての記事を作成
  • 最新の試合や選手についての情報など、スポーツのトレンドを素早くキャッチしてコンテンツ化

最新のスポーツ情報と、スポーツの歴史という長く読まれる記事の両方に力を入れた結果、6ヵ月でオーガニックサーチは1,100%、ランキングキーワードは230%増加しました。

そして、Fanaticsのブログ記事は、USA Today・MSN・Yahoo Sports・The Scoreなどの有名メディアに取り上げられるようになりました。

トレンドの記事は一時的にアクセスが集まりやすいという特徴がありますが、ピークを過ぎると急激にアクセスが減少します。Fanaticsの事例では、トレンドの記事と長く読まれる記事の両方をバランスよく作成し、ウェブサイトのパワーを高めていったことが成功の要因と言えるでしょう。

参考:10 Case Studies That Show the Real Impact of Content Marketing

EC業界の国内事例【集英社のファッション通販サイト「FLAG SHOP」】

ファッション通販|集英社FLAG SHOP(フラッグショップ)

集英社のファッション通販サイト「FLAG SHOP」は、ファッション誌に掲載された衣料品や雑貨などを販売するオンラインショップとして2007年に開設されました。

開設当初は、商品が並べられただけのカタログのようなデザインでしたが、2017年2月に情報発信型のメディアコマースサイトへとリニューアルされました。

リニューアル後のウェブサイトには、バイヤーおすすめのコーディネートを掲載する「コーディネートスナップ」、商品についてのバイヤーのレビューをまとめた「バイヤーズボイス」など、ファッションに興味がある潜在顧客を惹きつけるためのコンテンツが追加されました。

同社の担当者は、「ユーザーが『コーディネートスナップ』や『バイヤーズボイス』を見てから商品を購入する流れが生まれている」と話します。リニューアル後はPVやコンバージョン率も向上したといいます。

雑誌編集部としてのコンテンツ制作力や、カメラマンやモデルなどの制作スタッフというリソースを活かしてECサイトのオウンメディア化に成功した好例です。

参考:ECサイトのファンを増やすコンテンツマーケティングを大公開

BtoBの事例

コンテンツといえば、「企業から一般消費者に向けて発信されるもの」、つまりBtoCのイメージがあるかもしれませんが、BtoBにもコンテンツマーケティングをうまく取り入れて成功している企業がたくさんあります。

BtoB企業の購買決定をしている担当者も一般消費者の一人です。そういう意味では、BtoCで顧客を惹きつける手法はBtoBにも応用できるのです。

BtoBの海外事例【Neil Patel】

Blog Neil Patel's Digital Marketing Blog

コンテンツマーケティングのキングと呼ばれているNeil Patel。SEO、ソーシャルメディア戦略、コンテンツマーケティングなど、Webマーケティングに関するあらゆる検索エンジンの結果にNeil Patelの記事が上位表示されます。質の高いブログ記事を作成し、ソーシャルメディアで多くシェアされ、検索エンジンから高い評価を受けています。

Neil Patelのブログの特徴は、ハブとなるコンテンツを作成し、それに関連するロングテールキーワードの記事を複数繋げていく手法を取っていることです。

例えば、Googleで「フェイスブック マーケティングガイド」と英語で検索するとNeil Patelのブログが最初に表示されます。

もしフェイスブックのマーケティングについてより細かいことを知りたければ、そのブログに貼ってあるリンクを辿って別の記事を読むこともできます。

これによってブログの滞在時間が長くなり、ユーザーが求めていた情報とNeil PatelのブログのコンテンツがマッチしていたことをGoogleにアピールすることができます。

ハブとなる記事から関連記事をたくさん繋げていくことによって、検索エンジンから評価されるだけではなく、特定のトピックについての「完全ガイド」のような情報ソースを作ることができます。

参考:22 Companies Dominating the World With Content Marketing Campaigns

BtoBの海外事例【HubSpot】

HubSpot Blogs | Marketing

HubSpotのブログは、読み手にとって分かりやすい表現やフレンドリーな語り口で親近感が湧くように作成されています。

そして、無料でダウンロードできるコンテンツをうまく活用してコンテンツマーケティングを成功させています。

コンテンツマーケティングの基本から売上に繋げるところまで、カスタマージャーニーの全てのステップに関する情報を発信し、ブログ記事それぞれの最後には、関連記事のリンクやEメールアドレスを入力して無料の資料をダウンロードするCTAボタンが設置されています。

自らの問題に気づいた潜在顧客のうち30%が、ホワイトペーパーや事例、マニュアルなどのコンテンツを参考にします。

それらのコンテンツを豊富に用意しておくことによって潜在顧客をリードに転換しているのです。

また、SEOのプロフェッショナルでもあるHubSpotは、コンテンツのギャップや古くなった投稿の最適化などを行い、1年で累計オーガニック検索トラフィックを440万人まで増やすことに成功しました。

参考:22 Companies Dominating the World With Content Marketing Campaigns

BtoBの海外事例【FireRock】

FireRock Professional Building Materials

HubSpotの顧客企業であるFireRockは石材などの建築材料を業者向けに製造しているメーカーですが、FireRockのコンテンツは一般的な建築材料を扱うメーカーのイメージとは全く違います。

建材の写真をそのまま載せるのではなく、ユーザーが自宅のデザインやプロジェクトに役立つヒントをPinterestから得ているという点をきちんと理解したうえで、同社の建材が実際に使われている家の様子を写真で掲載し、人々が完成形をイメージできるようにしています。

Pinterestに投稿されている写真の多くは場所ごとのタグが付いていることから、地域を限定して検索している人に見つけてもらいやすくなっています。

FireRockは、新しいチャネルやメディアの登場に合わせてコンテンツ戦略を進化させています。最近では、家を持つ人や家づくりのプロ向けのビジュアルコミュニティサイト「Houzz」にも進出しました。Houzzには、家のリフォームや模様替えを積極的に考えている人が集まっており、理想的なオーディエンスにリーチできるチャンスだとFireRockは認識しています。

BtoBの国内事例【鈴与株式会社】

文書管理 虎の巻 - ビジネスを強くする文書情報マネジメント

物流サービスを提供する鈴与株式会社は、文書管理のソリューション、サービスをプロモーションするために、ビジネスを強くする文書情報マネジメントについての情報を提供するオウンドメディアを運営しています。

契約書などの文書管理の方法を見直そうと考えている潜在顧客に対して、文書情報マネジメントにおける課題を解決する情報をHowTo形式で紹介し、ブログの各ページには資料請求のCTAボタンだけではなく、文書情報マネジメントに関する無料のマニュアルをダウンロードするためのCTAボタンも設置されています。

本業とは異なる事業を展開する際に、まずはコンテンツを通じてサービスについて知ってもらうことが大きな一歩になります。 

参考:BtoB企業のコンテンツマーケティング事例 11選!コンテンツ作成に取り組むべき理由とその効果。

BtoBの国内事例【サイボウズ】

グループウェアの国内シェアNo1のサイボウズが運営する「サイボウズ式」は、2012年に開設されました。その2年後には月間20万PV(14年6月)のサイトに成長しています。

グループウェア市場は成熟段階にあり、積極的に情報収集するアーリーアダプター層には広く普及しています。今後、さらなる成長を目指すためには、ITに関心のないマジョリティ層の顧客に認知してもらわなければなりません。

ITに関心のない消費者層にアプローチするためには、製品の機能ではなく、それによって顧客が得られる価値に焦点を当てる必要がありました。サイボウズ式が生まれたのにはこのような背景がありました。

また、サイボウズ式は、自然検索が増えるのを待つのではなく、ハフィントンポストやBLOGOSなどのネット媒体へ積極的にコンテンツを提供してソーシャルからのアクセスを狙いました。その結果、アクセス全体の45%がソーシャルから来ています。

その他にも、外部ブロガーの寄稿を掲載し、読み手に伝わりやすい表現にするための工夫を凝らしています。

参考:Core Marketing Blog

BtoBの国内事例【三郷金属工業株式会社】

レーザー溶接・抵抗溶接など、精密溶接のエキスパート|三郷金属工業株式会社

三郷金属工業株式会社は大阪府に事務所を構えるレーザー溶接・抵抗溶接のエキスパートで、レーザー溶接技術を必要とする企業担当者に向けて溶接に関する悩みを解決するための事例をブログで発信しています。

事例の内容は至ってシンプルで、「どのような技術を用いてどう課題を解決したか」に焦点を絞り、実際に溶接を行った技術者のコメントも掲載しています。

企業のウェブページには、溶接に関する情報だけではなく、社長の思いや活動報告を掲載している「活動ブログ」も別途更新されており、社長と従業員の写真もたくさん掲載されています。

溶接に関する専門的なブログと、社長の考えを綴った活動ブログを使い分け、信頼性と親近感を同時に獲得している三郷金属工業株式会社のウェブサイトは、中小企業やニッチな業界でのコンテンツマーケティングの好例と言えます。

参考:BtoBコンテンツマーケティング事例4選!BtoBこそ取り組むべき理由とオウンドメディア企画運用のポイント

番外編

番外編として、ユニークな手法で成功したコンテンツマーケティング事例を紹介します。

海外事例【PureVPN】

Let's Stop Cyberstalking

PureVPNはオンラインセキュリティサービスを提供する企業です。VPN(Virtual Private Network = 仮想専用線)を使うメリットはテクノロジー業界ではよく知られていましたが、一般ユーザーには馴染みがなく、特にサイバーセキュリティーに関心の薄い女性ユーザーを取り込むことはある種のチャレンジでした。

PureVPNは、VPNのメリットを訴求するために「Let’s Stop Cyberstalking(サイバーストーキング防止)」というキャンペーンを実施し、インパクトのあるビジュアルイメージを活用しました。

キャンペーンサイトには、セキュリティーの専門家へのインタビューや、実際にサイバーストーキングの被害にあった有名なビジネスウーマンの体験談などを掲載しています。

キャンペーンについてのコンテンツはソーシャルメディアで2,000回シェアされ、ウェブサイトトラフィックは75%上昇し、そのうちの63%が女性ユーザーでした。ターゲットを明確にすることによってコンテンツを最適化することに成功した好例です。

参考:4 Case Studies Show How to Crush It With Out-of-the-Box Content Marketing

国内事例【快活CLUB】

快活CLUB|☆大好評☆高性能VR「FOVE」をお手軽にご利用いただけます!|インフォメーション

ネットカフェの「快活CLUB」は、新しく導入したVRゲームのプロモーションに、声優・タレントでありコスプレイヤーのえなこさんをインフルエンサーとして起用しました。

えなこさんはアニメファンの間では有名な人物で、テレビゲームが大好きなことでも知られています。 快活CLUBのVRゲームをプロモーションするには最適な人物でした。

エンタメ情報などを配信するYouTubeチャンネル「Timeline」でえなこさんがVRゲームを体験する様子が配信されています。

インフルエンサーを起用したコンテンツマーケティングでは、インフルエンサーの知名度ではなく、プロモーションしたい商品やサービスに関連があるインフルエンサーを選び、コンテンツに信憑性を持たせることが大切です。

参考:Kaikatsu Club: NETCafe VR

まとめ

今回は、国内外でコンテンツマーケティングに成功している企業の事例を紹介しました。

BtoBもBtoCも、コンテンツを目にするのは「企業」ではなく「人」です。

潜在顧客のことを最大限に考えたコンテンツを作り、企業のファンになってもらうというコンテンツマーケティングの本質はBtoBであってもBtoCであっても同じです。

今回紹介した事例では、一般受けするコンテンツではなく、ターゲットとなる潜在顧客層「のみ」に響くコンテンツにフォーカスしているのが特徴で、それが成功の鍵でもあります。

そのため、コンテンツマーケティングではターゲットを詳細に設定し、そのターゲット層の悩み事や興味の対象などを深く知る必要があります。

また、プラットフォームも一つに絞る必要はありません。

潜在顧客が利用しているプラットフォームで、目的に応じて適切なコンテンツを展開することでさらにマーケティング効果が高まります。

コンテンツの種類と活用方法については「コンテンツマーケティングの種類」の記事を参考にしてください。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

効果的なウェビナーを開催するための10のポイント

元記事発行日: 2019年10月16日、最終更新日: 2020年5月29日

トピック::

コンテンツマーケティング