営業マネジメントの役割や必要なスキルとは?業務効率化におすすめのSFAも紹介

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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営業組織を管理する立場として成果の最大化を目指すうえで、マネジメントの役割や必要なスキルを正しく理解しておくことは非常に重要です。

営業マネジメントの役割や必要なスキルとは?業務効率化におすすめのSFAも紹介

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この記事では、営業マネジメントの成功基準を明確にしたい管理職の方向けに、マネジメントの基礎の考え方から役立つツールまで解説します。最終的に目指すべき組織の状態や、マネジメント担当者が何から取り組むべきかを深く知るための参考にご活用ください。

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営業マネジメントとは?重要視される背景

「Management(マネジメント)」は、直訳すると「経営」や「管理」を意味します。

経営学者 ピーター・F・ドラッカーの著書『マネジメント』によると、「マネジメントは組織が機能するために不可欠で、組織に最大の成果をあげさせるもの」とされています。つまり、ビジネスにおけるマネジメントは、経営資源やリスクなどを管理し、経営上の目標やミッション達成に向けて、成果を最適化する目的で行われるといえます。

このことから、「営業マネジメント」とは、「営業組織を管理して成果を最大化し、健全に運営していくこと」と定義できます。具体的には、営業担当者が最大限の成果を出せるようにサポートし、営業目標の達成に向けてチームを導く管理施策を指します。

営業組織のマネジメントに取り組む際には、マネジメントという言葉の持つ意味や、なぜ営業マネジメントが重要視されているかを知ることで、適切な手段が見えてくるはずです。

経営学やリーダーシップの研究が進んだ近代では、従来型の精神論的な取り組み方よりも、「適切なマネジメントこそが成果につながる」という考え方が主流になってきました。特に、日本で営業マネジメントが重視されている背景には2つの課題があります。
 

生産性の向上が急務

日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2022」では、日本の時間当たり労働生産性は49.9ドルとされており、OECD加盟38カ国中27位です。大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーは、日本の営業ROIは諸外国に比べ低いとしています。

社内向けの業務が多いことやデジタル化の遅れが課題となっており、営業担当者レベルで解決するのではなく、マネジメント層や経営部門が動いて業務プロセスや意識の改革を行っていくことが求められています。

参考:マッキンゼー・アンド・カンパニー|日本の営業生産性はなぜ低いのか

また、HubSpotが行った「日本の営業に関する意識・実態調査2023」では、営業組織の業務時間のうち、回答者の加重平均で22.37%が無駄だと捉えられていることが示されています。この無駄な時間は金額に換算すると約9,802億円にもなり、生産性に大きく影響していると考えられます。

生産性の向上が急務

その中でも特に「社内会議」や「社内報告業務」が無駄な時間に挙げられており、マネジメントにおける改善の必要性が示されています。
 

慢性的な人材不足への対応

エン・ジャパン株式会社の調査「2022年の人材不足の状況」によると、人材が不足している部門がある企業のなかで不足している職種として、営業職は28%と一番多いことがわかっています。

慢性的な人材不足への対応

【出典】2022年「企業の人材不足」実態調査―人事向け情報サイト『人事のミカタ』アンケート―| エン・ジャパン(en Japan)

人材不足となる原因としては、退職による欠員や採用の難航が挙げられています。日本全体で労働人口が減少傾向にあり、採用市場の競争が激化するなかでは、限られた人員を自社に定着させていくために営業組織を健全に保つマネジメントが求められているのです。
 

営業マネージャーに求められる5つの役割

営業マネージャーに求められる5つの役割

営業マネジメントにおいて、マネージャーが果たすべき役割は、主に5つです。

それぞれの役割の重要性や役割を果たす上で重要な考えについて解説します。
 

1. 【戦略策定】KPI(営業目標)を達成させる

企業の売上に直接関わる営業部署のマネジメントにおける、最も大きな役割は、KPI(営業目標)を達成させることです。

トップダウンで目標が決められる場合は、必要に応じて目標の妥当性について上層部と議論する、またはボトムアップで適切な目標を定めた上で達成のための戦略を練らなければいけません。

戦略は以下のステップで考えていきます。

  1.  目標と現在のギャップを確認する
  2.  ギャップを埋めるために、営業プロセスのうち改善できる点を考える
  3.  改善するためのアクションプランを考える

やみくもに企業への訪問や架電を増やすような戦略では、営業担当者の理解を得られず、成果にもつながらないでしょう。営業担当者が迷いなく行動できるような、根拠に基づいた戦略策定が求められます。

 

2. 【行動管理】戦略・計画に基づいた動きを促す

メンバーが戦略や計画に合った動きをしているか、進捗状況を管理することも営業マネジメントの重要な役割のひとつです。

たとえメンバー各々が正しいと思って営業活動を実施していたとしても、進捗状況を確認した結果、目標達成からそれていることが判明した場合は、早めに調整・修正しなければなりません。

そこで、行動管理のマネジメントとして戦略・計画を月次・週次・日次で細かく設定しておくと、ずれを早期発見でき、修正しやすくなります。

行動を管理するためには、営業進捗のデータや日報をリアルタイムで更新できる仕組みを作ったり、定期的な1on1の実施で認識のズレがないかを確認したりするとよいでしょう。

ただし、進捗データや日報は記入の手間を伴うため、営業担当者の負担を最低限にする仕組みが必要です。

 

3. 【モチベーション管理】メンバーのやる気を保つ

前出の「日本の営業に関する意識・実態調査2023」によると、約45%の営業組織がマネジメント面の課題として「従業員のモチベーション維持」を挙げており、同調査において2年連続で1位となっています。

自発的な行動を促すためには、営業担当者に納得感のある評価やフィードバックをすることが重要ですが、注意すべきなのは、売上目標など数値を判断基準とする定量評価だけでは、メンバーのやる気や努力などが評価されにくいことです。

「こんなに頑張っているのに評価されない」と感じ、モチベーションが下がってしまう可能性もあります。したがって、マネージャーは定量評価だけでなく、取引先からの評価や周囲への良い影響、営業担当者自身の精神的成長といった、数字以外の定性評価も意識して取り入れましょう

上記の調査で明らかになったマネジメント面の詳しい課題については、以下のページをご覧ください。

日本の営業に関する意識・実態調査2023の結果をHubSpotが発表
 

4. 【目標設定】アイデアが生まれやすい状態を作る

メンバーが「どうすれば達成できるだろうか」と自主的に考えられる環境を整え、アイデアが生まれやすい状態を作ることも、営業マネジメントが果たすべき役割です。

目標は高すぎても低すぎても、パフォーマンスの最大化につながりにくいため、工夫や努力次第では達成できそうなレベルに設定することが重要です。実現不可能な目標だと、モチベーション低下の要因になったり、達成が容易だと現状維持に努めてしまいます。

目標設定の手順の一例を紹介します。

  1.  役職や経験を踏まえて営業メンバーをチームに割り振る
  2.  チームごとの人数と構成員に合わせて数値を均等に割り振る
  3.  過去の実績や現状を鑑みて一人ひとりの適正目標を調整していく

チームに与えられた営業目標が適正であれば、上記の振り分けである程度納得感のあるものになると想定されますが、目標を伝える際はその目標を設定した理由や根拠を伝えて理解を得るようにしましょう

 

5. 【営業力強化】ノウハウ共有を仕組み化する

営業部署は、営業メンバー個人の力量に依存する「属人化」の状態になりやすい組織でもあります。この課題を解決するためには、営業メンバー同士が積極的に自身のノウハウを公開し、コミュニケーションしやすい雰囲気をつくらなければいけません

普段営業メンバーは顧客対応で忙しいため、ノウハウ共有やコミュニケーションの機会の創出は仕組み化しておくことが重要です。声がけやメンバーの自発的な動きを期待するのではなく、必要に応じて以下のツールを活用するといいでしょう。

  • チャットツール
  • ナレッジマネジメントツール
  • SFA(営業支援システム)

 

営業マネジメントで必要な5つのスキル

営業マネジメントで必要な4つのスキル

営業マネジメントの役割を担う立場の人は、目指すべきゴールの方向性を示し、チームを統率していかなくてはなりません。

そのためには、次の5つのスキルが求められます。
 

1. チームを活性化させるコミュニケーション能力

メンバーに対するフィードバックや不満の吸い上げを適切に行うために、コミュニケーション能力が求められます

マネージャーの役割は目標を達成できるよう、メンバーを導くことです。メンバーの不安や悩みに対して解決策を一緒に考えることが求められますが、そもそもメンバーとマネージャー間の信頼関係がないと正直に意見を聞き出すことはできません

定期的な1on1ミーティングや営業担当者一人ひとりの成績や仕事への向き合い方にフィードバックを実施し、発言しやすい雰囲気を作ることが重要です。
 

2. 戦略を実行に移すプロジェクト推進能力

営業マネージャーの役割には戦略策定が含まれます。戦略は策定しただけでは意味がないため、実行に移す行動力や周囲を巻き込む強い意思もあわせて求められます。

マネージャーが戦略実行にためらいを感じたり、あらかじめ決めた行動計画を守れなかったりすると、営業メンバーも不信感を覚えてしまいます。
 

3. 数字をもとに考える論理的思考能力

営業マネジメントでは、売上の最終的な数字だけでなく、結果に至るまでの経費・人件費・時間的コストも総合的に考える必要があります。

周囲が納得できる根拠を示さなければならないため、数字をもとに考える論理的思考能力(ロジカルシンキング)が求められます。

マネージャーに論理的思考のスキルが備わっていないと、営業チームに目標を達成できたとしても達成できた要因が不明瞭で再現性が低くなってしまいます

また、一人の意見や過去の成功例だけにとらわれてしまうと、全体を客観的に把握できず偏った考えとなってしまい、判断を誤る可能性があります。

論理的思考能力をつけるためには、日頃から複数の事柄の因果関係に注目し、順序立てて考える訓練をすると良いでしょう。

 

4.合理的な判断のもと意思を伝える意思決定能力

マネージャーには、組織の管理職として多くの人に接し、目標達成に向かってさまざまな分岐点で判断をしていくうえで、決断を迫られる場面が多くあります。

営業マネジメントの役割である戦略策定の際は、合理的な判断のもと意思を固めて伝えられる意思決定能力が必要になります。

例えば、「同じ部署のAさんが言っていたから」「前の担当者がこのやり方だったから」「上司の指示だから」といった、責任の所在を他者にゆだねるような言動は避けなければなりません。

合理的に判断する判断力と、自身の発言や決定事項についての責任をもつ姿勢こそが、意思決定能力となります。

チームにおける意思決定権と責任は、マネジメント担当者にあることに留意し、業務にあたるようにしましょう。
 

5.部下を客観視できる評価能力

営業マネジメントでは、部下を客観視できる評価能力も必要です。部下を評価する際に押さえたいポイントとして、相手の適性の把握が挙げられます。適材適所の言葉にもあるとおり、人は能力に応じて向いている業務が異なります。

部下と仕事内容の相性が良くないと判断した場合は、異動も選択肢の1つに入れなければなりません。客観的な視点で公平に評価するためにも、日々の業務において部下の仕事ぶりをしっかりと観察しましょう。

評価内容を伝える際には、結果だけではなく評価の根拠や改善策を提示し、相手のモチベーションを下げないような配慮も重要です。
 

営業マネジメントを行うときに注意すること

営業マネジメントを行うときに注意すること

営業マネジメントを行うときに注意したいポイントは、シンプルな目標設定です。数字を用いて、誰が見ても到達度が判断できる目標設定を心がけましょう。

営業で成果を出してもらうために、多くの商品を売らせようと考えてはいけません。目標が高すぎると、日々の業務でプレッシャーが大きくなってしまうためです。販売数アップを求める場合は、少しずつ目標値を増やすように意識してください。

部下に指導する際には、インセンティブ(動機づけのための報酬)の与え方に注意が必要です。金銭報酬でモチベーションを向上させると、成果が出ないときに逆効果となる恐れがあります。

やりがいを持たせるために、責任のある仕事を任せるような取り組みを重視しましょう。決して場当たり的な指導をせず、日々分析したデータに基づいたマネジメントが大切です。
 

営業マネジメントにはSFAの活用がおすすめ

営業マネジメントにはSFAの活用がおすすめ

営業マネジメントにおいてマネージャーに求められる役割は幅広いため、すべてを行うのはハードルが高く感じる方もいるでしょう。人手不足からプレーヤーを兼任するマネージャーも多く、マネジメント職の負担軽減は重要な組織課題です。

業務の負担軽減には2つのアプローチが考えられます。

  • 重要度の低い業務を減らす
  • 重要度の高い業務の質を上げる

重要度の低い業務を減らすためには、まずは業務プロセスを見直して不要な業務は廃止し、必要だが重要度の低い業務は簡素化するなどして効率化します。

営業マネージャーの負担軽減を図るためには、チームメンバーが数値データを軸にして意思決定を行う環境構築が重要です。そこで効果的なのが、営業支援のためのツールであるSFAの導入です。

SFAは見込み客の管理や案件ごとの進捗管理、書類作成などの定型作業の自動化を行えるツールです。蓄積したデータをもとに、ニーズにマッチしたアプローチ方法を分析でき、煩雑なノンコア業務の自動化で営業活動に専念できる環境を生み出します。

マネージャーと営業チーム全体の業務効率化を図りたいなら、SFAツールの活用が有効です。

SFAの詳しい内容は、こちらをご覧ください。

【出典】業績目標を達成している企業の7割が『数字で語るマネジメント』を実践。【知的サービス業<数字で語るマネジメント>に関する実態調査】
 

営業マネージャーの負担軽減に役立つSFAツールの紹介

営業マネージャーの負担軽減に役立つSFAツールの紹介

株式会社HubSpotが提供するSFAツールに「Sales Hub」があります。以下のような便利な機能が備わっています。

  • Eメールテンプレート
  • 通話内容の自動記録
  • レポーティング
  • 見積もり作成

こちらのツールの特徴は、無料でリリースしているHubSpotCRM(顧客管理システム)を中心に株式会社HubSpotのサービスと連携できる点です。簡単に複数のサービスと繋げられるため、営業部門のみならずマーケティング部門およびカスタマーサポート部門とスムーズに協力体制をつくれます。

「Sales Hub」を利用する際には、SFAツールに関わる専門知識を押さえる必要はありません。直感的に操作できる点が強みであり、初めて使う方でも簡単に扱えます。「Sales Hub」の費用についてまとめましたので、導入する際の参考にしてください。

(料金表:令和5年7月20日)

プラン

価格(月額)

無料版

0円

STARTER

5,400円

PROFESSIONAL

5万4,000円

ENTERPRISE

14万4,000円

他のおすすめのSFAツールについては、下記の記事で詳しく紹介しています。

 

営業マネジメントは定量・定性の両面で評価する文化づくりから

営業マネジメントでは、数字をもとにした論理的思考や合理的判断によって意思決定を確実に行い、最終的な責任を負う姿勢が大切です。マネージャーの役割や必要なスキルを意識して意思決定し、行動することで、メンバーからの信頼を得られ、全体の士気向上にもつながるでしょう。

また、社員のモチベーションを維持するためには、定量的な評価だけでなく、本人のやる気や顧客からの評判など定性面にも気を配ることもポイントです。

メンバー一人ひとりが、適正に評価されていると感じられる文化づくりから取り組むことで、活気の溢れるチームへ導けるはずです。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

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トピック: SFA

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