近年サブスクリプションモデルあるいはSaaSモデルと言われるビジネスモデルが浸透し、プロダクトの事業性を評価する計算式として「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」の重要性が増しています。

この記事では、これからサブスクリプションサービスの提供に乗り出そうと考えている企業様、あるいはサブスクリプションサービスをすでに展開していても思うように収益性が伸びずに悩んでいる企業様向けに、経営指標としての「LTVの算出・活用方法」と、「LTVの高め方」について解説をしていきます。

LTV(顧客生涯価値)とは?

LTVはLife Time Valueの略で、日本語に訳すと「顧客生涯価値」となります。

顧客生涯価値とは、顧客が企業にもたらす利益が生涯どれほどあるのかを算出したもので、企業にとってその顧客がどれほど貢献してくれるのかの指標です。

LTVが高まると企業は売上・利益が向上するため、企業はLTVを高めることが求められます。LTVを高める一つの方法として、「顧客のロイヤリティを高める」ということが挙げられます。

顧客のロイヤリティとは、企業に対する「愛着心」のことで顧客ロイヤリティを高めるにはカスタマーサクセスやカスタマーサポートの質を高めるなどの方法があります。

LTVが注目され出したのは、多くの企業がサブスクリプションサービスを導入し始めたのが大きなきっかけの1つと言えるでしょう。これまでは、売り切り型のビジネスが一般的でしたが、Adobe社やMicrosoft社をはじめとするデジタルツールを提供している企業が、サブスクリプション型の提供をはじめました。

そのことで、顧客の短期的な売上だけに注目せず、長い期間継続的に利用してもらうことで長期的な売上貢献度を測るようなきっかけになったと考えられます。
 

LTVが重視される理由

LTVが重視される理由はサブスクリプションサービスに関係があるようです。

それぞれの理由を見ていきましょう。
 

サブスクリプションサービスとは

サブスクリプションサービスとは、単なる定額制のサービスではなく「顧客が求めるサービスを継続的に提供し、継続的にその対価を得る」仕組みです。

サブスクリプションサービスを提供するうえで重要なのは、顧客のことを知り、顧客のために何を提供するか、どんな価値を提供するかです。顧客の満足度が高まり、継続的な利用をしてもらうことで、企業も売上・利益を継続的に得ることができます。

LTVの向上を検討するうえでは、顧客の生涯価値を考える前に「顧客に継続的な価値を提供するにはどうしたら良いのか」を考えることも必要です。つまりサブスクリプションサービスは単なる定額の提供手法ではありません。

LTVが重視される背景の一つに、このサブスクリプション型のサービス提供が注目されており、継続的なサービス提供を検討するにあたり、LTVという視点が注目されてきたのでしょう。
 

中長期的な考えが重要と考えられるようになった

先述したサブスクリプションサービスもそうですが、昨今は短期的な売上獲得よりも「継続的に顧客から購入してもらうためにはどのようにするべきか」という視点にもとづき中長期的な戦略を立てる企業が多くみられます。

これまでは、マスプロモーションによってマス、つまり面でのアプローチをすれば、その中から一定の割合でサービスや商品を購入してもらえました。一方現代は、一人一人の顧客のニーズもバラバラで、マスプロモーションでは思うような成果を出せないことがあります。

その中で、デジタルマーケティングのような一人一人に向けたアプローチをすることの重要性が理解されてきました。

検討フェーズの顧客だけではなく、認知フェーズの顧客へのアプローチから入る「コンテンツマーケティング」など、中長期的な戦略が立てられるようになったのも、LTVが注目されている背景の一つと言えるでしょう。
 

「LTV」が重要視される背景

なぜLTVが重要なのかを知りましょう

LTVが重要視される背景には、以下3点の理由があります。

  1. 1:5の法則(英語)」でも言われている通り、既存顧客をカスタマーサクセスに導くことが、新規顧客開拓を行うことよりも効率的な収益拡大に結び付けられるため
  2. 広告費など、事業やプロダクトに対する適正な投資額を決定するため
  3. 投資家へ提示する事業計画書にLTVは欠かせない要素となっているため
     

「新規」と「リピーター」を獲得するコスト

新規顧客とリピーターの獲得では、それぞれのコストが異なります。一般的に新規顧客の開拓は、既存顧客よりも獲得するためのコストが大きくなり、ピーターを獲得する方が低コストになる傾向があります。
 

新規よりもリピーター獲得に関するコストの方が安価

「新規顧客の獲得」と「既存顧客を呼び戻す・購入してもらうなどの活動」にかかるコストを比較した場合、既存顧客に対するコストの方が新規顧客にかかるコストよりも1/5程度抑えられると言われています。

既存顧客は、すでに繋がりや関係性があるため、もう一度購入してもらうことや、再度足を運んでもらうのにハードルが低いです。

一方、新規顧客とは関係性を築けておらず、これまでの取引もないため、顧客との信頼関係を構築するところから始めなければなりません。

そのため、リピーターを獲得する方が、新規顧客の獲得よりもコストが安価になると言えるのです。
 

既存顧客に目を向けるにはLTVの考えが重要

既存顧客にも適切なアプローチが必要です。リピーターを獲得するためには、再度購入・利用してもらうための施策が重要で、単発的な新規獲得の戦略では継続的な購入にはつながりにくいです。

短期的な売上や、単発の購入など目先の売上に捉われてしまうと、顧客との関係性の持続や、顧客との信頼関係の構築に目が行かず、顧客に無理やり商品を売り付けたり、質の悪いサービスを提供してしまうことになりかねません。

LTVを意識することで、既存顧客にリピーターになってもらうことを意識することで、顧客との関係性や、顧客へのサービス、サポートも充実させるという考えになるでしょう。

LTVの最大化を目的とするカスタマーサクセスの定義やカスタマーサポートとの違いについてはこちらの記事をご参照ください。

カスタマーサクセスとは?定義やカスタマーサポートとの違いを解説
 

ケーススタディ1.「音楽ストリーミングサービス」の仮想事例

  • ARPU(ユーザー平均月次単価):1,000円
  • CAC(顧客獲得費用):5,000円

LTVは1顧客から得られる生涯利益を計算するものです。では、LTVと言う長期視点を持たず、上記のような単月の収益性だけを見て事業を推進すると、どのような問題が発生するでしょうか。

上記に並べたのは「ユーザー1名における平均月次単価」と「ユーザー1名を獲得するために必要となる広告費等のコスト」を表す数字です(各数字の詳しい解説は次章以降に触れてまいります)。

上記の数字だけを見ると、プロダクトは完全な赤字ですね。であれば、プロダクトは「No Go」と言う判断となってしまうでしょう。

ここに、「顧客”生涯”価値」の観点を加えると、事業性の評価結果も、用意できる打ち手も大きく変わってきます。

では次に、基本的なLTVの算出方法をおさらいしてみましょう。
 

LTVの算出方法

LTVの計算にはユーザー平均月次単価と粗利率、解約率が必要です

LTVの具体的な算出方法は以下の通りです。

  • LTV = ARPU(ユーザー平均月次単価) × 粗利率 ÷ Net Revenue Churn Rate(解約率)

それでは上記の計算方法で、先ほどの音楽ストリーミングサービスの事業性を評価してみましょう。
 

ケーススタディ2.「音楽ストリーミングサービス」の仮想事例

  • ARPU(ユーザー平均月次単価):1,000円
  • 粗利率:80%
  • Net Revenue Churn Rate(解約率):3%
  • CAC(顧客獲得費用=ここでは「広告投資費用」とします):5,000円
  • LTV(1,000 × 0.8 ÷ 0.03 = 26,666円) > CAC(5,000円)

上記の計算式から、LTVがCACの5倍を超えていると言う事実が判明いたします。つまり、広告投資に対して、1ユーザーあたり5倍以上の利益が得られると言うことです。

広告投資費用の回収期間も7か月に収まることが分かり、このプロダクトの収益性は充分であると言えます。結果として、プロダクトは継続して「GO」の判断となり、広告費に対しても「より多くの予算を投下していこう」と言う判断になるわけです。

別のケースを見ていきましょう。
 

ケーススタディ3.「HubSpot」の実例

「HubSpot」の実例

HubSpotでも、LTVをプロダクトの事業性評価指標として活用しています。上記はHubSpotのプロダクトに関するLTVの推移を表した実際の数値になります。

LTVと言う長期目線で戦略を設計し、「サービスプランの拡充」「カスタマーサクセス/カスタマーサポートへの大幅な投資」を行ったことで、LTVは約3倍まで向上しました。短期的に月次の売上ばかりを追っていたら、上記のような投資判断を行うことはなく、事業はスケールダウンしていたことと思います。

さらに仮想スマホアプリのケーススタディを通じて、LTVの重要性について考えていきましょう。
 

ケーススタディ4.「スマホアプリ」の仮想事例

  • ARPU(ユーザー平均単価):300円
  • 粗利率:70%
  • Net Revenue Churn Rate(解約率):5%
  • LTV算出:300 × 0.7 ÷ 0.05 = 4,200(円)

つまり、LTVは4,200円となります。(注:アプリビジネスでは解約率ではなく継続率(1-解約率)を使うのが一般的です。)

1社の顧客を獲得することで、得られる単月の売上はわずか300円です。それだけしか情報がない環境であったとするならば、どこまでこのスマホアプリに広告投資ができるでしょうか。

しかし、1社の顧客を獲得することで4,200円の粗利益が稼げると分かっているのならば、広告投資の予算は、大きく変わってくるのではないでしょうか。

では次に、LTVから適正な広告投資額を決定するためにLTVとともに活用できる指標である「CAC」について解説をしていきます。
 

「CAC」とは?

「CAC」とは、「Customer Acquisition Cost」の略語であり、日本語では「顧客獲得費用」と呼ばれます。

具体的には、顧客1社を獲得するために必要となるマーケティングや営業コストのことを指します。もし、このCACがLTVを上回るならば、当該事業の存続は非常に厳しいと言えるでしょう。
 

「Organic CAC」「Paid CAC」「Blended CAC」とは?

CACの計算方法に関する解説に入る前に、CACは大きく以下の3種類に分類できることを押さえておくと良いでしょう。

  • Organic CAC:自然増の顧客獲得コストを表します。例えば、紹介やクチコミ、検索からの流入は、こちらに分類されます。
  • Paid CAC:リスティング広告をはじめ、お金を支払って獲得した顧客コストを表します。
  • Blended CAC:上記2つを混ぜた顧客コストを表します。

上記を踏まえて、CACの具体的な算出方法を見ていきましょう。

  • CAC = 顧客獲得コスト ÷ 顧客数

CACを算出する上で重要なのは、一般的にLTVがCACの3倍以上であれば、事業の収益性が期待できるとされている点です。また、CACの回収期間は12か月以内が望ましいと考えられています。
 

ケーススタディ5.「事業に対する投資判断」の仮想事例

試しに、仮に以下A・B2種類の事業のいずれかに投資をしようと考えた時、あなたはどちらの事業に対して投資を行うか考えてみてください。

【事業A】

  • ARPU(ユーザー平均月次単価):1,000円
  • 粗利率:70%
  • Net Revenue Churn Rate(解約率):5%
  • CAC:8,000円

【事業B】

  • ARPU(ユーザー平均月次単価):500円
  • 粗利率:80%
  • Net Revenue Churn Rate(解約率):2%
  • CAC:3,000円

あなたは、どちらが投資案件として有力だと考えますか?

正解は「事業B」であり、それぞれの数値を求める計算式は以下の通りです。

【事業AのLTV/CACおよびCAC回収期間】

  • LTV = 1000 × 0.7 ÷ 0.05 = 14,000円
  • LTV/CAC = 14,000 ÷ 8,000 = 1,75
  • CAC回収期間 = 12か月

【事業BのLTV/CACおよびCAC回収期間】

  • LTV = 500 × 0.8 ÷ 0.02 = 20,000円
  • LTV/CAC = 20,000 ÷ 3,000 = 6,66
  • CAC回収期間 = 8か月

これは「ユニットエコノミクス(unit economics)」と呼ばれ、シリーズAにおける投資の判断基準として多用されている数値です。

投資家への事業説明で、この点を明快に説明できなければ投資を得ることは難しいのが現状です。もし、事業に対する出資の受け入れを検討しているのならば、「LTVがCACの3倍以上」「CACの回収期間は12か月以内が望ましい」という2点は、必ず念頭においておきましょう。
 

「MRR」「Churn Rate」とは?

MRRは月間経常収益、Churn Rate(チャーンレート)は解約率です

続いて「MRR」と「Churn Rate」について、簡単におさらいしておきましょう。
 

「MRR」

「MRR」とは「Monthly Recurring Revenue」の略で、月間経常収益のことを指します。

クラウドサービスなど契約ベースのビジネスで使用される言葉です。

具体的には、当月より新規に課金したユーザー、金額の高いプランへ転換したユーザー、金額の低いプランに転換したユーザー、解約ユーザーなど、全ての課金ユーザーから得られる収益を合算した金額を表します。
 

「Churn Rate」

「Churn Rate」は「解約率」を意味し、全ユーザー数に対する解約ユーザー数の割合を表します。
 

LTVを最大化する方法

LTVを高めるポイントを知っておきましょう

ここまでご覧いただいてLTVの重要性はご理解いただけたことと思います。

それではLTVを高めるために、どのような施策が考えられるでしょうか。

先に挙げたとおり、LTVを構成する要素は大きく以下の3点です。

  1. ARPU(ユーザー平均月次単価)
  2. 粗利率
  3. Churn Rate(解約率)

②の粗利率はマーケティング部門が介入する可能性の低い要素なので②は除き、①と③に対する施策の方向性を挙げていきます。

【①ARPU(ユーザー平均月次単価)を向上する施策例】

  • そもそもの価格設定を見直す
  • サービスプランを充実させ、既存顧客へのアップセル/クロスセルをはかる

【③Churn Rate(解約率)を低減させる施策例】

  • 解約理由となるサービスの要素を、1つ1つ潰していく
  • 解約になりやすいタイミングで何らかのインセンティブを提供する

いずれも、早急に実行すべき施策ですが、実はこれらのことを考える前にやるべきことがあります。

それは顧客のロイヤリティを高めることです。小手先で上記の例に挙げたような施策を打っても大きな効果は期待できません。基盤となる顧客ロイヤリティが高まってこそ、効果を発揮する施策なのです。

最近、カスタマーサクセスの部隊を構築する企業も増えていますが、消費の流れが変わり、提供する商品が物からサービスへと変わったこと(SaaS:Software as a Service)によって、「売って終わり」の時代は終焉を迎え、「売ってからが始まり」の時代へと突入しました。

つまり、LTVを高める上で何より重要なのは、顧客ロイヤリティとなったのです。

そして、顧客のロイヤリティが高まった段階で、「アップセル/クロスセル」を行うことが、LTVを向上する活動では重要となります。

顧客ロイヤリティの高め方は、こちらの記事にて詳細を解説していますので、ぜひ、ご参照ください。

顧客ロイヤリティとは?5分でわかる総論と具体的な改善手順まとめ

そして、顧客ロイヤリティを高める施策を行った次の段階で、「アップセル」や「クロスセル」の実現に向け、以下3ステップの活動を行うと良いでしょう。

アップセル・クロスセルの解説やLTV最大化を実現するための手法と事例についてはこちらの記事をご参照ください。

アップセル・クロスセルとは?LTV最大化を実現するための手法と事例
 

ステップ1.顧客ロイヤリティを把握する

顧客ロイヤリティを把握する上では、「NPS:Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」が有効です。「NPS」の具体的な手法については、「こちらの記事」をご参照ください。

また、コミュニティマーケティング成功の秘訣や高いロイヤルティを生み出すコミュニティ戦略についてはこちらの記事をご参照ください。

コミュニティマーケティング成功の秘訣:高いロイヤルティを生み出すコミュニティ戦略
 

ステップ2.ロイヤリティごとに顧客を以下の3つのセグメントに分類する

  • ロイヤリティ高
  • ロイヤリティ中
  • ロイヤリティ低
     

ステップ3.セグメント別にアプローチの手法を検討する

ロイヤリティ高の顧客に対して手厚いアプローチをし、更なる関係性の向上と情報の提供を行い、アップセル/クロスセルにつなげます。

各セグメントに対するアプローチ方法の大枠は以下の通りとなります。

ロイヤリティの高さ 対応指針 アプローチの方向性
ハイタッチ 専任担当をつけた手厚い対応
ロータッチ 複数担当者による対応
テックタッチ 人手を介さないテクノロジーによる対応

続いて、HubSpotで実践しているセグメント別の具体的なアプローチ手法をご紹介いたします。

ロイヤリティの高さ 対応指針 HUBSPOTの具体的なアプローチ方法
ハイタッチ カスタマーサクセス担当が専任でつき、顧客の目標を達成するために伴走する。
ロータッチ カスタマーサポートやカスタマーサクセスチームが存在し、複数人で助けが必要な顧客の課題を迅速に解決する。
テックタッチ ヘルプページ、アカデミー、録画ウェビナー、オンラインユーザーコミュニティ等を介した対応を行う。

「アップセル」「クロスセル」の実現に効果的な組織体制は上記の通りです。

また、「アップセル」や「クロスセル」の実現には、顧客のライフタイムに応じた施策の立案が必要となります。

ここでは一例を挙げていきます。
 

①顧客のライフタイム = サービス導入期のフェーズ

  • プロダクトのスタートアップガイド
  • プロダクトの操作方法の説明
     

②顧客のライフタイム = サービスを使い始めてからのフェーズ

  • プロダクトの使用方法を体系的に学べるコンテンツ
  • プロダクトの使用において間違いやすいポイントを整理したコンテンツ
  • 他ユーザーのプロダクト使用事例
  • 上記に関する勉強会の開催
     

③顧客のライフタイム = 基本的な使用方法は押さえ、成果創出に向かうフェーズ

  • 成功に向けたノウハウの共有
  • 他ユーザーのプロダクトを使用した成功事例の共有
  • ユーザーミーティング

これらの手法を顧客セグメントに応じて、デジタルとリアルの両面で展開していくことが、「アップセル/クロスセル」につながる種まきとなるのです。

HubSpotのカスタマーサービス組織が、どのようなフレームワークで顧客の成功を支援しているのか、下記の記事でまとめておりますので、ご参考ください。

HubSpotのカスタマーサービス チームがプロフィットセンターになるまでの軌跡とすぐに実践できるヒント
 

その他LTV関連の言葉の意味

次に、LTVに関連する言葉の意味についてそれぞれ見ていきましょう。
 

平均顧客単価

LTVを計算するには、平均顧客単価が必要となります。

平均顧客単価の考え方は企業ごとに異なり、1か月ごとの平均単価として考える場合もあれば、購入数で考える場合もあります。

サブスクリプションサービスや、定期購入をする商品販売をしている場合には、月ごとの平均単価を計算すると良いでしょう。
 

新規顧客獲得コスト

新規顧客獲得コストとは、その名の通り新規顧客を獲得するまでにかかったコストのことです。例えばWeb広告にかかる費用や、集客活動にかかった人件費、サイト制作費などが挙げられます。
 

既存顧客維持コスト

既存顧客維持コストは、既存の顧客を継続させるためのコストを指します。例えば、サービス提供を続けるために3か月に一度勉強会を実施するなどのコストや、カウンセリングをするための人件費、何かの得点を付けるためのコストなどさまざまです。

新規顧客を獲得するのは既存顧客を継続させるより困難とよく言われますが、既存顧客を継続させるためにもそれなりのコストが掛かり、それが既存顧客維持コストとなります。
 

購入頻度

購入頻度とは、購入してくれる回数を指します。

例えば、定期購入をしてもらうサービスであれば、月に1度の購入となるため、年で考えると12回、例えば10年続けてくれるということであれば120回の購入となります。
 

顧客維持率

顧客維持率は、CCR(Customer Retention Rate)とも呼ばれる指標で、顧客の契約をどれくらい継続して維持できるかを率に表したものです。

新規顧客の獲得は、既存顧客を継続させるより5倍の労力がかかるとよく言われ、既存顧客を継続させる方が新規獲得よりも楽というのが通説です。

そのため、顧客維持率が低い場合には、新規顧客を追うよりも、既存の顧客に目を向けた方がビジネスを成功させる近道になると言えるでしょう。

顧客維持率の計算方法は以下の通りです。

顧客維持率(%) = (顧客数(期間終了時) - 新規顧客数) / 顧客数(期間開始時)
 

収益率

収益率とは、販売する商品やサービスの収益率を表します。

一つの商品が販売できたことで、企業にとってどれだけの収益が得られるのかを率で表したもので、10,000円のサービスや商品を販売したとき、収益率が50%であれば収益は5,000円となります。

販売した売値がそのまま収益になるという構造は無いはずなので、LTVを計算する上では、販売した商品やサービスがどれだけの収益率を持っているか、それぞれ理解しておくことが必要です。
 

LTV向上の鍵はメトリクスの「因数分解」

「サブスクリプションサービスを展開すると経営基盤が安定する」とよく言われていますが、実際はサブスクリプションサービスそのものの安定性が高いのではなく、「Webを介したサブスクリプションサービスを行うことでメトリクスが得やすくなり、メトリクスに基づいたデータドリブンな経営が可能となるため、収益の安定化につながる」と言えるのではないか、と筆者は考えています。

サブスクリプションサービスをこれから展開しようとお考えの企業様、サブスクリプションサービスの収益性をさらに高めていこうとお考えの企業様に、まずは本記事で触れたメトリクスを徹底的に収集・分析していくことを、強くおすすめいたします。

HubSpotではこの他にもマーケティングやセールスに役立つ資料を無料で公開していますので、ぜひこちらからご覧ください。

 

SaaS事業を成長させるためのKPIテンプレート

元記事発行日: 2019年9月20日、最終更新日: 2022年1月12日

トピック::

カスタマーサクセス