Webマーケティングとは、Web(インターネット)上にユーザーとの接点を作り、商品・サービスの売上や認知度を上げる活動のことです。中小企業もWebマーケティングに取り組むことで、認知拡大や顧客との関係構築ができ、結果的に売上の向上が期待できます。
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一方で、Webマーケティングの導入を検討している担当者のなかには、予算が限られていても本当に取り組めるのか、何から始めれば良いのかわからない、失敗したくないと考える方もいるのではないでしょうか。
本記事では、中小企業向けのWebマーケティングについて解説します。取り組むメリットや成果につなげるポイント、おすすめの5つの施策、注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
中小企業もWebマーケティングに取り組むべき?
結論からいうと、中小企業はWebマーケティングに取り組むことでさまざまな成果を得られます。
Webを活用して幅広い層にアプローチできるWebマーケティングは、マス広告やチラシの配布、ダイレクトメールといったオフライン施策に比べて、低コストでも取り組みやすく、インハウスでも実施可能です。
また、予算やリソースが限られている中小企業でも着手しやすい施策がいくつもある点、成果がデータとして表れるため効果を可視化しやすく解析や改善を行ってPDCAサイクルを回せる点からも、中小企業はWebマーケティングに取り組むべきといえるでしょう。
中小企業でWebマーケティングを行うメリット
中小企業がWebマーケティングを行うメリットは、次の4つです。
- 場所や時間を問わずに見込み客に情報を提供できる
- 低コストで施策をスタートしやすい
- ターゲットを絞ったアプローチができる
- 分析や改善が容易で成果を可視化しやすい
場所や時間を問わずに見込み客に情報を提供できる
Webマーケティングは、オンライン上で見込み客との接点を創出でき、効率良く情報を届けられるのが特長です。パソコンやスマートフォンなどの端末を通して、場所や時間を問わずに見込み客に情報提供ができるからです。
例えば、自社商品やサービスをアピールしたい場合に、ポスティングやテレアポ、対面営業といったオフライン施策では、見込み客も自社の担当者もともに場所や時間が制限されます。一方で、Webサイトやオウンドメディアの更新、SNS投稿、メール送信などのオンライン施策であれば、場所や時間を問わずに見込み客に情報を届けられます。
低コストで施策をスタートしやすい
Webマーケティングは、テレビや雑誌などの広告掲載に比べると低コストで、施策を始めやすく、幅広い層にリーチできるのも、中小企業にとってのメリットです。
例えば、Instagram広告を運用する場合、最低出稿金額が1日100円に設定されています。そのため、まずは1日1,000円、月間3万円からのスモールスタートで広告運用を始めることも可能です。
また、人件費や広告費など、予算にあわせて施策を柔軟に調整できるのも利点といえるでしょう。
ターゲットを絞ったアプローチができる
Webマーケティングでは、見込み客の属性や行動、興味関心をデータ分析し、ターゲットを絞ったアプローチができます。
結果として、多様化する購買行動やニーズに対応し、見込み客や顧客ごとにパーソナライズしたアプローチが可能になります。マーケティングの効率を高め、コストを下げるという点からもメリットといえるでしょう。
例えば、メルマガ配信において、読者を年齢や性別、興味関心に分けたセグメントメールを配信すれば、よりニーズの高い情報を提供でき、満足度の向上や関係性の構築にもつながります。また、Web広告の運用においても、ターゲットの居住地や年齢などでセグメント分けをすれば、反応率の向上が期待できます。
分析や改善が容易で成果を可視化しやすい
Webマーケティングは、施策の成果をデータとして把握できるため、分析や改善を容易に行えます。また、成果を可視化できるのもメリットです。
例えば、Webサイトを運用する場合は、サイト分析ツールを導入すると、WebサイトのPV数や流入経路などを計測できます。また、メール配信ツールを導入すれば、メルマガの開封率やクリック数などを容易に把握できます。
ツールを導入すればデータを自動で集計、分析でき、顧客ニーズや行動パターンを効率的に把握できるようになるでしょう。
分析結果を活用すれば、施策における課題が明らかになります。さらに改善施策を立てて運用をすれば、その後の効果検証もデータで把握できるので、PDCAサイクルが回しやすくなるでしょう。
中小企業におけるWebマーケティング取り組みのポイント
中小企業におけるWebマーケティング取り組みのポイントを4つ解説します。
- 自社の強みやリソースを把握しておく
- KPIを明確にする
- 解析と改善を繰り返す
- コンサルやITツールの導入も検討する
自社の強みやリソースを把握しておく
中小企業のWebマーケティングでは、自社の強みを理解することが大切です。中小企業は大手と比較すると、予算や時間、人材が限られるため、自社の強みを把握することで差異化を図ることが可能です。
中小企業における強みを明確にするには、3C分析(市場・競合・自社)で環境分析を行い、4C分析(顧客価値、顧客コスト、利便性、コミュニケーション)で顧客視点に基づく分析をするのがおすすめです。
また、Webマーケティング戦略の策定には、STP分析(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を活用して、市場における自社の強みや位置づけを明確にし、施策に落とし込むと良いでしょう。
KPIを明確にする
Webマーケティングに取り組む際は、KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIとは、事業の目標を達成するまでの各プロセスにおける、達成度合いを定量的に測る指標です。
KPIを設定せずに施策を実行すると、その施策の実効性を正しく測定できません。中小企業に限らず、予算や時間、人材が限られているなかで効率良くプロセスを経るには、KPIを設定して達成度合いを把握するのが賢明です。
例えば、Webサイトのコンバージョン率が1%の場合に、月間の問い合わせ数を20件増やしたいのであれば、WebサイトのPV数を2,000とするKPIを設定します。
解析と改善を繰り返す
Webマーケティングは、施策実施に対する解析と改善を繰り返すことが大切です。先述したようにKPIを設定したうえで、達成できた場合は成功要因を特定するとともに、達成できなかった場合は原因を分析し、改善施策を実行しましょう。
また、効果のない施策は停止し、より高い効果が見込める施策に注力することで、より早期の効果が期待できます。ただし、施策によってはすぐに効果が出るわけではないため、中長期的な計画を立て、必ず効果検証の期間を設けましょう。
コンサルやITツールの導入も検討する
中小企業におけるWebマーケティングでは、コンサルやITツールを導入するのもおすすめです。Webマーケティングには、知識やスキルが必要とされる施策が多いので、自社の担当者にスキルを習得してもらうよりも、知見を有する専門家に依頼する方が、早期に成果が出やすいからです。
また、精度の高い情報を収集、分析する場合には、有料ツールが必須であったり、CRMやMAなど、データ解析や業務効率化に役立つ有料のITツールを導入したりする方が良いケースがあります。コンサルやITツールを導入する際は、自社が達成したい目的を明確にし、予算にあわせてリサーチすると良いでしょう。
なお、ITツールは有料ツールが多いなか、HubSpotのCRMやMAは無料で使い始めることが可能です。予算をおさえてマーケティング施策に取り組みたい中小企業におすすめです。
中小企業におすすめのWebマーケティング施策4選
中小企業におすすめのWebマーケティング施策は、次の4つです。
- SEO
- Web広告
- LPの作成・LPO
- メールマーケティング
SEO
SEOとは、「検索エンジン最適化」の略称で、Google などで検索した際の結果ページに、特定のコンテンツを上位表示させる施策のことです。対策するキーワードによっては、購買意欲の高いユーザーを呼び込めます。
また、ニーズが顕在化していない潜在的なユーザーからのアクセスも見込めます。メディアに情報を蓄積していくと資産となり、中長期的に利益を生み出してくれます。
Web広告
Web広告は、特定のWebサイトやアプリケーションなどに広告を掲載する手法です。リスティング広告やアフィリエイト広告、アドネットワーク広告など、自社にあった運用方法が選べます。
また、Web広告はターゲットを絞ることが可能で、関連性の高い検索からも流入が見込めます。テレビや新聞などのマス広告と比較しても、広告費を安く抑えることができるメリットもあります。
また、Web広告運用の効果はデータとして定量的に判断できるため、スピーディーに分析と改善を行える点も中小企業におすすめできる理由です。
LPの作成・LPO
LP(ランディングページ)とは、商品やサービスの魅力を掲載し、購入や問い合わせなどのアクションを促すためのWebページです。一般に、リスティング広告や、SNS広告などの受け皿として使われます。
LP制作に関する高度な知識を持っていなくても、簡易的なLPであれば無料ツールで作成可能です。HubSpotでも無料ツールを提供しているので、ぜひご活用ください。
無料のランディングページ作成ツールで誰でも簡単にLP作成 | HubSpot(ハブスポット)
また、LPOとは、LPをユーザーにあわせて最適化し、成約率を上げるための手法です。ファーストビューの最適化やCTAボタンのA/Bテスト、フォーム改善(EFO)などの方法があります。
大がかりなWebサイトを用意しなくとも、LPを制作し、LPOを行うことで中小企業も効果的にWebマーケティングを実施できるでしょう。
メールマーケティング
メールマーケティングは、主にメルマガやステップメールなど、メール配信を活用する手法です。低コストでも取り組みやすく、顧客の属性や状況に応じてコンテンツをセグメント配信することで、最適な訴求ができます。
また、定期的にメールを配信することで、接触回数の増加によるエンゲージメントの向上や、信頼関係の構築によるファン化も期待できます。
中小企業でWebマーケティングを実施する際の注意点
中小企業で、Webマーケティングを実施する際の注意点を2つ解説します。
- 中長期的目線で取り組む
- コンサルや運用代行などに丸投げしない
中長期目線で取り組む
Webマーケティングは、短期的な効果にフォーカスせず、中長期的な目線で取り組むことが大切です。なぜなら、施策は中長期的に見込み客との関係構築をしていくものであり、成果が得られるまでに時間がかかるのが一般的だからです。
例えば、SEOでは成果が出るまでに数か月?1年の時間がかかります。また、メールマーケティングにおいても初回で反応してくれるケースは少なく、複数回にわたり価値のある情報を届けて関係を構築することで信頼されるようになり、反応も期待できます。
すぐに成果が出ないからといって、施策をストップしないよう注意しましょう。成果の基準やロードマップについて、社内や経営層と共有して合意形成しておくことも重要です。
ただし、中小企業は目先の成果を求められやすい傾向にあります。中長期的な施策と並行してWeb広告で購買意欲の高い見込み客にアプローチするなど、うまく予算を配分しながら、施策を組み合わせることも大切です。
コンサルや運用代行などに丸投げしない
中小企業におけるWebマーケティングで注意したいのは、コンサルや運用代行などに丸投げしないことです。確かに、コンサルや運用代行は知見を有する専門家ですが、社内と連携して初めて、自社にとって効果的な施策を実施できるからです。
例えば、すべてを任せてしまうと、自社の強みや魅力が反映されなかったり、経営理念やブランドイメージとのズレが発生したりする可能性があります。その結果、効果がない施策により費用や時間が無駄になることが考えられます。
外部に委託する場合は、自社の担当者も運用に関わり連携して取り組むことが大切です。自社の担当者が関わることでスキルアップできるだけでなく、社内にもWebマーケティングのノウハウを蓄積できるでしょう。
Webマーケティングは中小企業にとっても利点の大きい施策
Webマーケティングは、チラシ配りや飛び込み営業とは異なり、時間や場所を問わず見込み客に情報を提供でき、オフラインでは届けられない範囲にリーチできるマーケティング施策です。
中小企業にとっても、SEOやWeb広告、LP、メールマーケティングなど取り組みやすい施策があります。これらの施策は低コストでも始めやすく、顧客との関係構築や認知拡大、売上の向上が期待できます。本記事を参考に、Webマーケティングに取り組んでみてください。