Webマーケティングには多様な種類がありそれぞれ特性が異なります。Webマーケティングを成果につなげるには、ターゲットにあわせて手法を使い分けることが効果的です。
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本記事では、SEOやWeb広告、メール、SNSの他、ウェビナーやWeb接客など14のWebマーケティング手法を目的別に図解を交えて解説します。また、ターゲットにあわせた適切な手法の選び方についてもご紹介しますので、参考にしてください。
Webマーケティングの主な手法
Webマーケティングは、Webサイトへの訪問者の増加や商品やサービスの販売促進、ブランド構築を目的に行うマーケティング活動のことです。デジタルマーケティングの一部であり、見込み客とのWeb条の接点を担うマーケティング活動を指します。
具体的には、次の種類に分けられます。
- SEO(検索エンジン最適化)
- Web広告(リスティング広告、アフィリエイト広告、アドネットワーク広告、純広告、リターゲティング広告など)
- メール
- SNS(運用・広告)
- ウェビナー
- Web接客
Webマーケティングやデジタルマーケティングの概要については、次の記事で詳しく解説しています。
【目的別】Webマーケティングの種類
ここでは、Webマーケティングの種類について、目的別に4つのカテゴリに分類して解説します。
目的1. 【無関心層向け】認知度を高めたい
- 純広告
- SNS運用
- インフルエンサー起用
目的2. 【潜在層向け】商品・サービスの理解を促進したい
- SEO(検索エンジン最適化)
- アドネットワーク広告
- SNS広告
- アフィリエイト広告
- ウェビナー
- YouTube運用
目的3. 【顕在層向け】商品・サービスの購入につなげたい
- リスティング広告
- リターゲティング広告
- Web接客
目的4. 【既存顧客向け】リピーターを増やしたい
- メールマーケティング
- LINEマーケティング
目的1. 【無関心層向け】認知度を高めたい
Webマーケティングにおける目的の一つに、無関心層向けの認知度向上が挙げられます。自社の商品やサービス、ブランドや提供内容を知ってもらう施策を実施します。
1. 純広告
純広告は、特定のWebサイトやアプリの広告枠を購入して、広告を掲載する手法です。
主な広告形式には、バナー広告、記事広告、動画広告、テキスト広告、メール広告があります。この手法では、広告の閲覧やクリックを通じて認知度を向上させます。ターゲット属性に近いユーザーを持つ媒体を選ぶことで、潜在層に効果的にリーチ可能です。
広告にかかる費用は他の手法と比較して高めですが、固定価格での出稿ができるため予算管理がしやすく、費用対効果を計画的に見積もることができます。
また、「予約型広告」としても知られており、長期にわたるブランド認知度の向上に有効です。
2. SNS運用
SNS運用は、商品やサービスをSNS上で広めたり、ファンを増やしたりするWebマーケティング手法です。企業や商品に対するポジティブなイメージの構築を目的に実施されることが多くあります。
主要なSNSプラットフォームは、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LinkedIn、TikTokなどです。定期的な情報発信により、アカウント名(会社名、商品名など)の認知度向上が図れます。また、フォロワー数の増加とともにインプレッション数が増えるため、長期的に運用すればより多くの人にリーチできます。
効果的に運用するためには、単に投稿を続けるだけでなく、競合分析やトレンドの把握、コメントへの返信も重要です。ただし、SNS運用には炎上のリスクがともなうので、ブランドイメージを損ねるような不適切な投稿は避けるなどの注意が必要です。
3. インフルエンサー起用
インフルエンサー起用は、商品やサービスをインフルエンサーに紹介してもらう手法です。企業がインフルエンサーにSNSやブログでの広告投稿を依頼し、フォロワーがその投稿を閲覧・視聴することで認知度を向上させ、購買行動やファン化を促進します。
主なインフルエンサーの種類には、Instagramer(インスタグラマー)、TikToker(ティックトッカー)、YouTuber(ユーチューバー)、ブロガーなどがあります。
インフルエンサーはフォロワー数によって次のように分類されます。
- メガインフルエンサー フォロワー数が50万人以上
- ミドルインフルエンサー フォロワー数が10万人から50万人程度
- マイクロインフルエンサー フォロワー数が1万人から10万人程度
- ナノインフルエンサー フォロワー数が数千人から1万人程度
ターゲットの興味を引く面白い投稿は拡散されて大きな認知度を獲得できる可能性があり、短期間での見込み客の創出が期待できます。
また、インフルエンサーはユーザーに身近な存在であるため、発信が受け入れやすいのも特長です。広告感が薄まるので共感を得やすくなります。
目的2. 【潜在層向け】商品・サービスの購入につなげたい
Webマーケティングでは、潜在顧客にアプローチして、商品やサービスの購入を促す手法もあります。
4. SEO(検索エンジン最適化)
SEOは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、Google などの検索エンジンで自社Webサイトの上位表示を目指す手法です。
主な施策には、SEO記事の追加・リライト、内部リンクの最適化、外部リンクの獲得・クロール最適化があります。上位表示に成功すれば、継続的なコンバージョンが期待できます。
SEO記事の制作を内製化すれば、ほとんどコストがかかりません。ただし、記事が検索エンジンに評価されるまでに時間がかかる場合があり、即効性は期待できない点に留意が必要です。
なお、SEO記事は、主に潜在層向けに作成されますが、コンテンツによっては顕在層にも向けて作成されるケースも少なくありません。
5. アドネットワーク広告
アドネットワーク広告は、複数のWeb広告媒体に一括して広告を掲載する手法です。効果が期待できる媒体や属性に広告が表示されるため、効率的に多くのユーザーにアプローチできます。
先述した純広告では、複数のメディアとの個別契約が必要で、それぞれ料金体系や入稿形式が異なるため、出稿の手間がかかります。一方、アドネットワーク広告は、広告出稿を一括でき効率化が図れる点がメリットです。
6. SNS広告
SNS広告は、FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、LINE、TikTokなどのSNSプラットフォームに配信される広告です。
SNS広告は、主に次のか所に表示されます。
- タイムライン
- ストーリーズ
- おすすめユーザー欄
また、次のような形式で出稿可能です。
- テキスト+バナー
- 動画
- カルーセル(複数の画像や動画の組み合わせ)
SNS広告は運用型広告であり、日予算やターゲット、クリエイティブ、配信フォーマットを改善しながら効果を最大化させることができます。細かいターゲット設定が可能なため、特定のターゲット層へのアプローチを容易に行え、BtoB企業でも運用しやすいのが特長です。
SNS広告の仕組みやメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
7. アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、個人ブログを含む外部サイトやメールマガジン、SNSなどに広告を掲載するWebマーケティング手法です。広告主(クライアント)、ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)、メディア(アフィリエイター)、ユーザーがそれぞれ役割を担います。
広告主はASPに仲介を依頼し、ASPに登録しているメディアが広告掲載を行います。具体的には、WebサイトやSNSで広告主の商品やサービスを紹介し、広告を通じて販売サイトへ誘導します。一般的に、広告を経由してWebサイト訪問や商品購入が行われたなどの成果に基づいて広告費を支払うため、金銭的リスクが低いのが特徴です。
報酬方式は、成果報酬型、クリック報酬型、インプレッション型に分類されます。
なお、個人がサイトを運用するケースでは、知識不足のアフィリエイターが作成したコンテンツによって誇大広告となり、ブランドイメージを低下させる可能性があるので留意が必要です。
8. ウェビナー
ウェビナーは、Web上でセミナーを開催して商品やサービスを紹介する手法です。一般的に、ZoomやGoogle Meetなどのオンラインミーティング用アプリケーションを活用して実施されます。
集客は、広告やメールマガジン、LINE公式アカウントなどから行います。内容を充実させることで商談や成約へつなげやすく、特に、BtoB商材や高価格帯の商品、サービスに適した手法です。
ウェビナーではユーザーとコミュニケーションを容易に取れ、商品やサービスの利点を直接見込み客に伝えることができます。ただし、ウェビナーを成功させるためには、知識や経験が豊富な講演者が必要となる点に注意が必要です。
ウェビナーの基礎や開催方法について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
9. YouTube運用
YouTube運用は、YouTubeチャンネルを活用して、ファン化した見込み客に対して商材を宣伝するWebマーケティング手法です。ターゲットが興味や関心を持つ内容の動画を制作し、自社や商品の公式チャンネルに投稿します。
動画がさまざまなユーザーに視聴されれば、継続的なコンバージョンが期待できます。また、動画は短時間で多くの情報を伝えられるため、購買意欲を醸成してアップセルやリピート購入を促すことも可能です。
目的3. 【顕在層向け】商品・サービスの購入につなげたい
ここからは、顕在顧客の商品・サービスの購入につなげられるWebマーケティング手法をご紹介します。
10. リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索結果にテキスト広告を表示するWebマーケティング手法です。検索連動型広告とも呼ばれ、Google やYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードが検索された際に広告が表示されます。
リスティング広告の主なターゲットは、検索エンジンを利用する顕在層です。特定のキーワード(例:「○○ おすすめ」)に対して広告を配信した場合、そのキーワードに関連する悩みや欲求を持つコンバージョン意欲の高いユーザーがターゲットになります。
11. リターゲティング広告
リターゲティング広告は、過去に特定のWebサイトを訪問したユーザーに関連広告を表示する手法です。一度Webサイトを訪れたユーザーに再訪問を促し、直接的なアプローチを行えるため、より高い広告効果が期待できます。
広告媒体によって呼び方が異なり、Google 広告では、「データセグメント」、Facebook広告では「Webサイトカスタムオーディエンス」として知られています。
12.Web接客
Web接客は、Webサイトの訪問者に商品やサービスを紹介し、リアルタイムで質問に応える施策です。多彩なシナリオに基づくポップアップ提案やチャットボットを活用することで、訪問者の行動や属性に応じたパーソナライズされた接客を提供します。実店舗での接客のような個別的な対応によって訪問者の離脱防止やCVR、顧客満足度の向上が期待できます。
目的4. 【既存顧客向け】リピーターを増やしたい
商品やサービスが購入された後は、継続的な購買につなげることも重要です。ここでは、リピーターを増やすためのWebマーケティング手法をご紹介します。
13. メールマーケティング
メールマーケティングは、特定のユーザーに情報をeメールで配信する手法です。メール広告、メルマガ、ステップメールなどさまざまな種類があります。
メールマーケティングは、コンテンツの内製化が容易で、配信リストがあればすぐに実施できるのが特長です。
メルマガは、購読希望者に一斉配信される形式が一般的です。見込み客や顧客の承諾を得たうえでの送信なので、開封率や反応率が高い傾向にあります。
ユーザーの行動履歴や属性に基づき、最適なタイミングと内容でメールを送信することで、関係構築やリピーター施策を効果的に行えます。ただし、関係性の構築には時間が必要であり、効果を見るには中長期的な運用が求められる点に留意が必要です。メールマーケティングを成果につなげるには、「いつ」「誰に」「何を」送るかを明確にし長期的かつ計画的な運用体制の構築が不可欠といえるでしょう。
14. LINEマーケティング
LINEマーケティングは、LINE公式アカウントを通じてユーザーのLINEアプリに情報を配信し、ブランド認知や購買促進、店舗送客を促す手法です。LINEは日本人口の70%以上が利用しておりリーチできる層が多いだけでなく、容易な手順で友だち登録が可能です。また、プッシュ通知や未読バッジによりメッセージ確認が促進されるメリットもあります。
チャット機能を活用すればユーザーとのやり取りを容易に行えるため、パーソナライズ化されたメルマガと同様の効果が期待できます。また、LINE公式アカウントには、リッチメニューや画像・動画配信、ポイントカード、リサーチ機能など、マーケティングに適した多彩な機能が豊富に揃っているのも特長です。
LINE広告やLINEのマーケティングツールと連携させて予約機能やCRM機能も活用すれば、集客力の向上も期待できるでしょう。
LINEマーケティングの概要は、次の記事で詳しく解説しています。
自社に合ったWebマーケティングの手法の選び方
ここまでご紹介したように、Webマーケティングの種類や手法はさまざまです。ターゲットに合わせて手法を使い分けられるよう、自社に適したWebマーケティング手法の選び方を理解しておきましょう。
ターゲット市場の分析を行う
Webマーケティングでは、顧客のニーズと問題点を把握するために、ターゲット市場の分析を行うことが大切です。具体的には、自社のターゲットの見極め、ニーズや課題の把握、商品やサービスがどのような価値を提供できるのか、を徹底的に分析します。
顧客分析には、マクロ視点でのPEST分析とミクロ視点での5F(ファイブフォース)分析が有効です。
- PEST分析 政治・経済・社会・技術の4つの要因を考慮し、外部環境の脅威を洗い出し、自社への影響を分析する手法
- 5F(ファイブフォース)分析 競合各社や業界全体の状況と収益構造を明らかにし、自社の利益を分析する手法
これらの手法は、新規参入や新製品開発、新ブランドの立ち上げ時に、特に有用です。
最後に、商品やサービスが持つ社会的な影響力や顧客へのアピールポイントを分析し、最適なWebマーケティング手法を選択します。
取り扱う商材にマッチした手法を選ぶ
商材の性質に応じてWebマーケティング手法を選択することも重要です。
商材は大まかに、課題解決型と興味喚起型に分類されます。
- 課題解決型 ターゲットが抱える明確な問題を解決することを主眼においた商材
- 興味喚起型 ターゲットの興味や好奇心を喚起することで魅力を持たせる商材
課題解決型商材には、化粧品や金融サービスなどが該当します。ターゲットのニーズや課題を的確に捉え、解決策を提供することが重要です。
興味喚起型商材には、ファッションアイテムなどが挙げられます。魅力や特徴を伝え、興味を引きつけるためのストーリーテリングや視覚的な演出を行うことが有効です。
このように、商材の特性によってもターゲットが変わるため、慎重にWebマーケティング手法を選択する必要があります。
KPIに基づく手法を選定する
ビジネスの目標達成には、適切なKPI(重要業績評価指標)の設定が必須です。同じ目標でも、KPIが違えば、異なるアプローチが必要になります。
例えば、「Webサイトのトラフィック増加」をKPIとする場合は、SEOの最適化や質の高いコンテンツマーケティングの強化が有効です。一方で、「リードの創出数アップ」がKPIの場合は、メールマーケティングやランディングページの最適化が効果的です。
これらの施策により潜在顧客に直接アプローチできれば、見込み客の創出を効果的に実現できます。各KPIに応じた具体的な戦略を立て、適切な手法を選択することが、ビジネス目標の達成に不可欠といえるでしょう。
効果的な測定と評価を行う
施策の実行後はデータを測定、分析し、効果を検証します。結果に応じて、施策を改善しましょう。
Webマーケティングでは、施策の効果をデータとして容易に収集、分析できるため、効率的に問題を特定して改善策を速やかに実施できます。綿密な計画を立てたとしても、必ずしも成功するわけではないため、定期的なデータ分析と改善が不可欠です。ただし、一度改善をしても別の問題が生じる可能性があります。適宜、分析と改善を繰り返すことが重要です。
HubSpotの提供するMarketing Hubでは、Webマーケティングの施策に対する効果測定が可能です。例えば、複数のSNSを運用する際に、各媒体の見込み客創出数やCVRなどのデータを測定し、管理画面上で一元管理できます。施策の効果を客観的に把握して、スピーディかつ効率的に戦略調整を行えるでしょう。
Marketing Hubの詳細は、次のリンクからご確認ください。
自社にマッチする種類のWebマーケティングを実施しよう
Webマーケティングは売上アップや認知度向上に有効です。一方で、その手法にはさまざまな種類があるため、ターゲットに合わせて手法を使い分けることが大切です。
本記事を参考に、各手法の特徴や効果を理解し、徹底的な市場分析を通じて、ターゲット層のニーズや競合状況を把握しましょう。これらの情報を基に、効果的な施策を計画、実行することが大切です。測定したデータを基に改善を繰り返して、成果を最大化させましょう。