インサイドセールスとは、メールや電話、Web会議システムなどを活用した非対面の営業活動のことです。見込み客との関係構築や商談機会の創出において重要な役割を担います。自社にとって適切なインサイドセールスのフローを確立できれば、購買意欲の高い見込み客をフィールドセールスに引き継ぐことが可能になり、高い営業成果が期待できるでしょう。


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本記事では、インサイドセールスの基本的な業務フローと導入フローをご紹介します。インサイドセールスの導入を検討中の方や、成果につながるインサイドセールスのフローを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
インサイドセールスの業務フロー
インサイドセールスの業務フローは、次の6つの手順で進めます。
- マーケティング部門から見込み客を引き継ぐ
- 迅速に初回の連絡を行い、ヒアリングする
- 見込み客と関係性を築く(リードナーチャリング)
- 購買意欲が高いと思われる見込み客を見極める(クオリフィケーション)
- 商談のアポイントメントを取る
- 商談を実施する
1. マーケティング部門から見込み客を引き継ぐ
インサイドセールスの業務は、マーケティング部門が創出した見込み客を引き継ぐところからスタートします。情報を引き継いで見込み客の興味関心を把握することで、より効果的なアプローチを実施できるからです。
主な引き継ぎ内容は、次の通りです。
- 見込み客の基本情報
- 見込み客となった経緯
- 見込み客の課題(ニーズ)
Webサイトを通じた施策を実施する場合、見込み客がクリックしたリンクやホワイトペーパーの内容から興味関心のある分野を割り出して引き継ぎ、ソリューション提案に活かします。例えば、「クラウドサービスの導入ガイド」をダウンロードした見込み客に、ITインフラの刷新やコスト削減に関する情報を提供して、より興味関心を引くことが可能です。
企業によっては、インサイドセールスが新規顧客の創出を担うこともあり、新規営業を専門としたチームを「BDR」と呼びます。BDRについては、次の記事で解説しているので参考にしてください。
2. 迅速に初回の連絡を行い、ヒアリングする
初回のコンタクトは、見込み客の創出後、時間を空けずに行います。時間が経つと見込み客の興味や関心は薄れていくため、興味・関心が高いうちに連絡することが大切です。
初回の連絡では、見込み客のニーズや課題をヒアリングします。この段階では商品やサービスの売り込みを急がず、見込み客の現状を把握につとめましょう。
例えば、見込み客が新規事業を始めたばかりの中小企業で、ヒアリングの結果、業務効率化が課題であるとわかれば、「コストパフォーマンスに優れ、短期間で成果が期待できるサービス」を予算内で試してもらう提案が可能です。
ヒアリングでは、見込み客が抱えている課題の詳細や予算などの情報を収集して、今後の営業戦略に役立てましょう。
3. 見込み客と関係性を築く(リードナーチャリング)
ヒアリングで得た情報をもとに、見込み客との関係性を築いていくプロセスがリードナーチャリングです。見込み客の興味や関心に合った情報提供を行って関係性を深め、購買意欲を高めていきます。
初回コンタクトの段階では、見込み客の多くは自社の商品・サービスについて詳しく知らないため、商談を行っても成約につながりにくい状態です。リードナーチャリングを行って見込み客の興味・関心を高めることで、その後の成果につながりやすくなります。
リードナーチャリングでは、見込み客の状況に合わせて適切な情報を提供することが大切です。自社サービスの導入を検討している見込み客であれば、過去の成功事例や導入による改善効果に関する資料を提供して、興味・関心を高めると良いでしょう。
4. 購買意欲が高いと思われる見込み客を見極める(クオリフィケーション)
リードナーチャリングを実施したら、購入に前向きな見込み客を見極めます。見極めには、見込み客の行動をもとに興味・関心の度合いに点数をつけ、点数が高いほど購買意欲が高いと判断するスコアリングの手法を用いるのが一般的です。
また、見込み客とのやり取りの履歴を分析することも大切です。製品ページの閲覧頻度、具体的な運用に関しての積極的な質問などの行動を総合的に判断して、見込み客の状態を見極めましょう。
5. 商談のアポイントメントを取る
購買意欲が高い見込み客を見極めたら、商談のアポイントメントを取ります。見込み客のスコアリングや行動データを分析し、十分に購買意欲が高まったタイミングで商談を打診しましょう。
商談はインサイドセールスがオンラインで行う場合と、対面で営業活動を行うフィールドセールスに見込み客を引き継いで行う場合があります。フィールドセールスに見込み客を引き継ぐ場合は、情報を連携してスケジュールを調整しましょう。見積書や導入事例集など商談時に用意してほしいものがあるかどうかを訪問前に確認しておくと、商談の準備が進めやすくなります。
インサイドセールスとテレアポの違いは、次の記事で解説しています。
6. 商談を実施する
フィールドセールスへ見込み客を引き継ぐ場合は、インサイドセールスがヒアリングした内容など、これまでのやり取りで得られた情報をすべて共有します。フィールドセールスが見込み客の課題や状況を正確に把握して適切な提案を行えば商談の成功率が高まるからです。
引き継ぎには、CRMやSFAツールを活用すると、タイムリーに情報共有ができて効率的です。HubSpotのCRMは、見込み客とのやり取りの履歴確認はもちろん、アポイントメントの日程調整も容易に行えます。営業担当者の空き時間から見込み客が都合の良い時間を予約できる機能も搭載されているため、スムーズに商談の日程を調整できます。
インサイドセールスの導入フロー
インサイドセールスの導入は、次のような手順で行います。
- 組織体制を決める:インサイドセールスを独立した部門として設置するのか、営業部門に組み込むかといった組織体制を決めます。人材選定時は、自社での内製化や代行サービスへの外注などの選択も必要です。
- 業務範囲を設定する:インサイドセールスの業務範囲を設定します。マーケティング部門やインサイドセールス、フィールドセールスで分業する場合は、それぞれの業務範囲を決めて役割を分担しましょう。「問い合わせがあった見込み客」など、見込み客の状況や行動に応じてインサイドセールスとフィールドセールスの役割を分けて、業務範囲を設定するケースもあります。
- KPI(重要業績評価指標)を設定する:インサイドセールスにおけるKPIとして、架電数、メールの開封率、商談化率など、最終目標を見据えた中間目標を設定します。
- シナリオを設計する:見込み客が商品やサービスを認知し、成約にいたるまでのシナリオを設計します。
- 必要なツールを導入する:見込み客の管理や営業活動の効率化を図るために、CRMやSFAなどのツールを導入します。マーケティング部門などとの連携強化にも役立てられます。
- 運用・振り返りをする:実際にインサイドセールスを運用して、成果が出た点や課題を洗い出します。運用が定着して自社に合ったフローや体制になるまでは、見直しと改善を繰り返しましょう。フローの定着後は、KPIの達成状況の振り返りも行います。
インサイドセールスを立ち上げる流れやKPIの立て方は、次の記事で詳しく解説しています。
インサイドセールスの運用方法を確立して成果を最大化しよう
インサイドセールスは運用方法によって、営業の効率や成果が大きく変わります。
自社に合ったインサイドセールスの業務フローを確立できれば、営業活動の効率化と成果の最大化が期待できます。関係性を深めることを大切にして見込み客に必要な情報提供を行い、購買意欲を高めていきましょう。
インサイドセールスの運用を成功させるには、マーケティング部門との連携も重要です。部門間の連携強化のためにも、CRMやSFAなどのツールをうまく活用しましょう。
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