BtoBビジネスのSEOの必要性は?目的や成功のポイントを解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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BtoBビジネスにとって、SEOは見込み客の創出や企業との良好な関係構築に欠かせない施策の一つです。長期的なコストの削減や幅広い検討層へのリーチも期待できる手法ですが、テクニックに走り過ぎると、かえって検索エンジンからの評価を下げる可能性があるので注意が必要です。

BtoBビジネスのSEOの必要性は?目的や成功のポイントを解説

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    また、見込み客や顧客と中長期的に信頼関係を築いていく必要があるBtoBでは、SEOへの取り組み方にも配慮しなければなりません。

    本記事では、BtoB企業におけるSEOの役割や重要性、実際の進め方を注意点と共に詳しく解説しています。

    BtoB企業でSEOを行う目的

    まずは、BtoB企業がSEOを行う目的や重要性を見ていきましょう。
     

    見込み客の創出

    BtoB企業がSEOを行う目的としてまずあげられるのが、見込み客を創出する「リードジェネレーション」です。

    2023年に株式会社ITコミュニケーションズとB2Bマーケティング株式会社が共同で発表した「 BtoB商材の購買行動に関する実態調査レポート2023」では、BtoB商材の情報を収集する方法として、「Webメディアの活用」が47.9%と突出して多くなっています。多くの企業がWebコンテンツを重要な情報源としていることがわかるでしょう

    また、株式会社マツリカが行った日本の営業組織に関する実態調査レポート「Japan Sales Perort」では、BtoBビジネスでは平均して購買プロセスの3分の1が経過してから営業担当者と接点を持つとされています。これは、購買プロセスの初期段階で、企業が潜在客とつながることの重要性を示しています。

    Webで情報を収集しているターゲット層との接点を作り、見込み客を創出するためにも、SEOによる検索エンジンからの流入を増やすことが重要です。
     

    長期的コスト削減

    広告は配信をストップすると流入もストップしてしまいますが、SEOを行い、Webページが上位に表示されることで長期的な流入が見込めます。

    検討期間が1年以上の長期にわたることもあるBtoBにおいては、広告を長期で運用するよりも、SEOで上位表示を狙う方がコスト削減となる場合があるでしょう。

    SEOではコンテンツ制作から上位表示されるまで、時間も手間もかかりますが、結果的に広告より費用対効果が高い集客方法となることが期待できます
     

    幅広い検討層へのリーチ

    SEOは、BtoBの検討フェーズにおける見込み客の醸成(リードナーチャリング)においても重要です。

    BtoBは、見込み客の検討フェーズによって課題が大きく異なります。また、意思決定者も複数名になることが一般的です。

    それぞれの課題に合ったキーワードでSEOコンテンツを作成することで、検討フェーズが異なる幅広い層へのリーチが可能となります。

     

    ブランディング

    企業のブランディングにおいても、SEOは重要な役割を果たします。見込み客の課題を解決する有益な情報や専門的な情報を届けることで、業界での知名度や信頼度を高めることにつながるからです。

    企業のブランド価値を高めて他社にはない独自の立ち位置を確立すると、比較検討フェーズで選択してもらえる可能性が高まるでしょう。

     

    BtoBでSEOを成功させるポイント

    BtoB企業がSEOを成功させるポイントは次の3つです。

    • 顧客ニーズの理解
    • コンバージョンの明確化
    • 検索エンジンの仕組みへの理解

    それぞれ詳しく解説します。
     

    顧客ニーズの理解

    SEOを目的としたコンテンツは、顧客のニーズに合わせて制作することが何よりも重要です。そのためには、顧客に対する深い理解が欠かせません。

    BtoBでは、検討から購買まで複数の人や部署が関与していることが多いため、それぞれが抱えている課題を可視化することが大切です。必要に応じて複数のペルソナとカスタマージャーニーマップを作成すると良いでしょう。

    購買の意思決定に関わる人が抱えている課題や購買に至るまでの流れを理解することで、どのようなキーワードや内容にすべきかが明確になります。
     

    コンバージョンの明確化

    BtoCよりも検討期間が長期にわたることが多いBtoBでは、購買プロセスのなかで次のようにさまざまなコンバージョンポイントがあります。

    • カタログや資料のダウンロード
    • メールマガジン登録
    • ウェビナーへの参加
    • 問い合わせ

    各フェーズにおいてコンバージョンのポイントを洗い出し、どのフェーズでどのコンバージョンを狙っていくのかを明確にしておきましょう

     

    検索エンジンの仕組みへの理解

    SEOには主に3つの種類があります。

    • 内部対策:サイト構造を検索エンジンに評価してもらいやすくすること
    • 外部対策:検索エンジンに評価してもらいやすくするために、サイト外部で対策すること
    • コンテンツSEO:ユーザーの検索意図に応えるコンテンツを制作して検索結果上位表示を狙うこと

    SEOでは、ユーザーのニーズに合わせたコンテンツ制作を行うのが基本ですが、検索エンジンについての理解も必要です。各キーワードでWebページの表示順位が決まる仕組みを理解したうえで進めましょう。

     

    BtoBにおけるSEOの進め方

    ここでは、BtoBにおけるSEO対策の具体的な進め方を、ステップごとに詳しく説明します。
     

    1. キーワード選定

    初めに、見込み客のニーズを考慮して検索キーワードを選定します。見込み客が課題を解決したいと思った際に、どのようなキーワードを使って検索するのかを想像すると良いでしょう。

    「特定の課題を解決するためにツールを導入したい」など、ユーザーの課題が顕在化している場合には、具体的なツールの名称やサービスを提供している企業名がキーワードとして使用されます。しかし、調査フェーズの序盤では、よりあいまいなキーワードが使用されるケースが多く見られます

    例えば、調査フェーズの序盤では「リード 少ない」というキーワードを使用し、課題が具体的に顕在化すると「BtoB リードナーチャリング 手段」、「MAツール 国内」といった、より具体的なキーワードに変化していきます。

    ユーザーが検索するキーワードは多岐にわたりますが、コンバージョンに近いキーワードほど優先度が高くなります。具体的には、「リード 少ない」よりも、「MAツール 国内」のほうが優先度が高くなるイメージです。

    キーワードを選定する方法として、過去にコンバージョンが発生したキーワードを洗い出す方法があります。また、「Ahrefs(エイチレフス)」や「Semrush(セムラッシュ)」などのツールを使用して、競合他社が上位表示しているキーワードを参考にするのも良いでしょう。

    キーワード選定方法の詳細は、次のページをご参照ください。

     

    2. メディア選定

    SEOコンテンツを制作していくにあたって選択可能なメディアは、主に次の3つです。

    • 自社サイトに掲載する(サブディレクトリ)
    • 新規オウンドメディアを立ち上げる
    • サブドメインを使用

    すでにコーポレートサイトを公開してから数年が経過している場合には、自社サイトを活用する方法が良いでしょう。検索エンジンからどのような企業のサイトなのかを認識されており、ある程度のドメインパワーを持っている場合があるためです。

    新しいドメインの場合には、ゼロからドメインを育てることになるため、Webページの上位表示までに時間がかかることを認識しておきましょう。

     

    3. コンテンツ制作

    投稿メディアの準備が整ったら、上位表示を狙いたいキーワードをベースに記事を制作していきます。

    記事制作は、社内で対応する方法と社外に委託する方法に大きく分かれます。

    • 社内メンバーが制作
    • フリーランスなどのライターに委託
    • 記事制作会社に委託

    効果的なSEOライティングには、記事構成やSEOに関する知識が必要です。社内のリソースも確保する必要があるため、費用対効果を考えると業務委託などでプロに依頼するのが良いでしょう

    企業側から業界の最新情報やWeb検索で得ることが難しい情報を外部パートナーに提供すると、コンテンツの独自性が高まり、検索エンジンからの評価につながります。

    SEOライティングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

     

    4. PDCAを回す

    記事を公開したら、ツールを使って次のような数値を確認しましょう。

    • ターゲットとなるキーワードでの表示順位
    • 自然流入数(セッション)
    • コンバージョン数

    セッション数とコンバージョン数は、Google が無料で提供している「Google アナリティクス」から確認できます。同じくGoogle が提供する「Search Console」で、流入キーワードと検索結果順位もチェックしておきましょう。

    GRC」や「Ubersuggest」なども、表示順位を確認するツールとして有名です。

    分析を行ったら改善を繰り返し、記事制作においてもPDCAを回していきましょう

     

    必要であればリライトを行う

    狙ったキーワードでWebページの上位表示ができていない記事は、リライトによって順位が改善されることがあります。コンバージョンにつながる可能性が高いキーワードで成果が出ていない場合は、優先してリライトを実施しましょう。

    上位表示に成功し、リードの創出ができている記事や、コンバージョン率が高い記事なども、定期的にリライトを行って情報の鮮度を保つことが大切です

    ただし、タイトルを頻繁に変更したり、内容を大幅に変更したりすると、すでに上位表示されている記事の評価が下がることもあるため避けるようにしましょう。

     

    CTAの最適化

    リライトの他にも、記事内に設置しているCTAの最適化を行うことも重要です。

    例えば、テキストリンクやボタンでフォームへのリンクを設定している場合には、コンテンツ内にフォームの入れ込みをしたほうがユーザーの利便性が高まり、コンバージョン率も上がる可能性があります。

    また、CTAは全てのコンテンツで統一するのではなく、記事ごとに個別化します。それぞれの記事テーマや見込み客のニーズに適したコンバージョンポイントをCTAとして設定しておきましょう。

     

    BtoBでSEOを行う際の注意点

    BtoB企業がSEOに取り組む場合、ユーザーの期待を裏切らないことが最も大切です。具体的にどのような点に配慮すれば良いのか見ておきましょう。
     

    品質の維持と誠実な情報提供

    SEOに取り組む際は、テクニックではなく読者に価値ある情報を提供することを優先してください。SEOで上位表示を目指すことは重要ですが、ユーザーの利便性を損ねるような対策や不正な手法を採用することは避けましょう。

    一例として、コンバージョンを狙ってページにリンクを設置しすぎることで重要なコンテンツが隠れてしまう、情報を過度に誇張するなどがあげられます。
     

    企業のブランディングへの配慮

    誤った情報や不適切なコンテンツを発信することは、企業イメージの低下につながります

    BtoBビジネスでは、顧客との良好な関係性を長期で築いていくことが大切です。見込み客にとって有益で信頼できる情報を一貫して発信し続けることで、企業のブランド力を高めることができます。

    SEOコンテンツを制作する際には、企業として発信するのに相応しくないコンテンツは制作しないように注意してください。
     

    適切なSEO対策でBtoBビジネスを加速させよう

    SEOは、見込み客の創出やブランディングを行ううえで有効な手段です。SEOコンテンツを制作する際には、ユーザーのニーズに合ったコンテンツを制作し、情報の正確性には十分注意しましょう。BtoCに比べてリード数が少なく、長期的な信頼関係の構築が重要になってくるBtoBでは、ユーザーから信頼を得ることが何よりも大切です。

    あくまでもユーザーファーストを意識して、適切なSEOを行ってください。

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