ホームページは、企業やサービスの認知度アップや問い合わせ窓口としての役割など、事業を拡大していくうえで欠かせないものです。
ホームページを活用することで集客効果が期待できますが、ホームページを開設するだけで成果につながるわけではなく、コツをおさえた適切な集客方法を実施することが不可欠です。
そこで今回は、ホームページ集客のコツ、効果につながる集客方法、ホームページ集客の注意点について解説します。最新の手法を中心にご紹介するので、ホームページの集客力を高めて成果につなげたい方だけでなく、ホームページを作ったまま放置してしまっている方にも、役立てていただければと思います。
ホームページ集客とは、多くの人にホームページを見に来てもらい、企業やビジネスの認知度を高め、最終的に問い合わせや申し込みなどのコンバージョンへつなげていくことです。
集客できるホームページにするためには、次の3つのコツをおさえて、集客力アップにフォーカスすることが大切です。
ひとつずつ解説します。
ホームページには、次のようなさまざまな役割があり、それぞれ情報を届けたい人が異なります。
役割 | 情報を届けたい主な人 |
---|---|
会社や事業の紹介 |
将来的な見込み客、顧客 |
問い合わせ・申し込み窓口 |
将来的な見込み客、顧客 |
プレスリリース |
広報担当 |
IR情報 |
株主・投資家 |
採用情報の掲載 |
就職・転職希望者 |
複数のターゲットや役割があることで目的が曖昧になりがちですが、その状態のままではメッセージやコンテンツが不明瞭になり、結局誰にも伝わらない、届かないものになってしまいます。
まずは、ホームページ運用で最優先したい目的とターゲットを明確化することで、効率的に施策を推進しやすくなります。
目的の例は、「新規顧客の創出のために資料請求を増やす」「見込み客の興味・関心を醸成しコンバージョンにつなげる」などです。
目的が定まったら、集客すべきターゲットも明確にする必要があります。
ターゲット像を深く理解し、チーム内で共通認識を持つためには、ペルソナ設定が役立つはずです。ペルソナとは、自社のビジネスにおいて理想的な顧客を具体的な人物像に落とし込んだものです。
HubSpotのマーケティングチームが作成したペルソナ設計テンプレート(無料)を利用してみても良いでしょう。
インターネットで検索を行うユーザーは、何かしら解決したい課題や悩みを抱えています。ホームページを集客のためのツールとして活用するには、ユーザーの考えを深掘りし、コンテンツで解決策を提示することが大切です。コンテンツを読んで悩みが解決できたユーザーは、自社に好感を持ち、信頼関係が構築されていきます。
ただし、単にコンテンツを作成しただけでは、なかなかユーザーに見つけてもらえません。ターゲットとするユーザーとつながりを生み出すためには、SEO(検索エンジン最適化)の考え方が必要です。
SEOの代表的な手法として、キーワード設定があります。ペルソナが知りたいことを具体的なキーワードとして洗い出し、それをコンテンツに反映させることでターゲットに見つけてもらえる可能性が高まります。
集客できるホームページにするためには、商品紹介など自社のアピールも大事ですが、ユーザーが欲しい情報を分かりやすく伝えるのが基本です。
ペルソナの興味を引くコンテンツや、ユーザー視点のベネフィットが伝わるキャンペーンなどを盛り込むよう意識することで、競合との差異化にもつながるでしょう。
ユーザーファーストを心がけ、結果としてユーザーからの評価が高まれば、定期的なアクセスや見込み客の創出が期待できます。
ホームページは制作して終わりではなく、改善しながら更新していく必要があります。
市場ニーズやマーケティング手法の変化が早い現代では、OODA(ウーダ)サイクルで効果最大化を目指すのがおすすめです。
OODAとは、ビジネスシーンなどで用いられる「Observe(観察)→Orient(状況理解)→Decide(決定)→Act(行動)」の頭文字をとった、目的達成のための理論です。
一般的なPDCAサイクルとOODAサイクルの違いは、PDCAは最初に決めた「計画」を「検証」するという一方向のアプローチであるのに対し、OODAは「状況判断」を重視することで、柔軟かつ機動性がある点です。
多様でスピーディな対応が求められるホームページ運営に、OODAサイクルを取り入れ、集客効果の最大化を目指しましょう。
制作したホームページを公開しただけでは、ユーザーの自然流入を待つ形になり、大きな成果につながりにくい可能性があります。
ホームページ集客のコツをおさえたうえで、次のような集客方法を実施していくことで、ユーザーを惹きつけるホームページに近づけます。
優先順位が高い順にご紹介するので、自社で取り入れられそうな集客方法があれば、ぜひ参考にしてみてください。
ホームページ運用で最低限取り組むべきなのが、特定のキーワードで検索した人にホームページへ来てもらうためのSEOです。
SEOとは、「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」と訳されます。検索エンジンからの自社サイトの評価を高め、検索結果での露出を増やすための施策のひとつです。
例えば、ユーザーがあるキーワードで検索した際に、検索上位に自社のホームページが表示されるように、さまざまな対策を講じることです。
SEOの手法は日々進化していますが、基本的に次のような項目を最適化していきます。
SEOの事例について詳しく知りたい場合は、Google が公開している ウェブマスター向けガイドライン を確認しましょう。基本方針に書かれているように、ユーザーの利便性を最大化させる点を意識しながら改善していくことが大切です。
SEOと連動して、キーワードに合わせたコンテンツを作成するのがコンテンツマーケティングです。
例えば、ホームページ上でブログ記事やオリジナルコンテンツを公開し、記事に興味をもった人にホームページ内を周遊してもらい、徐々にファン化を目指します。
コンテンツ作成の際には、ユーザーファーストとSEOの観点からも、ユーザーが「何を知りたがっているのか」「どのような問題を抱えているのか」を把握し、解決するための情報をわかりやすく伝えることが重要です。
また、コンテンツマーケティングによるホームページ集客では、指名検索以外のユーザーをどれだけ取り込めるかが鍵となります。
そのため、すでに課題が顕在化していて商品やサービスの導入に前向きな購入層(顕在層)だけでなく、商材の必要性をまだ感じていない認知層(潜在層)まで、幅広く流入できるコンテンツを作成する必要があります。
次に、有料のWeb広告を利用したホームページ集客の方法をご紹介します。
Web広告の種類には、リスティング広告(検索連動型広告)、SNS広告、動画広告、バナー広告、アフィリエイト広告などがあります。
広告の種類によってアプローチできる人が異なるため、ホームページのターゲット層に沿った広告を取り入れることで、成果につながりやすくなります。
各広告の特徴は次の通りです。
SNSの自社運営アカウントで情報発信しつつ、ホームページへ誘導するSNS運用は、無料で始められる集客方法のひとつです。
各SNSで利用層や機能が異なるため、SNSごとの長所を活かした運用がポイントになります。
SNSの拡散性を活用するのであれば、リツイートやリポストされやすいTwitterやTikTokなどが適しているでしょう。
より精度の高いターゲティング機能を利用したい場合や、自社のブランディングや世界観の表現にこだわりたい場合は、Instagram・Facebook・YouTubeなどがおすすめです。
また、ホームページ上にSNS共有ボタンなどを設置して連携することで、拡散力アップやSEOの外部対策にもつながります。
ホームページ集客の手法として、キャンペーンを開催してWeb広告やSNS運用と連動させ、効果最大化を狙う方法もあります。
キャンペーン・PRの企画を策定する際には、ターゲット層に適したメディアを使用することはもちろん、他社と差異化して話題性を高めるために、トレンドを意識することが大切です。
例えば、キャンペーンにゲーミフィケーション・ARなどの最新技術を取り入れることや、特定のターゲット層に対する発信力のあるインフルエンサーを起用することなどです。
ホームページ集客へつなげているキャンペーン例として、ARを用いた体験型のキャンペーン(花王株式会社)や、テーマに沿った写真をSNSへ投稿するフォトコンテスト(アートアクアリウム)などを参考にしてみても良いでしょう。
画像引用元:花王株式会社 | ビオレUV | ビオレ VIRTUAL STUDIO TRY ON
※弊社の事例ではございません。
画像引用元:第一回 アートアクアリウムフォトコンテスト
※弊社の事例ではございません。
プレスリリースとは、報道機関に向けて公式文章をWeb配信し、メディアの発信力を借りてユーザー認知を広げる方法です。
プレスリリース配信サービスは基本的には有料ですが、SNSで拡散されたり、影響力あるメディアに取り上げられたりすれば、幅広い層への情報拡散が期待できます。
なお、要件を満たすことで、無料でプレスリリースを配信できるサービスもあります。例えば、「PR TIMES」は原則有料ですが、設立2年以内のスタートアップであれば、月に1度のリリース配信を無料にすることも可能です(審査制)。
実店舗型のビジネスや地域限定サービスの場合、Google ビジネスプロフィールを活用することで、ホームページ集客の効果が期待できます。
Google ビジネスプロフィール(旧称:Google マイビジネス)とは、無料でGoogle にビジネス情報を登録できるサービスです。
Google ビジネスプロフィールに登録すると、Google マップやキーワード検索で検索された際に、正しいビジネス情報と関連するホームページのリンクを掲載できるようになります。
また、登録しておくことで、Google マップで上位表示されるためのMEO(マップエンジン最適化)にもつながります。
ホームページ集客の方法は多種多様で、日々新しい手法がアップデートされています。ホームページ集客の成果を高めるために、次の3つの注意点を意識しましょう。
ホームページ集客の効果が出るまでの期間は、実施する集客方法によって異なります。
すぐに集客効果の出やすい「短期型」は、Web広告やプレスリリースなどの施策です。
比較的効果が出るまで時間がかかる「中長期型」には、SEO、コンテンツマーケティング、SNS運用、Google ビジネスプロフィールといった施策があげられます。
それぞれの集客方法の特性を理解しておくことで、適切なタイミングで実施でき、費用対効果の測定期間を正しく設定できるようになります。
ホームページの集客方法は無料のものと有料のものがあるため、予算に合わせて選定しなければなりません。
基本的には、先述の「短期型」の施策は有料のものが多く、「中長期型」は無料で実施できる反面、効果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。
目標達成までの期日が決められている場合、即効性と予算のバランスを考慮して集客方法を選定し、場合によっては複数の集客方法を組み合わせて効果の最大化を目指しましょう。
集客力アップのための施策に注力すると、ホームページ自体の品質にも課題を感じるようになるかもしれません。
集客のための施策とあわせて、ホームページ自体の改善にも取り組んでいきましょう。具体的なホームページの改善方法については、こちらを参考にしてください。
ホームページの集客力を高めるためには、ユーザーニーズに応え続けていくことが大切です。
ホームページ運用の目的とターゲットを明確化し、ユーザーファーストでOODAサイクルを回し続けることで、ユーザーニーズに応えるための仕組みを構築しましょう。
また、ホームページの集客方法は多様で、それぞれ費用や即効性なども異なります。ホームページ集客のコツや注意点を参考に、自社に適した集客方法を選定する際の判断材料にしていただければ幸いです。