Webマーケティングの実施にあたっては、戦略立案が重要です。Webマーケティングを戦略的に実施できれば、見込み顧客や顧客に価値ある情報を提供でき、選ばれるようになるでしょう。
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本記事では、Webマーケティング戦略の基本やメリットとともに、戦略立案の方法、ポイントを解説します。より良い価値提供をするためにも、ぜひ最後までご覧ください。
Webマーケティング戦略とは
Webマーケティング戦略とは、集客、接客、販売などのマーケティング活動をインターネット上で行うための戦略のことです。近年、消費者がインターネット上で商品やサービスを発見し、購買行動に至ることは当たり前になっており、Webマーケティングの重要性は高まっています。
Webマーケティングで戦略立案が重要な理由
Webマーケティングで戦略立案が重要とされる理由は、Webマーケティングを導入している競合他社との差異化を図る必要があるからです。
インターネットの普及により、消費者行動もインターネット上での能動的な活動へと変容してきました。この変化にともない、多くの企業においてWebマーケティングの導入が進んでいます。しかし、やみくもに施策を実行しても、他社との競争に埋もれてしまいます。他社との差異化を図るためには、自社の現状や競合他社の状況、顧客のニーズなどをふまえて戦略的にWebマーケティングを実施する必要があるのです。
また、見込み顧客や顧客に対してニーズを満たす価値ある情報を提供し、関係を構築するためにも、戦略的なWebマーケティング施策の実施が求められます。
Webマーケティングはあくまでマーケティングの一環
Webマーケティングは、あくまで企業が行うマーケティングの領域の一つにすぎません。Webマーケティングにはさまざまな手法があるため、その実行が注目されがちです。しかし、施策の実行はあくまで手段であり、企業やプロジェクトの最終目標を達成することがWebマーケティングの目的であることに留意する必要があります。
例えば、WebサイトやSNSはWebマーケティング施策の一つであり、それらを運用することはWebマーケティングの目的ではありません。企業やプロジェクトの最終目標となるKGI(Key Goal Indicator)や、KGIを達成するための業績評価指標となるKPI(Key Performance Indicator)を明確にし、目標達成までの道筋を見失わないように戦略を立てましょう。
Webマーケティング戦略を立てるメリット
Webマーケティング戦略の立案には、次のメリットがあります。
- コストを抑えられる
- 具体的なターゲティングができる
- 効果測定や改善を容易に行える
コストを抑えられる
Webマーケティングは、テレビCMや地域のフリーペーパー広告などのオフラインのマーケティングと比べて、コストを抑えられる施策が多い傾向にあります。
例えば、Web広告であれば、費用が発生するタイミングとして「クリックされた場合」、「広告が画面に表示された場合」、「商品が購入された場合」などの種類があり、予算に応じて少額から始められます。広告費用の捻出が難しいベンチャー企業や、スモールスタートで始めたい中小企業にとっても取り組みやすいメリットといえるでしょう。
具体的なターゲティングができる
Webマーケティングでは、具体的なターゲティングが可能です。具体的には、年齢・性別・住所といった属性や興味関心、Webサイトの訪問履歴などの条件設定によりターゲットを絞った施策の実施が可能です。オフラインのマーケティングと比較すると費用対効果が高く、効率的な運用ができるでしょう。
効果測定や改善を容易に行える
Webマーケティングの施策は、トラフィック数やインプレッション数、コンバージョン数といった数値によって、容易に効果を可視化できます。また、効果測定で得られたデータを分析することでボトルネックを発見できるため、改善も容易に行えます。
Webマーケティング戦略の立て方
Webマーケティングの戦略の立て方は次の通りです。
- 目標を設定する
- 3C分析で市場・競合・自社を調査する
- 自社サービスの対象となるペルソナ(顧客像)を設定する
- カスタマージャーニーを作成する
- 実施する施策を検討し優先順位を決める
1. 目標を設定する
Webマーケティングの戦略立案は、実施目的の明確化と目標を設定することから始まります。まずは、企業やプロジェクトの最終目標となるKGIを設定し、逆算してKPIを設定します。
KPIは具体的な数値で設定することが大切です。なぜなら、数値化することで現状把握や効果測定、改善が容易になるからです。例えば、目標としたいWebからの売上額やアクセス数、創出したい新規契約数のように、金額や件数などを具体的に設定しましょう。
2. 3C分析で市場・競合・自社を調査する
続いて、3C分析で、市場(顧客)・競合・自社の調査を行います。3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字をとった環境分析のフレームワークです。自社の商品をどう売り出し、誰に届けるのかなどの分析に役立ちます。
市場(顧客)
市場分析においては、業界全体の市場規模や年間取引額、市場動向、顧客が抱える具体的な悩みの把握を行います。市場分析を行うことで、売上予測や自社の立ち位置が明確になります。
競合
競合分析では、競合他社の成功事例を参考にしたり、競合他社の課題や問題点を洗い出します。競合分析により、他社とは差異化された自社のWebマーケティング戦略を立案できます。自社サービスのポイントとなるキーワードをWebで検索し、上位に表示されるWebサイトを調査するのも良いでしょう。
自社
自社分析では、競合と比較した際の、自社ならではの強みが何かを見極めます。既存顧客にヒアリングするのも効果的です。どのような理由から自社商品やサービスを利用しているのか、どこに満足していて、どこを不満に感じているのかなどをヒアリングできると思わぬ発見が得られることもあります。
自社の分析には、SWOT分析やVRIO分析なども役立ちます。
3. 自社サービスの対象となるペルソナ(顧客像)を設定する
3C分析の結果をもとに、自社の商品やサービスはどのような人に価値提供できるのか、どのような悩みや課題を抱えている人に利用してもらえるのかといった、ペルソナ(顧客像)を設定します。
BtoCであれば、年齢、性別、職種、年収、家族構成、悩みなど、BtoBであれば、会社の業種や規模、担当者の部署、役職、悩みや課題などを設定します。顧客の立場になってイメージを膨らませましょう。実際の顧客にヒアリングした結果を活用すると、より現実に即したペルソナ(顧客像)を設定できます。
4. カスタマージャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、見込み顧客が自社商品やサービスを認知し購入に至るまでの行動や思考、感情を可視化したものです。カスタマージャーニーを作成することで見込み顧客とのタッチポイントを洗い出すことができ、ペルソナの悩みや興味関心が可視化されて理解しやすくなります。自社にもペルソナにも最適なWebマーケティング戦略を立案できるようになるでしょう。
5. 実施する施策を検討し優先順位を決める
最後に、作成したカスタマージャーニーを参考に、実施する施策を検討して優先順位を決めます。予算や時間、人材などには限りがあるため、成果が得られやすい施策から実施する必要があります。
Webからの集客が十分でなければ、まずは認知拡大施策を実施する、ある程度集客できているなら成約率を向上できる施策を実施するというように、最初に立てたKPIを参考にしながら優先順位を決定しましょう。
Webマーケティング戦略を立案する際のポイント
効果的にWebマーケティング戦略を立案するには、次のポイントをおさえましょう。
- 成約までの顧客の導線を考える
- フレームワークを活用する
- Webマーケティング戦略を具体的な行動に落とし込む
- 施策実施後に効果を分析し改善する
- Webマーケティング戦略を運用できる体制を整える
成約までの顧客の導線を考える
効果的なWebマーケティング戦略を立案するには、成約までの導線を詳細に設計することが大切です。作成したカスタマージャーニーをふまえ、各フェーズにおけるKPIを設定すると、課題や改善点を洗い出しやすくなります。
例えば、「自社サイトにコンテンツを作成する→読んでもらう→商品に興味を持ってもらう→商品購入ページを訪問してもらう→商品を購入してもらう」といったストーリーと、各フェーズにおける数値目標を設計したケースを仮定しましょう。商品購入ページのアクセス数が悪い場合は、消費者が商品に興味を持つようにコンテンツの内容を修正するなどの改善策を実施できます。
フレームワークを活用する
Webマーケティングの戦略立案には、フレームワークが役立ちます。自社のWebマーケティング戦略の立案にあったフレームワークを活用しましょう。
顧客・競合・自社を把握できる3C分析
Webマーケティング戦略の立て方でもご紹介した3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字をとったフレームワークです。顧客、競合、自社を分析することで、市場全体を客観的に俯瞰して捉えることができます。
顧客視点からサービスを捉える4C分析
4C分析とは、Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の頭文字をとったフレームワークです。顧客にとっての商品やサービスの価値、コスト、利便性、商品情報の見つけやすさなどを網羅的に分析します。顧客視点で自社商品やサービスを捉えられるフレームワークといえるでしょう。
自社商品・サービスの理解を深められる4P分析
4P分析とは、Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)の頭文字をとったフレームワークです。自社商品やサービスを客観的に捉えて自社の強みや他社との違いを明確にしたうえで、価値提供の方法を発見するのに役に立ちます。
マーケティング戦略全体を分析できるPDCAサイクル
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとったフレームワークです。4つの手順を繰り返し行うことで継続的にWebマーケティング戦略を改善できます。Webマーケティング戦略の立案後の運用時に効果を発揮するフレームワークになります。
抜け漏れや重複を防げるMECE(ミーシー)
MECEとは、Mutually(互いに)、Exclusive(重複しない)、Collectively(全体に )、Exhaustive(漏れがない)の頭文字をとったフレームワークです。Webマーケティング戦略の立案時にある要素が重複していたり、大切な要素が抜けていたりすると思うような成果が得られないことがあります。MECEを活用することで、戦略立案時の要素の重複や抜け漏れを防ぐことができるでしょう。
外部環境を評価できるPEST分析
PEST分析とは、Politics(政治的要因)、Economy(経済的要因)、Society(社会的要因)、Technology(技術的要因)の頭文字をとったフレームワークです。法改正などの政治的要因や景気の動向などの経済的要因、人口統計などの社会的要因、技術革新・デジタル化などの技術要因を分析することで、企業活動に与える影響を整理できます。中長期的な視点でのマーケティング戦略の立案に適したフレームワークです。
Webマーケティング戦略を具体的な行動に落とし込む
Webマーケティング戦略を立案する際は、具体的な行動に落とし込むことが大切です。多くの場合、Webマーケティング戦略の立案はマネージャーや部門リーダーによって行われます。しかし、実際に行動するのは現場の担当者です。具体的な行動に落とし込むことで認識の齟齬を防ぎ、目標達成に必要な行動を促すことができるでしょう。
施策実施後に効果を分析し改善する
Webマーケティング戦略は立案して終わりではなく、施策を実施した後に結果を分析し改善することが大切です。仮に、期待した成果が得られなかったとしても、そこから得た学びを次の施策に活かしていく姿勢が重要です。
また、うまく行った場合には、その理由を分析することで、次回以降の施策に活用してより良い戦略を立案できます。PDCAサイクルを繰り返し回して、目標達成につなげましょう。
Webマーケティング戦略を運用できる体制を整える
Webマーケティング戦略を実行するには、長期的に運用できる体制作りが必要です。顧客が求める情報の継続的な発信や、定期的な効果測定など長期的な視点での取り組みを想定し、W運用体制を整えましょう。人員が不足する場合は、外注を考慮してみるのも良いでしょう。
Webマーケティング戦略で顧客に役立つサービスを届けよう
Webマーケティングは、自社商品やサービスの認知・販売などの目標を、インターネット上で達成できる便利な手法です。ただし、Webマーケティングに力を入れている企業は少なくないため、効果的に施策を実施するには、戦略立案が求められます。まずは目標を設定し、顧客のニーズや自社の強み、競合他社の分析などを行ったうえで、実施する施策を検討して行きましょう。
また、Webマーケティングでは施策実施後の改善が不可欠です。各施策でどのような成果が出ているかを検証しPDCAを回すことで、マーケティング活動のパフォーマンスを最大化できます。
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