BtoBにおけるコンテンツマーケティングの重要性|有効な施策や事例も解説

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水落 絵理香(みずおち えりか)
水落 絵理香(みずおち えりか)

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コンテンツマーケティングとは、コラムやホワイトペーパーなどのコンテンツを通じて潜在客や見込み客に有益な情報を提供し、良好な関係を構築するマーケティング手法のことです。

BtoBにおけるコンテンツマーケティングの重要性|有効な施策や事例も解説

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    コンテンツマーケティングは、BtoCで有効な施策と思われがちですが、購買プロセスが長期にわたり、見込み客との関係性が重要になってくるBtoBにおいても重要な役割を果たします。

    本記事では、BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの必要性や、潜在客・見込み客と長期的で良好な信頼関係を築くための9つの施策を解説します。BtoB企業の成功事例や成功のためのポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

    BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの必要性

    BtoB企業がコンテンツマーケティングを必要とする主な理由は、次の通りです。

    • 購入までのリードタイムが長い
    • 単価が高いことが多い
    • 意思決定者が複数で複雑
    • BtoCよりも顧客数が少ない

    BtoBはBtoCに比べて購入までの検討期間が長く、購買プロセスも複雑になる傾向があります。商品やサービスの単価も高額になることが多いため、情報収集から比較検討のフェーズで潜在客や見込み客との接点を作りだし、信頼関係を築くことが重要です。

    コンテンツマーケティングを通じて潜在客・見込み客に役立つ情報を届けることで信頼関係が構築され、自社の商品やサービスを選んでもらいやすくなります。自社の強みや専門知識を情報として発信することで、見込み客の疑問や不安の解消にもつながるでしょう。

    BtoCに比べて顧客数が少ないBtoBにおいて、リードナーチャリングのフェーズで見込み客と信頼関係を築くことは重要な意味を持ちます。
     

    BtoB企業に有効なコンテンツマーケティング施策

    ここでは、BtoB企業におすすめのコンテンツマーケティング施策を紹介します。それぞれの特徴を確認し、自社の商品やサービス、目的に適した施策を選択してください。
     

    1. コンテンツSEO

    コンテンツSEOは、潜在客や見込み客にとって有益な情報を自社サイトやオウンドメディアなどの媒体で記事として発信し、Google などの検索エンジンからの流入を目指す施策です。コンテンツSEOは、SEO(検索エンジン最適化)の施策の一種で、SEOに対する知識が求められます

    コンテンツSEOにおいて大切なことは、自社の潜在客や見込み客のニーズを知り、そのニーズに応えられるようなコンテンツを提供することです。

    SEOについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

     

    2. ホワイトペーパー

    ホワイトペーパーとは、見込み客に向けて提供する資料のことです。自社サイトにダウンロード可能なホワイトペーパーを設置することで、リードの創出や検討プロセスの推進につながります

    ホワイトぺーパーのダウンロード時に、会社名やメールアドレスといった情報を入力してもらうことで、自社に興味を持っている企業の情報を取得する仕組みです。

    ホワイトペーパーの施策で重要なことは、見込み客にとって役立つ情報を提供するとともに、見込み客が抱える課題を自社の製品やサービスがどのように解決できるのか紹介することです。手法やノウハウを提供することで、検討プロセスを促進する効果が期待できます。
     

    3. メールマガジン

    メールマガジンはメールを配信する施策で、既にメールリストにある見込み客との関係性構築に役立ちます

    どのようなコンテンツに興味関心があるのかを知り、見込み客に寄り添った情報を配信することで、企業の信頼性やブランド力を高める効果があります。

    マーケティングオートメーション(MA)ツールやメール配信ツールの登場で、見込み客の動向が開封率やリンクのクリック率といった形で把握できるようになりました。このようなツールを活用することで、ニーズに合わせたコンテンツの改善が可能です。

     

    4. セミナー・ウェビナー

    セミナーやウェビナーを開催する大きなメリットは、質疑応答やアンケートなどを活用して参加者と密なコミュニケーションがとれる点です。

    ウェビナーはオンラインで開催するため参加者を集めやすく、録画機能を活用することで、当日参加できなかった人に対しても情報を提供できます

    セミナーやウェビナーの内容を、そのままコンテンツとして二次活用する方法もおすすめです。

     

    5. 動画コンテンツ

    YouTubeなどの動画配信プラットフォームが普及したことにより、動画コンテンツは近年急速に注目を集めています。

    実際に、2023年のBtoBコンテンツマーケティングインサイト調査(英語)では、調査に参加した75%の企業が動画コンテンツをマーケティングに活用したと答えています。

    動画コンテンツはテレビCMと比較して低コストでスタートでき、検索ワードなどからターゲットへ適切な情報を届けやすいのが大きなメリットです。

     

    6. 音声コンテンツ

    ポッドキャストなどの音声コンテンツも、BtoBにおすすめのコンテンツの一種です。

    音声コンテンツは、BtoB企業で人気のあるコンテンツマーケティングのTOP10や、結果が出たBtoBコンテンツマーケティングのTOP10にもランクインしているという調査結果(英語)があります。今後、注目していきたい施策の一つといえるでしょう。
     

    7. プレスリリース

    プレスリリースは、企業や団体が主にマスメディアに向けて新たな情報を公式に発信するための手段です。

    新聞などのマスメディアに取り上げてもらえる可能性があり、記事化されると自社の商品やブランドを認知していない潜在層にも情報が届きます。広告費がかからないのもプレスリリースのメリットです。

    ただし、競争が激しいため、プレスリリースを行ったからといって記事化されるとは限りません。プレスリリースを掲載してもらえる有料のWebサイトも存在するため、費用対効果を検証しながら活用しましょう。

     

    8. ソーシャルメディア運用

    ソーシャルメディアは、コンテンツが拡散されやすく、認知拡大や見込み客との関係構築フェーズで特に効果を発揮しやすい施策です。

    また、コメントやDMで気軽に相互コミュニケーションがとれるため、気軽な問い合わせや検討フェーズでの不安や疑問に応えるための手段としても活用しやすいでしょう。ブログでのコンテンツ配信とあわせて活用すると、より効果的です。
     

    9. マス媒体広告

    テレビやラジオ、新聞や雑誌といったマス媒体に有料広告を出稿すると、高い認知拡大効果が期待できます。

    Webと比較して圧倒的にリーチ数が多くなりますが、マス広告は大衆に向けてアピールするための媒体です。特定のビジネス層をターゲットにしているBtoBには向いていないこともあるので注意しましょう。
     

    BtoB企業におけるコンテンツマーケティングの成功事例7選

    ここからは、BtoB企業で実際にコンテンツマーケティングに成功した7つの事例を紹介します。どのように成功へとつなげたのかを見ていきましょう。
     

    ウェビナー導入で見込み客との接点が大幅に増加【株式会社アールアンドエーシー】

    株式会社アールアンドエーシー

    出典:R&AC

    債務管理・入金消込に特化したシステムを提供する株式会社アール・アンド・エー・シー(R&AC)では、対面セミナーと展示会が営業活動の中心でした。

    案内できる企業が東京近郊に絞られていたこともあり、見込み客に向けた月1回の対面セミナーでは、毎回1?2社ほどしか案内ができない状況だったといいます。

    対面セミナーからウェビナーに変更したところ、月に2回へと開催数を増やすことができ、案内企業数も月に30~40社へと大幅に増加しました。ウェビナーの導入により、開催コストの削減にもつながっています。

    参考:株式会社アール・アンド・エー・シー様 | コクリポ
     

    オウンドメディアの長期運営とリライトでセッション数10倍【SATORI株式会社】

    SATORI株式会社

    出典:マーケティングブログ - マーケティングオートメーションツール SATORI

    国産MAツールを提供しているSATORI株式会社では、「SATORIマーケティングブログ」を6年以上運営しています。

    運営を過去に一度ストップしたことにより、自然流入が大幅に減ってしまいましたが、再度オウンドメディアの強化を行いました。現在では、新規記事とともに古い記事のリライトも行い、セッション数が10倍になった記事もあります

    記事をまとめてダウンロード資料にする、メルマガとして配信するなど、コンテンツの二次利用も行っています。

    参考:リライトでセッション数10倍も! BtoB企業がオウンドメディアを長期運用する価値と継続するコツとは? | ミエルカ導入事例
     

    製品をPRしないメディア戦略で企業認知拡大【サイボウズ株式会社】

    サイボウズ株式会社

    出典:サイボウズ式

    チームワークを支援するグループウェアを開発、販売しているサイボーグ株式会社では、「サイボウズ式」を運営しています。

    このメディアは、読者と企業の関係性を構築するために作られたもので、直接的な商品・サービスのプロモーションやCV導線はありません

    自社が伝えたい内容ではなく、読者が読みたいと思う内容を配信することで読者からの信頼を得ることに成功し、サイボウズの認知拡大に寄与しています。

    参考:【前編】サイボウズ式に学ぶ、「製品のPRにはつなげない」オウンドメディア運営術 | SELECK [セレック]
     

    メルマガでデジタルマーケティングを強化【株式会社ビッグビート】

    株式会社ビッグビート

    出典:ニシタイ 西葛西駅前タイムズ

    BtoB企業のマーケティングコミュニケーション支援を行う株式会社ビッグビートでは、「ニシタイ西葛西駅前タイムズ」を運用しています。

    より積極的に見込み客へアプローチするためにデジタルマーケティングを強化する必要性を感じ、MAツールを活用してセグメントごとに最適化したメルマガを配信することになったといいます。

    その結果、メルマガ経由でのイベントサイト訪問数だけでなく、オウンドメディア経由でのイベントサイトへの訪問数も増加しました

    参考:セグメントごとにメール内容を最適化した結果、 メルマガ経由でのサイト訪問件数が 1.5倍以上増加! - マーケティングオートメーションツール SATORI
     

    オウンドメディアだけで月に100件のリード創出【 株式会社LIG】

    株式会社LIG

    出典:LIGブログ

    企業のDX支援を幅広く行っている株式会社LIGでは、2007年から「LIGブログ」を運営しています。

    主にシステム開発やWebサイト制作、メディア運営やデザインに関するさまざまな情報を発信しており、現在ではオウンドメディアだけで月に100件のリード創出につなげています。

    2023年時点で公開本数は8000本超となり、人気記事のまとめをFacebookやX(旧Twitter)、メールマガジンで配信しています。

    参考:コンテンツマーケティングの成功事例13選!成功の理由も分析 | 株式会社LIG
     

    コンテンツ制作の社内協力体制を整えて生産性UPへ【株式会社カオナビ】

    株式会社カオナビ

    出典:カオナビ人事用語集

    タレントマネジメントシステムを提供している株式会社カオナビは、「カオナビ人事用語集」を運営し、月間200万PVを達成しています。

    このメディア運営のポイントは、「2年ほどで成果に寄与する長期施策」という理解を社内で得たことです。さらに、メディア運営で得た知識や情報をレポートにして全社員に共有することで、運営の成果を伝える取り組みも行いました。

    コンテンツ制作においては、徹底した分業体制にすることで生産性を高めています。

    参考:リード獲得コストは半減・受注額は3倍!月間200万PVまで成長したBtoBオウンドメディアの3つの戦略とは? | ミエルカ導入事例
     

    顧客に有益な情報提供を徹底し、SEO成果向上とブランディングに貢献【HubSpot】

    HubSpot

    出典:HubSpot日本語公式ブログ

    当社HubSpotは、「インバウンド」の思想に沿って「HubSpot日本公式ブログ」を運営しており、無料資料ダウンロードや無料機能への登録など、見込み客との接点構築を推進しています。

    私たちが提唱する「インバウンド」とは、ユーザーにとって価値あるコンテンツや体験を提供することで、ユーザーを惹きつけ、良好な関係構築を目指す考え方です。

    ユーザーニーズを軸にしたブログ記事制作とあわせて、無料の資料提供にも積極的に取り組んでおり、2023年時点で200以上の資料を提供しています。

     

    BtoB企業で効果的にコンテンツマーケティングを行うポイント

    ここでは、BtoB企業がコンテンツマーケティングを行ううえで意識したいポイントを5つ紹介します。
     

    ターゲットの明確化

    コンテンツマーケティングを行う際には、まずターゲットユーザーを明確化し、どのような課題を抱えているのかを把握することが大切です。

    BtoBビジネスの場合には意思決定者が別にいる場合が多いため、ターゲットユーザーの他に検討プロセスに関わる決裁者のペルソナも作成しておくと良いでしょう。

    カスタマージャーニーとペルソナについては次の記事で詳しく解説しています。

    それぞれのペルソナと、カスタマージャーニーを作成しておくと、ユーザーのニーズに合ったコンテンツ制作に役立ちます。
     

    ユーザーニーズを汲んだコンテンツ制作を意識する

    コンテンツ制作では、HubSpotやサイボウズの事例にあるように、ユーザー起点でコンテンツを制作することが大切です。

    ユーザーが抱える課題に応えられているか、ユーザーにとってわかりやすい文章・内容になっているかどうかを考えてコンテンツ制作を行いましょう

    チームや社内メンバーにコンテンツを見てもらうと、客観的な視点で確認できます。コンテンツマーケティングで成果を上げている他社のコンテンツをチェックすることも大切です。
     

    長期的施策と理解しておく

    「カオナビ」の事例にもあるように、コンテンツマーケティングは中長期的に成果が出てきます。そのため、社内で共通認識を持ち、じっくりと施策に取り組むことが重要です。

    有料広告のような短期施策と比較して、成果が出るまでに時間がかかるため、途中で制作をストップしてしまうケースもあります。そうなると、徐々に積み上げてきた自然流入も停滞するでしょう。

    コンテンツマーケティングで大切なのは、ユーザーにとって有益な情報を発信し続けて良好な関係性を構築していくことです。PDCAを回しながら改善をしていく中長期的な施策だと理解しておきましょう。
     

    事業の目的に沿ったKPIの設定

    長期的な運用を行うためには、KPIの設定がポイントとなります。

    事業の目的は何か、コンテンツマーケティングにおいて何を達成したいのかを明確にし、その目標に沿ってKPIを設定しましょう

    例えば、問い合わせ数増加を目標とするのであれば、セッション数やエンゲージメント率がKPIとなります。その他にも、認知拡大であれば新規訪問者数、動画コンテンツなどを配信している場合には、視聴時間や視聴完了率など、さまざまなKPIがあります。

    KPIやKGIについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

     

    制作体制を構築する

    コンテンツ制作を継続していくためには、制作体制を整えることが大切です。例えば、配信予定を2か月先まで決めておき、配信コンテンツのアイデアを貯めておくなどの取り組みを行うことで、ネタ切れを防止できます。

    また、制作の期日をスケジューリングすることも重要です。可視化されたスケジュールをメンバーに共有し、進捗や対応の遅れなどを随時チェックできるようにしておきましょう
     

    BtoBコンテンツマーケティングで顧客との良好な関係性を構築しよう

    コンテンツマーケティングは、潜在客や見込み客との接点を生み出すだけでなく、信頼関係の構築にも役立ち、長期的に良好な関係を築くことにもつながります。

    その際に重要となるのが、自社が発信したいことではなく、相手が知りたいことをコンテンツとして発信することです。自社のターゲットを明確にしたうえでニーズを正しく把握し、信頼関係の構築につながるようなコンテンツの制作を目指しましょう。

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